大塚角満の ゲームを“読む!”
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というわけでようやく、『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会の内容に迫る記事を書くときが来た!! ……って遅すぎ!! この1週間、ずっと心の中に(早くイベントリポート書かなきゃ……)という思いがあったのですが、やはり主催者だからこそ知っているイベントの裏側とか心の動きをどうしても書きたくなるわけで、でもそうするとめちゃくちゃ長文になってしまうから何回かに分けて記事にする必要が出てくるでしょう? んで、どうせだったら何日かの続きモノにしたいな……という思いも頭を持ち上げてくるので、そうするとイベントリポートの鮮度が落ちるのはわかっちゃいるが1日1本のペースで裏側をいろいろと……と、グダグダと言い訳してねえでとっとと本題に入れって感じですね。せっかくカメラマンに撮ってもらった写真がたくさんあるので、今回はイベントの模様を写真で紹介しちゃいます。
▲イベントが始まるしばらくまえから、会場のエンターブレイン前にはこんなにもたくさんの人が集まってくれていた。なんてありがたい……。
▲ちょっと準備に時間がかかり、午後1時15分から前半ステージが始まった。イベントの司会は、週刊ファミ通編集長代理のカミカゼ長田(左)と週刊ファミ通の佐治キクオ。
イベントの司会を担当してくれたカミカゼ長田、佐治キクオの呼び込みでステージに上る。見渡すと、狭い会場ながらパッツンパッツンの超満員って感じでたくさんの人が集まってくれたことがよくわかった。もうこの光景が見られただけでオイラは満足だ……とこのまま昇天してしまってもいい気分だったがそんなことを思っている場合ではない。せっかく足を運んでくれたこの人たちに満足してもらえるものを提供しなくては!! ということでさっそく、前半のステージイベントがスタートした。
まず最初に行ったのは”大塚角満の素顔を暴く!”と題したビデオの上映だ。エンターブレイン関係者に取材をして、大塚角満という人間がふだんどんな感じで仕事をし、どういうスタンスで『モンハン』に向き合っているのかを赤裸々にするのが目的だという。”だという”なんて書くとちょっと他人行儀な感じがするがそれもそのはずで、俺はこのビデオがどんな内容で作られているのか、まったく知らなかったのである。まあでも、一応今回のイベントは俺の4冊目の単行本の発売を記念して行っているものだから、著者を持ち上げまくっている内容になっているに違いない。まいったなぁ。テレるなあ。あまりにも手前味噌なVTRだったら、あとでイベントプロデューサーの江野本ぎずもを叱らなきゃ。「恥ずかしいじゃんかぁ^^」って。あ、そんなことを言ってたらVTRが流れだしたぞ。どれどれ……。
ほうほう……。
ふーん…………。
って、コレ……。
……ちっとも持ち上げてねええええ!!!! っていうかどこをどう見ても、俺を陥れるために作ったとしか思えない悪意に満ちた映像じゃねえか!! 「大塚角満の『モンハン』の腕前は?」という問いに対しては、ブンブン丸、スレイブ間々田、バサラ佐藤と言った悪ガキどもが「はっきり言ってザコ」、「話にならない」、「どうしょもない」と言いたい放題。「じゃあ『モンハン』の知識は?」という問いには中目黒目黒、女尻笠井、江野本ぎずもという我が腹心の逆鱗日和ファミリーが、「知識は『2(ドス)』のときで止まってる」、「一般の人にいろいろ教えてもらってて恥ずかしい」とボロクソに。さらに、「”俺のことはこれから大先生って呼べ”って言われた」、「夜の角満砲はスゴいゾ♪ って言われました……」(女性編集者)という嘘八百が並んだかと思ったら、「大塚角満と言えば?」という質問には、出てくる人間全員が「ヒゲ」、「メガネ」としか答えない。俺はヒゲとメガネでしかできてねえのか!! そしてトドメとばかりにウチの社長まで引っ張りだしてきて「おごって」の大合唱。まったく意味がわからねえ……。
しかしこれではあまりにもかわいそうだと思ったのか、続いて「大塚角満へ愛のメッセージ」と題したメッセージが紹介された。それはなんと、辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、一瀬泰範ディレクター、小嶋慎太郎プランナーからのメッセージで、『逆鱗日和』に対する思い、そして俺との思い出なんかが綴られていて……って全員何かしらのオチをつけてくれてるんですけど!! ピックアップすると……。
▲思い出の写真とノスタルジックなメロディーに乗せて紹介された4人衆からのメッセージだったが、必ずオチが……。
「大塚さんからもらったオトモアイルーがまた家出したので、今度ギルカ交換しましょうね♪」(辻本)
ちょっとアナタ! また俺のギルカ消しただろ!!
「沖縄ツアーの夜、『3(トライ)』のことをユーザーと語り合っているとき、大塚さんいませんでしたね。まあおいしい酒が飲めるわけでもなく、大塚さんの大好きなカラオケもない席でしたからねぇ……。あれは大塚さんの「天狗になるなよ!!」という”教え”だったのですね」(藤岡)
う……。また沖縄のトラウマが蘇る……。
「『逆鱗日和』が4巻まで出たのもすべて、江野本さん(マスオさん)の『モンハン』にかける溢れんばかりの愛と熱い情熱のおかげだと思っています。江野本さん(マスオさん)には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」(一瀬)
い、一瀬さん、俺は……。
「満点の星が輝く沖縄の夜。ホテルの一室でユーザーさんと熱く『3(トライ)』を語り合いましたね……って、アレ? 大塚さん、いた……? あれ? あぁ頭が痛い。記憶がおぼろげw」(小嶋)
小嶋さんも根に持って……。
てな感じで、4人衆からのメッセージに会場は爆笑の連続でありました。
そしておつぎは”大塚角満の実力を暴く!”というコーナー。もう、大きなお世話だっつーの。何十回もコラムで書いているとおり、俺は”世界一のガンランサー(笑)”ですよ? そりゃあもう、相当な実力者だわい。でもまあ、せっかくの機会なのでそれを証明しておくのもいいだろう。俺は宣言した。
「俺の実力をお見せしましょう。……大剣で(笑)」
会場から怒涛の勢いで湧き上がった「えーーー!!」、「ガンランスじゃないの!?」というブーイングの火柱。そう、前々回のコラムで書いたとおり、ここではガンランスじゃなくて大剣4人によるシンクロプレイをお見せするのじゃ!! ちなみに7月に行った『ニャンと! 逆鱗日和』の発売記念イベントのときは前出の逆鱗日和ファミリー4人でティガレックス討伐をお見せした。このときは何の練習も行わず、ふだん俺たちが編集部で遊んでいるとおりのことを披露しただけだったので緊張もしなかったのだが、このシンクロプレイはホントに……心臓止まっちまうほど緊張するっ!! まったくシンクロしなかったらどうしよう!! 寝る時間を削ってまで練習していた成果が出せなかったら、俺と江野本はもう……。見ると、俺以外の3人も明らかにド緊張状態。ううう。大丈夫かな俺たち……。
▲始まってしまう……。誰がやろうって言い出したんだコレ……。俺か……。
それでも時を止めることはできず、始まってしまいました世界初の4人シンクロプレイ。クエストはG級ナルガクルガ討伐の”絶影”だ。俺たちの作戦は、まず最初にモドリ玉を使ってキャンプに戻り、4人揃ったところでナルガクルガのもとに向かう、というもの。ところがここで、恐ろしい事態が俺を襲う。俺は震える声を振り絞って、衝撃の事実を発表した。
「あ、あの……。アイテムの使いかた忘れちゃった!!!」
これ、ネタでもなんでもなく本当のこと。あまりの緊張で頭の中が真っ白になってしまい、どうやってモドリ玉を使っていいのかわからなくなってしまったのだ。どどど、どうしよう!! どのボタンでアイテム選択するんだっけ!? きっちり7秒ほど悩んだ挙句、テキトーにガチャガチャとボタンを押したらアイテムのカーソルが動いたので、「コレだ!」と確信してなんとかモドリ玉を選択。無事、3人が待つキャンプに到着することができた。でもこれがいい具合に緊張を解きほぐす薬になったようで、その後は比較的平常心で立ち回れたと思う。
そう、俺たち……。
キチンとシンクロできたーーーーーっ!!!
▲見て見て!! 4本のガオレンズトゥーカが揃って溜め状態に!! ここでナルガが振り向いて、脳天に強大な一撃!! こんなシーンを、随所で展開できたんですよぉぉ!!
緊張でどうなるかと思っていたが、4枚のガオレンズトゥーカは赤く輝く扇のように美しく揃って瞬き、ナルガクルガの頭に攻撃が当たること当たること。会場からの割れんばかりの拍手や歓声も力となり、俺たちはわずか4分05秒でG級ナルガクルガを討伐したのである。……まあ途中、やたらと俺と江野本がイーオスの狼藉にあい、毒を引っ掛けられるわドロップキックを食らうわでシンクロプレイのリズムを乱しまくっていたけど……。しかも俺の隣で江野本がやたらと「イーオス!! イーオス!!!」とわめきやがるもんだからうるせえのなんの。イーオスはわかったからシンクロしろや!! と、余裕があったら怒鳴っていたと思います(笑)。
▲注目は、画面の手前に赤い馬面を晒しているイーオスです。スクリーンに映し出していたのは俺の画面だったのだが、いいところで毒吐きかけたり、ジャレついてきたりしやがって、会場は爆笑に包まれておったよ……。
さて無事に、いちばん緊張すると思っていた4人シンクロプレイを乗り越え、いよいよこの日のメインコンテンツをお見せするときが来た。そう、”第2回 角満カップ”と題した”シャッフルユニットタイムアタック”だ。内容はイベントリポートその1にもあるとおり、今年のモンハンフェスタ優勝チームの”もうゲネポ”、準優勝の”Effort Cristal”、昨年のモンハンフェスタ優勝チーム”Jast25`s”の6人にそれぞれクジを引いてもらい、この日だけのユニットを作ってもらってタイムアタックに挑戦してもらう……というもの。いよいよ、その本番がやってきたわけだ。まず、俺が考えたキャッチフレーズとともに、出場6選手を紹介しよう。
スピードは誰にも負けない! 西の神ランサー
『モンスターハンター』の申し子
もうゲネポ 唯
どんなプレイにも合わせます! 恋の駆け引きも合わせます!
ミスター"センス"
もうゲネポ MASAKI
シンクロプレイは神に挑むために完成させたっ! でも英語のつづりは間違えたっ!
タイムアタックの"絶対神"
Effort Cristal God
シンクロプレイは俺がいなければ完成しなかったっ! でもリストラ危機っ!
"努力"を"かっこよさ"に変えた男
Effort Cristal Jack
色褪せぬ"初代王者"の誇りと矜持
反骨の涙腺クラッシャー
Jast25's こんぺい
すべての動きは我が手の中に……。”魅せるプレイ”のフロンティア
東シナ海の諸葛孔明
Jast25's raven
プロレスの実況中継ぽくって、かっこいいでしょ(笑)。
▲メインイベント、いよいよスタート!
▲登場した、ハンター界の頂点に君臨する6人。こんな豪華なメンバーを集められて、本当に幸せです。
さっそく6人をステージに招き入れ、順番にクジを引いてもらう。クジの箱に入っているのは1〜6までの番号が書かれた紙切れ。この数字の順番で、A〜Fの好きなところに入ってもらうのである(1番クジを引いた人だけ自動的にAに入るようにしたけど)。その結果、出来上がったチームは……!
▲写真で見たほうがわかりやすいですね。こんな感じで、クジの数字が若い人から、B〜Fの好きなところを選んでもらったのだ。
▲これが新たにできたユニット。左のふたりが銀河最強の不協和音、中央が隠密特殊部隊、右がパッションダイナマイト(笑)だ。
●唯(もうゲネポ)×God(エフォクリ)
チーム名:銀河最強の不協和音
●raven(Jast25`s)×Jack(エフォクリ)
チーム名:隠密特殊部隊
●MASAKI(もうゲネポ)×こんぺい(Jast25`s)
チーム名:パッションダイナマイト(笑)
チーム名は俺が考えたものだ。会場で瞬時に画面に表示したので驚いた人もいたようなのだが、6人をバラバラにして生まれる全12パターンのチーム名を事前に考えて仕込んでおいたのである。当日まで誰と誰が組むのかわからないからね。幻の9チームについては公開されずに終るわけだが、こういうの考えるの大好きだからぜんぜん無駄になったと思っていないけどねー。
そしていよいよ、この3チームに挑んでもらうクエストの発表である。この瞬間まで来場者はもちろんのこと、ステージ上の6人にも何に挑んでもらうのか伝えていない。俺は厳かに口を開いて恐るべきクエスト名を発表した。
「この3チームに挑戦してもらうクエストは……武神闘宴です!!」
来場者からの「おおおおお!!!」という地鳴りのような歓声と、「えええええ!!」という6人の悲鳴が交錯する。うーんやっぱりこのクエスト、インパクトあるよなあ。そして俺はついでとばかりに、もうひとつだけ決めておいた”ちょっとした縛り”を発表した。
「あ、そうそう。もう1個言っておかなきゃならないことが。台本に”ひとりはガンランスを使うこと”って書いてある。ひどいな。誰が決めたんだコレ(笑)」
会場から沸き起こる爆笑。それに反比例するように、俺を睨むステージの6人(苦笑)。MCのカミカゼ長田から「おめーがこの縛り考えたんだろ!! ひでえな!!」と非難の声が飛んだが、俺は毅然と「これでやってもらいます!!」と宣言した。
そして今回はせっかくなので、会場に来てくれた方々にもイベントに参加してもらうことにした。それはこの即席3チームの中から勝つと思うチームに投票してもらい、当てた人の中から抽選でささやかなプレゼントを贈るというもの。でも、来場した人になんのヒントもないのは乱暴なので、俺が6人の選手を徹底解剖&解説するコーナーも設けた。それが、
”教えて角満先生! 悪魔の子生態講座”
……って、モンハンフェスタの”教えて藤岡先生!”のパクリじゃんか!! ハイ、スミマセン。なんの言い訳もしません。パクリました! パクリついでに俺は白衣を纏って、藤岡先生のコスプレも(笑)。あることないこと言いたい放題言いまくって、最後に「皆さんが投票するときの指針になれば」ってことで、3チームに本命、対抗、大穴という印をつけさせてもらった。それは……。
●本命 パッションダイナマイト(笑)
●対抗 銀河最強の不協和音
●大穴 隠密特殊部隊
こんな感じ。さてさて、どうなるやら……。
長くなったので、チームの分析などは次回に!
