大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHP 2nd G】第160回 角満&ぎずも、2008年を振り返る(その2)

 というわけで、角満&ぎずも対談の第2話です。1話目を読まれてない方は、まずはそちらからどうぞ! 今回もめっちゃ長いので、前フリなしでいきます!

●いろんな場所の、狩猟風景

ぎずも 8月は”大塚角満の全国出張狩猟ツアー”ですね!
角満 これは、なんでやろうと思ったんだっけ?
ぎずも もともと大塚さんが「地方にどんな狩猟風景が広がっているのか、見てみたいなぁ」って話していたじゃないですか? で、『ニャンと!』イベントの企画が動き出したとき、「でも地方にいる人は来れないよね」って話になって、「だったら、まえから大塚さんが言ってた狩猟ツアーに行きましょうよ!」ってなったんですよ。
角満 ああ、そうだそうだ。えのっちが「いまなら”発売記念”ってことにかこつけて行けるんちゃいますか?」って言ってね(笑)。
ぎずも 実現してよかったですよね(にっこり)。
角満 いろんな個性的なハンターに出会えたねー。
ぎずも いつもここに行き着いちゃうんですけど、「『モンハン』ってすげえなあ」って思っちゃいましたよね。
角満 当たり前なんだけど、本当に千差万別の狩猟風景が広がっていたよね。
ぎずも 頭では、北は北海道から南は沖縄まで、そこらじゅうにハンターがいるってのはわかっていますけど、でも実際にその場に行って触れ合えたことは大きいですよ。本当に皆さん、『モンハン』が大好きだったし。
角満 すごく実感できたことがあるんだよ。狩猟ツアーでいろんな人と出会って、さらに全国各地から激励のはがきをたくさんもらうじゃん? そういうのに目を通していると、本当に俺って、200数十万人いる『モンハン』ファンのひとりにすぎないんだなって。ハンターたちがふつうに体験していることを、俺はちょっと背が高い人間なので、代表してみんなが見えるところに貼り付けているんだよね。
ぎずも うんうん♪ 読者の皆さんから与えられる影響って、計り知れないものがありますね。でも狩猟ツアーを『サヨナラ!』に盛り込むとき、すっごくボリュームがあるのでどうしよう……って何度も練って、文字を小さくして1ヵ所にまとめたじゃないですか? それでもやっぱり分量が多いので読み飛ばされちゃうかな……? って心配していたんですけど、読者人気、高いんですよね! うれしくもあり、驚きでもあり(笑)。
角満 そうなんだよねー。『モンハン』のプレイ日記ではない、ふつうの旅エッセイみたいなものだから心配していたんだよな(苦笑)。でも俺は、椎名誠さんの旅エッセイに憧れてモノ書きになりたいって思った人間だから、こういうの書けてうれしかった。
ぎずも はい♪
角満 本当に何気ない、「長崎は●●で××な土地……」みたいな説明文を書いているときがすっごく楽しくて。読者から見たらふつうの紹介部分なんで何のこともないんだけど、書いている俺は、すごく楽しかったね。

●4冊目を作ろう!

ぎずも 夏はそういう感じで過ぎていって、秋になるともう、『サヨナラ! 逆鱗日和』ですね。
角満 『サヨナラ!』は最初、「いつ出そうか?」というもっとも大事な部分から目をそらしていたんだよね……(苦笑)。秋は東京ゲームショウあるしさ。
ぎずも そうでしたね(苦笑)。
角満 単行本を作るにしても、「まだ1冊にまとめるほどのコンテンツはないんじゃない?」とか言ってたし。
ぎずも そうそう。でも蓋を開けてみたら、多すぎてビックリ! でしたね(笑)。
角満 うん(苦笑)。すげえ見込み違い。そんな感じだったから、スタートのドタバタは『ニャンと!』のときよりヒドかったよねえ。
ぎずも 『ニャンと!』のときはひとつひとつを確実にこなしていった感じだったんですけど、『サヨナラ!』のときは一瞬で「わーっ!」って過ぎ去っちゃった感じ……。もっと早く動けよ! って言われたらそれまでなんですけどね。
角満 最後まで着いて回った問題もあったしね。”武神闘宴”をどうすんだ、とかね(苦笑)。
ぎずも そう……。「クリアーできてないのに載せるわけにはいかないですよね」って話して……。……うん、武神がいちばんキツい問題でしたね。
角満 よくクリアーできたよな……。
ぎずも はい……。
角満 なんか、すべてが同時進行だった気がする。校正を見たと思ったら書き下ろしの原稿を書いて、間髪入れずに武神に挑戦して……って。
ぎずも 『ニャンと!』と比べてイレギュラーなものが多かったわけじゃないんですけどね。『ニャンと!』はインタビューとかのほかにも、休日つぶして企画モノの取材や調べ物もしてましたし。でもなぜか、『サヨナラ!』のほうがたいへんだった(苦笑)。
角満 芸人対談のスケジュールもきびしかったよねぇ。最初の川島さん(麒麟)はよかったんだけど、井上さん(次長課長)と西田さん(笑い飯)は対談が同じ日で、しかも場所は東京と大阪(笑)。新宿で井上さんと対談したら速攻で電車に乗って東京駅に行き、すぐに乗れる新幹線のチケットを買って大阪に向かい、終って帰ってきたら間髪入れずに原稿書き……って感じだったから。しかも大阪に向かう新幹線の中で井上さん対談のテープ起こしをして、帰りの新幹線の中で西田さん対談のテープ起こしをしていたんだよな(苦笑)。そうしないと、間に合わなかったんだよねぇ……。
ぎずも そうでしたね……。
角満 あと『サヨナラ!』でたいへんだったのは書籍のタイトルをどうするのか? ってことと、どのコラムを削るのか、ってこと。
ぎずも 削るものは、けっきょく武神の結果次第でしたしね……。武神についてのコラムが入るとなるとほかのを削らないといけないし、入らないってなったら盛り込むものを増やさないといけなかったし……。本当に、ギリギリで本になった、って感じですね。
角満 うんうん……。でもさ、俺とえのっちに「これを削ろう」ってターゲットにされながらも何とか生き残ったコラムが、読者投票ですごく票が集まってたりするじゃん?
ぎずも そうそう(笑)。残してよかったですよね♪

※読者投票リストを眺めながら、「これも削ろうとしたコラムだ!」、「これ、自信満々で残したのにあまり票が入ってないスね……」等々、ふたりで盛り上がる。

ぎずも いまのところ、”テオ物語”がぶっちぎりで1位ですね(笑)。
角満 ホントだ(笑)。あ、俺が非常に気に入ってる”上弦の月を見ながら”にあまり票が入ってない……。無念(苦笑)。
ぎずも これ、話し始めるとキリがないのでつぎつぎ!
角満 えーっと、つぎは東京ゲームショウのときのトークショーになるんじゃないの?
ぎずも あれはねぇ……。今年いちばんしんどかったのは、あの日ですよ……。
角満 だってえのっち、会場に来ないと思ったもん。
ぎずも 「このペースで仕事できてればいける!」と思ったつぎの瞬間に「ああ……やっぱり無理だ」って思ったりしてました。で、行けないなら行けないで大塚さんに申し伝えることがあるんじゃないかなって思ったりもして。もうそのくり返しで生きた心地がしませんでした。
角満 俺たちが会場に到着したのも、イベントが始まる5分まえとかだったもんな。みんな、俺たちを捜し回って、電話もかけまくってて。
ぎずも そうでしたねぇ……。
角満 でもさあ、そりゃキツいって。だって東京ゲームショウって、俺たちニュースチームの人間にとって、1年でいちばん忙しい日なんだもん。
ぎずも はい……。大塚さんもぜんぜん寝ないで会場に行って……。ウチがすごい日に設定してしまったために……。
角満 まあまあ(笑)。でもさ、ファミ通ブースに到着したらすげえ人だかりができててビックリしたんだよな(にっこり)。
ぎずも ビックリしましたねー! だって最初は、「あ、まだ前のイベントやってるんや」って思いましたもん。
角満 そしたら藤野(ふじのっち。週刊ファミ通副編集長)が俺を見つけて、「やっと主役が来ました!」とか叫んで。で、俺たちは「ええ!? この人たち、俺待ってるの!?」ってな(笑)。
ぎずも はい(笑)。衝撃でしたね。
角満 で、よく見ると人だかりの最前列に知った顔がズラーって並んでてね(笑)。
ぎずも そうそう! もうゲネポのMASAKIさんとか純君と佳苗ちゃんとかEffort Cristalのふたりとか。めっちゃうれしかったですよねー!
角満 うんうん。みんな、「わーっ!」って感じで手を振り回してた(にっこり)。あれを見てホッとしたんだよなあ。イベントも、俺と佐治君(佐治キクオ。ファミ通編集者。『逆鱗日和』関係のイベントでいつもMCを担当してくれる)のグダグダトークを、みんな笑いながら見てくれてね。たいへんだったけど、やってよかったよ。
ぎずも イベントが終ったあとに「大塚角満のギルカが欲しい人はステージの裏に!」って言ったら、大行列ができちゃってビックリしましたしね。
角満 うん……。まさかあんなすごいことになるとはね……。
ぎずも すごく手前味噌なこと言っていいですか?
角満 ん? どうぞ。
ぎずも 初代『逆鱗日和』や『もっと!』のときは”『モンハン』が好きだから『逆鱗日和』も読む”っていう人がほとんどだったと思うんです。でも、イベントをやって、大塚さんが表に出て行ったことで、「『逆鱗日和』が好きだから追いかける」、「大塚角満が好きだから追いかける」っていう人が増えてくれたんじゃないかなって。あっしはそのお手伝いができているんだな……って実感できたのが、ゲームショウのときのトークイベントだったんです。
角満 えのっちは”大塚角満”っていうキャラクターをプロデュースすることを全力でやってくれたんだよ。もちろん、単行本をディレクションする仕事がメインとしてありながら、ね。
ぎずも はい、そうですね。そういうつもりで始めたことじゃなかったんですけど、振り返ると、そうなってました(にっこり)。……キチンとできていればいいんですけど。
角満 俺がひとりで『逆鱗日和』を作っていたら、こういうことは絶対にしなかったからね(断言)。セルフプロデュースが恥ずかしいから(苦笑)。
ぎずも そうでしょうね(笑)。
角満 たいへんなことばっかりだけどね。『逆鱗日和』のイベントもトークショーも、アドパの企画も……。でも終ってみて「やらなきゃよかった!」って思うものはひとつもないよ。

●俺たちが、楽しいから

ぎずも 本を作るっていうのが核であって、さらに大塚角満っていうものをプロデュースしたり、イベントを立ち上げたり、あと『逆鱗日和』コミュニティーの管理みたいなこともやって、いまは『逆鱗日和』というものをひとつのプロジェクトとして見られるようになった気がします。
角満 視野がすごく広がったんだろうね。
ぎずも 『ニャンと!』が立ち上がったときとはぜんぜん違います。いまは「あれもできる」、「こういうのもできるのでは?」ってつねに考えてるし。なんだろう……いい意味で、『逆鱗日和』で遊ばせてもらっている感じです。
角満 じゃないと、おもしろいことできないからね。ホント、「この仕事、おもしろいなー」って思いながらやってくれている……と思いたい。
ぎずも なんですかその言いかた(苦笑)。思っていいですよ♪
角満 そか(笑)。でも今年1年で唯一、マイナスに働いたことがあるんだよ。
ぎずも え! なんですか……?
角満 仕事が楽しすぎて、終ったあとの喪失感が巨大でそのあと仕事にならなくなること(笑)。
ぎずも あー(笑)。スミマセン(苦笑)。
角満 ……しっかしやっぱり駆け足になるな、1年を振り返るのって。ていうか、酒飲みながらのほうがいいんじゃね?(笑)
ぎずも ホントっすね(笑)。
角満 あと、何があった?
ぎずも 読む人にとったら、裏話がたくさんあったほうがいいんじゃないですか?
角満 出してくれていいよ。
ぎずも なんやろう……。
角満 いろんなものを手作りしたよねぇ。
ぎずも そうですね。「あなた、職業なに!?」ってくらい(笑)。
角満 だってさあ!! 『サヨナラ!』のイベントのまえだったと思うんだけど、来場者に何かプレゼントしたいね、って話をしているときにえのっちが「大塚さん、革細工とかハンドボールのほかに何か特技ないんすか?」って(苦笑)。
ぎずも あはは! 言った言った(笑)。
角満 (こいつは俺をナニモノだと思ってんだ……?)って思ったね。
ぎずも すいません(笑)。いやね、あっしもつねづねおかしな話だよなぁ……とは思っているんですよ。(なんでこの人はモノ書きなのに絵を描いたりしてるんやろなあ)とか。
角満 おめえが描かせてるんだろが!!
ぎずも フシギな人ですね、大塚サン♪
角満 それなのに「もっとなんかないのん?」とか言うから、(お、俺って何もできない人間だったのかな……)って思ったりしたわい(苦笑)。
ぎずも あははは! でもなんでそういう流れになったのかな? ……ってまあ、『ニャンと!』のイベントのときに大塚さんが作った革細工をプレゼントする、ってやり始めたからですよね。
角満 そうそう! それからエスカレートしてきて、『サヨナラ!』イベントのまえには「大塚さんとカラオケに行ける権プレゼント、なんてどうすかね?」とか言ってたよなえのっち(苦笑)。
ぎずも 言った言った(笑)。だって、ほかに特技が思いつかないんだもん、大塚さんの
角満 あのな! これでもがんばったんだよ! でもいっしょにカラオケに行くわけにいかないべ?(苦笑)
ぎずも なんで大塚さん、こんなムチャクチャキャラになっちゃったんだろ(笑)
角満 最初のイベントのときにいろいろ案を出すなかで、「『逆鱗日和』に縁のものを提供しよう」みたいな話になったんだよな。それだったら革で何か作ろうか、特技がハンドボールだから買ってプレゼントしようか、とか言ってたら……。
ぎずも 何かが狂い始めたと(笑)。でもさあ、こういうヘンな手作り感みたいなの、『逆鱗日和』イベントの特色になりましたよね。お金がないから、っていうことより、ウチも大塚さんもお金で集めてきたものをあげる、ってことに抵抗があったじゃないですか? 絶対に縁のものにしたかったし。サイン入りハンドボールなんて、誰も欲しくないってのわかってましたし(苦笑)。単純に考えたら、ハンドボールを買うお金があったら市販のPSPポーチを買ってきてプレゼントしてもいいわけじゃないですか。でも、そういう物語のないものじゃなくて、「『逆鱗日和』のイベントだから」っていう物語性のあるものを差し上げたかったんですよね。そういうのが、大塚さんにもウチの中にもあったんですよ。
角満 『ニャンと!』のイベントが終ったあと、身内の大学生S君が、「ヒデ君がステージで何か言うたびに、来場者が”『ニャンと!』の欄外に書いてあった話だ!”みたいな感じで話しまくってたよ」って教えてくれたよ。
ぎずも あー、そうなんだー! それはうれしいですねー!
角満 ムチャやったけど、よかったよ。『サヨナラ!』イベントのときに来場者に配った缶バッジも、俺らふたりで作ったんだもんな。
ぎずも 『ニャンと!』のときの小冊子も、全部手作りですもんね。
角満 あれを手作りしようとするやつ、いないって(苦笑)。
ぎずも 全部自分たちでやりたかったんですよね、ウチら。
角満 そうなんだよな。俺らがいちばん楽しいから、やってるんだもんね(笑)。

