大塚角満の ゲームを“読む!”

« 【MHP 2nd G】第143回 『サヨナラ! 逆鱗日和』発売日! | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【MHP 2nd G】第145回 『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント(2) 4人シンクロプレイの秘密  »

【MHP 2nd G】第144回 『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント その1

 いま、ものすごい寂しさに包まれながらPCのモニターを見つめている。11月23日に行った"『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会"があまりにも楽しく、充実していたために、俺も、イベントをプロデュースした江野本ぎずもも完全な抜け殻状態になってしまったのだ。スカイプで連絡事項のやりとりをしているときも、ふとした拍子に「なんもやる気が起きねッス……」(江野本)、「原稿、タイトル書いただけで1時間以上止まってる……」(大塚)なんていう、『サヨナラ! 逆鱗日和』を作っていたときやイベントの準備をしていたときでは考えられない、気の抜けたやりとりをしている。ふたり揃ってこんなモードになってしまったことがなかったので少々ビックリするとともに、「本当に充実した日々だったんだなぁ……」とシミジミと思ったり……。そんな、俺たちを腑抜けにしてしまったくらい充実していたイベントの模様を何回かに分けてリポートしちゃいます。ただし! 7月に行った『ニャンと! 逆鱗日和』の発売記念イベントのときもそうだったのだが、ずっとステージに上がっていたためメモも取れないのと、映像も録音もしていないためイベントの詳細とか会場の反応がよくわからない!! なので詳細なイベントリポートは参加してくれた一般の方のブログに任せるとして(スミマセン……)、俺はイベントの裏話などをここで書きたいと思う。

 今回のイベントの準備は、遡れば『ニャンと!』の発売記念イベントが終った直後から始まっていたんだと思う。冒頭の文章とカブってしまうのだが、この『ニャンと!』のイベントがあまりにも楽しかったがために終ったあとに寂しくなってしまい、「絶対にまた今回のようなイベントをやろうね!」と江野本と話し始めたのだ。しかし大規模(と言っていいかわからんが……)なイベントを行うにはそれなりの大義名分が必要で(心情的なものだけどね)、その大義名分とは”新刊を出す”ことしかなく、俺と江野本は「イベントやりたいからがんばって年内にもう1冊『逆鱗日和』を出そう!」と決めたのである。

 本格的なイベントの準備は、『サヨナラ! 逆鱗日和』の校了作業と並行して行った。準備段階での人手は基本、俺と江野本、そして『逆鱗日和』シリーズのデザイナーである松岡さんだけ。前回のイベントのときもそうだったのだが、これがまたたいへんだった。

 イベントの打ち合わせは、つねに深夜だった。日中は通常業務と『サヨナラ!』の作業で予定がパンパンに入っていたのでどうにも動けず、飯も食わずになんとかその日の業務を深夜12時くらいまでに終えて、「んじゃ、イベントのことでも詰めるか……」とフラフラ&腹ペコになりながらアレコレと相談をしていたのだ。

 イベントの打ち合わせは、プレッシャーとの戦いだった。『ニャンと!』のイベントは、慣れない俺たちふたりのプロデュースながら数々の奇跡のおかげで盛り上がった(たとえば、ステージ上で披露したG級ティガレックス討伐で俺が2回連続で轟竜の天鱗を剥いだり)。しかしここから出てくるのは「奇跡を超えるのはきびしい」という俺と江野本の共通見解だけで、出発点がそこだったからプレッシャーは並々ならぬものがあったのだ。しかし「やる!」と決めた以上、俺たちは必死になろうと決めた。イベントが終ったらぶっ倒れてもいいから、とにかく一生懸命仕込みをしようと誓った。

 いちばん最初に決めたのは、イベントで来場者の皆さんにお見せするメインコンテンツだ。これについては『ニャンと!』のイベントが終った直後から「つぎはこうしたいね」と江野本と話していたアイデアをそのまま実現させることにした。それは、