▲藤岡先生のコスプレをさせていただきました。……でもこれ、丈は短いし素材がゴワゴワだしで、明らかに白衣ではなかったよ。
▲そうそう、投票の参考になればとチームの相性占いもしておいたんだった。これは俺の知り合いの呪術師に占ってもらったもので、チームの相性はパーセントで表示されている。当然これも、12パターン作って用意しておいた。……って、俺が事前に行った恋占いの結果なんだけどな(笑)。
▲本命マークをパッションダイナマイト(笑)に打ったところで、前半のステージは終了! チーム名の由来などは、次回詳しく書きますね。
無事、4人でのシンクロプレイができる目処が立ったところで会社を出て、新宿に移動。明日のイベントのために上京してもらったもうゲネポ、Jast25`sと合流して、顔合わせを兼ねた決起集会を行う算段なのだ。
歌舞伎町に用意したホテルのロビーで、日本の頂点とも言える3チームが初めて顔を合わせた。彼らが一堂に会して会話をするのは、これが初めてとのこと。その様子を見て俺と江野本は、「もしもここに隕石が落ちてきて我々が全滅したら、日本の『モンハン』タイムアタックの歩みは確実に止まるね……」と縁起でもないささやきを交わす。でも、思わずそう発言したくなるくらい、競技として『モンハン』に向き合っているハンターにとってこの6人は偉大な存在なのである。
そんな最速ハンターたちを連れて、夜の歌舞伎町をテクテクと歩いた。この街で蠢いている人たちは間違いなく彼らのことを知らないだろうが、俺は心の内で「この若者たちは、すげえんだぞ!」と叫びたくてしかたがなかったよ。
10分ほど歩いて、予約しておいた”いかにも”な飲食店に到着した。高級でもなんでもないふつうの飲食店だったが、このステキな若者たちと共有している時間がどうにもこうにも尊くて、「時間よ止まれ!!」と何度思ったことか……。じつはこのイベントを企画し始めた当初から「前日の決起集会になったら、”ずっとこの時間が続けばいいのに”って思うに違いないよね」と江野本と話していたのだが、まんまとそのとおりのことを思ってしまった。
お店では、本当にざっくばらんに会話を楽しんだ。俺と江野本は、彼らとは個別に何度も会っているのですっかり気心は知れているのだが、前述したとおり3チームが一堂に会するのはこれが初めてのこと。しかし、互いをライバル視する以上にリスペクトしあう彼らはすぐに打ち解け、俺や江野本とは住んでる世界が違うタイムアタックに絡む高度な話をし始める。それを聞いて、俺はただただ「ほえー!」とか「ほっほー!」と言うしかなく、でもそれがすごく楽しくて、彼らが交わす会話をBGMにしながら満ち足りた気分で食事をした。そして何度も我に返って、「すげえメンツとご飯食べてるんだよなぁ……」としみじみと思ったり……。彼らにしても、ほかの5人は確実に自分と同じレベルにいると知っているので遠慮なく高度な言語を駆使し、そしてそれが通じるとわかった安心感もあってか会話は途切れることがなかった。本当にすばらしい時間が、俺たちのまわりに流れていた。
そして、11月23日。ついにイベント当日になった。まだ準備がすべて終わっていなかったし、リハーサルもあるので、俺と江野本は朝の8時くらいには出社するつもりだった。
ところが。
……ふたり揃って寝坊した!!!
じつは決起集会の余韻にいつまでも浸っていたくて、「景気づけに、もうちょっと飲んでいくか」ってことでバーにくり出し、チビチビとお酒を飲んでいたのである。それが効果テキメンに効いたのか、パっと目を開けたときには午前8時すぎ……。大急ぎで身支度を整えて、家を飛び出した。まあ、余裕を持って「8時集合にしよう」と決めたことだったので準備にもリハーサルにも影響はなかったんだけどね。でもあとで聞いたら、エフォクリのJack君も「じつは寝坊しました……」と言っていたし、イベントの司会を頼んだ佐治キクオもリハーサルの途中で「すんません! 寝坊しました!」と言いながら入ってくるしで、やっぱこの日の我々はヘンなオーラに包まれていたのだよ。
まあ寝坊の話はいいや(よくないけど)。いよいよここからイベントの詳細記事に入るのだが、リポートの1発目で書いたとおり、ずっとステージに出ていてメモも取れていないので詳しく書く自信がありませんっ!! がんばって書こうと思いますが、イベントリポートと言うより出演者の内面的な方向からのアプローチになるであろうことを、いまから宣言しておきます。
続きは明日〜!
7月に行った『ニャンと! 逆鱗日和』発売記念イベントの際に、とある神業プレイを会場で披露してもらった。それが、今年のモンハンフェスタ準優勝チーム”Effort Cristal”(エフォクリ)による”シンクロプレイ”だ。もう、説明する必要を感じないくらい有名な立ち回りなのだが一応解説しておく。彼らはモンハンフェスタ名古屋地区大会において決勝ステージのナルガクルガを相手に、ふたりのハンターが残像のように重なって動き、振り向くナルガクルガの頭目掛けて同時に大剣の溜め3斬りを当てるという信じられないプレイを披露したのだ。これが、エフォクリのシンクロプレイ。観るものが驚きを通り越して笑い出してしまうと言われる、『2nd G』の立ち回りの中では極まったパフォーマンスだ。これを『ニャンと! 逆鱗日和』のイベントで披露してもらったわけだが、当然のことながら会場は興奮の坩堝。「やっぱりやってもらってよかった!」と、彼らを招聘した俺と江野本は強く強く頷いたのだった。
それから4ヵ月。再び『逆鱗日和』のイベントを行うことになった。メインコンテンツは前回書いたとおり、日本のトッププレイヤー6人によるタイムアタック。でもこれとは別にもうひとつ、何か柱になるプレイを見せたい。でもエフォクリのシンクロプレイは前回やっちゃったし……。何がいいのかな……。毎日のようにミーティングをしながら、アレコレとアイデアを出し合っていた俺と江野本。そんなあるとき、俺は漠然と頭の中にあったアイデアを江野本に向かって話し始めた。
「前回、エフォクリにシンクロプレイしてもらったじゃん?」
にっこりと笑って江野本が応じる。
「はい^^ 本当にやってもらってよかったですよね♪ 来場者も大喜びで」
ウンウンと頷きながら、俺は先を続けた。
「で、思ったんだけどサ。あのシンクロプレイをさらに進化させてお見せする、ってことはできないかねえ?」
江野本、瞬時に笑顔を消してグレムリン化の兆しを見せる。
「……。何が言いたいんですか……?」
俺、パっと頭に閃いたすばらしいアイデアを、ついに江野本に披露した。
「いっそ数を増やしてサ。俺とえのっちとエフォクリの4人で、”史上初! 4人シンクロプレイ!”ってのをやればいいじゃん!!」
グレムリンと化した江野本、喉が裂けるほどの大声で絶叫した。
「バッカじゃないのおお!! できるわけないでしょーーーー!!」
しかしナゼか、やることになりました(笑)。
さあて、どうしたものか。いきなりぶっつけで実践練習を始めてもシンクロなんてするわけがないのは、エフォクリ以外にシンクロプレイを実行しているチームがないことで証明されている。じゃあどうするか。俺たちは「まずはやはり、ここからだな」と言いながらPCの電源を入れ、今年のモンハンフェスタ名古屋大会の動画が収録されているファミ通.comの特設サイトを開いた。そして、幾度となくエフォクリのシンクロプレイを鑑賞。なんとなくでも「観て覚えよう」と思ったのである。そして、納得ができたところで初めてチャレンジクエストの”モンハンフェスタ01”を受注して、ふたりでナルガクルガのタイムアタックに挑戦。ものの見事に一度もシンクロすることなく、俺たちは呆然としながら樹海から帰郷したのであった。
「エライことになった……」と俺。顔面は間違いなく蒼白だったことだろう。
「思ったとおり、まったくシンクロしませんね……」と江野本。その顔には「だから言ったでしょ」と書いてあるようだった。
それでもなぜか、俺たちは諦めようとしなかった。圧倒的なスキルを持つエフォクリのふたりですら、シンクロプレイを完成させるために、ものすごい量の努力と時間を費やしたのだから。しかも俺たちには、エフォクリのふたりが見せてくれたお手本プレイの動画ある。無から有を生み出した彼らと比べて、なんと環境の整っていることか。俺と江野本は同時に、同じことを言った。
「個人練習でスキルを高めるしかないね」と。
この考えに至ったのには理由がある。シンクロプレイを考案したのはエフォクリのチームリーダー、God君なのだが、彼は”天才”と呼んでしまいたくなるほど個人スキルがずば抜けている。相棒のJack君も当然ながらすばらしい技術を持っているのだが、天才に比肩する才能を求めるのは、ふつうに考えたら酷なことなのだ。なので当初、エフォクリのシンクロプレイも絵に描いた餅になるところだった。Jack君のスキルが、God君のそれと差があったから……。しかしJack君は諦めず、徹底的にモンハンフェスタ01のナルガクルガタイムアタックをソロでプレイし続けた。いつしかソロ討伐のタイムは5分台になり、そして4分台に突入したとき、いきなりGod君の動きとシンクロしだしたのである。俺たちはこの事実を、誰よりもよく知っていた。だから同時に言ったのだ。「徹底的に個人練習しよう」と。
俺と江野本は空いた時間を見つけては、ソロでナルガクルガタイムアタックの練習を行った。狙うのは、ナルガクルガの振り向き様を狙った溜め3斬りだけ。ほかの動きをしてタイムを縮めても、意味がないのである。タイムが短縮されたり、ちょっとでもコツを見つけたらすぐにメール。それを参考&刺激にして、さらに個人練習を積んだ。結果、俺はソロで5分59秒を、江野本も7分台前半で、振り向き様の溜め3斬りだけでナルガクルガを討伐できるようになった。
「よし……。ふたりのプレイを合わせてみよう」と俺は言った。(もしかしたら、シンクロするかもしれない)という、淡い期待を抱いての提案だった。
「はい……。やってみましょう!」と江野本。その顔は、明らかな緊張感に満ちている。さあ、タイムアタック開始だ!!