●初代の匂い

ぎずも 書ける範囲で、ポシャっちゃった企画とかなかったでしたっけ?
角満 ポシャったってのじゃないけど、生みの苦しみだったのは『サヨナラ!』のタイトルでしょう。
ぎずも あー。そうですね。
角満 各方面から「どうですかねえ……」って言われて、浜村さん(週刊ファミ通主筆の浜村通信)にまでメールで相談して(苦笑)。
ぎずも でも、ウチと大塚さんのあいだでのコンセンサスは取れていたんですよね。「これで区切り」、「クライマックス」みたいなものをキーワードにしようっていう。もしくは『ニャンと!』のノリを引っ張るか、ってところで。
角満 で、けっきょくはいちばんシンプルな”サヨナラ!”ってのを選んだんだよね。ややこしいの、いろいろあったけど(笑)。”さよニャら!”とか。ホント、いまでも思い出すよ。『ニャンと!』を作ったときに林君(フランソワ林。週刊ファミ通副編集長)に「このタイトルは秀逸ですね! でも、つぎのタイトルを決めるときたいへんになりそう(笑)」って言われたことを。マジでそうなったなあって。
ぎずも ほかに、何か裏話ってありますかね。
角満 うーん。……なんだかんだ言って、好き放題やってきたからな、俺たち。
ぎずも ですね! ……ポシャってたらいちばん影響大きかったのは武神闘宴ですよやっぱり(苦笑)。もうホントに、「今日クリアーできなかったらボツにしよう!」って日の夜中にクリアーできたんですもんね♪
角満 要所要所で神様に守られている気がするね。たとえば、ウカムルバスについてのコラム。ブログでもいっさい書いてこなかったから、『サヨナラ!』の目玉のひとつとして書き下ろせたんだし。
ぎずも ぽん吉さんのマンガも載せられましたもんね♪ ずっと大塚さん、「マンガを描き下ろしてほしいな」って言ってたことが実現できて。
角満 だねー♪ ……でもさ、『ニャンと!』を作ったあとだと思うけど、えのっちが「やっぱり初代『逆鱗日和』の匂いが薄れてきてますね。仕方ないってわかっているんですけど、軌道修正できたらいいのに」って言ったじゃん? 俺もそれはわかっていたので、「じゃあ、ちょっとがんばってみようか」ってことになって、プレイ日記的なものを増やしたんだよな。あと、妄想モノとか。
ぎずも そうでしたね。もともと『ニャンと!』を作っているときに、ふたりで”最近のコラムの気になる点”っていうのを挙げていったんですよね。で、最終的に問題視したのが”お酒の話が多い”ことと”初代『逆鱗日和』の匂いが薄れている”こと。「初代『逆鱗日和』の読者からとくに人気の高かった妄想系の話とか単純なプレイ日記が少なくなってきているのが気になりますね」ってウチが言ったら、大塚さんが「んじゃ増やすわ」って言って書いてくれたのが、『サヨナラ!』の最初のほうに載ってる20話くらいなんですよね。
角満 そうそう。もしもこれがなくて、モンスターハンターや武神闘宴への挑戦記とインタビューだけで構成されていたとしたら、かなり後悔することになったろうね。
ぎずも そうですね。『サヨナラ!』はそういう意味で、バランスが取れてる1冊になったと思います。自画自賛ですけど(笑)。
角満 ふだんそんなことないんだけど、このへんの20話を書いたときって、すごく意識していたんだよね。初代『逆鱗日和』のころのことを。
ぎずも 読者人気抜群の”テオ物語”は?
角満 こいつはねえ……本気で心配だった!! まずドキドキしながらえのっちに見せて、そのあとカプコンさんにも見てもらってからアップしたんだよね。開発陣に怒られるんじゃないかと思ってヒヤヒヤしてた(苦笑)。
ぎずも ああ、そうでしたね(笑)。
角満 日の目を見てよかったです(笑)。
ぎずも あと、どんなことがありましたっけ?
角満 次長課長の井上さんを始めとする、いろんな人と仲良くなれたことが大きいね。
ぎずも あー、それは言える! 『モンハン』のまわりにいる人たちと仲良くなって、彼らを中心にいろいろなことを話したじゃないですか。
角満 話したねー。”妄想フェスタ”とか(笑) ※筆者注 ゲネポやエフォクリといったゲームアスリートとその周辺の人たちを登場人物として”未来のモンハンフェスタ”をドラマチックに妄想した。恋愛ドラマあり、サイボーグの登場もありと、本当に好き勝手に酒を飲みながらストーリーを作りました。紙にまとめてないので、俺と江野本の頭の中にしかないけど(笑)。
ぎずも あと、フェスタの上位チームを”コンビ”として分析する”コンビ論”とかね(笑)。
角満 酒飲みながら、こんな話ばっかりしてたんだよな、2008年って(笑)。彼らはどんだけ、俺たちの酒の肴になったんだっちゅー話でね(笑)。
ぎずも 魅力的な人たちに、たくさん会いましたね♪ もう、それに尽きる気がする。
角満 うん、ホントにそうだな(にっこり)。

●ひと狩りいこうぜ!!

角満 突っ走ったね、今年は本当に。
ぎずも はい! そうですね!
角満 疲れた?
ぎずも 疲れては……いないかな。ひたすら、楽しかった!
角満 今年1年をまとめちゃうと、「楽しかった〜!!」しかねえな(笑)。で、江野本ぎずもさんの、2009年の目標は?
ぎずも 書けないですけど、『逆鱗日和』の新しい展開として×××××とかやりたいですよね!
角満 やりたいね。
ぎずも やっぱり、もっと広げていきたい。『逆鱗日和』を。あと! 『3(トライ)』が発売されることを考えると、『逆鱗日和』も新しくなるぞ、ってことを見せたい! 『ニャンと!』も『サヨナラ!』も、そのときに持っているものをすべてぶつけて作りましたけど、『3(トライ)』のときはもっと余裕を持ってやりたいですね。……大塚さんは??
角満 俺は……とりあえず人々に忘れられないように、遠くない未来に本を1冊出したい。
ぎずも うんうん♪
角満 そんときゃまた、ディレクションとプロデュースをよろしくお願いします。
ぎずも はい、わかりました(笑)。
角満 止まらないで行けるといいなあ。まあでも、いちばん言いたいのは、『逆鱗日和』を支えてくれた読者の皆さんが喜んでくれるものを、2008年以上にたくさん提供したい、ってことだな!
ぎずも はい! そうですね! 2009年も全力でがんばりましょう!
角満 今年1年、本当にお世話になりました! 2009年もドタバタといろんなことをやらせていただこうと思っておりますので、よろしくお願いします!
ぎずも 最後は、あのセリフで!
角満 おう! ではごいっしょに!
角満ぎずも ひと狩りいこうぜ!!!

投稿者 大塚角満 : 20:21

【MHP 2nd G】第159回 角満&ぎずも、2008年を振り返る(その1)

 2008年も、残すところ数日。今年1年、読者の皆様には本当にお世話になりました。いまここでこうやって、毒にも薬にもならないコラムを書けるのも、ひとえに読者の方々のおかげです。感謝感謝で言葉もありません……。

 なので(?)本日から数回にわたって、大塚角満と『逆鱗日和』シリーズのプロデューサー兼ディレクターの江野本ぎずもと、対談形式で1年を振り返りたいと思います。超手前味噌な話題が多いですが、サラっと読み流していただければ。……って、読み流すにしては文章長すぎだけどな!!(笑) というわけで、第1回目の始まり始まり〜。ちなみに、対談の内容、いつもふたりが話している口調のまま、ほぼ全文掲載しますので(笑)。

●モンハンフェスタとアスリートたちとの出会い

角満 忙しい1年だったなぁ……。
ぎずも 立て続けでしたもんね、何もかもが。必ず何かが重なって重なって……って感じで。
角満 そんな中、今年の始まりはいつか? って考えるとやっぱり3月27日になる。『2nd G』の発売日。当たり前のことだけど、このソフトがなかったら何も始まらなかったんだから。この日は、ニュースチーム総出で行列取材に行ってたんだよな。
ぎずも はい。あっしも池袋に行ってました。久々に楽しい行列取材だったんだよなあ……。並んでいる人はみーんな、本当に『2nd G』の発売を待ちわびていた人ばかりで。並びながら『2nd』で遊んでいる人がすごく多かったし。
角満 『2nd』の大ヒットから、すごくスムーズに繋がってる感じだったよね。その行列で近くに並んだ見知らぬ人どうしが協力プレイをしていたりして。なんだかすごく純粋でステキな取材だったなあ。
ぎずも 大塚さんは、渋谷TSUTAYAのカウントダウンイベントに行っていたんですよね。
角満 そうそう。次長課長の井上聡さんとも久しぶりにそこで会って話をして。あと、藤岡要ディレクターともけっこう長いことそこで立ち話したんだよね。取材は、いっしょに現場に行った記者Tに任せて(笑)。
ぎずも どこかで書いてはりましたよね。「ここで藤岡さんと話したことは胸にしまわせてもらう」ってことを。
角満 うん。俺だけの特権ってことで(にっこり)。でも、『2nd G』が発売されたら、話は早くもモンハンフェスタ`08のことになるね。
ぎずも はい、そうなりますね。
角満 なんかもう、最近時間の感覚が著しく狂っててさ。ふと考えるとフェスタ`08の初っ端である福岡大会のことなんて、まるで昨日のことのように思えるんよ。
ぎずも ふーん。そうなんですか。
角満 ひとりで福岡に行って萩原さん(カプコンパブリシティーチームのボス。通称、ほろ酔いのハギー)たちと合流して、居酒屋の座敷の席で半分寝っ転がりながら酒飲んでいたんだよね。で、萩原さんとふたりで酔っ払って話すうちに、「タイムアタックで勝負だ!!」って話になって(笑)。すぐにえのっちにメールしてね(顛末は『ニャンと!』に詳しい)。そのへんの流れ、すごくよく覚えてる。
ぎずも (大塚を睨んで)はいはい……。そうでしたね。あっしもよく覚えてますよ……。
角満 東京大会の予選に、ふたりで出たんだよな。
ぎずも そうですね。……ふたりでタイムアタックの練習をできたのって、1日だけでしたけど。……ていうか、よくそんなんで出たよな、っちゅー話っすよ! でも、あのときってほかのチームがどれくらい練習して大会に臨んでいるのかってぜんぜんわかっていなかったし、しかも”巧さ”とか”早さ”ってのも頭になかったじゃないですか? なんていうの、「オチなければいい」とだけ思っていたというか(苦笑)。
角満 記事で書いているくせに”突き詰める”ってことがよくわかってなかったんだろうね。
ぎずも わかってなかった!!
角満 練習してるときもさ、いま思えばだけど、惰性だったじゃん。「あ、いまのちょっと早かった」、「いまのはダメだね」っていう結果だけで、どこがよくて早かったのか、どこが悪くて遅かったのか、ってことを突き詰めなかった。
ぎずも あからさまなミスさえしなければいい、って感覚でしたね。
角満 うんうん。でもこの東京大会から、怒涛のように動き始めるんだよな。そのあとの名古屋大会でEffort Cristalのシンクロプレイを見て、俺とえのっち、そしてその後の『逆鱗日和』の歯車が回り始める。
ぎずも そうですね(にっこり)。
角満 あれをナマで見たんだよ、俺。本当に、すごかった。
ぎずも あっしもその後、動画で何十回も観たし、DVDもさんざんチェックして、観るたびに「すげぇ!」って思いますよ。でも、大塚さんが名古屋から帰ってきて興奮しながら「えのっちすげえよ! シンクロプレイだよシンクロ!」とか騒いでいるのを聞いたときは「はぁ? 何言ってんの?」って感じだったんですけど、あとになって「あれをライブで観たら、そりゃあ凄まじいだろうなぁ……」って。今年いちばん後悔していることは、彼らがいちばん最初にシンクロプレイをした瞬間を、ナマで観られなかったことだもの。
角満 そして大阪大会。ここで俺はもうゲネポのプレイを見て、「ああ、このコたちが全国優勝するんだろうな」ってえのっちに言ったんだよね。
ぎずも そうですねー。ウチだけが知ってることですけど、記事では大阪大会で優勝した蒼き影のことばかり書いたくせに、口では「全国優勝はもうゲネポだと思う」って言ってましたもんね。
角満 うん。なんかピンと来たんだろうな。で、駆け足になっちゃうけどモンハンフェスタ`08全国決勝大会。このときのことも、すごく鮮明に覚えてる。なかでも印象深いのは、俺が「優勝する」と推してたもうゲネポと、えのっちが「いや、彼らっすよ」って大会まえに推したエフォクリが優勝決定戦で激突したことだよ。あんとき、ステージの目の前で俺ら奮えてたもんな。
ぎずも 奮えましたねー!! 「ホントにこの顔合わせになるとは!!」ってね。
角満 でもそのまえに、準決勝の大連続狩猟でエフォクリが謎の行動を取ったことが、我々のその後に多大な影響を及ぼすことになったんだよね。
ぎずも はい! ババコンガ亜種が待つ闘技場にGodさんがひとりだけさきに入って、Jackさんは時間差をつけてあとから入ったという。あまりにも不思議な行動だったので大塚さんがリポート記事にエフォクリへのメッセージを書いたんですよね。「エフォクリのおふたり、この記事を見たら連絡ください!」って。すっごく異例のことですけど。
角満 そうそう。
ぎずも でも、ウチがフェスタの会場に行ってもっとも勉強になったのは、『モンハン』っていうゲームがどれだけファンに愛されているのかを肌で知れたことと、「このゲームって、人のプレイを観てるだけで楽しいんだな」ってことを実感できたこと。そして、大塚さんのところにたくさんのファンがやってきてサインを求める姿を見て「すごいな」って思って。それがのちに、『ニャンと!』が発売されたときの発売記念イベントにつながったんです。
角満 うんうん……。
ぎずも 感覚的なことなのでうまく説明できないんですけどね。なんだろう。とにかく「いいな、この空間」って思ったんです。

●変わりゆく『逆鱗日和』

角満 もうそのあたりから、『ニャンと!』の作業が始まってるんだよね。
ぎずも そうそう。いろいろ企画を考え始めて。「旅行記みたいなものを入れよう」って話もありましたね。『モンハン』にまつわる旅をして、旅エッセイ風のものを大塚さんが書きたいって言って。で、大塚さんが藤岡さん、小嶋さんと6月に旅行に行くから、それを書き下ろしたら? ってふたりで話してて。けっきょくそれは、『サヨナラ! 逆鱗日和』の書き下ろしコラム”ウカムルバス”の中に盛り込まれたんですけど(笑)。
角満 いろいろな企画がポシャった中で、エフォクリだけはえのっちが執念でたどり着いたんだよね(笑)。俺がラスベガス出張で飛行機に乗る直前に、えのっちからメールが届いて。「エフォクリからメールが来た!」っていう内容の。途中で切れてる、中途半端なメールだったけど(笑)。
ぎずも だって、本当に興奮したんだもん。
角満 メール見て、会社の席でウルウルしてたんでしょ?
ぎずも メールを開いた瞬間、人目を憚らずに「うはあ!」ってなって、急いでケータイを取り出して大塚さんにメールを打ち始めたんです。そのときはまわりの目はまったく気にしていなかったんですけど、いま考えると相当アヤシイ行動をしていたと思います(苦笑)。
角満 俺ら的には、めっちゃデカいニュースだもんね(にっこり)。しっかしこの6月からのスケジュールって、メチャクチャだよな俺たち。
ぎずも 大塚さんはフェスタの取材を入れたら、5月からハチャメチャっすよ(苦笑)。
角満 えーっと……5月1週目の週末がモンハンフェスタ札幌大会、2週目が名古屋大会。全国決勝大会が終った2日後から1週間のラスベガス出張に行って、帰ってきてすぐの6月1週目の週末にエフォクリインタビュー。2週目は藤岡さん、小嶋さんとの旅行があり、帰ってきてすぐに大阪に飛んでモンハン4人衆と座談会。その2日後にカップルハンターインタビューで、翌週の週末は『ニャンと!』の校正。で、7月1週目にもうゲネポインタビューで大阪に行った、と……。
ぎずも うーん……。詰め込みすぎですね。スミマセン……。
角満 いやいや(笑)。めっちゃ楽しかったから。正直、もう1回くり返したいよ。……しかしこのあとすぐに、『ニャンと!』の発売日と発売記念サイン会&イベントもあるんだよねえ。
ぎずも そうですねえ……。
角満 このころって週末だけじゃなくて、毎日必ず何時間かは打ち合わせしてたよな。酒飲みながらとか。
ぎずも はい(笑)。でもこのころにエフォクリとかゲネポに会って、仲良くなるとともにいろいろなことを教わったんですよね。なんというか、ウチたちのスタンスに影響を及ぼされたというか。このころって、徹底的に協力プレイの人だったじゃないですか? ウチも大塚さんも。逆鱗日和ファミリーがメインで。でもアスリートたちと触れ合うことで、『モンハン』の新しい魅力に気づいたんですよね。
角満 ああ、そうだね。俺の書く文章というかテーマも、だんだん変わっていったし。
ぎずも でもそれって、自然な流れだと思うんです。『ニャンと!』を作っているときからすでに思っていたんですけど、やっぱり大塚さんでも、そうそう新しい感動だけで文章を書くには限界があるじゃないですか? となると、協力プレイのこととかがメインになると思うんです。初代『逆鱗日和』にたくさんある、モンスターをメインに据えた妄想コラムとか、やっぱり限りがあるし。……まあ”テオ物語”みたいなものも書いてくれましたけどね。……って、ウチは何が言いたいんですか??
角満 知るか(苦笑)
ぎずも 初代『逆鱗日和』とか『もっと!』のようなものを作るのは難しいから、その2冊にない何かをずっと模索していたんです。編集担当として。それが、逆鱗日和ファミリーのドタバタとかいろんな人へのインタビュー、”幻獣チーズを捜せ!”のような企画モノになるんですよね。そしてこの流れって『サヨナラ!』にも引き継がれるんですけど、今度は逆鱗日和ファミリーネタがなくなっちゃって(苦笑)。でもそのかわりに、クエスト”モンスターハンター”や”武神闘宴”に挑戦するっていう、新しい核ができたんだよなあ。そういう意味では、大塚さんがずっとプレイしてきた時代がうまい具合に切り取られていると思いますけど。
角満 なるほどなるほど。
ぎずも で、さっきの話に戻るんですけど、モンスターハンターや武神闘宴に挑戦するときに、エフォクリやゲネポに会ったことがいい影響を及ぼしてくれたんだなぁって思うんです。……って、言ってることわかりました?
角満 俺はわかる。読者がわかるかどうかは疑問だけど(苦笑)。でも改めて見ると、初代『逆鱗日和』と最新の『サヨナラ!』って、ぜんぜん違うよねえ。
ぎずも はい、まったく違います。でもそれが、『モンハン』っていうゲームの幅なんだろうなって思いますけど。
角満 うん。
ぎずも でも、大塚さんがタイムアタックを突き詰めたりとか、ガンランス以外の武器を使うことに対して、寂しく思っている人がいるのも事実ですよね?
角満 そりゃあいるさ。その気持ち、わかるもん。
ぎずも かつてはホントに知識がなかった大塚さんですけど、これだけやってればある程度は知識が身についちゃうし、腕も磨かれちゃう。やっぱり昔のままじゃいられないから。昔のままいてほしい、っていう気持ちもすごくわかるんですけど、やっぱり変えていかないと回を重ねられないんですよね。それは『逆鱗日和』も『モンハン』も同じなんだろうな、って思う。
角満 俺も、そういう昔からのファンがいてくれることは重々承知していて。じゃなきゃ、別の武器を使うことに対して、あんなに悩まないもん。いまだに何が正しいかよくわからないから、ハンマーを何回か使ったら、罪滅ぼしのようにガンランスを持ち出したりして(苦笑)。
ぎずも いっつもそうですもんね(笑)。
角満 いまを切り取りながら書いているものなので、「あ、いまはこんなふうに遊んでるんだ」って思いながら読んでください、って感じでしょうかね。
ぎずも そうですね♪ でもね、さっきも言ったとおり大塚さんのプレイもすごく成長しているんです。それでもなお、初代『逆鱗日和』にあるようなおもしろさのエッセンスを残していることに対して、単純に「すごいな」って思いますけどね、ウチは。
角満 珍しく、ホメてくれるじゃんか(笑)。でも、違う武器を使い始めたことによってすごく視界が開けて、「これだったら200回くらい余裕でいけるんじゃね?」って思い始めてるしね(にっこり)。
ぎずも うんうん!
角満 ガンランスはあまり使わないかもしれないけど、現在進行形の大塚角満の姿を、コラムを通じて知って笑ってもらえればいいかなって。……でも思うよ。ガンランスにこだわってプレイしてきたからこそ、いまの新しい楽しみがあるんだろうなって。こいつはガンランスからの、クリスマスプレゼントだな(笑)。