 シャッフルユニットタイムアタック

 だ。『ニャンと!』のイベントでは今年のモンハンフェスタ優勝チームである”もうゲネポ”と準優勝チームである”Effort Cristal”に登場してもらって、ガチンコで激昂したラージャンを相手にしたタイムアタック勝負をしてもらった。このときはイベントが行われる数週間まえにチャレンジしてもらうクエストを告げ、真剣に練習もしてもらった。しかし当日は、チャレンジ1回のみの真剣勝負。彼らにかけてしまったプレッシャーはとんでもないものがあったろう。結果、敗れ去った全国1位のもうゲネポは涙を流さんばかりに悔しがり、その表情を見た仕掛け人の俺と江野本は辛くて辛くてどうにもならなくなってしまった。なので「つぎにやるとしたらもっとイベント性を加えよう」と決めたのである。そこで出てきたのが”チームをシャッフルする”というアイデア。さらに多少でも彼らがイベントとして楽しんでくれればとクエストは当日発表することにした。これを実現させるにはどうすればいいのか、俺たちは顔を付き合わせて詰めていった。

 問題は、シャッフルするにしては2チームでは少なすぎることだった。せめてもう1チーム、ゲネポ、エフォクリに匹敵する実力と知名度を誇るチームが欲しい。となると……。俺は深夜の居酒屋で江野本に言った。

 「Jast25`sを招聘しよう」

 Jast25`sは、言わずと知れた初代モンハンフェスタチャンピオンだ。俺の言葉を聞いて江野本はにっこりと笑い、「はい。あっしもJast25`sしかいないと思います」と言った。

 すぐに3チームに連絡を入れた。11月23日にイベントを行いたいこと。そしてそこのステージに登場してもらって、シャッフルユニットタイムアタックというムチャな企画に挑戦してもらいたいこと……。すぐに、3チームから返事。表現は違いながらも、3チームそれぞれはキッパリと、つぎのように言ってくれたのである。

 「角満さんたちのイベントだったら、どんなことがあろうと駆けつけますよ!!」

 彼らの反応を見て、俺と江野本は涙ぐみながらも決意を新たにした。絶対にステキなイベントにしよう。参加してくれる6人と、来場してくれるすべての人が満足してくれる1日にしよう……。俺は江野本に言った。

 「疲れたとかたいへんだとか、言ってる場合じゃないな」

 江野本がこれに応えた。

 「はい。イベントが終るまで、突っ走りましょう!!」

 日本のトップ6人から元気をもらった俺たちは、休日返上で来場者へ配るものを作り始めた。情けないけど予算がまったくないので、今回も配布物は全部手作り。来場者の皆さんに配った缶バッジ(『逆鱗日和』シリーズのイラストなどをくり抜いて作った)も”逆鱗フジ”と題したタブロイド版(8ページすべて書き下ろし。しかも勝手に俺が書いた長編小説付き)も、ムチャなスケジュールの中で作り上げた。本当に、ギリギリの勝負だった。


▲缶バッジを作る作業、じつはすごく楽しかったです♪

 俺がタブロイド版を作っているあいだ、江野本はイベントに関わる各部署に頭を下げまくり、細かな作業や調整を行っていた。言ってしまえば、俺はけっきょく書いているだけの人間なので、頭とパソコンがあれば何とかなってしまう。しかし江野本の作業はほとんどが"対人"なので、精神的にも身体的にも、疲労の度合いは俺の比じゃなかったはずだ。それでも江野本は、泣き言をいっさい言わなかった。いっぱいいっぱいになりながらも、「必ずいいイベントにしましょうね!」と言い続けた。

 しかし俺たちがやらなければいけないことは、配布物を作ったり、関係部署と調整することだけではなかった。もうひとつ、非常に重要なステージイベントを行うための仕込みをしなければいけなかったのである。その日の通常業務を終え、イベントの打ち合わせがひと段落するころには深夜の2時とか3時になってしまっていたのだが、俺たちはそこからPSPを取り出し、あるクエストをこなしていたのである。寝不足で目を真っ赤に充血させながら、俺は江野本に言った。

 「さて……。やりますか、あの練習を……」

 江野本が目の下に隈を作りながら応えた。

 「そっすね……。練習しないとマズイっすもんね……」

 俺たちが何を練習していたのか? それについては次回書きます〜。

投稿者 大塚角満 : 19:50

大塚角満

プロフィール画像

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


ファンタジーライフ公式サイト