その結果……。
な、なんかシンクロしてるーーーっ!! 動きはぎこちないし、ダメージを食らってオチてしまうこともしばしばだったが、攻撃をする狙いが完全に一致しているので肝心なところでシンクロしてくれているのである。
「いけるぞえのっち! これならきっと、4人でも合わせられる!」
と俺。
「はい!! 俄然燃えてきたーー!!」
その後さらにふたりの呼吸を合わせることに専念して、イベント前日となる11月22日を迎えた。俺たちとエフォクリが4人揃って唯一、練習できるのがこの日なのだ。時間は、2時間程度しかない。いくら俺と江野本がシンクロしていても、エフォクリとズレていてはまったく意味がないのだ。俺と江野本と同じように、エフォクリのふたりも緊張している。企画倒れに終るのか……? それとも……。俺は3人に声をかけた。
「じゃ、練習1回目、いってみよう……」
そして間髪入れずにクエストスタート。G級のクエストなので、全員でモドリ玉を使ってキャンプに集合してからナルガクルガのもとに向かう。首尾よく、エリア6でナルガクルガに遭遇する4人。俺と江野本は「いつもどおりにやってみよう!」を合言葉に、エフォクリのふたりの動きをトレースするように動いた。結果……。
「うおおお!! 4人でシンクロしてるぞ!!」(大塚)
「気持ちいいー!! コレ、すごくない!?」(江野本)
「こんなにシンクロするとは!!(笑)」(God)
「いいじゃないですか!! いけますよ!!」(Jack)
俺たちは、意外なほどシンクロする4人のハンターの動きをホレボレと眺めながら、2時間あまりの時間を練習に費やした。結果、最初こそナルガクルガにエリア移動を許してしまってのタイムロスをくり返していたが、いつしかそれもなくなり、最速4分ジャストで討伐するまでに立ち回りが極まった。
「これが見せられれば、間違いなく会場は沸きますよ」とGod君。シンクロプレイの発案者にこう言われたら、鬼に金棒である。
俺たちは練習会場としたファミ通の会議室を後にして、新宿の歌舞伎町へ向かった。そこでエフォクリ、もうゲネポ、Jast25`sと、イベント前日の決起集会を行うことになっていたのだ。
次回に続く〜。
いま、ものすごい寂しさに包まれながらPCのモニターを見つめている。11月23日に行った"『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会"があまりにも楽しく、充実していたために、俺も、イベントをプロデュースした江野本ぎずもも完全な抜け殻状態になってしまったのだ。スカイプで連絡事項のやりとりをしているときも、ふとした拍子に「なんもやる気が起きねッス……」(江野本)、「原稿、タイトル書いただけで1時間以上止まってる……」(大塚)なんていう、『サヨナラ! 逆鱗日和』を作っていたときやイベントの準備をしていたときでは考えられない、気の抜けたやりとりをしている。ふたり揃ってこんなモードになってしまったことがなかったので少々ビックリするとともに、「本当に充実した日々だったんだなぁ……」とシミジミと思ったり……。そんな、俺たちを腑抜けにしてしまったくらい充実していたイベントの模様を何回かに分けてリポートしちゃいます。ただし! 7月に行った『ニャンと! 逆鱗日和』の発売記念イベントのときもそうだったのだが、ずっとステージに上がっていたためメモも取れないのと、映像も録音もしていないためイベントの詳細とか会場の反応がよくわからない!! なので詳細なイベントリポートは参加してくれた一般の方のブログに任せるとして(スミマセン……)、俺はイベントの裏話などをここで書きたいと思う。
今回のイベントの準備は、遡れば『ニャンと!』の発売記念イベントが終った直後から始まっていたんだと思う。冒頭の文章とカブってしまうのだが、この『ニャンと!』のイベントがあまりにも楽しかったがために終ったあとに寂しくなってしまい、「絶対にまた今回のようなイベントをやろうね!」と江野本と話し始めたのだ。しかし大規模(と言っていいかわからんが……)なイベントを行うにはそれなりの大義名分が必要で(心情的なものだけどね)、その大義名分とは”新刊を出す”ことしかなく、俺と江野本は「イベントやりたいからがんばって年内にもう1冊『逆鱗日和』を出そう!」と決めたのである。
本格的なイベントの準備は、『サヨナラ! 逆鱗日和』の校了作業と並行して行った。準備段階での人手は基本、俺と江野本、そして『逆鱗日和』シリーズのデザイナーである松岡さんだけ。前回のイベントのときもそうだったのだが、これがまたたいへんだった。
イベントの打ち合わせは、つねに深夜だった。日中は通常業務と『サヨナラ!』の作業で予定がパンパンに入っていたのでどうにも動けず、飯も食わずになんとかその日の業務を深夜12時くらいまでに終えて、「んじゃ、イベントのことでも詰めるか……」とフラフラ&腹ペコになりながらアレコレと相談をしていたのだ。
イベントの打ち合わせは、プレッシャーとの戦いだった。『ニャンと!』のイベントは、慣れない俺たちふたりのプロデュースながら数々の奇跡のおかげで盛り上がった(たとえば、ステージ上で披露したG級ティガレックス討伐で俺が2回連続で轟竜の天鱗を剥いだり)。しかしここから出てくるのは「奇跡を超えるのはきびしい」という俺と江野本の共通見解だけで、出発点がそこだったからプレッシャーは並々ならぬものがあったのだ。しかし「やる!」と決めた以上、俺たちは必死になろうと決めた。イベントが終ったらぶっ倒れてもいいから、とにかく一生懸命仕込みをしようと誓った。
いちばん最初に決めたのは、イベントで来場者の皆さんにお見せするメインコンテンツだ。これについては『ニャンと!』のイベントが終った直後から「つぎはこうしたいね」と江野本と話していたアイデアをそのまま実現させることにした。それは、
シャッフルユニットタイムアタック
だ。『ニャンと!』のイベントでは今年のモンハンフェスタ優勝チームである”もうゲネポ”と準優勝チームである”Effort Cristal”に登場してもらって、ガチンコで激昂したラージャンを相手にしたタイムアタック勝負をしてもらった。このときはイベントが行われる数週間まえにチャレンジしてもらうクエストを告げ、真剣に練習もしてもらった。しかし当日は、チャレンジ1回のみの真剣勝負。彼らにかけてしまったプレッシャーはとんでもないものがあったろう。結果、敗れ去った全国1位のもうゲネポは涙を流さんばかりに悔しがり、その表情を見た仕掛け人の俺と江野本は辛くて辛くてどうにもならなくなってしまった。なので「つぎにやるとしたらもっとイベント性を加えよう」と決めたのである。そこで出てきたのが”チームをシャッフルする”というアイデア。さらに多少でも彼らがイベントとして楽しんでくれればとクエストは当日発表することにした。これを実現させるにはどうすればいいのか、俺たちは顔を付き合わせて詰めていった。
問題は、シャッフルするにしては2チームでは少なすぎることだった。せめてもう1チーム、ゲネポ、エフォクリに匹敵する実力と知名度を誇るチームが欲しい。となると……。俺は深夜の居酒屋で江野本に言った。
「Jast25`sを招聘しよう」
Jast25`sは、言わずと知れた初代モンハンフェスタチャンピオンだ。俺の言葉を聞いて江野本はにっこりと笑い、「はい。あっしもJast25`sしかいないと思います」と言った。
すぐに3チームに連絡を入れた。11月23日にイベントを行いたいこと。そしてそこのステージに登場してもらって、シャッフルユニットタイムアタックというムチャな企画に挑戦してもらいたいこと……。すぐに、3チームから返事。表現は違いながらも、3チームそれぞれはキッパリと、つぎのように言ってくれたのである。
「角満さんたちのイベントだったら、どんなことがあろうと駆けつけますよ!!」
彼らの反応を見て、俺と江野本は涙ぐみながらも決意を新たにした。絶対にステキなイベントにしよう。参加してくれる6人と、来場してくれるすべての人が満足してくれる1日にしよう……。俺は江野本に言った。
「疲れたとかたいへんだとか、言ってる場合じゃないな」
江野本がこれに応えた。
「はい。イベントが終るまで、突っ走りましょう!!」
日本のトップ6人から元気をもらった俺たちは、休日返上で来場者へ配るものを作り始めた。情けないけど予算がまったくないので、今回も配布物は全部手作り。来場者の皆さんに配った缶バッジ(『逆鱗日和』シリーズのイラストなどをくり抜いて作った)も”逆鱗フジ”と題したタブロイド版(8ページすべて書き下ろし。しかも勝手に俺が書いた長編小説付き)も、ムチャなスケジュールの中で作り上げた。本当に、ギリギリの勝負だった。
俺がタブロイド版を作っているあいだ、江野本はイベントに関わる各部署に頭を下げまくり、細かな作業や調整を行っていた。言ってしまえば、俺はけっきょく書いているだけの人間なので、頭とパソコンがあれば何とかなってしまう。しかし江野本の作業はほとんどが"対人"なので、精神的にも身体的にも、疲労の度合いは俺の比じゃなかったはずだ。それでも江野本は、泣き言をいっさい言わなかった。いっぱいいっぱいになりながらも、「必ずいいイベントにしましょうね!」と言い続けた。
しかし俺たちがやらなければいけないことは、配布物を作ったり、関係部署と調整することだけではなかった。もうひとつ、非常に重要なステージイベントを行うための仕込みをしなければいけなかったのである。その日の通常業務を終え、イベントの打ち合わせがひと段落するころには深夜の2時とか3時になってしまっていたのだが、俺たちはそこからPSPを取り出し、あるクエストをこなしていたのである。寝不足で目を真っ赤に充血させながら、俺は江野本に言った。
「さて……。やりますか、あの練習を……」
江野本が目の下に隈を作りながら応えた。
「そっすね……。練習しないとマズイっすもんね……」
俺たちが何を練習していたのか? それについては次回書きます〜。
2008年11月20日、『逆鱗日和』シリーズ4巻目となる単行本『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』が発売されました。編集作業を始めてから2ヵ月弱。本当に、アッと言う間だったなぁ……。
記念すべき発売日ともなれば前作『ニャンと! 逆鱗日和』のときがそうだったように、編集担当の江野本ぎずもと合流して都内の書店めぐりを……と考えるところだが、俺も彼女も昨日は明け方の4時まで仕事をしていたため大寝坊をぶっこき、とてもじゃないけど書店に足を運んでいる時間がなくなってしまった。なので本当に『サヨナラ! 逆鱗日和』が書店に並んでいるのかどうか、まだ俺たちは確認できていないのです。皆さん、書店で見かけましたかねえ?
でも売るほどたくさん作ったので、俺の手元には早くもボロボロになりかけた『サヨナラ! 逆鱗日和』がある。文字チェックのために何度も何度も読み返しているので本の小口(本を開く側のこと)がちょっと反ってきてしまうのだ。これだけ読んでいると、この本の作者がいかにオロカで浅はかなのかが見えてくる。いやぁ〜……どんだけ知識レベルが低いんだ(苦笑)。そしてなんとスキルのないことか!! って俺か!!! 「ふんふん……」と読んで「バッカでぇ〜」と思い、数秒後に「俺だった!!」とハタと気づくことのくり返し。睡眠属性の武器でモンスターを殴り、まんまと寝かせたその瞬間に余計な追撃をお見舞いして瞬時に起こしてしまうことに似た恥ずかしすぎるひとり芝居。印刷所から見本の単行本が届いたときから、毎日こんなことをしているのです。おかげで飽きずに、何度も読み返すことができます(自分で言うな)。
しかし前作の『ニャンと!』もそうだが、『サヨナラ!』もすごくたくさんのハンターさんに登場してもらっている。次長課長の井上さん、麒麟の川島さん、笑い飯の西田さんという芸人さんたちを始め、『モンハン』制作チームの方々、出張狩猟企画でお世話になった皆さん、そして我らが逆鱗日和ファミリー……。そういう意味で『サヨナラ!』は、いろいろなハンターの思いやプレイスタイルが詰まった、とても人間臭い1冊になった気がする。編集担当の江野本は昨夜、「あっし以外の人が編集をしたら、どんな本になったんですかね……?」と不安そうな顔でつぶやいていたが、著者の俺自身はそういう人間臭い部分を含めて、『サヨナラ!』は集大成にふさわしい本になったんじゃないかなと、自画自賛は承知のうえで思っていたりする。これを手に取ってくれた読者の方々がどんな感想を持ってくれるのか? 皆さんの声を聞くときが、いまからとても楽しみです。
いやぁ、でも……。
無事にこの日を迎えられて、よかったーーーー!!
※『サヨナラ! 逆鱗日和』情報※
NEW!●前作『ニャンと! 逆鱗日和』のときは書籍の帯を芸能界随一のハンター、次長課長の井上聡さんに書いていただいたのだが、今回は……なんと麒麟の川島明さんが書いてくれている! 本書の中にある”芸人対談3連発”という企画にご登場いただいた縁でこの帯が実現したわけですが、じつに楽しく、インパクトのある帯になっておりますよ。ぜひぜひ手にとってお確かめくださいね!
●11月20日に発売となる拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』ですが、謎のベールに包まれていた”本書の目玉”をついに明らかにしてしまいましょう!! まずは書き下ろしコラムですが、いままでまったく触れてこなかった『2nd G』のラスボス的モンスター”ウカムルバス”に挑んだ日々を描いた狩猟日記、その名も”ウカムルバス”を大々的に掲載! そしてもうひとつ、『2nd G』発売当初のテレビCMに登場して話題となった『モンハン』大好き芸人、次長課長の井上聡さん、麒麟の川島明さん、笑い飯の西田幸治さんと大塚角満が対談した”芸人対談3連発”も大ページで掲載しております! このお三方、先日の”よしもとゲーム部”でも中心メンバーとなる大の『モンハン』フリーク。爆笑必至の対談になりましたよ〜。さらに、『逆鱗日和』シリーズではおなじみとなった、『モンハン』開発陣との座談会も掲載。なんと今回は2本立てです!! そして最後に、一部で大塚角満の文章よりも人気があると言われる『逆鱗日和』シリーズのイラスト担当、ぽん吉さんの描き下ろしマンガが8ページも載っちゃってますよ!! 毎日大塚角満ブログをチェックしているという奇特な方でも読み応え十分の仕上がりとなりました〜!
▲こんな感じで、ぽん吉さんがマンガを描いてくれました! じつに8ページ!