●『本日もニャンと! 逆鱗日和』

角満 つぎの我々の転機となるのは、7月24日の『ニャンと!』の発売日だね。江野本ぎずも初プロデュースの単行本。覚えてますか? 7月24日のこと。
ぎずも はい。『ハリー・ポッター』シリーズ最新巻の発売日ね。
角満 そうそう(苦笑)。ふたりとも仕事で超寝不足のまま新宿の紀伊国屋に行って本棚に並んでいるのを見て、帰りにフレッシュネスバーガー食ったんだよな。
ぎずも おお!! 食った食った! おいしかったですねぇ〜。
角満 でも当時、忙しすぎちゃって発売日の感動に浸る……って感じじゃなかったよね。
ぎずも そうですねぇ……。そういう余裕は、まったくなかったですね。
角満 で、『ニャンと!』の発売日の3日後に、サイン会とイベントをやったんだよな。あれもたいへんだったなぁ……。
ぎずも このイベントに関しては、カップルハンターの純君と佳苗ちゃん(『ニャンと!』に詳しい!)にすごく感謝してるんです。
角満 このあいだふたりに会ったときに、そんなこと話してたな、えのっち(苦笑)。
ぎずも はい(笑)。だってあのふたりがいなかったら、イベントは行われてなかったですもん! 大塚さんがさんざんイヤがって!
角満 ……。
ぎずも でもウチは、大塚さんがどんどんやる気になってくれたことがいちばんうれしかったですよ♪
角満 つーか、そんなにイヤがってたかなあ、俺……。
ぎずも イヤがってたというより、「ホントに大丈夫かな」、「人集まるのかな……」って心配してたんですよ。もちろん、それはあっしにもあったんですけど、フェスタでファンに囲まれてた大塚さんを見ていたので、「きっと平気!」って。……と言いつつ、やっぱり不安はあった(苦笑)。
角満 でもさあ、そりゃ不安になるって。こんなサイン会&イベントなんて、ウチの会社でやったことある人間、ひとりもいないんだから。
ぎずも ふつうのサラリーマンが、自分の会社でサイン会なんてね!(笑)
角満 おまえが企画したんだろが(苦笑)。でもけっこうまえから、このイベントについては話していたんだよね、ふたりで。
ぎずも はい。でも、なかなかいい顔してくれなくてね、大塚さん。
角満 純君と佳苗ちゃんが「そんなイベントあったら絶対行きます!」って言ってくれるまで、俺はずっと駄々をこねていたと?
ぎずも はい、そうですよ(きっぱり)。ていうか、先送りにしてたんですよ! なんかねえ、このまま判断を先送りにしておけば時間がなくなって「やっぱ時間なくて無理だねえ」ってなるのを狙っていたとしか思えない!!(笑)
角満 リングアウトを狙おうとしていたわけか、俺は(苦笑)。
ぎずも はい、わりとそういう感じでした(笑)。
角満 だって、不安だらけだったもん。そのくせ、「人が来すぎちゃったらどうしよう!!」とか余計な心配はしていたけどな(笑)。
ぎずも そうそうそう!!(笑)
角満 いろいろ作ったしなあ。
ぎずも そうですねえ……。でもあのとき、どういうふうにコンテンツを決めてどうやって人に割り振ったりしたのか、本当によく覚えていないんですよ。ふたりとも手探りもいいところで、検討するとかいう段階じゃなかったもん。何か考えたら関係ありそうな部署に言ってヒヤリングして、「なんかいけるかもって! 大塚さんどうしよう!」って感じ(苦笑)。
角満 門外漢もいいところだからな、俺たち……。
ぎずも まったくもって……。でもプロの人たちに相談するにしても、わからないところがわからないから、どっから相談していいか見当もつかなくて。だからけっきょく、全部自分らでやっちゃいましたもんね。作り物とか、ステージの台本とか。
角満 うん。なんもわからんから、とにかく作れるものを手作りでいいから作ろう! ってね。
ぎずも いま思うと、サイン会で展示したものも全部ウチらが前日に作って、展示もしたんですもんね。ああいうものが展示されるって知ってたの、ウチらふたりと、デザイナーの松岡さんだけだもん(笑)。いま考えると、超秘密主義(笑)。
角満 たいへんだったけど、おもしろかったよな。
ぎずも はい♪ ものすごく。
角満 サイン会会場でだけ読める書き下ろしコラムを大きなパネルにして展示したり、ぽん吉さんのイラスト原画をパネルにしたりする作業、すげえ楽しかったんよ。「来てくれた人がこれを見て喜んでくれればいいね」ってふたりで話しながらさー。
ぎずも はい、すごくよく覚えています。
角満 で、その作業を終えてから、イベントにゲストで呼んだもうゲネポのふたりと食事に行ったんだよね。
ぎずも はい♪ 楽しかったなー。でもこのイベント、考えてみたらウチたちの妄想から始まってるんですよね。
角満 ああ、そうだね(笑)。
ぎずも サイン会とオフ会をやるとしても、やっぱりステージイベントもないとダメですよね? って話し出して。大塚さんが「俺のトークはやだー」とか言ったり、逆鱗日和ファミリーのぐだぐだプレイを見せたい、って話したり。そしたら「エフォクリのシンクロプレイを見たくね?」って大塚さんが言うから、ウチは「だったらゲネポとの対決も見たい!」って言って(笑)。どんな機材を使ってやればいいのか、ってことすら知らないふたりなのに妄想だけはどんどん膨らんでいったんですよねー。よくできましたよマジで!!
角満 いろんな人に守られてるんだよな。たとえばさ、サイン会に来てくれた人、だいたい230人くらいだったけど、お土産に用意した手作り小冊子は250部しかなかったんだよね。すごくちょうどよかったというか……。
ぎずも いやぁ〜、あの日は奇跡に彩られていましたよ!
角満 抽選に応募して当選した人、ほぼ全員来てくれたのもうれしかったね。
ぎずも そうそう! ふつうこの手のイベントって、直前で来られなくなる人が多いって聞かされていたから心配だったんですよね。でもあとでカスタマーサポートの人から「異例の出席率ですね!」って驚かれたくらい、皆さん来てくれて。そして何より、すごく盛り上がったし! みんな笑顔でいてくれて、のちに自分のブログとかで「とってもおもしろかった!」ってたくさん書いてくれてましたし……。
角満 正直、ビックリしたんよ俺。ステージに上がって何かしゃべったりするたびに、みんな本気で笑ったり、拍手してくれたりして。それに乗せられてできたんだな、って。……まあ俺がまったく緊張していなかったこと自体が奇跡なんだが(笑)。すごく安心してステージにいられました。
ぎずも 本当に「幸せだなぁ……」って思った。
角満 俺はあれですっかり味をしめたよ、イベントに(笑)。

※続きは次回!

投稿者 大塚角満 : 21:15

【MHP 2nd G】第158回 寂しい夜に、このDVDを

 はぁ……(ため息)。もう最近、なんもやる気が起きんわ……。なんちゅうか、いろんなことをやり尽くしてしまった喪失感というか寂寥感というか、とにかく言い知れぬ孤独感に立ち向かいきれていないんです……。もうすぐお正月っていうワクワクしがちなこの時期にこんな暗い書き出しで申し訳ないのですが、だって寂しいんだもの……。

 じつは最近、俺のコラム、というか『逆鱗日和』シリーズに縁深い人を集めた忘年会を開いてね。なんと夜通し、17時間もぶっ続けで(笑)。俺と江野本ぎずもは「この忘年会を今年最後の作品にするぞ!」とめちゃくちゃ気合を入れて準備をしていて、それが終ってしまったいま、「もう俺にはなんも残ってない……」ってな感じですっかり老け込んでしまった次第です。

 そんなある日、江野本ぎずもが1冊のムックを手に持って俺の席にやってきた。彼女は大事そうに持っていたムックをスっと俺の眼前に指し出し、穏やかな口調でこう言ったのだ。

 「これでも観て、元気出したらどうですか?」

 江野本が持ってきたムック。それは今年の春に開催された『2nd G』の全国規模のイベント”モンスターハンターフェスタ`08”の全風景を納めたDVD付きムック『モンスターハンターフェスタ`08 メモリアルDVDブック』だった。そうだ……。観よう観ようと思っていたんだけど、忙しさを理由に本文部分を読んだだけで、肝心のDVDは観ていないんだった。でも、いまの俺の精神状態で楽しく、熱かったモンハンフェスタ`08の風景が詰まったDVDなんか観たらどうなってしまうのか……。躊躇する俺の心を読んだように、江野本はにっこりと笑ってこう続けた。

 「いろいろ思い出しちゃうと思いますけど、大塚さんは絶対に観なきゃダメです。そして観終わったときには、元気に復活していると思います。だから、観てください」

 俺は納得いかないながらも渋々と江野本からムックを受け取り、PCのディスクトレイにDVDを乗せた。そして、ちょっとドキドキしながら再生ボタンを押す。その瞬間から、俺は楽しくて仕方のなかった2008年春の世界にタイムスリップした。

 いまさらの説明になるが、このDVDにはモンハンフェスタ`08の地区大会(福岡、東京、札幌、大阪、名古屋)と全国決勝大会、そしてモンハン4人衆(辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、一瀬泰範ディレクター、小嶋慎太郎プランナー)による座談会の映像などが収められている。座談会の内容はこのムックを買った人へのボーナスなのであえて触れるのはよそう。ぜひぜひ、購入してからお楽しみくだされ。

 俺が注目して観たのはやはり、各地区予選でのドラマと、全国決勝大会における選び抜かれたゲームアスリートたちの躍動だ。すべての会場を取材した俺ですら見ることができなかったアスリートたちの”素”の姿が、このDVDの中に凝縮されている。プレイ中のナマの声や舞台裏の姿が映し出された映像群は、それはそれは尊いものだ。たとえば、名古屋大会で驚異のシンクロプレイを披露して一躍時の人となったEffort Cristalが、じつはガチガチに緊張して予選のババコンガ討伐に挑んだことはあまり知られていない。彼らの一糸乱れぬシンクロプレイのインパクトと抜群の記録だけ見てしまうと「じつはゲームサイボーグがプレイしているのでは?」なんて思ってしまうところであろう(思わないか)。でも、予選を突破して心の底から安堵している表情とステージ上でふたりが発する「ごめん!」、「よっしゃ!」なんて言葉を聞くと、彼らがこのレベルに到達するまでに積み上げてきた努力の大きさがダイレクトに伝わってきて思わず圧倒されてしまう。Effort Cristalはほんの一例にすぎないが、映像の随所にあるアスリートたちの素の表情から、彼らが背負っているものやバックボーンを垣間見ることができるので、いろいろな資料を紐解きながら観るとさらに楽しいDVDになること請け合いである。まあここで言う資料とは当然、『逆鱗日和』シリーズやファミ通.comに掲載されている俺が書いたフェスタリポートのことだけどね(笑)。

 またこのDVDに収められている映像は、『2nd G』におけるタイムアタックの歴史の縮図でもある。福岡大会から決勝大会までを通して観るとわかるが、大会が進むごとにプレイヤーたちの立ち回りが極まっていっている。これは単純に後半の大会に出たチームのほうがうまい、ということではなくて、地区大会序盤における選手の動きを動画で検証し、贅肉をそぎ落とすことで動きを”詰める”ことができたことによるものだ。そういう意味では、福岡大会、東京大会といった序盤の映像も非常に重要。立ち回りの判断材料が少ない中で奮闘したアスリートたちの動きが『2nd G』タイムアタックを突き詰めるための種蒔きのひとつだったことがよくわかると思う。

 こんな感じで、広い意味で”ゲームイベントの資料”としても目を見張るものがあるこのDVD。しかし前述したとおり堅い部分だけではなく、人間ドラマを観るという部分でもこのDVDに収められた映像は貴重だと思う。福岡大会で敗れ去り、悔し涙に暮れるディフェンディングチャンピオン・Jast25`sの小さな背中。自信満々で大阪大会を突破し、その後全国1位まで駆け上るもうゲネポ。名古屋大会で伝家の宝刀・シンクロプレイを初お披露目したときのEffort Cristalの表情。次長課長の井上さんをして「彼らは本当にすごい」と言わしめたタレメの立ち回りと素顔……。間違いなく全国のトップにいる彼らのスタンスや素の表情を観ることで、多くの『モンハン』フリークは「俺もがんばって立ち回りを極めるぞ!」と思うはずだ。まったくこんなレベルには及んでいないが、俺と江野本がそうであるように、ね。

 DVDを観終わって、俺はちょっとだけ元気を取り戻した。このDVDの中で躍動しているアスリートたちは仕事や学業に追われながらも、「つぎに大会があったら、俺たちこそが頂点に!」の気合のもと練習しているに違いない。寂しがってる場合じゃないな。俺も、大塚角満だからこそできることを、コツコツとやっていこう。見ると、江野本ぎずもはしてやったりの表情を浮かべて、「ね。観てよかったでしょ」と言って笑った。

※『モンスターハンターフェスタ`08 メモリアルDVDブック』はこちら

※お知らせ※
”『サヨナラ! 逆鱗日和』読書感想文コンクール”も絶賛大募集中です! すでに多くの方からご応募いただいているのですが、12月31日の締め切りまでまだ時間がありますので、「忘れてた!」という方もペンをとっていただければ。詳しくは、

※『サヨナラ! 逆鱗日和』読書感想文コンクール詳細

↑こちらでご確認くださいね。要綱にも書いてありますけど、最優秀賞の方のもとには大塚角満と江野本ぎずもが参上します! そしていっしょに協力プレイをして、その模様を当ブログや週刊ファミ通のほうで書かせていただきますよー。

 それと、これも読書感想文に通じる話なんですけど、個人のブログですごくたくさん、『逆鱗日和』シリーズに関する感想や意見を書いてくださっているのを見かけます。ものすごくありがたいことで、もうじゃんじゃん書いていただきたいのですが、ようやくエンターブレインのショッピングサイト”ebten(エビテン)”にてアフィリエイトサービスがスタートしました。ブログやホームページをお持ちの方、よろしかったらご利用くださいね。『逆鱗日和』特製のリンクバナーも近々用意しますので、完成したらそちらもどうぞご使用を!

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投稿者 大塚角満 : 17:16

【MHP 2nd G】第157回 続・蒼い尻尾の物語

 皆さんもよくやってしまうと思われる失敗談を書きます。

 ガンランス以外の武器を解禁したことにより、俺の前に一気に、だだっ広い『2nd G』の地平が拓けた。そりゃあもう、広大とか茫洋とか無辺際とか、そんな言葉では収まりきらないくらい広い広い世界が広がっておりました。

 そんな世界に飛び込んだ俺が真っ先にやり始めたことは”作るのを我慢していた武器を作る”こと。ガンランス縛りでやっていようが作りたいものがあったら作ってもいいわけだが、「作っちゃうと我慢できずに間違いなく使ってしまう!!」と、自分が堪え性のないオトナだということを誰よりもよく知っていたので、これまで頑なに「作らないっ!!」と宣言していたのだ。で、すぐさまいくつかの武器を大人買いのような状態で作ったわけです。その顛末は”ハンマー始めました。”というコラムに詳しいので、どうぞご一読を。

 で、つい先日のことだが、『モンスターハンターG』のころから大好きな火属性のランス”ブループロミネンス”を作ろうと思い立った。名前の響きが見事に俺の琴線に触れるので、『モンハン』シリーズのどの作品でも必ず作ってきた武器だ。俺のコラムには何度も何度も登場している武器なので、知っている人も多いでしょう。

 でもこのランス、相変わらず作るためのハードルが高い。昔からそうなのだが、作るためにとにかく、めったやたらと蒼火竜の尻尾を要求するのである。武器屋の親父に向かって「あのぉ〜……。ブループ……」とちょっとでもブループロミネンスを匂わすことを言おうものなら、親父はとたんに血相を変えて「リオレウス亜種の尻尾だ尻尾!!! 持って来い持って来い!! いくらあっても足らねえ足らねえ!!」と血管をブチ切りながらわめきまくるに違いない。まあ親父がわめくのも当然で、ブループロミネンスの前段階である”ブルーテイル”を作るために3本の蒼火竜の尻尾が必要。そしてここから、問題のブループロミネンスに育てるためには、じつに10本もの蒼火竜の尻尾を調達しなければならないのだ。もう、書いているだけで鳥肌が立ってきたわ。尻尾を13本だよ13本!! いい機会だから皆さん、現時点で火竜の尻尾や蒼火竜の尻尾をどれくらい持っているか、アイテムボックスを漁ってみてごらんよ。きっと「どひゃー!!! これっきゃ持ってないのか俺!!」とビックリするから。尻尾は、鱗とか甲殻のようにジャンジャンバリバリと出る素材じゃないし、ランスやガンランスを作るときくらいしか必要としないので(たぶん)、ランサー以外は基本、見向きもしないであろう。これにより狙って集めることも少なくなるので結果、いざ必要になったときにアイテムボックスを開けても1個か2個の尻尾が所在なさげにコロコロと転がってるだけ……ということになるのである。

 今回の俺が、まさにそうだった。「サアサア! ブループロミネンス作るぞ作るぞ!!」と思い立ったのはいいもののアイテムボックスには蒼火竜の尻尾が3個しかなく、製作作業はあっと言う間に、ブルーテイルで止まってしまった。でもこんなことは、ブループロミネンスのベテラン(?)たる俺にしたら想定内もいいところの現象である。俺は家の居間で、その日2本目となる白ワインをパカパカとあおりながらリオレウス亜種の尻尾を斬り続けた。酒の酔いがいい感じで、俺の脳ミソを包み込んでいる。あー……いい気分だ。蒼火竜の尻尾、相変わらずまったく出ないけど、たまにはこんなのんびりした作業もいいだろう。ときおり、身内ハンターたちに手伝ってもらいながら、俺は十数頭のリオレウス亜種から尻尾をちょん斬った。いつしか2本目のワインを飲み干し、「もう今日は飲むのやめよ……」と思ったころ、俺の記憶はプツリと途切れる。どうやら暖房の効いた部屋と心地いいワインの酔い、そしてくり返し尻尾を斬り続けるという単調な作業が夢魔を呼び寄せ、俺を夢の世界の住人にしてしまったようだ。そのまま尻尾の旅人は朝まで、昏々とコタツの中で眠り続けた。

 そして翌日、同じように蒼火竜の尻尾を求めてリオレウス亜種の討伐作戦を開始した。身内の大学生、S君の助言もあり、俺の分身は”剥ぎ取り名人”(剥ぎ取り回数が1回プラスされる)のスキルが発動した防具を身につけている。その効果のほどは絶大で、俺はほどなく、ブループロミネンスを作るために必要な蒼火竜の尻尾を10個集めることに成功した。俺は躍り上がって叫んだ。

 「やったやった! 蒼火竜の尻尾が揃ったぞ!!」

 これを聞いたS君、心から不思議そうな顔をしてこんなことを言った。

 「あれ? まだ蒼火竜の尻尾が必要だったんだ。もう昨日ので間に合ったのかと思ってた」

 ……え? 何のこと? 俺はこの間ずっと、ブループロミネンスを作るために蒼火竜の尻尾を集めていたんだよ? それ、S君も知ってるよねえ? 俺は言った。

 「昨日の……って何のこと? 俺が作ろうと思っているのは、ブループロミネンスだよ。昨日も今日もね」

 S君、さっきまでの不思議そうな顔に哀れみのテクスチャーを貼り付けながら、申し訳なさそうにそっと告げる。

 「あ、そうなんだ……。……えっとヒデ君昨日、「ブループロミネンスができたできた!!」って喜びまくってから寝てたけど……」

 え。そんなバカな。

 あんなに欲しかった武器を作ったことを忘れるなんてことがあるのか……? 俺はS君の言ったことが信じられず、恐る恐る武器庫の扉を開けた。するとそこには……! 俺は深夜の住宅街で近所迷惑も顧みず、悲鳴と泣き声の混ざった情けない叫び声をあげた。

 「……!!!! ブループロミネンスどころか、その先の”プロミネンスソウル”まで作ってあるーーーーーっ!!!! いま懸命に集めた蒼火竜の尻尾はなんだったんだあああ!!!!」

 そんな俺は明日、人間ドックに入ります。そこで入念に、頭の構造を調べてもらおうと思います……。

投稿者 大塚角満 : 15:01

【MHP 2nd G】第156回 『サヨナラ! 逆鱗日和』に寄せられた読者ハガキを紹介します!

 拙著『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売から3週間とちょっとが経過した。ちょうど区切りもいいことだし(どこがだ)、読者の方々からたくさんハガキをいただいたので(マジで! ビックリするくらい!)、その中からいくつかピックアップして紹介しちゃおうかなぁ〜と思い立った。さっそく、ご紹介させていただきます!

●もうサイッコーの本です!! これを見ると『モンハン』が大好きになります。じつはいち時期、『モンハン』に飽きたときがあったんですけど、『サヨナラ!』を読んだら『2nd G』がすごく楽しくなって。さすが"世界一のガンランサー(笑)"ですね! サヨナラなんて言わず、江野本さんと協力して続編を作ってくださいね!(12歳 男性)

角満 『逆鱗日和』シリーズを読むと『モンスターハンター』を遊びたくなる……という意見、すごくたくさんいただきます。「そういう文章を書けたらいいな……」とずっと思いながら書いているので、とてもうれしいです。ありがとうございます!

●はっきり言って、全エピソードがおもしろかったです! じつは最近、狩り熱がやや冷めかけていた(上位のガノトトスやモノブロスにやられたくらいでめげてたの……)のですが、狩り熱再燃です! ありがとう、角満さん♪ あと、江野本ぎずもちゃんもステキ!!(35歳 女性)

角満 こちらこそ、ありがとうございます。そう言えば僕も、初代『モンハン』のころにガノトトスの尋常じゃない攻撃力やモノブロスの存在感を前に「もうダメかも……」と思ったことがあったっけ……。あきらめないで、がんばってくださいね!!

●大塚角満さんのノリが大好き!! よくこんなこと思いつくな〜と思いながら読んでいて、いつも笑っています! これからもがんばってください!(10歳 男性)

角満 妄想キングなのでね、オイラ(笑)。でもそれも、『モンスターハンター』っていう圧倒的な世界観があるから許されることなんですよね。大塚角満の湧き出る妄想すら許容できる世界観って、はっきり言って、スゴイっす(笑)。

●本当に角満さんの『モンハン』コラムが大好きです! 『逆鱗日和』を読んでたら『モンハン』がやりたくなり、PSPも持っていなかったので思い切ってソフトといっしょに買っちゃいました! ヒマなときには必ず、『2nd G』を遊んでいます。このゲームの楽しさを知ることができたのは、角満さんのおかげです。本当に本当にありがとうございます! 『逆鱗日和』の続編、楽しみにしてますね!(19歳 女性)

角満 PSPごと買ってくれたんスか!! きっと、ソニー・コンピュータエンタテインメント内にたくさん潜んでいるハンターさんたちが、とても喜んでいると思います(ニヤリ)。『逆鱗日和』の続編、早く出したいですね。僕も心から、そう思っていますよー。


●サイコー! おもしろすぎる! どれだけ高くても『逆鱗日和』は買いたい! そして、大塚角満さんと生きているあいだに一度でいいから遊んでみたい! 僕はパソコンでブログを読めないから、単行本を出すのをやめないでくださいね。(12歳 男性)

角満 うひゃー、すごい気合! 生きているあいだに一度でも、か……。これからもイベントをやりたいと強く思っているので、会える機会があるといいねー!

●私の仕事が休みの日に新刊の発売日を合わせてくれてありがとうございます。書店の開店時間を待っていそいそと買いに行って参りました。そうしたら……1軒目にはないじゃないですか!! あら? また間違えたかしら。というのも、ふだんから待てない性分で『ニャンと!』のときはウキウキしながら、発売の1週間まえに本屋に行ってしまったのです……。でも、2軒目の本屋にはしっかり積んでありましたよ! 小学生の息子に"オトモ以下"の称号をつけられた私は、ジャンルとしては『モンハン』は激しく苦手なはずなのですが、恐ろしいことにプレイ時間は400時間を超えております。こんなに緊張したり、思わずガッツポーズが出るほど喜んじゃうゲームって、ほかにはありませんよね!(37歳 女性)

角満 スミマセン、おもしろかったのでほぼいただいたままを引用してしまいました。発売日の1週間まえというのは、相当な気合ですなあ(笑)。少年たちは動体視力が我々(ちょうど同い年くらいですね、僕と)とはケタ違いなので、さぞや「あーもう!」とか「なんでそこでオチんの!」とか言われていることでしょう(笑)。でも、そういうのもまた楽しいんですよね。ぜひぜひ今後も、緊張とガッツポーズを続けてくださいね。

●私は三十路を過ぎたソロハンターです。私にとって『逆鱗日和』は、協力プレイの楽しさを感じることができる本であり、『モンハン』の奥深さを再認識させてくれる本です。クエストに行き詰ったり、モチベーションが下がっているときは、この本を読んでから狩りに出ます。私にとって『逆鱗日和』は”鬼人薬グレート”ですね。これからもモンハン伝道師を続けてくださいね!(31歳 男性)

角満 僕もこういう環境にいなかったら、きっとソロがメインのハンターになっていたと思います。やっぱり大人になると、ゲームをいっしょに遊ぶ仲間を見つけることって、たいへんですもんね。でもそんな方たちが読んで、擬似でもいいから協力プレイをした気分になっていただけたのなら書き手冥利に尽きます。これからもがんばるぞー。

●私は大塚さんと江野本さんが大好きです! ふたりともおもしろくて、こんなに絵になる人はいないと思います(笑)。ファミ通.comの”角満ブログ”は毎日チェックしていますが、ブログでは書かないことなんかも単行本に書いてくれてて、とても楽しく読めました! でも11月23日の『サヨナラ!』発売記念オフ会、うらやましかったです(涙)。大塚さん、かっこいいんですもん……。(17歳 女性)

角満 あえて”かっこいい”のところを強調してみた(笑)。しかし……17歳の女子高生に「かっこいい」って言われた!!! このハガキを読んですぐに江野本ぎずもに「ちょっと! かっこいいって!!」と報告したら、哀れみモードを隠さない目つきで「よかったスね(苦笑)」と苦笑いされましたがね。まあそういう江野本も、「江野本さんかわいい!」っていう記述をどっかで見つけると必ず、「ちょっと! かわいいって!!」と速攻で報告してくるけどな(笑)。

●とくに”テオ物語”がおもしろかったのですが、それもふくめていままでの『逆鱗日和』の中でいちばんよかったと思います。僕が大人になるまで『モンハン』ブームが続いていたら、こういう日記を書きたいな……って思っています。『逆鱗日和』の第5巻が出ますように!!(15歳 男性)

角満 おお……。前向きでいいねえ^^ ぜひぜひ、いろんなゲームのプレイ日記を書いてくださいな。そして書いたら、大塚角満に教えてくださいねー。

●大塚さんのコラムは笑いと涙を誘います! ウカムルバスやモンスターハンターに挑んだエピソードの中には”諦めなければ必ず勝てる!”というメッセージがぎっしり詰まっていて、読んでいて涙が出てきましたよ!! あと、テオ物語もおもしろかったですよ(ニヤニヤ)。『サヨナラ!』を励みに、モンスターハンターがんばります!!(15歳 女性)

角満 ニヤニヤ……が気になるんですけど! ”テオ物語”については思ったとおり、「おもしろい!」と言ってくれる方と「イタい!」、「大塚さん、大丈夫!?」という意見が両方寄せられました(苦笑)。イタくてもいいんです……。めげずにああいうの、また書きますよ!! さてさて、モンスターハンター、がんばってくださいね。あきらめなければ、きっとクリアーできますから!!

 ほかにもまだまだたくさんあるんですけど、今回はこれくらいで。読んでいただけるとわかると思いますが、すごく女性読者からのハガキが多いんです。こういう部分からも、『2nd G』ってホントに、広い層に浸透しているんだなぁ……と感じます。でも読者ハガキを紹介するのって楽しいので、また近々やっちゃおうっと。なので『逆鱗日和』シリーズをお買い上げの皆様、ぜひぜひご意見、ご感想などを書いて投函しちゃってくださいね。よろしくお願いしますー。

 ってそうそう、ご意見・ご感想と言えば以前ここでも告知した”『サヨナラ! 逆鱗日和』読書感想文コンクール”も絶賛大募集中です! すでに多くの方からご応募いただいているのですが、12月31日の締め切りまでまだ時間がありますので、「忘れてた!」という方もペンをとっていただければ。詳しくは、

※『サヨナラ! 逆鱗日和』読書感想文コンクール詳細

↑こちらでご確認くださいね。要綱にも書いてありますけど、最優秀賞の方のもとには大塚角満と江野本ぎずもが参上します! そしていっしょに協力プレイをして、その模様を当ブログや週刊ファミ通のほうで書かせていただきますよー。

 それと、これも読書感想文に通じる話なんですけど、個人のブログですごくたくさん、『逆鱗日和』シリーズに関する感想や意見を書いてくださっているのを見かけます。ものすごくありがたいことで、もうじゃんじゃん書いていただきたいのですが、ようやくエンターブレインのショッピングサイト”ebten(エビテン)”にてアフィリエイトサービスがスタートしました。ブログやホームページをお持ちの方、よろしかったらご利用くださいね。『逆鱗日和』特製のリンクバナーも近々用意しますので、完成したらそちらもどうぞご使用を!

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投稿者 大塚角満 : 20:35

【MHP 2nd G】第155回 ナルガvs.ぎずも

 前回の記事で、

 「もうこのモンスターが相手だったら、あっしはまるでオチる気がしません。だってヤツがどんな動きをするのか、目をつむっててもわかるもの」

 と江野本ぎずもが豪語した相手は、あの”ナルガクルガ”です。確かにこの間、俺と江野本は11月23日のイベントでナルガクルガを相手にした4人シンクロプレイを披露するために、来る日も来る日もこのモンスターの尻を追い回していた。配信クエスト”モンハンフェスタ01”を使ったタイムアタックのベストタイムは4分08秒(ふたりとも大剣)。単純にこのタイムだけ見れば、モンハンフェスタ`08で全国大会に進出してもおかしくない立派なものではある。このタイムを出すために、俺と江野本はナルガクルガというモンスターの動きを徹底的に”見た”。見て、実際にくり返しくり返し討伐に出向き、江野本が言うとおりナルガクルガは”俺たちがいちばんよく知るモンスター”になった。なので彼女が「どんな動きをするのか目をつむっててもわかる」と言ったことも、「あながち的外れではないナ」と思ったのである。

 にわかハンマー使い(俺)と初心者狩猟笛使い(江野本)によるナルガクルガ討伐は、いつものバーでやることになった。江野本はマスターを目の前にしても、「あっしがナルガ相手にオチるわけがない」、「それどころか、攻撃も食らわないかもしれない」、「ていうか、ティガ相手にハットトリックした大塚さんが信じられない」と大言壮語をぶっ放す。マスター、江野本の勢いに目を丸くして、「どうしちゃったんですか今日は。ずいぶん吹きますね!」とビックリ仰天&苦笑い。俺はいったいどうなることかとドキドキしながら集会所G級★2の”絶影”に挑むための準備を始めた。

 数分後、江野本は狩猟笛”フロッグクラフト”を担いで集会所に現れた。この狩猟笛、ちょっとまえに完成させたばかりで、彼女はことあるごとに「使ってみたい使ってみたい!」とうるさくわめいていたのである。フロッグクラフトは”属性攻撃強化”という魅力的な旋律を奏でることができる狩猟笛らしく、江野本はその効果のほどを知りたくて「大塚さん、絶対に属性武器で来てくださいね」と上司の俺に命令。半分冗談でダイダラボラス(毒)を担いで集会所に入ると狩猟笛女はとたんにグレムリン化して「属性武器っつったでしょ!!!!!」とマジギレしやがるもんだから俺は震え上がり、有り金叩いて雷属性の”雷槌フルフル”を作成するハメになった。俺が持っていった武器を見て江野本は「よしよし♪」と妖しく微笑み、ようやく”余裕でクリアーできる予定”のナルガクルガ討伐に出発したのであった。

 江野本が言うとおり俺も、あのトリッキーなナルガクルガの動きを以前とはまったく違う立場で見ることができる。なんというか、”上から”見ている感じなのだ。ナルガクルガの一挙手一投足にビビりまくり、「どどど、どっから攻撃が飛んでくるんだ!!」と泡を吹いていた俺は、もうどこにもいない。リーチの長い前脚や尻尾の攻撃を華麗にかわし、流れるような動作で背後に回りこんで振り向き様の脳天に強烈な一撃を加える……という、無駄のない詰め将棋的な立ち回りができるようになったのである。当然、俺といっしょにナルガクルガを狩りまくってた江野本も同じ立ち回りができるはず。それにあれだけ俺とマスターに向かって吹きまくっていたのだ。俺以上の軽やかな動きでナルガクルガを翻弄するに違いない。そう思った瞬間、俺の画面の端っこに壮絶な尻尾ビターンを食らって吹っ飛ぶ江野本のキャラが映った。そして、画面に信じられないメッセージが流れる。

 ”ぎずもが力尽きました”

 俺、頭の上から「……………………」と三点リーダーを9個ほど飛び出させながら江野本に言った。

 「あ、あの、ぎずもさん? ボクの見間違いじゃなければ、いまオチられたような……」

 江野本、ムンクの”叫び”状態で固まってしまった顔を錆びたロボットのようにギギギギと動かし、それでも懸命に虚勢を張って怒鳴る。

 「ししし、尻尾ビターンは事故みたいなモンじゃないスか!! あっしがナルガ相手にオチるわけがない!! いまのは事故です!! しかたない!!