NEW!●11月27日に開催される”『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会”へのご応募、本当にありがとうございました! ぶっちゃけ、7月に行ったイベントのときより倍以上多い応募があり、かな〜り狭き門となってしまったのですが、当選者の方への招待状配布も完了しております。すでに当選した方のお手元にはチケットが届いているかと思いますが、一応、ご報告まで!
●11月20日にいよいよ発売される拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念して、大胆にも”読書感想文コンクール”なるものを開催しちゃいます……! 詳細はリンクの先にある募集要綱に詳しいのですが、要するに『サヨナラ! 逆鱗日和』を読んだ感想文を送ってくだちゃい! ってものです(当たり前か)。最優秀賞1名、佳作3名を選出し、最優秀賞者への賞品は”大塚角満と『2nd G』をいっしょに遊べる権&角満コラムに登場できる権”となっております! 「……いらねー!!」とか言わないで!! 僕と江野本ぎずもで選考いたしますので、ドシドシ応募しちゃってくださいね!
●前作『ニャンと! 逆鱗日和』のときにも実施したのですが、『サヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念した企画としてファミ通のケータイサイト”ファミ通DX”において特別コラムの連載を始めました! 『サヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているコラムから何作品かピックアップしてそれが書かれた舞台裏を赤裸々にするとともに、そのテーマに則した読者からの投稿を募って大塚角満が解答しちゃうという”読者とのキャッチボール”もできる試みとなっております。また、大塚角満へのご意見や質問を受け付ける郵便受けもありますので、ぜひぜひご利用を〜。下のQRコードから飛べますよ。
コラムタイトルを見て「大塚角満が消える!」と思った皆さん、それはありませんヨ。オイラはまだまだここに居座りますから(笑)。
今日は11月19日。我が4冊目の単行本『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売前日だ。……って、前作『ニャンと! 逆鱗日和』の発売前日にもまったく同じような書き出しでコラムを書いたような気がするが、それはこの際考えないことにして先に進みたいと思う。
『サヨナラ! 逆鱗日和』は『ニャンと! 逆鱗日和』と同じく、『モンスターハンターポータブル 2nd G』について書いたコラムを1冊にまとめたものだ。『ニャンと!』が発売されてからひと月半くらいしか経っていない段階で編集作業に突入してしまったため、正直1冊にまとめられるほどのコンテンツがあるかどうか不安だった。が、蓋を開けてみたら余裕で300ページを超えてしまうくらいの分量があり、最終的には削る作業でひーこら言うハメに……。でも途中から開き直って「今回は書き下ろしもたくさん盛り込みたいから思い切ってバンバン削ろう」ということになり、結果、本当に盛り込みたいものを「これでもか!」と詰め込むことができた、『逆鱗日和』シリーズの中でもっとも”多彩”な1冊になったなと自負している。本当に「サヨナラ」を言うのにふさわしい単行本になったなぁ……。
今回、書籍名に”サヨナラ”とつけたことで、いろいろなチャンネルを通じて『逆鱗日和』ファンの方々から「コラムを書くこと、やめちゃうの?」という質問を受けた。俺も編集担当の江野本ぎずもも決意を持って”サヨナラ!”とつけたので、その悲壮な雰囲気が読者の皆さんに伝播して不安を煽ってしまったようなのだが、断言します。大塚角満は決して、『モンハン』から離れることはありませんよ。詳しくは『サヨナラ!』の巻末に書いてあるのでそちらをご覧くださいませ……。
あーそれにしても……。
ここのところ11月23日に行う”『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント”の仕込みのために毎日深夜まで打ち合わせをしたり、原稿を書いたりしているので、まったく心に余裕が持てなくなっている。本来なら自分の書籍の発売前日ともなれば「うっはー! いよいよ明日かあ! 緊張すんなー! 楽しみだなー!」と両の肩甲骨あたりからニョキニョキと翼を生やして『モンハン』開発チームのある大阪方面に向かってパタパタと飛んでいってしまいそうになるのだろうが、あまりにも齷齪としすぎているため感慨に浸る隙もない。俺以上に忙しく動き回っている江野本もまったく同様で、寝不足でフラフラになりながら「えっと……。今日は何曜日でしたっけ……?」なんて言っている。
それでもここ1ヵ月ほどの、なんて充実していたことか。自分たちが好きでやっていることなので俺にも江野本にも泣き言はいっさいなくて、むしろ打ち合わせのたびに出てくる言葉は「楽しい!」という単語に紐づいたものばかり。どうすれば読んでくれる人が喜んでくれるのか? 何を盛り込めば来てくれた人たちが満足してくれるのか? そしてどう立ち回れば協力してくれる人たちも楽しめるのか……? 『サヨナラ!』を作っていたときも現在のイベントの仕込みにしても、打ち合わせの最後に出てくる議題は必ずそれ。ふたりの意見がぶつかることはあったが食い違うことはなかったので、ひとつの目標に向かって突っ走ることができた。その集大成のひとつが明日発売になる『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』であり、11月23日のイベントなのです。これらが終ったとき、自分たちが何を思うのか楽しみでもあり、不安でもありますが、最終的にはキチンと自信を持って皆様にお届けするので、どうか受け止めてやってください。
なんか今日、まったく言葉がまとまらないな……。感慨に浸る余裕がない……なんて言いつつ、俺、思いっきり意識してんじゃん(苦笑)。でもイヴの日くらい、こんな気持ちになってもいいよなあ。
先日配信された”史上最凶”の呼び声高い悪夢のクエスト”双獅激天”。配信が始まった1分後くらいに「ええええのっち!! 双獅激天の配信が始まったぞ!! 急げ急げ! 遊ぶぞ遊ぶぞ!!」と大騒ぎしてダウンロードし、さっそくふたりで激昂したラージャンが2頭も解き放たれている大闘技場に向かった。そして2分後、ふたり揃って本気で(・_・; ←こんな顔になって、茫然自失のまま村に強制送還。ラージャンから見たらおそらく、飛来したランゴスタをバッキャンと殴り潰すくらいの何気ない動きをしただけで、俺と江野本は粉々に砕け散ってしまったのである。風にさらされるオノレの分身の屍を見ながら俺は思った。(こいつはエラいことになった)と。もう5年も『モンスターハンター』にドップリと浸っているが、クエストに出かけてこれほどまでに手応えを感じなかったことが初めてだったのだ。江野本も「あうあう」と酸欠の金魚のようにもがきながら、「これはしかし、努力してどうこうなるものじゃないんじゃないスかね……」と身震いしながら声を絞り出す。なんとか武神闘宴をクリアーした俺と江野本のコンビだったが、この双獅激天だけはふたりの力でどうにかできるとは思えなかった。
そこで俺たちは「頭数さえ揃えばなんとかなるのでは!」の思いのもとにいつものバーの扉をくぐり、マスターと、我々がそこに行くと99パーセントの確率で同じ席に座っている常連さんを連れて大闘技場に足を踏み入れた。しかし数が揃うっつーのは戦力がアップする効果があるだけではなく、オチることができる人間も増える、ということである。結果、俺たちは闘技場に足を踏み入れた2分後に見事に3オチし、ただただ茫然自失の人間を倍に増やしただけで村に強制送還されたのである。
うーん、やっぱコレ無理だわ。あまりにも事故が多すぎるんだもの。クエスト”モンスターハンター”や”武神闘宴”は討伐対象となるモンスターは1頭ずつしか出てこないので、そいつの動きに集中さえしていれば”事故オチ”することはまずない。しかし、2頭同時討伐のクエストは基本的にすべてそうなのだが、1頭の動きに目を奪われていると、もう1頭がハンターの死角からブレスやタックルお見舞いしてきてそれが直撃し、「!?」と言葉にならない驚きのセリフを発しているあいだにオチてしまうことがママある。これが、いわゆる事故オチだ。
で、双獅激天である。このクエストは舞台が狭い大闘技場で、相手となるのは最凶の呼び声高い激昂したラージャンだ。スピードも攻撃力も圧倒的な存在が、あの狭い空間に同時に解き放たれているのだ。そりゃあ「!?」、「!?」、「!?」と3回「!?」と打っているうちに全滅したところで誰にも責められるものではないのである。
「いやあ、こんな激マゾクエスト、ひとりでクリアーできる人間がいるとは思えないなぁ〜」
度重なる瞬殺を経て、俺は”双獅激天=ソロ無理クエスト”という答えを導きだし、「ソロ無理クエストだったら俺がクリアーできなくてもしかたねえしかたねえ」とひとり納得して、バリバリとポテトチップスを齧りながら苦いビールを喉に流し込んだのであった。
そんなある日、仲良くさせてもらっている超有名人ハンターからメールが届いた。さっそく空けてみると……。
「双獅激天、ソロでクリアーできましたよ! いまタイムを縮めているところで、大剣で15分を切ったところです。大塚さんは、どんな調子ですか?」
……。
………。
…………ソロでクリアーしてるーーーー!!
ま、まあこれは想定内のことだったけどネ。この人はテレビで見ない日はないってくらいメチャメチャ忙しい人なのに、睡眠時間をマジ削りしてでも『モンハン』を極めんとしているゲームアスリートだから……。でも、彼が使った武器は大剣だ。大剣じゃあしかたがない。だって俺が導き出した答えは確か”双獅激天=ソロガンランス無理クエスト”だったもの。うんうん、そうだそうだ。そうだったそうだった。なので俺がクリアーできなくてもしかたないのだ。俺は再び震える声で「しかたねえしかたねえ」とつぶやき、口に放り込んだピーナッツを焼酎のロックで流し込んだのであった。
そして翌日。とある悪魔の子の日記が更新されていたので覗きに行くと、そこには……。
「ガンランスで双獅激天クリアーできました!!」
という記述が……。
……。
………。
…………ガンランスでクリアーしてるーーーー!!!
ちょっと、どうなってんだ!! ソロガンランス無理クエストじゃなかったのかよ!! って、俺が勝手に決め付けてただけだけど……どうやりゃガンランスのソロでこれをクリアーできるんだよーーー!!