 その2分後。

 江野本、2オチ目(苦笑)。

 「ナルガの動きは、すべて我が手中にあり!」なんて言ってたくせにそのナルガクルガの攻撃を片っ端から受けまくって、俺が生命の粉塵を飲む間もなく、江野本はアッと言う間に死神にさらわれてしまった。俺は頭上の三点リーダーを「………………………………」と12個ほどに増やし、呆れ顔で言う。

 「あ、あのあのぎずもさん? まことに申し上げにくいんですが、ボクの見間違いじゃなければ、2オチされたような……」

 江野本、画面を凝視したまま「信じられない……」と小さくつぶやき、それでもなんとかカラ元気を絞り出し、「うるさいなあ!! いまのはしかたなかったんですっ!! しかたないしかたない!!!」とわめき、「終りよければすべてヨシ!!」と、何がヨシなのかさっぱりわからないがそう言って気合を入れ直した。

 しかしやはり、この日の江野本は死神に魅入られていたようだ。

 どんなに属性攻撃強化や耐性アップの音色を奏でようとナルガクルガには馬の耳に念仏で、やたらと攻撃が集中する。結果、俺が生命の粉塵を使い切り、江野本のフォローができなくなったころ、彼女は深夜のバーで「うぎゃーーーーー!!!」と鋭く絶叫して3度目の昇天を果たした。「余裕!」と見下しまくっていたナルガクルガを相手に、絵に描いたようなハットトリックである。マスターがカウンターの向こうでグラスを磨きながら「やっちゃいましたね、江野本さん」と笑っている。俺も腹を抱えて笑いながら江野本に言った。

 「えのっち!! 何が「あっしがオチるわけがない!」だ(笑)。ハットトリックじゃねえか!! もう、腹痛いわ(笑)」

 江野本、しばらくのあいだ (◎_◎; ←こんな表情で固まったまま動かなかったがいきなり芝居がかった仕草で「はっ!」と我に返り、俺とマスターの顔を交互に眺めながらこんなことをほざいた。

 「いやぁ〜……まいったまいった! こんなこともあるんスねえ!! あービックリした。でも、しかたないしかたない。てへ♪

 あまりの立ち直りの早さに二の句が告げなくなって唖然としていると、急に彼女は怒りのこもった目で俺を睨み、信じられないことをのたまった。

 「……ていうか、せっかくあっしが属性攻撃強化の音色を奏でていたのに、大塚さんの攻撃、ぜんぜんナルガに効いてなかったんじゃないですか!? もっと早く大塚さんが狩ってくれていれば、あっしが恥をかかなくて済んだのに!

 ナルガやティガよりも、女性ハンターのほうがよっぽど恐いです。

投稿者 大塚角満 : 15:55

【MHP 2nd G】第154回 へっぽこコンビ、懲りずに挑む

 また”アイツ”が、俺の前に立ちはだかりました。

 そう、”轟竜”ティガレックス……。なんなのこいつ……

 もうどうやっても、ハンマーでティガレックスが狩れませんっ!! 先日来、新しい恋人ができたかのように喜び勇んでハンマーを振り回しているのはいいものの、もうホント、オイラどうすりゃいいのよ!!

 俺のまわりにいる悪魔のハンマー使いたちは、プチプチボッコンとティガレックスの頭を殴りまくって昏倒させ、ものの数分でG級だろうが配信クエだろうが関係なしにこの獰猛なモンスターを狩りまくっているっつーのに、俺なんて……いまだ下位(つーか村)のティガレックスも狩れねえんだよおおお!!! つーかね、絶対におかしいよ俺のティガレックス。だって俺の装備、武器は基本攻撃力1482で毒属性もついているダイダラボラス、防具の防御力は523で、スキルに見切り+3、耳栓、斬れ味レベル+1までついているんですよ?? もう、完璧すぎるG級装備。どんなモンスターが相手でも同等以上に渡り合えるはずの凶悪な格好をしているのに、なんでもっとも容易いはずの村ティガレックスに歯が立たないんだ……。

 そんな状態にありながらも、やっぱり楽しいですハンマーライフ。誇張でもなんでもなく、仕事そっちのけで遊び倒していた『2nd G』発売当初に匹敵するくらいの情熱で、日々フィールドを駆け巡っている。しかも、昨日のコラムでちょっと書いたが江野本ぎずもも狩猟笛に転向してから、俺と同じくらい目を輝かせて「狩りいきましょ狩りいきましょ! 笛吹きたい笛吹きたい!」と毎日のようにわめいているのだ。使ったことのない武器から見える風景はそれはそれは新鮮で、数百時間遊びまくったゲームとは思えないくらいの驚きや楽しさを提供してくれる。『モンスターハンター』に数種類の武器カテゴリーを導入するとき、制作者たちは「遊びがかぶらないこと」を最重要課題としていまある11種を誕生させたそうだが、俺はいま初めて”遊びがかぶらないこと”のすばらしさに気づいたのかもしれない。いや、逆にガンランスにこだわり続けたからこそ、いまの境地にたどり着いたんだろうなぁ……。
 
 俺たちはまだまだ慣れないハンマーと狩猟笛をエッチラオッチラと担ぎ、それでもニコニコと笑いながらいくつものクエストをこなした。傍若無人な野蛮人の権化と化したハンマー&狩猟笛コンビの相手となるのは、おもにリオレウスとリオレイアだ。だって……楽しいんだものレウスとレイア!! ハンマー&狩猟笛だと、たとえG級のそれが相手だったとしても5〜10分針で討伐することができてしまう。クエストでは基本的に、江野本は攻撃力強化【大】や強走効果【大】の音色を奏で、軽快なフットワークで懐に飛び込んでモンスターの脚を殴りまくっている。そして俺は、つねにモンスターの頭付近に陣取ってプチプチバコンのくり返し。狩猟笛の絶大な効果で攻撃力が2000近くになったダイダラボラスで頭を殴られ、昏倒をくり返す大型モンスター。もうこれが楽しくて楽しくてついつい勢いが余り、俺たちはハンマーと狩猟笛に転向して以来、なんと一度も捕獲をしていないのであった。俺と江野本は得意の絶頂にあった。レウスやレイアを狩るたびに、「最強コンビ誕生!!」と真顔で宣言した。

 そんな俺たちの前に立ちはだかったのが、冒頭のティガレックスである。ここのところ連日のようにレウスやレイアを狩っては「俺たち最強!」とわめき、しかし急にシュンとなって「じゃ、今日のティガいってみましょか……」とボソボソと言いながらティガレックス討伐クエストを受注。そしてまったく歯が立たないまま”逆討伐”されて村に戻ってくる……という作業をくり返していた。

 先日のティガレックス討伐も、それはそれはひどい有様だった。

 この日、俺と江野本はいつものようにレウスとレイアをボコボコにして気が大きくなり、「俺たち最強! 今日だったらティガも余裕で屠りされるに違いない!」、「ですね! もう下位とか上位とかセコイこと言わないで、G級やっちゃいましょG級!!」と言い合い、咽喉もと過ぎれば熱さ忘れる……じゃないけど連日のようにティガにボコられていることなどすっかり忘れて、何の危機感もないままクエスト”絶対強者”を受注した。

 それにしても全国のツワモノたちはどうして、このモンスターを相手にハンマーで立ち回れるのだろうか? 何度も書くがEffort CristalのGod君なんて、コヤツの前にネコ火事場(体力10以下)が発動した状態で立つんだよ?? ちょっとギアノスに小突かれただけで昇天しちゃうような体力で、なぜ強大なG級ティガレックスに挑むことができるのだろうか? 「大塚さんがネコ火事場でティガに挑んだら、1クエスト中に50回くらい昇天できますね」と江野本。あまりにも失礼な発言だが俺はまったく反論ができず、逆に「う、うん……。50回で済めばいいけどね……」とポツリ。今回のクエストでも、俺は「そこまで食らうか」というくらいティガの攻撃を浴び続けた。

 そして、クエストがスタートしてからわずか5分後に怒り投石を食らってあっさり1オチ。その瞬間、江野本は猛烈な軽蔑顔になり、「オチた!! せっかく粉塵飲んであげたのに間に合わなかったし!! もー。どんだけティガが苦手なんスか!」と容赦なく俺を責める。上司の威厳はすっかり消え失せ、俺はひたすら「し、しぃましぇん……。つぎ、がんばります……」と地面に額をこすりつけるだけ。しかし復帰後、またまた俺は壁際に追い詰められて体力を削られ、さらに追撃の怒り突進をいままさに食らわん、という状況に陥ってしまった。「あー!! あぶなーい!!」と叫ぶ江野本。俺はもう、パニック状態でわけがわからなくなっている。またオチる。もうイヤだ。オチたくないオチたくない!!! そんな思いが背中を押したのか、我を失ったにわかハンマー使いが取った行動はじつに意外なものだった。なんと俺、目の前に迫るティガの迫力に圧倒されて、条件反射でRボタンを強く押してしまったのだ!! しかし俺の決死の努力もムナしく、PSPの画面にはにわかハンマー使いが再び天に召されたメッセージが流れた。俺は叫んだ。

 「ハンマー、ガードできねえ!!!」

 江野本、瞬時にグレムリン化して絶叫した!!

 「当たり前っしょ!!! ハンマーはもともとガードできんわ!!

 それでもどうにか俺は冷静さを取り戻して、みたび狩場の人となった。今度こそ活躍して、上司の威厳を取り戻さなければならぬ!! しかし気合だけでどうにかなるなら、俺はクエスト”モンスターハンター”も”武神闘宴”も、20回も30回も挑戦せずに一発でクリアーしていたはずである。俺の気合は相変わらず空回りしてティガレックスの攻撃をいいように浴び、またまた我が分身は虫の息に。やばい……。またオチる!! ハットトリックしちまうよ!! 俺が本気で青ざめて「きゃーーーーっ!!」と叫んだとき、孝行娘の江野本が「大塚さん!! シビレ罠作ったから!!」と張り詰めた空気を切り裂くように声を張り上げた。江野本の罠に吸い込まれるように走り寄るティガレックス。そしてバイーン! と大きく身体をのけぞらせて、ティガレックスはシビレ罠のトリコとなった。これを見た俺、何を勘違いしたのか「うわわわわ!!!!」と大いに焦り、痺れるティガレックスの前で思いっきり回避行動のダイブをしてしまった。それを見た江野本は「ぷーーーっ!!」と噴き出し、大笑いしながらつぎのように言った。

 「ちょっと!! なんでシビレ罠にかかったのにダイブしてるのよー!!」

 俺、憤慨してこう返した。

 「だだだだって!! バヒョーン!! ってティガが大げさに躍り上がるからビックリしてさあ!! つーかティガめ、大げさに驚きすぎだっつーの! これまで何千回、シビレ罠にかかってきたんだオマエは!! いい加減慣れろ!!」

 これを聞いた江野本、腹を抱えて笑いながらつぎのように言う。

 「いやいやいや!! このティガは初めてシビレ罠にかかったんすよ? そりゃ初めてだったらバヒョーンってなりますって! ていうか、大塚さんこそ何百回もシビレ罠にかかったティガを見てきたでしょう? なんでそのモーションにぶったまげてダイブしてんのよ!(爆笑) あーもう、こっちが恥ずかしいわ……」

 こんなことを話しながらも俺は「せっかく痺れているんだから、いまがチャンス!」と鋭く叫んで立ち上がり、ハンマーを構えてティガレックスに接近する。ところがその瞬間にティガレックスの痺れ状態は解け、間髪入れずに怒りのローリングアタックを敢行したではないか!! 体力がほとんど残っていなかったハンマー使いがこの地獄の渦に耐えられるわけもなく、なんとクエストスタートからわずか10分ほどでハットトリック(ひとりで3回オチること)を達成……。俺は大いにうなだれて、そして江野本は「もう、どんだけ苦手なんすかティガ……(笑)」と涙を流して笑いながらポッケ村に帰郷した。

 そして翌日、俺たちは凝りもせずにハンマーと狩猟笛を背負ってあるクエストに出撃する。このクエストに出てくるモンスターに対し、江野本が「もうこのモンスターが相手だったら、あっしはまるでオチる気がしません。だってヤツがどんな動きをするのか、目をつむっててもわかるもの」とあまりにも強気に豪語するので、「おお。頼もしいね。じゃあそれに行こうか」ってことで出撃したのである。その結末は……長くなるので次回で!

投稿者 大塚角満 : 17:53

【MHP 2nd G】第153回 記録に残る日々

 最近、ギルドカードを眺めることに凝っている。もう、チョー楽しい。協力プレイをいっしょにやって更新された友だちのギルカを見るのも楽しいが、日々成長していくオノレの武器使用度グラフや狩人生活日記が上書きされていくのを見るのもシアワセ。こんな細かいところでウキウキできる俺って、なんてかわいいんでしょう。

 で、先ほど、会社に向かう通勤電車の中で自分のギルカを開いたわけです。昨夜、江野本ぎずもと精力的に狩りをしたので、そのときのヨロコビや反省点を反芻するために狩人生活日記を見たってわけだ。するとそこに、「おおお?」と目を見張りたくなる思いがけない記録がいくつも刻まれていたので、本日ここにペンを持ったわけであります。

●リタイア通算200回!

 これ、ビックリマーク付きで報告するようなことか!? でもまあ、一応の区切りの記念碑なのでキチンと書き記しておこう。

 昨夜、ひとりでハンマーを背負って集会所G級のクエスト”桜色の雌火竜”を受注した。「ハンマーの練習にはレイアがよい」とEffort CristalのGod君に聞いて以来、1日に1頭は必ず、レイア種を狩りにいっている。やってみるとナルホド、リオレイアはハンマーに殴られるためにこの世に生を受けたのではないかと思ってしまうくらい、頭をプチプチしやすい。火を吐こうと思って動きを止めたらプチプチ。カッコつけて「ぐろろろろ……」と一息入れているのを見たら間髪入れずにプチプチバコーン。サマーソルトの着地時を狙って頭に溜め縦振り下ろしをお見舞いし、トドメとばかりに閃光玉を食らわせて問答無用にハンマーを振り回し続ける。結果、村のクエストだったらよっぽどのヘマをしてもほんの数分もあれば討伐できてしまう。ああ……なんて気持ちいいんだろうハンマー……。この、ガンランスでは決して得ることができなかった快感にまんまと溺れ、俺はレイアの尻ばかりを追い回しているのである。

 こんな状態になってしまったので、ハンマー使い・大塚角満のレイアを見る目つきは完全に上から目線。「もう村のレイアは完全に落としたので、集会所も下位や上位はすっ飛ばして、いきなりG級のサクラを落としにいったるかね!」と、田舎ナンパ師のような心境になって(どんな心境だ)、前述の”桜色の雌火竜”を受注したというわけだ。

 しかしやはり、G級のモンスターは侮りがたい。ていうか、強い。

 桜レイア、にわかナンパ師のぎこちない口説き文句をガン無視して、尻尾で叩き、サマーソルトを炸裂させ、火の玉で火事まで起こす大乱心っぷり。俺、「なんなのこのオンナ……」とじゃじゃ馬全開で躍動する桜色の雌火竜に翻弄されて気づいたころには2オチしているではないか。けっきょく、「このオンナからは何も得るものはない」と潔く判断してリタイアを選択。そして晴れて、リタイア通算200回を達成したというわけだ。

●ランゴスタ狩猟1200達成

 昨夜、江野本が「モンスターの特濃が欲しいので手伝ってください」と言うので、G級クエスト”女王虫の羽音”を連続で受注。バッキャンパラパラとランゴスタをハンマーで壊しまくっているウチに、この数字に到達したようだ。ちなみに江野本がモンスターの特濃を欲しがっていた理由は狩猟笛”女王笛ランゴスタ”を作るため。最近、俺がハンマーを使い始めたことに刺激されてか彼女も片手剣・ライトボウガンから狩猟笛に鞍替え。「笛、めっちゃ楽しい!! ……大塚さん、笛のご用はないですか?? いろいろ吹きますよ♪」と言っては、狩場でピ〜ヒョロロ〜とぎこちない笛の音を奏でているのである。まあこのへんのことは、今度ゆっくりと書こう。

 しかし改めて振り返ってみると、ランゴスタってザコ中のザコモンスターのくせに、本当に初期のころから頻繁に、俺のコラムに出てきているんだよな。パラパラと『本日も逆鱗日和』(無印『逆鱗日和』、ね)のページをめくっていくと、長い歴史のある角満コラムの3話目(”へっぽこ3人組の挑戦”というコラムです)に、早くもランゴスタが登場しているのがわかる。せっかくの機会なので、俺が初めてランゴスタのことを書いたときの文章を抜粋してみよう。『モンスターハンター』で初めてリオレイアに挑んだときに現れたランゴスタの姿を、苦々しい思いで書いているのがよくわかる。

 ”そして僕も、高台からコンニャロコンニャロとささやかな攻撃をしていたのだが、背後にプイ〜ンとまわりこんだ”ランゴスタ”(蜂のようなザコモンスター)にブスリと1発背中を刺されてそこから落下。チクチクと攻撃していた僕に本気でイラついていたらしいリオレイアはここぞとばかりに突進してきて、あっと言う間に僕の息の根を止めた”

 これを読んで、自分のことを”僕”と書いていることにも驚くが、何よりも4年まえの自分といまの自分を比べて、まったくと言っていいほどプレイスタイルが進歩していないことに驚いたわい……。

●村長下位クエスト200回達成

 これは狩人生活日記に記述されていたものではないが、たまたまクエスト遂行の項目を見たら区切りの回数だったので書き記してみた。せっかくなので、2008年12月11日現在の、大塚角満のクエスト回数を白日のもとにさらしてしまおう。

・村長下位:200回
・村長上位:83回
・集会所下位:209回
・集会所上位:228回
・集会所G級:406回
・トレジャー:5回
・訓練所:39回

 こんな感じ。ちなみに訓練所は、いち時期セカンドキャラを作ってそいつでばかりタイムアタックの練習をしていたので数が伸びていない。セカンドキャラも含めると150回くらいになりますな。村長下位や集会所下位の数字が意外なほど伸びているが、これの理由ははっきりとわかっている。イャンクックとゲリョスのせいだ。クックのクエストでは鳴き袋と音爆弾が、ゲリョスのクエストでは狂走エキスが手に入る。これらの素材やアイテムは下位のものだというのに非常に集めるのが面倒臭く、しかもやたらと使用頻度が高いので、数が少なくなってくると集中的に下位のクエストに出向いてかき集めるハメになる。それで、村長も集会所も下位クエストへの出撃頻度が高くなっているのだ。

●力尽きた回数通算300回突破!

 江野本とG級ティガレックス討伐に出向き、まんまと俺がハットトリックを記録してしまい、この数字に到達した。800時間弱のプレイ時間で300回昇天という数字が多いのか少ないのか皆目わからないのだが、俺自身は自分のことを「滅多にオチない頑健な男」と思っている。なので江野本には「うーん……。久々にハットトリックしちゃった。いつ以来だろう、3オチって」と神妙な顔で申し伝えたのだが、言われた江野本は爆笑して「大塚さん、3オチするたびにいっつも同じこと言ってる! ていうか、2日まえにふたりで上位ティガやったときも同じこと言ってましたよ? なので”いつ以来”という問いについては”2日ぶり”と答えます(爆笑)」と失礼なことをほざく。それじゃあまるで俺が死神に取り憑かれているみたいではないか。そんなことはないぞ。俺は滅多にオチないんだぞ。

 というわけで計算してみました。俺の”オチ率”を。

 計算方法は至って単純。300回オチという数字を、上にあるクエスト遂行回数の合計値で割って割り出す。これにより、”1回のクエストで大塚角満がオチる回数”が導き出されるってわけだ! さっそく計算してみよう。俺のクエスト遂行回数は……合計で1167回か。で、オチた回数が300回だから……。出た! 俺のオチ率は、

 0.257

 おお〜……。つまり俺は、1回のクエストで0.257回オチるというわけだ。算数は小学校卒業と同時に引退したのでよくわからんけど、要するに俺は5クエストに1回程度しかオチないってことだよね? ……って、ホントにそういうことだよね??(本気で自信ナシ) もしそうだとしたら、これってけっこう凄いんじゃないかしら。だって俺、双獅激天とか武神闘宴とか、手錬ハンターが裸足で逃げ出すようなクエストばっかり好んでやってるし^^ それなのに5クエストに1回程度しかオチないなんて、優秀だなぁ^^^^(誰か突っ込んでくれ)

 最後に、江野本と挑んだ超バカバカしいG級ティガレックス討伐の模様は、近日中に書きたいと思います。ホントにアホらしいので覚悟しといてください。

投稿者 大塚角満 : 15:11

【MHP 2nd G】第152回 ハンマー始めました。

 中華料理屋さんの「冷やし中華始めました」にならって大々的に宣言。

 「ハンマー始めました」

 いま全国のガンランサー諸君から「えーーーーーっ!!!!!」、「う、裏切りモノォォオオ!!」等々の怨嗟の声が、砲撃レベル5の放射タイプ乱れ撃ち的な感じで飛んできた気がしましたが、ここはひとつ、落ち着いて聞いてください。

 ここのブログでもお伝えしたとおり、ちょっとまえにガンランスの使用回数が1000回を超え(現在、1080くらい)、最終形態ガンランスもすべて揃えた(これはかなり昔に達成していたのだがね)。ひととおりのモンスターとの対決も済ませ、クエスト”モンスターハンター”、”武神闘宴”、”双獅激天”もクリアーし(武神闘宴と双獅激天はふたりで、だけど……)、モンスター的にもクエスト的にも、ガンランスでできることはとりあえずコンプリートしたと思っている。ガンランサー・大塚角満から見える景色はいつも同じ。クエストごとに別々の物語が展開されるとわかっちゃいるが、さすがにこの境地に達すると手持ち無沙汰になってくる。しかしそれでも、「まだまだしゃぶりつくしてないんだよな」ってことがわかっているから、”ガンランス”と”しゃぶりつくしていないこと”のはざまに立って、俺はここ1ヵ月くらいモンモンとし続けていたのだ。

 そんなとき、11月23日に行われた『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会の出し物として大剣を使った”4人シンクロプレイ”なるものをやることになった。ガンランス以外の武器を扱うことが本当に久しぶりだったので「どうなっちゃうんだべ……」と群馬弁思考で思っていたりしたのだが、初代『モンハン』の時代から”サブ武器”として使い続けていた大剣の感触はしっかりと覚えていて、そりゃあもう縦横無尽に、この巨大な剣を振り回しまくった。そして思った。「なんて楽しいんだガンス以外の武器!!」と。

 江野本ぎずもとふたりでシンクロプレイの練習をしているときも、俺ははしゃぎっぱなしだった。何度彼女に言っただろう。「えのっち、大剣楽しいよ!!」と。それを聞いた江野本は呆れたようにクスクスと笑い、思わず何度も聞き返してしまった衝撃の発言をした。

 「そんなに楽しいなら、いっそほかの武器を解禁しちゃえば? ガンランス1000回使ったんだから、許してあげますよ?」

 え。ま、まじで? い、いいの? ほかの武器を使っても……?

 「いいですよ。っていうか、そもそも誰かに「ガンランス以外使っちゃダメ!」とか言われたことあるの?(苦笑)」

 そ、そういえばそんなこと言われた記憶はないな……。でもガンランスが飛び抜けているファーストキャラのデータでほかの武器のグラフが伸びるのもナンだから、セカンドキャラ作ってそいつは自由に武器選択ができるようにしようか……? そうしたほうがいいですよね……?

 「まったく……! みみっちいスよ!! いいじゃないッスか!! 堂々と、ファーストキャラでガンランス以外の武器を使っていいんですっ!! ていうか、使いなさい! それにそうしたほうが、別の視点で『2nd G』を見られるようになるでしょう?」

 グレムリン化しつつも、最後は諭すように説明する江野本の言葉に救われて、俺の心はグっと軽くなった。よーし。これからは自由気ままに、いろんな武器に手を出すぞ。解き放たれたケモノとなって、あんな武器やこんな武器を背負ってモンスターを追い掛け回してやるゾ!!! 俺は会社の自席でハアハアハアと荒い息をつきながら、汗ばんだ手でPSPを握り締め続けた。そしてハっと我に返って画面に視線を転じ、興奮状態で武具屋の親父ににじり寄って、「こここ、コレとソレとアレを作ってくれ!! いますぐいますぐ!!」とわめきまくり、ずっと作りたかったガンランス以外のいくつかの武器を製作してもらった。俺がまっさきに作ったのは以下の武器たちだ。

ガオレンズトゥーカ(大剣。4人シンクロプレイ用に作ったもの)
ロストバベル(ランス。『2nd G』に出てくる武器の中でいちばん名前がかっこいいと思い、ずっと作りたかった)
テスカ・デル・ソル(大剣。これの前身であるキングテスカブレイドを『2(ドス)』の時代に愛用していたので欲しかった)
スイ【凶】(ハンマー。エフォクリのGod君が「強いですよ」と言っていたので、ハンマーを作るとしたらコレ、と思っていた)
ダイダラボラス(ハンマー。エフォクリのGod君が「ハンマーで武神闘宴やるとしたらコレ」と言っていたので、ずっと欲しかった)

 これにプラスして、昨夜仲のいいお笑い芸人さん(って、いまや誰のことだか一発でわかってしまうが)とG級オオナズチを狩ったら晴れて古龍の大宝玉が2個(!)出てくれたので、ロストバベルにつぐ”名前かっこいい武器”の”氷炎剣ヴィルマフレア”(双剣)を作った。っていうか、古龍の大宝玉ってずっと都市伝説だと思っていたけど本当に存在するんだねえ。あービックリした。

 で、冒頭に戻るのだが、俺はなぜかガンランスに続く武器として”ハンマー”を選んだ。俺自身、「つぎは大剣だろうナ」と思っていたのに、なんという心の変わりようであろうか。

 でもこれにはキチンとした理由がある。この間、俺は『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会や11月28日に行われた次長課長の井上聡さん主催によるイベント”イノウエCUP”で、達人たちがハンマーを振り回してティガレックスやラージャンといった凶悪モンスターを手玉に取っているのを間近で見て、「ハンマーすげえ!!」と震えていたのである。「いまさらかよ!!」と言われると返す言葉もないのだが、こういうすばらしいプレイを目の当たりにして「俺もティガレックスやナルガクルガの頭をハンマーでプチプチと潰して、ヤツらを★★★(@_@★★★ ←こんな感じでめまい状態にしてやりたい!!」と強く思ってしまったのだ。よって単純に、「ガンランスのつぎはハンマーだ!!」となったわけですねえ。

 そして数日まえ、念願のスイ【凶】が完成。江野本に「おし! ハンマーでティガレックスをボコって来る!!」と宣言し、見切り+3、斬れ味レベル+1、耳栓というスキルが発動している防具に身を包んでクエスト”絶対強者”に出撃した。そして……。

 何もできず、3オチ……。

 おかしい。こんなはずじゃなかったのに。だって、もうゲネポのMASAKI君とか次長課長の井上さんとかエフォクリのGod君は、余裕の立ち回りでティガレックスの頭をプチプチと潰していたよ? しかもGod君なんて、ネコ火事場が発動した状態でそーいうことをしていたんですよ? なぜ俺のハンマーはそういうことができんのだ。誰が悪いんだコレは。俺は江野本に言った。

 「江野本さん、ティガにまったく歯が立たないんですけど……」

 笑いながら、江野本はこう返した。

 「仕方ないじゃないですか。いきなりG級のティガなんて相手が悪すぎですよ。村からちょっとずつ進めばいいんです。慌てちゃダメです」

 あ……、イヤ、その……。俺は非常に追い詰められた気分になりながらも、(言わぬわけにはいくまい)と判断し、おずおずと衝撃の事実を告白した。

 「あの……。ぎずもさん、ボクが行ったクエスト、下位の、しかも村のティガレックスなんですけど……」

 江野本、「ぎょえー!!」と言いながら大げさにのけぞり、「慣れないことはするもんじゃないっすね(笑)」と言って笑った。俺は少々憤慨しながら「なんだよ。俺は最初、ネコ火事場でプチプチしようと思っていたくらいだぞ」と強がりを言う。これに対して江野本は瞬時にグレムリン化して「どう考えても無理っすよ!!!!! もっと慣れてからプチプチしなさい」とにべもなかった。

 けっきょく俺は怒りと悲しみにまかせてハンマーをガンランスに持ち替え、同じ村下位のティガレックス討伐クエストを受注。猛烈な勢いでツンツクツンのボンボコボンとティガレックスを翻弄しまくり、僅か数分で即席ハンマー使いの仇討ちを成し遂げた。

 そして俺は冒頭で掲げた「ハンマー始めました」の張り紙をビリリと破り、新たな評語を玄関先に掲げ直した。

 「再び、ガンランス始めました

 やっぱガンランス、最高です!!

投稿者 大塚角満 : 15:42

【MHP 2nd G】第151回 イノウエCUPの裏話

 いやぁ〜、やっとこれを書ける……。11月28日の深夜に行われた”イノウエCUP”のことですよ!! ファミ通.comを含め、すでにいろいろなサイトに詳細はアップされているので(次長課長の井上聡さんのブログにもね)、イベントの細かい内容をここに書くのはやめよう。せっかくここも、ある程度好きなことを書けるブログなので、俺からの視点で、俺だから書けることを書きたいと思います。

 28日午後10時、江野本ぎずもを伴ってイノウエCUPの開催場所であるヨシモト∞ホールに到着すると、すでにそこは多数のお笑いファンでごったがえしていた。7割くらいは、若い女性だろうか。イノウエCUPに出場するお笑い芸人さんたちの人気の高さをさっそく思い知らされた。そしてその中に、見知った顔がチラホラと……。お! Effort CristalのGod君とJack君ではないか! ……その横にはもうゲネポのMASAKI君! さらにさらに、モンハンフェスタ`08全国大会進出チームの”狩魂T”の姿も! すげえなこのメンツ。この場でモンハンフェスタ`08・秋が開けるぞ(笑)。見ると、『ニャンと! 逆鱗日和』に登場してもらったカップルハンターの純君&佳苗ちゃんの姿も。ほんの数日まえに『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベントに来てくれた人たちばかりだが、お互い再会を祝して挨拶を交し合った。こういうイベントが開かれると仲のいい人たちと再会できるきっかけになるので、もうそれだけでうれしいんだよねぇ^^

 そして始まったイノウエCUP。お笑い芸人さんたちのステージらしく、そこらじゅうに笑いの要素が散りばめられたじつに楽しい催しだった。『モンハン』を題材にした大喜利やモノマネはさすがプロのもので、俺と江野本は身体をよじって笑いっぱなし。真剣勝負である川ハンフェスタ(『2nd G』のタイムアタック)のときですら、解説席に座った芸人さんのボケやツッコミの応酬で笑わせてくれて、「ゲームと笑いのコラボレーションって、こんなにハマるんだ」と笑いを通り越して感心してしまったくらいだ。

 そんな中でステージイベントのひとつとして、来場者2名を抽選で選んで芸人さんとタイムアタック対決するという試みがあった。何組かの一般参加者がステージに上がって芸人さんと対決したわけだが、その中でひとり、ちょっと見過ごせない人物がステージに上った。前述した狩魂Tのひとり、M君だ。彼の名前が呼ばれたとき、俺と江野本は狂喜した。「つ、ついにあの天才のプレイがナマで見られるぞ!!」と。彼はエフォクリのGod君、もうゲネポの唯君という天才的プレイヤーをして、「本当の天才は、あの人です」と言わしめる伝説的なハンターなのだ。俺たちはこのとき初対面だったのだが、一般参加者がステージ上に上がるのを眺めながら「M君が選ばれたら最高なんだけどね」と話していたのである。ネットに上がっている動画じゃなく、ナマで彼のプレイを見ることができるぞ。ステージの目の前の席で、俺と江野本は大騒ぎしていた。

 そしてステージ裏で俺たちと同じく、M君の登場を見て狂喜乱舞していた男がいた。ほかでもない、次長課長の井上さんである。イベント終了後に井上さんと話したとき、「彼の名前が呼ばれた瞬間、練習する手を休めてモニターに齧りついてひとりで大騒ぎしてましたよ」と言って井上さんは笑った。井上さんも彼のプレイをナマで見ることを”夢”のひとつとしていたのである。しかし残念なことに、このときのタイムアタックの種目として選ばれたクエストは闘技場のドスファンゴ2頭討伐。こういうトリッキーなクエストだと実力者の真の力はなかなか見えてこない。実際、あっと言う間にドスファンゴ2頭は屠り去られてしまい、クエストは終了となってしまった。これには井上さんも「もっと強いモンスターを相手にしたときの立ち回りを見たかったですよ!」と悔しがっていたが、同じころ俺と江野本も客席で「ティガやラージャンを相手にしたときの立ち回りを見たかった!」とじだんだを踏んでおりました。

 さて。

 イノウエCUPのメインイベント、川ハンフェスタは、報道にあるとおり井上さんとコンマニセンチの堀内さんのペアが圧倒的な強さだった。それでも、1回戦のナルガクルガ討伐の立ち回りを見て、ほかのチームも忙しい合間を縫ってしっかりと練習を積んできたことがよくわかって、なんだかうれしくて仕方なかったよ(まあ「……」となるチームもありましたが(笑))。なかでも、2回戦に進出したニブンノゴ!・森本さん&ハローバイバイ・金成さんのチームと、決勝に進出したパンクブーブー・哲夫さん&大好物・須藤さんのチームはうまかった。アクションゲームの操作部分もそうだが、モンスターの動きやクエストの流れもしっかりと研究していて、見ていて小気味よかった。最近、俺や江野本は全国トップの超絶プレイばかり見ていたのでかなーり目が肥えていたのだが、そんなフィルターを通して見ても彼らの立ち回りは地に足が着いていたと思う。

 それでも、やはり井上チームは強かった。井上さんと堀内さんのチームは、かなり研究して立ち回りを詰めてきた芸人チームの中にあっても頭ひとつ抜きん出ていて、お世辞抜きにして全国のトッププレイヤーとタメがはれるくらい極まっていた。とくに決勝の武神闘宴は見事なもので、その立ち回りは『モンハン』のタイムアタックを突き詰めていくと到達する”詰め将棋”の領域に足を踏み入れていたと断言する。ダントツの強さでこのチームが優勝したのは「当然」と言い切りたくなる躍動っぷりであった。

 そんな井上さんと、イベントが終了した数時間後(井上さんはイノウエCUPが終了してすぐにロケに向かったのだ……)と電話で話をした。疲れを感じさせない明るい声で「来てくださってありがとうございました!」と言う井上さんに、せっかくなのでいくつか質問させてもらった。