……つーことはこれ、どうにかすれば俺ひとりでもクリアーできるってことなのか? でも、ガード性能+1、ガード強化というガチガチスキルを発動させたうえに強走薬グレートを飲んですら、俺は瞬殺されたんだよ? このスキルではどうやっても、双獅激天をクリアーできるとは思えない。となると……ヨシ、あの装備でやってみるか。
俺は久しぶりに”飛燕ガンランサー”に変身する決意をした。全身ナルガXの忍者装備である。現状、この防具では回避距離UPと回避性能+2を発動させてあるが、まだ装飾品をたっぷり着けることができたので、ここぞとばかりに”罠師”と”砥石使用高速化”も発動させてやった。ヒラリヒラリと激昂ラージャンの攻撃をかわしまくり、ヒットアンドアウェイを徹底していれば、いつしか2頭とも屠りさることができるのではなかろうか? そういう淡い期待を抱いての挑戦だったのである。
そして結果は……クエストがスタートしてから13分が経過したところで3オチ!! こいつはものすごい進歩である。数字だけを見てしまうと3オチという結果はこれまでどおりなのだが、クエスト中の手応えがまったく違った。ナルガXの持つ回避系のスキルをフル発動させたことにより、適当に前転やら回避行動をしているだけで、おぞましい激昂ラージャンの攻撃をヒラリヒラリを避けまくることができたのだ。実際に途中、「これ、このままいけるんじゃね……?」と思ってしまったくらい。これでも事故オチの恐怖から完全に逃れられたわけではないが、飛燕ガンランサーの立ち回りを突き詰めていけば、俺でも双獅激天をクリアーできるんじゃないか……。そんな期待を抱かせる本クエストであった。
でも、激昂ラージャンを2頭相手にするのは疲れるので、モンスターハンターや武神闘宴のときみたいに目を三角にして出撃しまくる、なんてことはしないけど。
いつか読者の皆さんに、すばらしい報告ができるといいなあ。
※『サヨナラ! 逆鱗日和』情報※
最近、ある都市伝説を聞いた。
なんでも”古龍の大宝玉”という素材が『2nd G』には存在して、強い武器や防具を作るときにたびたび必要となる……というのである。この都市伝説、まるでこの素材が本当に存在するかのように具体的。剥げるのはG級のクシャルダオラ、オオナズチ、テオ・テスカトルといったところで、世のハンターは比較的御しやすいオオナズチを中心に、日夜古龍の大宝玉を求めてハンティングを続けているというのだ。
都市伝説もここまでくると、俺のようなベテランハンターにもジリジリと影響を及ぼしてくる。非常におぼろげな記憶なのだが、ようやくG級に上がり、G級古龍を狩れるようになった当初、俺は比較的頻繁にこの素材を見ていたような気がするのだ。「あ。古龍の大宝玉ってのが出た」とシレっと狩り仲間に伝えるたびに「マジで!! いいなぁ〜!」、「ずるい!!」等々の言葉を浴びせられていた覚えがあるし、この素材を使っていくつもの武器や防具を作った記憶すらある。でも冷静に考えると古龍の大宝玉なんて都市伝説なわけだから、俺のおぼろげな記憶もすべて”ニセ記憶”で、要するにこれは”自分は昔、こんなにすごかった!”と思い込むことで生まれる都合のいい過去の自分、つまりファルスメモリーシンドローム(偽りの記憶)なわけだよ。
いきつけのバーのマスターも、都市伝説・古龍の大宝玉にやられているクチだ。俺と江野本ぎずもがいつものように扉をくぐるとマスターは、俺たちが行くと100パーセント同じ席に座っている常連のお客さんといっしょにG級のオオナズチを追い回していた。俺は聞いた。
「マスター、ナズチから何が欲しいの?」
これを聞いたマスター、俺たちにおしぼりを用意しながら神妙な顔でこう答えた。
「古龍の大宝玉です。じつはまだ、一度も出たことがないんですよ……」
俺は都市伝説に毒されている我が弟子を情けなく思い、怒りを込めた口調で「マスター!! そんな素材は存在しないのだよ!! 目を覚ましなさい!!」とピシャリ。ニヤニヤしながらこれを聞いていたマスター、流れるような手つきで2杯の生ビール(この日はドイツの生ビールだった)を用意してから、歌うようにこう言った。
「大塚さん、いっしょにG級のテオ・テスカトルに行きませんか? 古龍の大宝玉、出るかもしれませんよ?」
俺は顔を真っ赤にして、怒りに任せて怒鳴った。
「いいい行きます行きます!! 1個でいいからお願いします大宝玉様!!!」
さっそく俺たちは万全の準備をして、G級テオ・テスカトルの討伐に赴いた。と、都市伝説だから古龍の大宝玉なんて出るわけがないんだけど、ま、まあ付き合ってやるよ。G級のテオ・テスカトルはそりゃあ手強い相手だったが、「大宝玉! 大宝玉!」を合言葉にした4人のハンターの猛攻には耐え切れず、20分程度で天に召された(※ここ、撃退と書いていたんですが僕の勘違いで討伐していたようです)。さあ報酬だ報酬だ!! お楽しみの報酬画面だ!! 緊張のためか、シンと静まる深夜のバー。静寂を破ったのは、ここの主、マスターだった。
「!!! ででで出た!!! 古龍の大宝玉が出た出た!! 初めて出ましたよ大塚さん!!!」
な、なにぃ……。なんで俺に出ないでマスターに……じゃなくて、都市伝説なんだからそんな素材が出るわけないダロ!! 俺はマスターに怒鳴った。
「おかしい!! 出るわけがない!! ききききっとそれは、太古龍骨を読み間違えたんだい!! 出るわけがないやい!!」
俺、なぜか若干の涙声になってさんざんマスターを毒づく。そんな俺の報酬欄には、見事なまでにズラズラと太古龍骨が並んでいた。古龍の大宝玉の名は、今回もそこにはなかった。
「いやぁ〜、出るもんですね、古龍の大宝玉^^ これでいい武器が作れるぞー」
頬擦りせんばかりの勢いでPSPの画面を見続けるマスター。俺は大げさに「ちっ!」と舌打ちをしてから生ビールをグイっと飲み干し、「マスター、おかわり!」と怒気を含んだ声で注文した。マスターはゴキゲンなまま「は〜い♪」と音符混じりの声でこれに応える。そして横では江野本ぎずもが、「あっしは古龍の大宝玉なんかより、チーズのほうがうれしいもん♪」と言って、バクバクとパルメジャーノレッジャーノを噛み砕いていた……。
※追記※ ホントにネタでも何でもないんですけど……”太古龍骨”(たいこりゅうこつ)のことを素で”大古龍骨”(だいこりゅうこつ)って思い込んで書いてました!!! 恥ずかしすぎるっ!!! ファミ通DXの質問コーナーで指摘してくれた二十歳の男性さん、ありがとうございました!! もうヤだ俺……。
【MHP 2nd G】第139回 アドパでひと狩り! その2
11月11日、”アドホック・パーティーで大塚角満と遊ぼう企画”の2日目を迎えた。大盛況だったとはいえ、けっきょく『2nd G』のギルドカードを配布しただけで終ってしまった1回目の反省を踏まえて、何とかしてイベント参加者全員とクエストに行けないものかと思案する。しかし革命的な解決案はついぞ思い浮かばず、1回目と同様に何の切り札も持たない裸の状態でイベント時間を迎えてしまった。それでも、一度経験しているんだから多少の余裕は生まれてくれそうなものだがさにあらず。俺は前日よりも圧倒的に強烈なプレッシャーを抱いたままイベントに突入してしまったのである。本当に、胃というか腸というか、とにかくお腹が痛くてしかたがない。一時は、腹を押さえたまま動きが止まってしまったほどだ。
この間、何度か人様の前でトークイベントなどをやらせてもらったが、そのときはまったく緊張しなかった。むしろ楽しくて楽しくて、「え? もう終わり? もっとしゃべらせて〜!」って感じ。なので今回のアドパ企画も「ぜんぜん余裕でしょ♪」と思っていた。
しかし、俺は緊張した。体調が悪くなるくらい(苦笑)。最終的には俺の小心っぷりを笑ってもらうしかないのだが、いやはや、1対31のネットイベントがこれほどの重圧とは……。1対31でスムーズなチャットをすることは容易ではないし、ルームを立ててギルカの交換やクエスト遂行なんてやっていたら、ほかの人を長時間放置することになってしまう。最初は「全員と遊べないのもしかたないな……」と思っていたが、実際にイベントを始めてしまうと「すべての人と何らかの触れ合いを持たなければ!!」というモードになって、しかしそうするための打開策を持っていないものだから胃の痛みは増していくばかりだった。(2日目の今日も、ギルカを配布するだけじゃダメだよな……)という思いばかりが湧き上がってきて、さらにさらに俺を苦しめた。
それでも、イベントは大成功に終った。それは俺がどうこうしたわけではなく、参加したすべての人が協力してくれたから……。
この日のギルドカード配布は、1時間半ほどで終った。イベントがスタートしてすぐに配布会を始めたのと、2日続けてイベントに参加してくれた人もいたおかげで、ギルカ配布にそれほど多くの時間を割かなくても済んだのである。残りは30分。すべての人は無理かもしれないが、何回かはクエストに行けるだろう。俺はロビーで提案した。「まだ30分あるのでクエストに行けそうですよ」と。湧き上がる熱狂的な歓声。俺と狩りに行っても何ら得るものなどないのに、こんなに喜んでくれるなんて……。しかしそうは言っても、スムーズにクエストを回す手段を思いついていないことには変わりはない。そこで俺はジャストアイデアもいいところだったが、ロビーの中心でこう宣言した。
「また3人1組でルームを作ってもらえますか? そうしたら適当にルームに飛び込みますんで、その方たちと狩りに行くことにします」
我ながらなんて乱暴な方法なんだろう……と思ったが、これ以外にアイデアが浮かばなかった。しかし、ロビーの人々はとても温かくて、「やったーーー!!」、「さすが副編集長!!」、「当たるように祈ってルーム作ります!」と口々に発言してくれる。俺はこの一瞬だけ胃の痛みを忘れ、心からの言葉として「ありがとうございます!!」とロビーの中央で絶叫した。
▲ロビーに出ると、参加者が一丸となって人文字を作ろうとしてくれていた。なんと、”ファミ通”の”ファ”を作ろうと試みてくれたのだ!
クエストは、時間が限られていたことと、俺が鳴き袋不足に陥っていたことを考慮して”下位イャンクック限定”とした。集会所★2のイャンクック討伐ですね。このクエスト、支給品として音爆弾が4個用意されているのだが、俺はガチで鳴き袋、音爆弾不足になっているので恥じも外聞もなく「支給品の音爆くだちゃい!!」とわめいて、コソドロのようにこれを強奪。たくさんの人に「素で音爆が欲しいんすね!!」と笑われてしまった。
しかし何度も何度も同じクエストができない体質の俺。しだいにイャンクックの顔を見るのがイヤになり、途中から「クックじゃなくても、下位クエだったらオッケー!!」と規制を緩める。ぶっちゃけ、自分のための措置だったがね。これにより下位リオレウス亜種、下位リオレイア、下位フルフル、下位ダイミョウザザミ、下位ティガレックスなどをつぎつぎと受注し、イベント参加者はツワモノ揃いだったのでほとんどのクエストを3〜5分でクリアーした。しかしクエストは下位限定にしたとはいえ、再度ギルカを渡したり、チャットなんかをしていると簡単に時間を消費してしまう(とくに、アドパ経由だとギルカの受け渡しに時間がかかる)。いつしか時間は予定時刻の午後10時を大きくまわり、気がつくと午後11時……。しゅ、終電がヤバイ!!! 途中からたくさんの参加者が「大塚さん、電車大丈夫ですか!?」、「無理しないで!!」と声をかけてくれていたが、やっぱり始めてしまうと「参加してくれたすべての人とクエストに行きたい!」と思ってしまうわけで、俺は「ギリギリまでがんばります!」と宣言して下位のクエストをこなしまくった。
けっきょくイベントが終了したのは午後11時40分。本気で、帰宅するための最終電車がヤバい時間だ。俺はあわててロビーにいた人々に「本当にありがとうございました!! 終電で帰ります!!w」と宣言し、プレイステーション3の電源を落とした。そのままカバンを担いで編集部を飛び出し、無事、満員の最終電車に乗って帰宅。痛みの治まった胃を抑えながら、ようやく人心地ついてビールを飲んだ……。
返す返すも慌しすぎて参加してくれた皆さんに申し訳ないことだらけだったのですが、全国のいろいろな方に触れることができて「やってよかった!」と思えるイベントになりました。つぎがいつになるかわかりませんけど、せっかくこういう便利なツールがあるんだから使わない手はない……。いま心から、そう思っております。参加してくれた皆様、本当にありがとうございました。そしてロビーが混んでて入ることができなかった皆様、本当にごめんなさい。つぎの機会がありましたら、懲りずに参加してみてくださいね。
※『サヨナラ! 逆鱗日和』情報※
●11月20日にいよいよ発売される拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念して、大胆にも”読書感想文コンクール”なるものを開催しちゃいます……! 詳細はリンクの先にある募集要綱に詳しいのですが、要するに『サヨナラ! 逆鱗日和』を読んだ感想文を送ってくだちゃい! ってものです(当たり前か)。最優秀賞1名、佳作3名を選出し、最優秀賞者への賞品は”大塚角満と『2nd G』をいっしょに遊べる権&角満コラムに登場できる権”となっております! 「……いらねー!!」とか言わないで!! 僕と江野本ぎずもで選考いたしますので、ドシドシ応募しちゃってくださいね!
●前作『ニャンと! 逆鱗日和』のときにも実施したのですが、『サヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念した企画としてファミ通のケータイサイト”ファミ通DX”において特別コラムの連載を始めました! 『サヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているコラムから何作品かピックアップしてそれが書かれた舞台裏を赤裸々にするとともに、そのテーマに則した読者からの投稿を募って大塚角満が解答しちゃうという”読者とのキャッチボール”もできる試みとなっております。また、大塚角満へのご意見や質問を受け付ける郵便受けもありますので、ぜひぜひご利用を〜。下のQRコードから飛べますよ。
ちょっと遅くなっちゃいましたが、11月10日、11日に行った”アドホック・パーティーで大塚角満と遊ぼう企画”(どんどん企画の名前が変わっていってる気がする)の詳細をお伝えしちゃいましょう!
ぶっちゃけるとこの企画、ものすごく不安だった。まず、大塚角満がどこにいるのかを告知する方法に頭を悩ませ、つぎにアドパのロビーに32人しか入れない(俺が必ず入っているから実質31人しか入れない)という事実に思いを馳せた。ふつうに遊ぶぶんには必要十分な収容人数ながら、このような行き当たりバッタリなイベントを行う段階になると「32人だと入れない人がたくさん出てしまうだろうなぁ……」ということに思いが至って心が苦しくなってしまうのである。しかしイベント始まる段階になると、今度は「31人の一般ユーザーの方とどうやって渡り合えばいいんだ!!」と”31”という数字の大きさに愕然とする。心落ち着かない37歳のおっさんはこうして、モニターの前で右往左往していたのであった。
そんな主催者の不安を他所に、気がつくとイベント開始時刻が目前に迫っていた。どどどどうしよう! もうすぐ始まってしまう!! 冷や汗を流しながら忙しなく席で立ったり座ったりをくり返している俺に向かって、ふたつ隣の席から冷ややかな視線を送っていた江野本ぎずもが呆れた声で言った。
「大塚さん、落ち着いてください」
その声は冷静だった。
「まだ20分まえですよ」
20分だろうが20時間だろうが、落ち着かないものは落ち着かないんだわい!
と、ここからイベントが始まるまでの、永遠とも言える20分間の心の葛藤を書き出すとコラムを5本や6本書いたところで収まりがつかないくらいの大長編になってしまうので、断腸の思いでこれを書くのは止めておいてやろう。マジメに、イベントをリポートしますね。
11月10日午後8時ジャストに、イベントはスタートした。俺がブログに「角満はF1ワールドのロビー17にいます!」とブログにアップしたのとほぼ同時に、32名収容のロビーは満員となってしまった。この、わずか数秒のあいだにアドパのかわいらしい人型がポコポコとロビーに生まれていく風景、なんだかすごく感動的だったよ。雨後のタケノコじゃないけど、★角満★というキャラクターを中心に、等間隔で”ポポポポポポポポポポポポッッッ!!!”てな感じで人型が誕生していくシーンはまさに生命の芽吹きを見ているようで、少々大げさながらちょっと厳粛な気分になってしまった。
▲こんな感じで遊んでおりました。「写真撮るのに、机が汚い!」と某E女史に怒られたけどな。
しかしいつまでも感動で止まっているわけにはいかない。この場を収めなければ!!(って、この場合の”おさめる”は、”収”なのか”治”なのか。国語の先生、どっちですか?) 見ると、ロビーに現れた人型たちは口々に「は、入れた!」、「カンドー!!」、「やったー!!」等々の感嘆の言葉を漏らしている。そんな人々に向かって、俺は無意識のうちに言葉を発していた。
「えーっと。こんにちはw ワタクシは大塚角満です」
ギャラリーから「知ってるよ!w」、「当たり前だ!!www」などの賞賛の声が沸きあがる。調子に乗って、俺は言った。
「さあ! ひと狩り行こうぜ!!」
観衆から「おー!」、「行こう!!」という怒号が沸き起こる。うっひょー!! 盛り上がってきたなあ!! しかしいったい、こっからどうすればいいんだろう。俺は心の内では、2時間と決めたイベント時間では絶対に全員とクエストに出かけることは不可能と思っていたので、早いもの勝ちで何人かと遊べればいいかな……と甘いことを考えていた。そして実際、俺は「いまからルームを作るので、どなたか3名様、入ってきてください。クエストに行きましょう」と呼びかけ、そのとおりのことを実行したのである。しかもこのとき、俺は古龍の大宝玉がどうしても欲しかったので、早いもの勝ちで入って来られた3名の方にG級クシャルダオラ討伐を懇願。しかしハンターランク9のツワモノが4人揃っていたところでG級クシャルダオラを討伐するにはそれなりの時間がかかるわけで、時は音を立ててドウドウと流れていく。俺は焦った。この間、ロビーに残った28名のイベント参加者は”放置”されたことになるわけで、彼らがいまどんなことを思っているのか、気になってしまってどうにもならなくなってしまったのである。
しかし俺がクシャルダオラを追い掛け回しているあいだ、ロビーでは意外なことが起こっていた。残された28名の人々がチャットで会話をしているのが目に飛び込んできたのだが(ルームに入っていてもロビーの全体チャットは見ることができる)、集まった紳士的な人々は落ち着いて、「ここにいる人全員が、ちょっとでも角満さんと触れ合える方法を考えませんか?」、「ギルドカードの交換だけでもいいですよね」、「整列して、順番に角満さんの部屋に入りましょうか」と、非常に建設的な意見交換をしていたのである。これを見たとき、俺は初めてこのイベントで人心地がついた。こんなことを書いてしまうと無責任に思われちゃうかもしれないが、俺はイベントが始まってからも「どうやったら集まった人たちは満足してくれるんだろう……」と不安で胃を痛くしていたのである(マジです)。でも、ここに集まってくれた人たちは純粋に、イベントを楽しもうとしていた。俺と絡む以前に、ロビーにいる人どうしが会話し、あれこれ意見交換をして笑い合っている。その様子を見て俺は少しだけホッとし、なんとかクシャルダオラを討伐してロビーに帰ってきた。そのときも大歓声が俺を向かえてくれた。
▲ルームを立てて、『2nd G』のクエストに出かけているときでもロビーの会話を見ることができる。これが何気に楽しい。
けっきょく俺はない知恵を絞って、「3人1組でルームを立ててください。そこを僕が順番に訪問しますので、ギルカの交換だけでも全員としましょう」と提案。その瞬間、ロビーに整然とした住宅街が生まれ、俺は無事に2時間かけて参加してくれた人ほぼ全員にギルカを配ることができた。そしてあっと言う間に、イベントの予定時間は終了してしまった。
これが、”アドホック・パーティーで大塚角満と遊ぼう企画”の初日の様子。2日目の模様は、明日アップしますね。
※『サヨナラ! 逆鱗日和』情報※
●前作『ニャンと! 逆鱗日和』のときにも実施したのですが、『サヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念した企画としてファミ通のケータイサイト”ファミ通DX”において特別コラムの連載を始めました! 『サヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているコラムから何作品かピックアップしてそれが書かれた舞台裏を赤裸々にするとともに、そのテーマに則した読者からの投稿を募って大塚角満が解答しちゃうという”読者とのキャッチボール”もできる試みとなっております。また、大塚角満へのご意見や質問を受け付ける郵便受けもありますので、ぜひぜひご利用を〜。下のQRコードから飛べますよ。
よしもとゲーム部記者会見の続きです。記者団との一問一答からですな。非常におもしろかったので、なるべく発言のままを再現しちゃいましょう。
Q.井上さん、川島さん、箕輪さん、コンビの相方とゲームを遊ぶことは?
川島 相方とゲームをやること……ないですね。
井上 僕もないですね。やりたいんですけど。ずっと「やりたい」って言ってるんですけど、なかなかこっちに振り向いてくれないんです。
箕輪 相方は『モンスターハンター』はぜんぜんやってなくて、『ボクのなつやすみ』ばっかりやってるんです(ゲーム記者は笑い)。できれば、やりたいんですけどね。
記者 相方がモンスター……ってことはないですよね?
箕輪 あ……そうですね、モンスター……ですね。
ハローバイバイ・金成 困ってんじゃねえよ!! ボケてくださってるんだぞ!!
会場 (爆笑)
Q.井上さん、井上CUPに優勝したら何かもらえるんですか?
井上 優勝したら……少しだけ胸を張れるくらいすかね……?
会場 (爆笑)
金成 名誉だけっすか!!?
井上 賞品はまだ考えていないんですけど、みんなが喜ぶようなものを用意しますよ。お客さんにも、何か考えますよ。
Q.優勝候補はどなたですか?
川島 正直、部長がいちばんゲームをやってます。本当にヘビーなスケジュールの中、まったくPSPの電源切りませんからね。
※ここで、若手芸人から井上さんの『モンハン』伝説が披露。「いちばんヒドかったのは、夜の9時から『モンハン』で遊び始めて、つぎの日の夕方5時まで続いたことがあります」とか(笑)。しかもその間、みな休み休みやってるのに、井上さんだけは一睡もしなかったというからビックリする。PSPも何台も遊び潰しているそうで、名言として「PSPと冷えピタがあれば生きていける」というのがあるそうだ(笑)。
Q.『2nd G』の魅力は?
井上 年齢に関係なく盛り上がれるんです。あーだこうだと相談もできるし、共感もできる。いまステージにいる芸人たちとも、本当にしゃべったことなんてなかったんです。それがゲームを通じて遊ぶようになりましたし。そういうところが、いちばん魅力的ですね。
Q.井上さん、「俺はこんな場所でも『モンハン』してるぜ」っていう逸話があったら教えてください。
井上 後輩の悩みを聞いているときでも『モンハン』してます。
会場 (爆笑)
記者 悩みのほうは、キチンと聞いてあげられたんでしょうか?
井上 ……「ほぅ」くらいですね。
会場 (爆笑)
※具体例として、「”モテたい”って相談したら”おまえじゃ無理”って言われた」、「”この世界で成功するには?”って聞いたら”運やで”って言われた」とうとうのヒドい話が(笑)。
Q.箕輪さん、友だち少なそうですけど、『モンハン』やって増えましたか?
箕輪 はい、増えました。しゃべったことのない人でも、「『モンハン』やってるよ」って聞いたら、「じゃあギルドカード交換しましょう」ってところからしゃべれるようになりましたし。友だちの輪が広がりましたよ。たとえば、アーティストのSEAMOさんとか、……井上さんとか。
井上 ここかよ!!!
Q.対戦(?)したい相手は?
箕輪 ツワモノならかかってこい、ってところですね。
会場 (おお〜!)
Q.川島さん、M-1の優勝とゲームでの優勝、どっちがうれ……。
川島 (質問が終らぬうちに)M-1の優勝です!
会場 (爆笑)
川島 M-1しかありませんいま。ひとりでやることじゃないですし、相方と意思の疎通をはかってがんばらなければいけません。今年が麒麟はラストイヤーともなりますしね。えー、その件については違う会見でお願いしたいと思います。
会場 (爆笑)
Q.井上CUPは、今後も継続して行う? そして、イベントの具体的な内容は?
井上 はい、継続してやれたらなと思います。イベントの中身は、先のモンスターハンターフェスタをちょっともじった”川ハンフェスタ”っていう大会をやっていたんですよ。川島が言い出したんでこの名称になったんですけどね。それを当日やろうかな、って思っています。ふたりひと組のタイムアタックですね。お客さんがここに入るかどうかは、ちょっといま検討中ですね。
Q.タイムアタックの種目となるクエストは、もう決まっているんでしょうか?
井上 はい。みんなで相談して、内定はしています。
※ここで、現在予定しているタイムアタックの対象クエストが井上さんの口から語られたが、カプコンサイドとの調整を残しているとのことでまだ公表することは控えさせていただく。
Q.ちなみに井上さんのパートナーはどなたが?
井上 コンマニセンチの堀内です。その実力は……身長どおりですね(笑)。まあ、うまい人どうしが組むよりもこういうほうがおもしろいので。
会場 (爆笑。堀内さん、公式資料によると身長は153センチ。男性ではかなり小柄なほうです)
Q.それでも、優勝候補は井上さんチーム?
川島 そうですね。堀内の話を聞くと相当なスパルタ教育を受けているみたいですからね。
堀内 大人なのに、毎回泣きそうになってますから……。
Q.井上さんが部長ということですけど、まわりの方、それをどう思われているんですか?
川島 めったに自分から何かをする人じゃないので、珍しいですよね。
金成 『モンハン』をやってるときの井上さんが、いちばん輝いているんです。それ以外のときは、なかなかついていこうとは思えないんですけどね(笑)。
川島 正直、ダラダラした方ですから。
金成 ふだん、イカを伸したものしか食べないんです。そういうのを見ているとついていきかねるんですけど、『モンハン』をやっているときは本当にかっこいいですね。
井上 イカは手が汚れなくていいんです(苦笑)。
川島 井上さん、イカの説明はいいんですよ。
会場 (爆笑)
井上 居酒屋で飲み食いせずに『モンハン』をやっていたとき、ホッケを頼んだんです。そしたら混乱してきて、いつのまにかPSPじゃなくて、ホッケをボタンだと思って押してました(苦笑)。
金成 井上さんのエピソードとしては、僕の家でよく遊ぶんですけど、難しいクエストに行くまえに必ず、寝転がるんです。何をしてるのかと思ったら、イメージトレーニングしてるんです! アスリートなんですよ!! さすがに、「帰ってください」って言いたくなりますよ!
会場 (爆笑)
Q.箕輪さん、セクシーな女性キャラをお使いということですが、男性キャラを誘っちゃうときのキメ台詞なんてのはありますか? せっかくなので井上部長を誘う感じで実践してもらえますか?
箕輪 あ・た・し・に、罠、仕掛けてみない?(ハート)
会場 (大爆笑)
川島 これはシビレ罠やな!(笑)
井上 (痛恨の表情で)高等なテクニックを使われました。何の罠なのか迷いましたよ(苦笑)。
Q.箕輪さん、ラブラブのカレシとゲームは遊ばれますか?
箕輪 はい、『モンハン』を遊んでます。
Q.彼をモンスターに例えたら?
箕輪 そうですねえ……。まあ、どこから襲ってくるかわからないので、ナルガクルガかな♪
会場 (笑)
金成 あの、僕何度か見たことありますけど……イャンクックみたいですよ?
会場 (大爆笑)
箕輪 攻撃のしかたが、ナルガなんです。
井上 見た目は……?
箕輪 見た目は……イャンクックですね(笑)。
てな感じで、一問一答は終了〜! もう、笑いっぱなしで腹が痛くなりました(笑)。
このあと、俺と江野本は刷り上ったばかりの『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』をたくさん持って芸人さんたちの控え室に。井上さんと川島さんに「おかげさまで、無事完成しました」と言って『サヨナラ!』を手渡した。井上さんは受け取った『サヨナラ!』を大きく突き上げ、居合わせた芸人さんたちに向かって「みんな! 辞書が来たでえ!!」と高らかに宣言。芸人さんたちから怒涛のように湧き上がった「おおお!!」、「やったああ!」、「今回も読ませてもらいます!!」等々の声を聞き、俺と江野本は感激のあまり言葉を失って立ち尽くしたのだった。
【MHP 2nd G】番外編 よしもとゲーム部始動! ”井上CUP”開催!