 まず決勝の武神闘宴のときの井上さんの装備。このとき、井上さんのキャラクターはハンマー(スイ【凶】)を装備し、スキルとして見切り+2、斬れ味レベル+1、耳栓が発動していた。非常に実戦向きの優秀なスキルだが、先の『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベントのときにエフォクリのGod君やもうゲネポのMASAKI君は同じくハンマーを装備して、スキルとして見切り+3、斬れ味レベル+1、耳栓を発動させていたのである。井上さんくらいやり込んでいたらどんなスキルを発動させるのも朝飯まえのはずだが、なぜか見切りは+2。「なんで+3にしなかったんですか?」と水を向けると、井上さんは愉快そうに笑いながらこんなことを言った。

 「僕が使ってるキャラクター、女の子じゃないですか? ただでさえゴツい装備なのに、見切りを+3にしちゃうとさらに見た目がエラいことになっちゃうんですよ! 女の子なのにそんな格好させるのがかわいそうでかわいそうで……。なので見切りは+2にとどめて、僕が女の子の装備として許せる限界のところでまとめました(笑)」

 セカンドキャラで女の子を選んで遊び出してから、井上さんはキャラクターの見た目にことのほかこだわっているのだ。さらにゴツい格好をさせればより強いスキルが発動するとわかっていながら、「女の子なのにかわいそうや!」ってことでギリギリの線でとどまるところに、井上さんのコーディネーターとしての美学を見た(笑)。

 そして武神闘宴の2頭目で登場するティガレックスを相手にしているとき、井上さんはステージ上でひと言「失敗しました!!」と叫んだ。この発言の理由についてイベント中に言及されることはなかったのだが、ついでとばかりに「あのとき、何を失敗したんですか?」とたずねてみた。井上さんの答えは、立ち回りを突き詰めることのできない俺からみたら驚愕のものだった。

 「ティガがスタン(めまい)するまえに、2個目のシビレ罠にハマっちゃったんです。スタンを取ってからこの罠にハマれば、罠にかかっているうちに討伐できたんですよ。でもこれに失敗して、時間を食っちゃったんです」

 完全な詰め将棋! すげえレベルで立ち回ってたんだなやっぱり……。ちなみにエフォクリのGod君は井上さんチームがミスったとき、会場の片隅で「やっちゃった!!」と思って密かにドキドキしていたという。あのとき、会場にいた面々で井上さんたちがミスったことに、どれだけの人が気づいていたのだろうか……。

 そして武神闘宴の最大の壁、グラビモス亜種討伐。このとき、井上チームは落とし穴の連続設置という作戦を使って、早々にこのタフネスモンスターを屠り去っていた。この間、井上さんは『逆鱗日和』を媒介にしてエフォクリやゲネポといった全国のトッププレイヤーたちと交流を持つようになり、彼らからさまざまなものを吸収していた(『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベントにお忍びで来てくれた芸人さんとは、まさに井上さんなのです)。「エフォクリやゲネポと出会ったことが刺激になって、さらなる高みを目指せるようになりました」と井上さん。武神闘宴での立ち回りも、トッププレイヤーの立ち回りを研究し尽くし、そのタイミングを掴むまで必死になって練習した結果のものだったのである。『モンハン』タイムアタックに賭ける、井上さんの情熱と執念を感じずにはいられない瞬間だった。

 電話を切る間際、俺は井上さんに「また我々が集まれる機会を、ぜひ作ってくださいね」とお願いした。これに対して井上さんは「はい。またぜひやりたいですね!」と力強く答え、付け加えるように「大塚さんこそ、またイベントやってくださいね」と言って笑った。俺も同じように笑いながら、「お互い、がんばりましょう」と言い、再会を約束しあって電話を切った。

投稿者 大塚角満 : 16:22

【MHP 2nd G】第150回 『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント(7) お祭りが終わったら

 11月23日に行われた、『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会の後日談(?)のようなものを最後に書いてしまいましょう。なんとなく、私信のようなものになる気がしますが、まあたまにはいいかな……。って、今回は記念すべき150回目なんだねえ、『2nd G』プレイ日記。いやあ、我ながらよく続くな(笑)。

 まず、もうゲネポ(唯&MASAKI)、Effort Cristal(God&Jack)、Jast25`s(こんぺい&raven)の6人に出てもらって行ったメインイベント、シャッフルユニットタイムアタックについて。これは過去記事にあるとおりイベント当日のステージで6人に抽選してもらい、その場で新ユニットを作ってもらった。ステージ上のスクリーンには、できあがったチームに合わせたチーム名が表示されていたのだが、もちろんその場でチーム名を考えたのではなく、俺が事前に全12パターンのチーム名を作っておいたのだ。で、シャッフルユニットに参加してくれた6人から「ほかのパターンのチーム名も見てみたい」という要望があったので、彼らに対するお礼(?)の意味も込めて、ここに公開したいと思う。あ、ついでと言ってはなんだがそれぞれのチームの相性も知り合いの呪術師に占ってもらってあるので、それも付け加えておこう。

●唯×God 銀河最強の不協和音(相性・61パーセント)
(日本屈指の実力者ふたりが組んだときに不協和音を奏でるのではないか、と踏んでこの名前に)
●唯×Jack またEffort?(相性・64パーセント)
(God君の特訓でJack君がシンクロプレイを身につけたように、唯君にしごかれてまた努力を強いられるであろうJack君の心情を表した)
●唯×こんぺい 壊れたVツインエンジン(相性・75パーセント)
(内に秘める闘志がすごいふたりだが、どちらが主導権を握るかですんなりいかない部分もあるのでは? の意)
●唯×raven 頭脳と指先のシナジー(相性・75パーセント)
(raven君の戦略眼と、唯君のアクションゲームを操る純粋な実力が強烈なシナジー効果を生み出すのでは……という意味)
●MASAKI×God 才能シナプス(相性・81パーセント)
(抜群のセンスを誇るMASAKI君と絶対的な実力者であるGod君の融合を、シグナル伝達などの重要な活動を担うシナプスに例えた。意味不明感はある)
●MASAKI×Jack 反逆の下克上(相性・76パーセント)
(普段、絶対的な実力者をパートナーにするふたりがオノレの存在を強烈にアピールするために生まれたコンビ。反逆のうえに下克上)
●MASAKI×こんぺい パッション・ダイナマイト(笑)(相性・63パーセント)
(情熱的なふたりが手を組んだ。情熱大爆発。(笑)は筆者のテレ隠し)
●MASAKI×raven 女殺しとモンスター殺しのサンバ(相性・63パーセント)
(イケメンでモテモテのMASAKI君(先入観)と、冷徹なまでの理詰めでモンスターを屠り去るraven君を考えたとき、速攻で思いついた)
●God×こんぺい 時を超えた師弟コンビ(相性・70パーセント)
(モンハンフェスタ`07におけるJast25`sの立ち回りを見て、エフォクリのGod君がシンクロプレイを思いついたのは有名な話)
●God×raven ザ・サディスト(相性・70パーセント)
(先入観でものを言ってたいへん申し訳ないが、基本的に冷静なGod君とraven君はどうしてもサディストに見える)
●Jack×こんぺい 炎と氷のケミストリー(相性・57パーセント)
(こんぺい君が情熱的な男であることは書いたが、Jack君は基本、非常に冷静で慌てても顔に出さない。そんなふたりを炎と氷に例えた)
●Jack×raven 隠密特殊部隊(相性・57パーセント)
(寡黙で、与えられたことを着実にこなすJack君と、『銀英伝』のオーベルシュタインを思わせるraven君は、光よりも影の魅力があるから)

 こんな感じですな。いやあ我ながら、ホントに好き勝手につけるもんだなぁ(笑)。

 イベントが終ったあと、ゲストの6人と遊びに来てくれた仲のいい芸人さん、そしてイベント製作に協力してくれたスタッフとともに近所の居酒屋に打ち上げに行き、舞台裏のいろいろな話をした。そこで具体的に何を話したのかは俺と江野本の胸の内に大事にしまわせてもらう。感無量すぎて、話の内容をよく覚えてないし(苦笑)。ひとつだけどうしても書きたいのは、俺たちのために駆けつけてくれた6人のプレイヤーと、つたない我々のイベントを見るために超忙しい仕事のスケジュールを調整して来てくれた(しかも打ち上げの最後までいてくれた)芸人さんといっしょのテーブルについていることが、幸せで幸せでならなかった、ってこと。彼らは口々に「また絶対にこういうイベントやってください!」、「どこにいても駆けつけますから!」と涙ながらに言ってくれた。臭いことを言って申し訳ないが、時間を操れるなら、ずっとこの場所にいたいと思ってしまったよ……。

 別れ際に、6人全員と握手をして言葉を交わした。ふだんクールな唯君が「また必ず、こういうイベントをやってくださいね」と言って顔をくしゃくしゃにした。「せっかく角満さんが本命にしてくれたのに、期待に応えられなくてすみませんでした」とMASAKI君が泣きそうな顔をした。涙を懸命に堪えているのがすぐにわかった。「何度も呼んで悪いかな……なんて絶対に思わないでくださいね!」とJack君。表に出さないだけで、彼が熱い男だということを俺と江野本はよく知っている。「いつでも喜んで駆けつけますから!」とはGod君。俺たちはこの天才プレイヤーにどれほど助けられていることだろう。「みっともないプレイを見せちゃって申し訳なかったです。でも楽しかった!」と笑ったraven君。俺たちのムチャな申し出に応じてくれて、どれほどありがたかったことか。「すごく勉強になりました! 呼んでくれて、本当にありがとうございました!」という涙のカリスマ、こんぺい君も、やはり泣きそうな顔になっていた。ホントにホントに、皆さん、ありがとうございました! こんなのしか書けんけど、俺と江野本は全身全霊の力を込めて、みんなにお礼を言いたいのです。

 そんな俺たちの様子を見ていた芸人さんは別れ際に、弾けるような笑顔でこんなことを言ってくれた。

 「大塚さん、愛されてますね」

 はい。俺も心から、そう思います。

 『サヨナラ! 逆鱗日和』と、イベントに関わったすべての皆様、本当にありがとうございました! つぎの機会がありましたら、またいろいろお願いにうかがいますね(笑)。
 

投稿者 大塚角満 : 13:19

【MHP 2nd G】第149回 『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント(6) 後半ステージリポート その2

 長いこと書いてきた『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会の模様ですが、いよいよ本日最終回! ……のつもりで書いてみます。完結できっかなぁ?

 さあさあ本日のメインイベント、史上最強シャッフルユニット3組による武神闘宴タイムアタックの開幕だ! ルールは、武器、防具、装飾品などは基本的にふだん使っているものでオーケー(若干の規制はあった)だが、ひとりは必ずガンランスを使わなければならない(どのガンランスを使うかは自由)。アイテムの持ち込みももちろん自由で、好きなものを好きなだけ使って問題なし。ルールと言えば、そのくらいだ。……まあ、ひとりがガンランスに縛られる時点で、相当がんじがらめな感じはしますがね。

 タイムアタック1組目は、もうゲネポ・唯&Effort Cristal(エフォクリ)・Godによる”銀河最強の不協和音”チームだ。来場者投票による下馬評は、このチームがダントツの1位。その理由については、前回のコラムを読んでもらうのがいいだろう。”『モンハン』タイムアタック史上、最強のコンビ”と言われる彼らは、いったいどんな立ち回りを見せてくれるのか!?


▲戦慄の立ち回りを見せた銀河最強の不協和音。

 まず注目は、どちらの選手がガンランスを手にするかだ。見るとどうやら、もうゲネポの唯君がガンランス担当になったようである。彼はもともとランス使いだし、どんな武器も器用に使いこなすセンスもあるので、唯君がガンランスを持ってくるのは言ってみれば想定内のこと。そんな彼の分身が手にしているガンランスは毒属性の”ベナムデパルファン”だ。攻撃力が644と高く、砲撃もレベル4の放射型。スキルに斬れ味レベル+1がついていたので、最難関であるグラビモス亜種には最適のガンランスだろう。ほか、捕獲の見極め、罠師、ボマーもスキルとして発動。ネコの気まぐれスキルとしてネコの火薬術と特殊攻撃術も発動していた。「へぇ〜……。こんな装備あるんだ……」と、ガンランスの使用回数が1050回を超えた老練な世界一のガンランサー(笑)はステージの上にいることも忘れて素で感心する。

 一方のGod君は、ハンマーを装備してきた。まあ、これも俺の予想どおり。だってGod君のハンマー使用回数って……5000回超えてんだもん(笑)。ハンマーを使わせたら、この男に匹敵する人間はこの世にいないのではあるまいか……ってくらい、God君はハンマーに精通している。そんな彼が装備しているのは”角王鎚カオスオーダー”。攻撃力1508の凄まじいハンマーだ。これに、斬れ味と会心率を補うために斬れ味レベル+1、見切り+3、耳栓をスキルとして発動。壮絶な火力アップを図っている。そしてネコスキルでネコの火事場力を発動させていた。このネコスキルが、のちに我々に恐ろしいものを見せることになるのである……。

 さあクエストスタートだ。最初の相手はナルガクルガ。すぐにGod君は爆弾を利用してオノレの体力を削り、ネコの火事場力を発動させる。ネコの火事場力は攻撃力が1.35倍になるが、自分の体力を10以下にしなければ発動してくれない。要するにこの状態になったら、1発でも攻撃が当たったら即昇天してしまうのだ。God君はクエストが始まってすぐにネコの火事場力を発動させた。つまり彼はこう言っているのである。「俺は一撃も攻撃を食らわない」と……。

 ここからはもう、完全に唯&Godのショータイムだった。ナルガが構えるまえに(まえに、だよ)音爆弾を投げてめまいにする唯君(彼らが引いたナルガは非常に性悪で閃光玉を当ててもなかなか”構え”のポーズになってくれなかったのだが)、そして体力10のまま、本当に攻撃を1発も食らわずに立ち回ってナルガの頭をボコボコにするGod君……。恐らく2分足らずで、ナルガクルガを屠り去ってしまったのではなかろうか……。

 そしてティガレックス。闘技場に登場してすぐにケムリ玉を投げられて視界を失ったティガに、God君のハンマーが襲い掛かる。そこからは、攻撃と閃光玉で壁際に追い詰められたティガを相手にしたスパーリングだ。やはりGod君は攻撃を1発も食らわず、ネコ火事場のままティガをボッコボコにしている。一方の唯君も、俺が思わず「キミが使ってんの、ホントにガンランス!?」と叫んでしまったほど軽やかな立ち回りでティガを突っつきまくっている。ハタと気づいたが、唯君は持ってるのがガンランスなのに1発も砲撃をしていない。これを見てMCの佐治キクオが、「大塚さん、もう角満砲とか言ってる場合じゃねえっすよ!! 彼のガンランス、弾すら入ってないし!」と絶叫。(こ、こんな立ち回りがあるのか……)と、俺はひたすら呆然とするばかりだった。

 けっきょくティガレックスも5分針で捕獲されてしまう。じつは俺、知らなかったのだが、あとで唯君に「なんでティガを捕獲したの?」と聞いたところ「ティガは捕獲すると、討伐よりも30秒ほど早く闘技場から消えてくれるんですよ」と教えてくれた。もう彼らと話をしていると、「へぇ〜!」とか「ほー!」とかしか言葉が出てこなくなるから困るわ(苦笑)。

 おつぎは最難関のグラビモス亜種だ。タイムアタックをするときに、こやつほど大きな壁はなかろう。しかし、銀河最強の不協和音チームには、このグラビモス亜種ですら壁とは成り得なかった。

 彼らはグラビモス亜種が登場する着地点に落とし穴を設置し、大タル爆弾G4つの起爆により開戦を告げる。そのあとはひたすら、落とし穴攻め。またこれがタイミングが絶妙で、グラビモス亜種が落とし穴から抜け出す直前に新しい落とし穴を設置し、飛び上がった巨体は着地すると同時に再び穴の中へ。これを3セットほどくり返すうちに硬い硬いグラビの腹も割れ、あとはもう、殴り放題……。唯君の毒突っつき攻撃(相変わらず砲撃しない)でものの見事に毒ってたし。けっきょく、よく覚えていないのだが時計の針が10を指すころにはグラビモス亜種も捕獲されていたと思う。

 そしてここで、God君が秘薬を選んで体力の回復を図った。なんと彼はグラビモス亜種を捕獲するまで、ずーーーーっとネコの火事場力のままで立ち回っていたのである! なんて恐ろしい……。しかもここで、佐治キクオがあることに気が付いて”もう笑うしかない”とばかりに爆笑しながら衝撃の事実を告げた。

 「ちょっと! God君、回復薬も回復薬グレートも持ってきてないし!!

 そう、God君は体力回復用のアイテムはネコの火事場力解除用の秘薬しか持ってきていなかったのだ! よく冗談で「攻撃を食らわなければやられることはない」なんて言うが、ホントにそれを実践してる人間初めて見たわっ!!!