とある日。
”あの”吉本興業から1本のリリースが届いた。ナンダナンダと開封してみると……なんとそこには! ”真の芸人NO.1ハンターは誰だ!? モンハン芸人たちが一堂に集合! よしもとゲーム部×CAPCOM”なる魅惑の文字が並んでいるではないか! 記者会見に出席予定の芸人さんの名前を見ると、次長課長・井上聡さん(よしもとゲーム部部長)、麒麟・川島明さんの名前がある。そして”よしもとゲーム部”の部員一覧には、笑い飯の西田幸治さんのお名前も! こ、こいつはエライことになったぞ……。井上さん、川島さん、西田さんと言えば、11月20日に発売される我が4冊目の単行本『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』に、大塚角満の対談相手としてご登場いただいている、芸能界を代表するハンターたちではないか!! サァ、こうしちゃいられない。俺はできあがったばかりの『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』を10冊ほど袋に詰め込んで、編集担当の江野本ぎずもに「行こう!」と声をかけ、一路会見場へと向かった。
よしもとゲーム部とは文字通り”ゲーム大好き芸人”の集まり。リリースによると、”ゲームをこよなく愛し、日々その腕を磨き合うゲーム芸人たちによる、広くゲームのおもしろさを伝える集団”とある。会見の冒頭でMC担当の芹沢和哉氏は「新宿のルミネザよしもとの楽屋では、7割くらいの芸人が毎日PSPを持って遊んでいます。そんな芸人の最近の合言葉は”行きます?”か”狩ります?”。それくらい、このゲームは芸人のあいだで大ブームになっているんです」と告白。そして「ということで、よしもとゲーム部が最初に扱うゲームは、カプコンの『モンスターハンターポータブル 2nd G』です!」と高らかに宣言した。
よしもとゲーム部の最初の活動として発表されたのが、11月28日に行われる”井上CUP”だ。ゲーム部のメンバーがもっとも愛する『2nd G』を使い、総勢20名にもなる芸人たちで『2nd G』のタイムアタック大会などを行うという。ちなみにこのイベントは一般入場も可能。まず、その概要を明らかにしてしまおう。
■”井上CUP”概要■
●開催日時 11月28日(金) 午後11時〜翌午前5時
●開催場所 ヨシモト∞ホール(東京都渋谷区宇田川町31-2)
●出演者 次長課長・井上、麒麟・川島、ハリセンボン・箕輪、笑い飯・西田、他若手芸人多数
●チケット 前売1500円、当日1800円(チケットよしもとにて発売中)
※18歳未満の入場は不可
会見には、よしもとゲーム部に所属する芸人が多数登場した。ざっと、20名。まずは、部長の井上さんがあいさつ。背後の若手芸人たちから、怒号とも言える歓声があがる(笑)。
「部長を務める井上です! こういうゲームイベントをやらせていただけることになり、本当にうれしく思っています。というのも、じつは2年くらいまえから、ここにいるようなゲーム好きの芸人が夜な夜な集まってゲーム大会をやっていたんです。それが回数を重ねるに連れて人数が多くなり、ほかの事務所の方も参加するようになったので、ここいらでひとつお客さんの前でやってみよう! ということになりました。よろしくお願いします!」
井上さんの説明によると、井上CUPの内容は「僕らがふだんやってることをお客さんに見てもらいたい」という考えが根底にあるそうで、タイムアタック大会は井上CUPというイベントの中の、企画のひとつと捉えているらしい。また、詳細はのちほど発表するということだが、来場者もいっしょに遊べる企画もあるという。続いて、麒麟の川島さんが井上CUPにかける意気込みを語った。
「これだけのメンバーが揃いましたけれども、1位を狙っていきたいと思っております。ただ僕も含めて、この時期はみんなM-1グランプリのほうに意識が向いているのでゲームに集中できない部分もありますけどね。でもやるからには、こんなザコどもには負けませんよ」
この発言に、ステージ上の芸人たちは激昂。「おいおい!」、「どういうことだそりゃあ!」と川島さんに非難の声が集中する。しかし、川島さんはニヤリと笑って、
「こんなね、昨日呼ばれて今日ここに来れるスケジュールの連中に負けるわけにはいきませんよ!! それにね、楽屋では盛り上がってたくせにステージに来たとたんおとなしくなるようなヤツらには負けませんよ」
ステージ上の怒号はいつか悲鳴となり、しばらく鳴り止むことはなかった(笑)。続いて、ハリセンボンの箕輪はるかさんは、
「ゲームの中では女性のキャラクターを使ってるんですけど、本番当日までにはさらに、セクシーな防具を集めて皆さんにお披露目したいと思います」
と、タイムアタック大会の開催意義を根底からひっくり返す恐るべきコメントを残す。これには部長の井上さんもビックリ仰天して、「ひとり、目的が違う人が混ざってるんですけど(苦笑)」と思いっきり苦笑い。しかし箕輪さんは怯まず、「作った防具を見せるのもこのゲームの楽しみのひとつですから!」としっかりと返した。
このあとステージでは、沼地の山菜ジジイやティガレックス、チャチャブーのモノマネが披露され(って、マジメに書くとものすげえ違和感あるけど、ティガレックスはとても似てた)、そのほかにも何やらゴチャゴチャとしたやりとりがありました。……って、芸人さんたちには端折って申し訳ないんですけど、とても全部書けない(苦笑)。その証拠に、あまりにもわけがわからなくなってきたあたりで部長の井上さんが「親戚の子供がふざけているのを眺めている、ってつもりで見てください!」と記者に釘を刺すひと幕も。いやあ、この言葉がなかったらどうなっていたことか……。そして最後に、井上さんがゲーム部部長として井上CUPの開催を宣言した。
「ここに! 『モンスターハンターポータブル 2nd G』の、井上CUP開催を宣言します!!」
さてここから、記者との爆笑一問一答となったのだが、それはつぎの記事で!
昨夜開催した1回目の”アドパで大塚角満と遊ぼう!”企画、大盛況でございました! その詳細を今日ここに書こうと思っていたのですが、いつの間にかこんな時間に!! なので詳報はあとでまとめてアップするってことにして、昨日1回やってみて、気づいたことを列挙させてもらいますね。
昨夜のイベント、最終的には”大塚角満のギルドカード配布会”になりました。当初は”可能な限りクエストに行こう”と思っていたのですが、やっぱりクエストに行くとなると時間がかかります。当たり前なんですけど、そうすると多くの人をロビーに待たせることになるわけで、これがじつに心苦しいのです。で、たどり着いたのが前述の”ギルカ配布会”。俺が強制的にそう決めたのではなく、ロビーにいる31人の方々がチャットで話し合いをしてくれて、「クエストに行くと遊べる人が限られてしまう。なのでせめて、ギルカだけでも全員に!」と意見を統一してくれたのです。この流れ、本当にうれしく、ありがたくて、モニターを見ながら江野本ぎずもと「いい人ばかりだね……」としみじみと話してしまったほどです。
では具体的にどのようにギルカを配布したのかというと、まずロビーにいる人が3人1組でルームを作ります。そこを順番に、大塚角満が訪問していくのです。で、皆さんにギルカを配ったらつぎの家に。じつは通信の関係でなかなかカードを渡せないので、そのあいだはルーム内で皆さんとチャットをして遊んでいました(笑)。
今日も基本、この流れになると思います。ただ、昨日はこれだけで2時間かかっちゃったんですけど、参加していただいた人数や状況によってはクエストに行けるかも? なんて思っていたりもしますが、これはもう蓋を開けてみるまでわからないので臨機応変の対応で、ってことをご了承くださいね。クエストに行けるにしても、ラオとかシェンガオレンとか、G級の古龍はキツイかなぁ……。どうしても時間がかかってしまうので……。双獅激天みたいなクエストだと、僕がアッと言う間に3オチして終わっちゃいそうですけど……(苦笑)。
ちなみにくり返しになりますけど、プレイステーションネットワークのフレンド申請については、今回はすべてお断りさせていただくことをご了承ください。それとギルドカードですが、僕のリストがいっぱいなため、渡すだけで受け取ることができないのです。ゴメンナサイ! それと、僕はボイスチャットの機器を持っていないので、チャットはすべて文字になります。
ではお待たせしました。本日、大塚角満が居座っているワールドとロビーを発表しましょう。場所は……。
ワールド”C1” ロビー”9”
です! オンラインネームは昨夜と同じく★角満★で。お待ちしてます〜。
先日告知したとおり、プレイステーション3のオンラインサービス”アドホック・パーティ for PlayStation Portable”にワタクシめが出没しております! 11月20日発売の拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売を記念して行うこの企画。アドパのロビーで皆さんと出会い、『モンスターハンターポータブル 2nd G』で遊んじゃおう! っていう試みですな。では予告したとおり、この場でいま僕がいるロビーを発表しちゃいましょう。それは……。
ワールド”F1” ロビー”17”
に入ってます〜。オンラインネームはわかりやすく”★角満★”です。あ、ちなみに”11月10日の居場所”ですね。明日もこの企画やりますけど、居場所は変えますので。「仕方ねえから遊んでやっか」と思ってくれた奇特な方々、ぜひぜひロビーにいらしてください!!
ただアドパのロビーは最大で32人しか入れず、ルームも基本、4人しか入れないので、ロビーにいるすべての方といっしょにクエストに行けるかどうかはかなり難しそう。「それでもいいよ!」と今回の試みに賛同してくださる方、じゃんじゃんロビーに来てみてください〜!