 というわけで、このふたりは俺が期待(?)した不協和音を奏でることもなく、アっと言う間にディアブロス亜種、ラージャンも撃破。もうホントに、途中からモンスターを応援したくなったわい(笑)。

 2組目は、エフォクリ・Jack&Jast25`s・ravenによる”隠密特殊部隊”だ。下馬評では3番目の評価だった彼らが選んだ、ガンランスの相棒となる武器は……ヘビィボウガンの”クイックシャフト”!! このとき、俺は銀河最強の不協和音チームとパッション・ダイナマイト(笑)チームに視線を振り向けたのだが、4人が4人とも「痛恨!!」という顔をしていた。実際、打ち上げのときに唯君とGod君に「隠密特殊部隊がヘビィボウガンを担いで来たとき、どう思った?」と聞いたら、「終った……と思いました」(God)、「優勝は隠密特殊部隊だろうなと……」(唯)と語っていたが、『2nd G』においてヘビィボウガンは、それほど強力な武器なのである。しかも、ヘビィボウガン担当となったraven君のスキルには、当然のように自動装填が。そしてネコの気まぐれスキルにネコ火事場! 難攻不落のグラビモス亜種で絶大な威力を発揮する自動装填付きのヘビィボウガンを、東シナ海の諸葛孔明は選択したわけだ。一方、相方のJack君が持ってきたガンランスは”あの”大砲モロコシ!! 見た目のかわいらしさとは裏腹に、レベル5の拡散型砲撃を持つこのガンランスは、砲撃メインで立ち回ることを選んだときに真の力を発揮する。スキルにはもちろん、砲術王に砥石使用高速化、そして装填数UPもついている。「撃つ気満々ですねこれは!」とMCの佐治。「大砲モロコシを持ってきて撃たなかったら、ただのモロコシだからな!」と俺。ある意味、ガンランスらしい立ち回りを期待する俺の怨念を乗せたまま、クエストはスタートした。

 最初にやることはもちろん、raven君のネコ火事場を発動させることだ。そうするには、持ち込んだ大タル爆弾Gと小タル爆弾を使うのが手っ取り早い。実際、raven君は落とし穴に落ちたナルガクルガの鼻っ面に大タル爆弾Gをセットしてキックで自爆。本当に1ミリだけ体力の緑ゲージが残り、残りは赤ゲージとなってしまった。これで無事、ネコ火事場発動。しかし赤ゲージが回復してしまったらネコ火事場は解除されてしまう。そこでraven君、間髪入れずに小タル爆弾を足元に設置して……って、は、早くね? ダイジョブか……? ああああ、小タル爆弾が爆発する!! あ、あ、あ、あ!!

 ボカーン

 「力尽きました」

 ……。

 開幕自爆か!!!!!

 どうやらraven君、赤ゲージを多少回復させてから使わなければいけなかった小タル爆弾を早めに設置してしまい、衝撃の速攻自爆を演じてしまったらしい。しかしまだ1オチ。自動装填ヘビィだったら、余裕で取り戻せるはず!

 その間、Jack君は俺が期待したとおり砲撃中心の立ち回りでナルガクルガを攻めていた。顔の真正面に立って踏み込み突きから砲撃。突きから砲撃。派手な拡散型の砲撃に会場も沸いた。そしてraven復活。再び最強のネコ火事場ガンナーとなり、気を取り直してバヒュンバヒュンと強烈な弾丸をナルガクルガに撃ち込み始めた。

 しかしどうやら、この日の隠密特殊部隊には死神が取り憑いていたようだ。

 なんと猛るナルガクルガの猛攻に合ってraven君が2オチ目を計上。それでもなんとかナルガクルガを討伐してティガレックスの前に立つも、壁役のJack君が攻撃に吹っ飛ばされた隙にraven君が狙われ、ネコ火事場のささやかな体力はティガの突進に吸い取られる……。相手チームに「脅威!」と思わせた隠密特殊部隊は、真価を発揮するグラビモス亜種に到達するまえに3オチでクエスト終了。優勝争いは銀河最強の不協和音チームと、これからクエストに臨むパッション・ダイナマイト(笑)チームに絞られた!


▲「あっちゃー!」というraven君の表情が、じつに印象的……。

 さあさあ、俺が本命印を打ったもうゲネポ・MASAKI&Jast25`s・こんぺいのパッション・ダイナマイトの登場である。このチームでガンランスを担ぐのは……こんぺい君だ。こんぺい君、ガンランスの使用回数30回程度だったのに……。ヘンな縛りつけてゴメンな(苦笑)。装備は、全身メルホアZで、スキルがわんさかと発動している。捕獲の見極め、罠師、回避距離UP、回避性能+1、高速採取……。そして武器は、火属性のガンランス”溶解銃槍ヴォルガノス”だった。じつはこれ、かなーり意外な選択。武神闘宴に出てくる5頭のモンスターで、火属性がドンピシャで有効なのは最初のナルガクルガだけだ。まあスキルを見れば、アタッカーというよりもサポートメインのガンランサーとして闘技場に立つのだろうが、果たしてこれがどう影響するのか? そしてスキルに心眼も斬れ味レベル+1も
着いていないことが、硬いグラビモス亜種のときにどう出るのか!? 一方のMASAKI君は、かのGod君とほぼ同じ装備。武器は角王鎚カオスオーダーで、発動スキルは斬れ味レベル+1、見切り+3、耳栓。ネコスキルでネコ火事場も持っていた模様。こりゃあもう、ガチンコで銀河最強コンビに挑む構えではないか!!

 というわけで、ついに始まったパッション・ダイナマイト(笑)のタイムアタック。最初のナルガクルガは定石どおり、閃光玉→音爆弾のコンボを駆使して立ち回る。おもしろいように決まる音爆弾。もうこのナルガクルガ、ほとんどまともに地面に立っていなかったよ(苦笑)。MASAKI君の攻撃はすべて頭だし、こんぺい君もガンランス使用回数30回ほどとはとても思えない立ち回り。MCのカミカゼ長田に「ずっとガンランス使ってる大塚よりもはるかにうめえ(笑)」と言われてしまったが、まったく俺は1000回以上もガンランスを担いで、いったい何をやってきたのだろうか……。


▲序盤の立ち回りは銀河最強の不協和音チームに匹敵するものがあったパッション・ダイナマイト(笑)。

 対ティガレックスも、基本的にはナルガクルガと同じ。閃光玉でピヨらせたところに、頭を潰すかのようなMASAKI君のカオスオーダーによる打撃。こんぺい君は竜撃砲も炸裂させ、アっと言う間にティガレックスを捕獲してしまった。盛り上がる会場。実際、ここまでのタイムは銀河最強の不協和音よりも速かったのではあるまいか……。そう思えるほど、パッション・ダイナマイト(笑)の立ち回りは極まっていた。


▲観客も静まりかえって、超絶ハンターたちの立ち回りを見守った。

 しかし、問題はここからだった。動く活火山、グラビモス亜種がふたりの前に立ちはだかったのである。グラビモス亜種の登場時に落とし穴にハメて、大タル爆弾Gで攻めるところまではセオリーどおり。ここから唯&Godは落とし穴の連続設置で早々にこのモンスターを撃破したのだが、MASAKI&こんぺいはひたすらガチンコでの立ち回りを余儀なくされた。イベント終了後に「唯一、作戦を詰め切れなかったのがグラビモス亜種だったんです……」とMASAKI君が悔しそうに語ってくれたが、斬れ味レベル+1、心眼が発動していないこんぺい君の溶解銃槍ヴォルガノスはことごとくグラビモス亜種の硬い外殻に弾かれ、懐に飛び込んでいったMASAKI君もガス噴射で吹き飛ばされていた。ここでの数分間の力攻めが、最終的なタイムに大きく響いた。

 パッション・ダイナマイト(笑)が最後の激昂ラージャンを仕留め、タイム集計を行った結果、優勝したのは……。

 銀河最強の不協和音!!! なんとクリアータイムは18分04秒ですよ!! これ、対象クエストは武神闘宴でクエスト参加者は2名、ひとりはガンランス縛りの上に、イベントステージでの1発勝負のタイムですよアナタ……。2位のパッション・ダイナマイト(笑)の24分08秒ってのも十分凄すぎるタイムなのだが、いやはや、実力ナンバーワンと見られていた唯&Godのポテンシャルは凄まじいわ……。


▲ご覧のとおり、俺の予想を覆して銀河最強の不協和音チームが優勝した!


▲優勝したふたりには、逆鱗日和名語録Tシャツの紫バージョンをプレゼント! おめでとう〜!

 こんな感じで無事、大盛況のうちに『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会は幕を閉じた。本当に、会場に来てくれた皆さん、応募してくれたのに当選できなかった皆さん、運営スタッフ、俺たちのためにすっ飛んできてくれた6戦士、そして、イベントを企画・プロデュースしてくれたえのっち。もう、どんなにお礼を言っても足りないくらい、幸せな気分に浸れたイベントとなりました……(涙)。


▲優勝チームを当てた方の中から抽選で20名様にプレゼントを贈った。これはその中のひとつ、サイン入りハンドボール。俺の自宅に転がっていたやつにサインをして贈りました(笑)。超ありがた迷惑。

 つぎにイベントができるの、いつになるのかわからないけど、すでに俺と江野本は「つぎにやるとしたら、こういうことできんかな?」と内々に企画を出し合ったりしています。『サヨナラ!』のあとがきに書いたとおり、しばらく『逆鱗日和』が出ることはないと思われますが、単行本にもイベントにもすっかり味をしめているので、遠くない未来にまた何かしちゃうかも?(笑) またそのときに、皆さんにお会いできますように。

 本当に、ありがとうございました!

sayonaraive33.jpg
▲最後はみんなで記念撮影! 掛け声はもちろん、「ひと狩り行こうぜ!!」。

投稿者 大塚角満 : 16:04

【MHP 2nd G】第148回 『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント(5) 後半ステージリポート その1

 ダラダラ書いていたら、イベントが終ってから1週間も時が流れてしまいました。でもしつこく書き続けます。”『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会”のイベントリポートです! ……俺の視点から見た”井上CUP”のリポートは、角満イベントをお伝えし終えたら書きますね。これもまた、俺しか書けない情報が満載のリポートになりますので、ご期待アレ(とくに、次長課長の井上さんファン)。

 えーっと、前回はもうゲネポ、Effort Cristal、Jast25`sの6人をシャッフルしてこの日だけの3ユニットを結成してもらい、どのチームが勝つのかを俺が予想した……ってところまで書いた。ざっと、それぞれのチームを紹介しよう。そのまえにおさらいとして、俺がつけた6選手のキャッチフレーズをもう一度。

スピードは誰にも負けない! 西の神ランサー
『モンスターハンター』の申し子
もうゲネポ 唯 

どんなプレイにも合わせます! 恋の駆け引きも合わせます!
ミスター"センス"
もうゲネポ MASAKI

シンクロプレイは神に挑むために完成させたっ! でも英語のつづりは間違えたっ!
タイムアタックの"絶対神"
Effort Cristal God

シンクロプレイは俺がいなければ完成しなかったっ! でもリストラ危機っ!
"努力"を"かっこよさ"に変えた男
Effort Cristal Jack

色褪せぬ"初代王者"の誇りと矜持
反骨の涙腺クラッシャー
Jast25's こんぺい

すべての動きは我が手の中に……。”魅せるプレイ”のフロンティア
東シナ海の諸葛孔明
Jast25's raven

 まず、俺が”本命”を打った、もうゲネポのMASAKI君、Jast25`sのこんぺい君からなるチーム”パッション・ダイナマイト(笑)”について。このふたりはチーム名が表しているように(って俺がつけたんだが)、”情熱の男”である。今年のモンハンフェスタの様子を余すところなく伝えているDVDムック『モンスターハンターフェスタ‘08 メモリアルDVDブック』をご覧になった方は知っていると思うが、こんぺい君は福岡地区大会で敗れ去ったとき、ディフェンディングチャンピオンの責任を果たせなかったことが悔しくて号泣した男だ。自分に寄せられた期待と責任を受け止めて熱く燃える男。だから俺は彼に”反骨の涙腺クラッシャー”というキャッチフレーズをつけた。一方のMASAKI君は今風のルックスに隠されがちだが、こんぺい君に負けず劣らずの闘志を内に秘めている。いつも「角満さんとぎずもさんのためなら何があっても飛んで行きますよ!」と熱く言ってくれるのがこの男なのだ(今回の6人、みんなそう言ってくれるけど)。そんなMASAKI君のプレイスタイルは”合わせ”だ。ズバ抜けたセンスでどんな相棒のプレイにも合わせられる。だから彼は”ミスターセンス”なのである。そんなふたりが手を組んだので、俺はこのチームに本命を打つことをためらわなかった。ちなみにチーム名に(笑)がついているのは、命名した俺の照れ隠しである。要するにアレだね。自分を称するときに”世界一のガンランサー(笑)”と必ず(笑)をつけるが、それと同じだネ^^


▲こんぺい(左)&MASAKI(右)のパッション・ダイナマイト(笑)。熱いふたりの体育会系タッグ。

 対抗の、もうゲネポ・唯&エフォクリ・Godの”銀河最強の不協和音”は、決まった瞬間に「!!!!!」とビックリマークが頭上から飛び出してしまったくらいの衝撃チームだ。事前に江野本と全チームの組み合わせを妄想して優勝予想をしていたのだが、そのたびに必ず出てきたのが「唯君とGod君が組んじゃったらどうする……?」というもの。それくらい、このふたりの実力は抜きん出ているのだ。彼らふたりにつけた”『モンスターハンター』の申し子”(唯)、”タイムアタックの絶対神”(God)というキャッチフレーズは誇張でも何でもなくて、俺の知る限りソロで”日本のトップ3”に入っているうちのふたりは、まさにこの唯&Godなのである。今年のモンハンフェスタで優勝、準優勝したもうゲネポ、エフォクリのチームリーダーであり、日ごろからタイムアタックのライバルとして切磋琢磨しているふたり。そんなふたりのチームだったら迷うことなく本命印を打ってもよさそうなものだが、俺はふたりがライバルどうしで、ともにチームを引っ張っていくタイプの人間であることを考慮し、和音を奏でるには2時間程度の練習時間じゃ足りないと思って”対抗”とした。そう。チーム名にあるとおり、和音じゃなく不協和音を奏でることになる……と読んだわけだ。


▲ともに傑出したチームのリーダーであり、ソロプレイヤーとしてもハンター界随一の実力を持つライバルどうし。自他共に認める実力ナンバーワンコンビ。

 最後、大穴としたエフォクリ・JackとJast25`s・ravenのチームは、非常に不気味な存在だった。じつは俺、今回のシャッフルユニットタイムアタックで重要なカギを握っているのはraven君だと思っていたのである。raven君は見事なまでに”軍師”タイプのプレイヤーだ。もうゲネポやエフォクリのように突出したチームリーダーがおらず、ふたりが並んでいるJast25`sというチームにあって、裏に回って工作できるのがravenという男なのだ(悪い意味ではなく)。諸葛孔明や『銀英伝』のオーベルシュタインを思わせる彼の戦略眼が”勝つこと”に向いたとき、恐るべき力を発揮するのではあるまいか……? 一方のJack君は、MASAKI君と同じく”合わせ”タイプのプレイヤーだ。つねに相棒より一歩引いたところに自分を置いているが、相棒が考えた作戦のためならばどんな努力も厭わない。だからこそ、あの”シンクロプレイ”が完成したのだし、エフォクリは全国で大暴れできたのである。Jack君がraven君を相棒に選んだのは、前述したとおりraven君が作戦立案について一日の長があったからだ。この人の作戦に”合わせる”ことができたら、唯&Godですら喰うことができるのではなかろうか? 彼がそう考えたとしても不思議はなかったし、実際あとでJack君に話を聞いたら「組むんだったらravenさんがいいと思っていました」と語っていた。そして実際、彼らは”隠密特殊部隊”の名の通り、飛び道具を持って武神闘宴に臨むのである。


▲何をしてくれるか読めないダークホース度で言ったら、これほど不気味なチームはない。軍師・ravenが選んだ戦法は……!

 うっはー……。我ながら各チームを紹介するだけでこんなに文字数使うとは……(苦笑)。でも、こういう人物分析みたなこと書くの、このうえなく好きなんだよねえ。6戦士の皆様、勝手なこと書いてゴメンナサイ。でも、なかなかの分析でしょう?

 さて、後半ステージが始まるまでの2時間ほどは、来場者どうしで自由に『2nd G』で遊んでもらう”オフ会”とした。その間、俺はステージ上に残って希望者にサインしたり、記念撮影に応じたりしておりました。こういうイベントだとステージ上に出ずっぱりになってしまってなかなか来てくれた方々と触れ合えないものだが、今回はオフ会中の2時間をファンの方々との交流(といっても、ひとりひとりと話せる時間は限られてしまうけど……)に使えたのでホントによかった……。そのあいだ、江野本はシャッフル3チームの練習場を訪問して様子を見てきたらしい。俺が控え室に戻ったとき、江野本は開口一番「パッション・ダイナマイト(笑)の気合が凄いです……。あの人懐っこいふたりが、あっしが部屋に入っても一瞥もせずにずっと画面に集中してましたから……」と発言。僅かな時間ながら徹底して詰めてきているようだ。ステージ後半が楽しみだ!


▲オフ会中の風景。いろいろなハンターが集まる機会はやはり貴重。みな、思い思いに楽しんでくれたようだ。


▲優勝チームを当てた人の中から抽選で、ささやかながらプレゼントを贈らせてもらった。これは特賞として1名様にだけプレゼントする特製”逆鱗日和名語録Tシャツ”。胸の中央に『逆鱗日和』に登場するセリフを大小取り混ぜてデザインした。世界に8着(青は1着!)しかないレアなTシャツです!

 というわけで始まったステージ後半戦。まずは、来場者からの投票結果を公開しよう。一番人気になったのは……。

銀河最強の不協和音……73票
パッション・ダイナマイト……36票
隠密特殊部隊……28票

 やっぱり、唯&Godが一番人気かあ。それもダントツ。……ていうか、俺の予想はほとんど意味ナシか!! ま、いいけどね……。

 というわけで始まりましたシャッフルユニットタイムアタックの本番! もう、長くなることが目に見えているので、本日はここまで! もう、引っ張れるところまで引っ張らせていただきます!


▲ステージに勢揃いした6戦士。来場者はこのあと、とんでもないものを見ることになる!

投稿者 大塚角満 : 16:31

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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