なお、なるべく多くの方とクエストをごいっしょしたいと思っているので、基本、1パーティー1クエスト(おひとり様1回)で回させてもらいますね。それとプレイステーションネットワークのフレンド申請については、今回はすべてお断りさせていただくこともご了承ください! ごめんなさい! あ! それと、僕はボイスチャットの機器を持っていないので、チャットはすべて文字になります!!(苦笑) 思い出してよかった! そのほか、なにぶん初めての試みなのでいろいろ不備があるかもしれませんが、どうかご容赦を……。
では、ロビーでお待ちしてます〜。
【MHP 2nd G】第137回 ガンランスの天敵
アドホック・パーティー for PlayStation Portable(以下、アドパ)が快適かつじつに楽しくて、サービスがスタートした11月6日以来、ここのロビーに入り浸っている。気分的にはプレイステーション2の初代『モンハン』、『モンハンG』、『モンハン2(ドス)』にハマりまくっていたときと同じ感じ。ロビーやルームでのチャットが楽しく、その流れで好きなクエストにどやどやと出かけていって、帰ってきてからあれこれと反省会をする……というパターンが懐かしいったらありゃしない。久しぶりにここで再会した友人も多く、俺は感激のあまりアドパを導入してくれたソニー・コンピュータエンタテインメントの本社がある青山方面に向かって「導入してくれて、ありがとさん!」と心からの合掌をしたりした。
アドパに入って最初に出かけたクエストは、G級のリオレウス亜種討伐だった。いわゆる、蒼レウス。ネット友だちの女子大生、Kちゃんとふたりでの出撃である。久しぶりにネット上でKちゃんと合流し、お互いハンターランク9だったので何でもいけるなと思い、Kちゃんに「何のクエストいきたい?」と聞いたら、笑い声で「じゃ、蒼レウスね(笑)」と言われたのだ。なんで彼女が笑ったのかを説明するには、拙著『本日も逆鱗日和』の126ページにある”しまったあああ!”というコラムを紐解かなければならない。これは友だちとふたりで蒼レウス討伐に向かって、ボロボロになりながらもなんとか蒼レウスが脚を引きずるところまで追い込み、「ようやく終れる!!」っていう土壇場で俺が捕獲用麻酔玉とモドリ玉を間違えて投げて、前代未聞の敵前逃亡をしてしまった……という内容だ。このときの友だちというのがいま目の前にいるKちゃんで、彼女はそれを瞬時に思い出し、「懐かしいのでそれにいこ♪」と持ちかけてきたわけだ。
というわけで、G級の蒼レウス討伐である。武器は、俺が”角満ガンランス”(と、読者に刷り込もうとしている)こと古龍銃槍エンブレム、Kちゃんもガンランスで、得物はエンデ・デアヴェルトだ。G級とはいえ、必要十分の装備である。わりとあっさりとクリアーしてロビーに戻ってくることができるだろう。俺とKちゃんは何の危機感も持たぬまま、蒼レウスが待つ森丘に出発した。
G級の蒼レウスは最初、森丘のエリア5でのんびりしている。飛び回られると追いかけるのが面倒になるので、なるべくここで捕まえてしまいたい。クエストのスタート地点がエリア9だった俺はKちゃんに「5で足止めするね。そこで狩ってしまおう!」とかっこよく言い放ち、ダッシュでエリア5に向かった。
エリア5ではキチンと、蒼レウスが待っていた。そしてその脇には、コバンザメのように付き従うキングチャチャブーの姿が。でも、相手はこの2匹だけだ。キャンプからエリア5に向かっているKちゃんが到着するまえに、キングチャチャブーくらいノしてしまえるだろう。俺は「とりあえず、キンチャチャ狩っちゃうね!!」と再びかっこよく女子大生に宣言して、火をバラ蒔いているキングチャチャブーに踊りかかった。
しかし、攻撃が当たらない。
まえまえから密かに思っていたのだが、ガンランスで臨むときにいちばんやっかいなモンスターは、このキングチャチャブーなのではあるまいか。キングチャチャブーはチャチャブーよりは大きいとはいえ、基本、的が小さい。さらに、飛び跳ねたり左右に動いたりと非常に忙しなく、落ち着きのない行動を取るので、直線的な動きしかできないガンランスの攻撃は、おのずと当たりにくくなる。じゃあ砲撃すればいいじゃないかという話になるが、複数人でこの小っこいモンスターを相手にしているときに砲撃なんかしようものなら、まわりの仲間にガンランスの爆風が当たりまくってそりゃあエライ騒ぎになる。そういう刷り込みがあるから、俺はひとりで立ち回っているときもキングチャチャブー相手に砲撃を使うことができない。「だったらもう、竜撃砲しかないのでは……」となるが、こんなにちょこまか動くヤツに竜撃砲が当たるわけもないのだ。
俺は瞬時に混乱した。ガンランスの攻撃はいっこうにキングチャチャブーに当たらず、そっちばかりに気を取られている隙に空から蒼レウスのワキャキャキックが飛んできて、哀れなガンランサーはまんまとピヨピヨ&毒状態に。「!!?」と頭の上からビックリマークやらクエスチョンマークを飛び出させているうちにキングチャチャブーがザクザクと斬りかかってきて、アッと言う間に俺の分身の体力は風前の灯火となってしまった。俺はあまりと言えばあんまりな仕打ちに「ひ、ひどすぎる!!!」と憤り、泣きながらガチャガチャガチャガチャとPSPのアナログスティックやら○ボタンやらを叩きまくる。その甲斐あってなんとかピヨりは解消されたもののヨロコビの時間は0.7秒ほどしかなく、背後から蒼レウスの巨大な火の玉が飛んで来てあっけなくジ・エンド。クエストスタートからわずか2分。俺は久しぶりに会ったKちゃん(くどいようだが美人女子大生)にいいところを見せようと張り切って狩場に突入し、完全な裏目を引いてしまったのである。この醜態にKちゃんはケラケラと笑いまくり、「ちょっと!! あんまり笑かさないでよ!! なにレウスとキンチャチャにリンチされてるのよ(爆笑)」と腹を抱えたのだった。
G級ハンターとなって数ヵ月が経つが、これほど瞬時に屠り去られたのは先日配信された最凶クエスト”双獅激天”(激昂したラージャン2頭同時討伐)くらいしか思いつかない。それくらい、ガンランスとキングチャチャブーは相性が悪いのだ。
ガンランスの天敵は、キングチャチャブー。
ガンランスをメイン武器としてから数年。ようやくこの事実に気が付いた。
2008年春。第2回目となるモンスターハンターフェスタが開催されることが発表された。当然、ディフェンディングチャンピオンであるJast25`sは出場することに迷いはなく、開催概要が発表されるのと同時に「今年も出よう!」とふたりで話し合ったという。しかし、ふたりが置かれている状況は前回とはまったく違っていた。Jast25`sは日本で唯一、『モンスターハンター』の公式的な”チャンピオンベルト”を持っているチームになってしまったのである。口に出しては「自分たちが楽しいから出場するんだ」と言っていたが、心はプレッシャーと責任感で満たされてしまっていた。(去年の優勝チームとして、期待を裏切るプレイをするわけにはいかない!)という、真面目なふたりだからこそ湧き上がってきた感情が、計算されつくした理詰めプレイを身上とするJast25`sから余裕を奪っていった。
そして今年のモンハンフェスタは、対象ソフトの『2nd G』が発売されてから最初の福岡地区大会が開催されるまでの期間が短かった。飛びぬけたセンスに頼るのではなく、考え、検証し、それを元にした努力によってのし上がってきたJast25`sにとって、練習時間を確保できないことはボディーブローのようにジワリと効いた。ディフェンディングチャンピオンしか感じることのできないプレッシャーと、頼りにしていた練習時間の確保が難しい状況に、ふたりは両翼をもがれたような気分になった。焦りはさらに増した。
それでもふたりは努力をした。ふたりが顔を合わせる時間がなかなか取れないことは個人練習でカバーしようと、自分自身のスキルを磨きまくったのだ。たまに会えるときには、徹底的にセットプレイの呼吸あわせ。そして大会の直前でどうにか、(チャンピオンとして恥ずかしくないものを見せられるところまで立ち回りを詰めることができた)と思ったという。
2008年4月26日。モンスターハンターフェスタ`08、開幕。地区大会初戦の会場となるのが、Jast25`sが出場する福岡である。筆者はこのとき、福岡大会の会場に入ってすぐにJast25`sの姿を見つけてこう思った。「今年もこのふたりが福岡を勝ち上がって、全国で大暴れするんだろうな」と。そしてそのとおりのことを予選が始まるまえにふたりに告げ、「全国に行けるように、がんばります!」という言質を取った。そのとき、充実感に満ちたふたりの顔を見て、筆者は自分の予感を”確信”に変えたものだ。
そして予選のババコンガ討伐。Jast25`sは見事2位で決勝ステージに進出する。さすがディフェンディングチャンピオンだ。その理詰めプレイは、去年よりもさらに極まってきているのだろう。なので予選が終ったあと、筆者は気楽にJast25`sに声をかけた。「今年もすごいね」と。しかし意外なほど、ふたりの顔と声には余裕がなかった。聞くと、練習では滅多にそんなことはなかったのに、ravenがババコンガ相手に1オチし、想定していた予選通過ラインよりも30秒も遅いタイムを叩き出してしまったというのだ。運良く予選通過は果たせたが、ふたりの表情は曇ったままだった。そしてそのあとの結果を思うと、筆者はこのときにkoheiが言った「ちょっと大会に、飲まれてきてるかもしれません」という言葉を忘れることができないのだ。
決勝ステージ。相手は『2nd G』の象徴、ナルガクルガだ。ババコンガでは予想外のミスをしてしまったが、ナルガクルガのタイムアタックについては、ほぼ完璧に詰めきれた自信がある。クリアータイムは、遅くとも4分。ふつうに立ち回れれば、3分30秒は余裕でいけるはずだ。ふたりは、自信満々だった。「今年も全国にいける!」そう思った。
ふたりは導き出した方程式どおりに動いた。大剣を持つkoheiは、数秒のタメを作ってからナルガクルガの待つエリアへ。この数秒のタメを作ることで、ナルガクルガはテクテクと歩いて行ったあと、しばらく動きを止めるのである。ボーっとたたずむナルガクルガの尻尾付近を目掛けて、大剣で2回斬る。ぼんやりしていたナルガクルガもこれによりハンターの存在に気づいて、クルリと振り向く。その頭目掛けて、強烈な大剣の一撃。この3回の攻撃が、Jast25`sによる”ナルガクルガ詰め将棋”のすべての起点となっていた。この間に狩猟笛を持つravenは、ほかのエリアで悠々と閃光玉を採取。閃光玉の使い時もすべて、方程式には織り込み済みだ。完璧な詰め将棋。あとは、数え切れないほどの練習で突き詰めた”必勝パターン”を、ステージで”演じる”だけだ。
大剣を持つkoheiは、練習時と同じだけのタメを作ってから、ナルガクルガが待つエリアへと飛び込んだ。何十回、何百回と行ってきた自然な流れの中での行動だ。そこにはボーっとたたずむナルガクルガが待っているだろう。
ところが。
そこにいつものナルガクルガは、いなかった。驚いたことにkoheiが大剣の2撃を加えるまえから振り向いて、koheiが来るのを待ち構えていたのである。「まさか!!」とkoheiは叫んだ。どうしていま、”この目”を引いてしまうんだ……。
じつはナルガクルガのタイムアタックを詰めていたとき、唯一の不安要素として10回に1回程度の割合で”ナルガクルガが振り向いてしまっているパターン”が存在していたのだ。確率的に”振り向きナルガ”を引く可能性は非常に低かったのだが、もしも引いてしまったときのことを考えると、やはり看過はできない。なのでふたりは可能な限り、どうすれば振り向きナルガを引かなくて済むのかを検証した。そして「このタイミングでふたりが行動すれば振り向きナルガは引かない」という手応えをつかんだ。つかんだ、気になった。しかし蓋を開けてみたら、駆逐したと思っていた振り向きナルガと地区大会決勝ステージで遭遇。まさに、青天の霹靂だった。
それでも、ふたりほどの実力さえあれば違うパターンのナルガクルガが出てきても、必要十分な立ち回りでいいタイムを叩き出せそうなものだ。しかし、ふたりは瞬時にパニックに陥った。このときの状況を、ravenは苦笑いしながら顔でこう振り返る。
「この振り向きナルガを引いてしまったときの対応策を、まったく考えていなかったんです。”もうこのナルガを引くことはない!”って勝手に確信して。つまり、このナルガを引く可能性を切り捨てたうえで、タイムアタックを詰めていったんですよ。だからステージ上ではパニックになって、ふたりとも頭の中で”あり得ない!”を連発。僕らの詰め将棋は、ナルガに遭遇したときに大剣で3発お見舞いするところが完全な起点だったので、それが崩れた瞬間に、すべてが崩壊してしまったんです。僕らが本当にやるべきことは、”振り向きナルガを引かない方法”を考えるのではなく、”振り向きナルガを引いたときの対応策”だったんですよね……」
混乱の極みに陥ったJast25`sはけっきょく、このナルガクルガ討伐に6分8秒もの時間を費やす。練習ではどんなに遅くとも4分台で決着をつけていたふたりから見たら、信じられないような遅いタイムだ。結果、Jast25`sは福岡大会4位となって全国大会進出の権利を逃す。ディフェンディングチャンピオンが、まさかの地区大会敗退。Jast25`s以上に、見守っていたマスコミや観衆が、その事実に驚いた。
しかしこれこそがやり直しナシの一発勝負の恐さであり、魅力でもあるのだ。どんなに絶対的な実力を持っていても、ほんのちょっとのほころびから穴は広がり、取り返しのつかない事態に陥ってしまう。理詰めを極めたこのふたりならほんのちょっとのほころびだったら修正してしまいそうだが、じつは理の極まりを手にしたときに、彼らは失敗したときの巨大なリスクもいっしょに背負い込んでいたのである。参謀のravenが言う。
「作戦に”遊び”を加えていないと、こういうことになるんです。遊びの入る余地がないくらい、詰めきったと思っていましたから。言ってしまえば理詰めのプレイじゃなく、エリアに入ってがむしゃらにナルガを相手に立ち回るという作戦だったら、こういうブレは生まれないんです。これが、理詰めの恐さなんですよね」
そして客観的に見て、ふたりは”魅せるプレイ”を優先させたがゆえに歯車を狂わせてしまったのではないかな、とも思う。Jast25`sは、『モンハン』をアイテムとして使うエンターテナーだった。速いタイムだけを追い求める純粋なアスリートではなく、集まった人たちを沸かす、喜んでもらうことに重きを置いていたため、パニックに陥りながらもどうにかして”魅せるプレイ”を演じることができる土台を作ろうとしたのだ。その証拠に、なんとか自分を取り戻したナルガ戦の後半、ふたりのプレイに会場は沸きに沸いた。しかし、タイムが結果としてついてくることはなかったのだが……。昨年、驚異的な立ち回りで会場を沸かせたことで開眼したエンターテナーとしての資質が、ここでふたりの足をすくった……と考えるのは穿ちすぎだろうか?
この予選敗退という結果を、ravenは冷静に受け止めた。「これはこれで、アリかな」と。会場が沸いたのも、キチンと聞こえたし……。しかし、koheiは受け止めることができなかった。福岡大会の会場で、人目もはばからず号泣したのである。それから1週間、koheiは塞ぎこみ続けた。なぜ練習してきたものをまったく出せなかったんだ。納得できない。どうしても、もう一度チャレンジしたい! koheiは考え続けた末に、ravenに電話をかけた。「大阪大会で、もう1回チャレンジさせてくれないか」と。ravenは最初こそ「はあ!?」と驚いたものの、すぐに「仕方ないな」と苦笑いし、こう返事した。「付き合うよ」と。相棒は昔から、こういう男なのだ。これに付き合えるのは、自分しかいないんだ。大阪大会が行われる、2日まえの出来事である。
しかし、決意を持って挑んだ大阪大会でも、ふたりは敗れ去ってしまう。それも予選のババコンガ討伐で大失敗を犯し、決勝ステージに進出することもできなかったのだ。まだ全国決勝大会当日に行われる最終予選にチャレンジするという手も残されていたが、さすがのkoheiもそれに参加したいとは言わないだろう。ところが、koheiの執念はravenの想像を遥かに超えていた。koheiはravenに言った。「本当にすまん。……最後の当日予選に、付き合ってくれないか……?」と。
「またか! ですよ(苦笑)。でもまあ、そう来ると思っていましたけどね。長い付き合いですから、わかるんです(笑)」
このときのことを、koheiは照れくさそうにこう振り返る。
「最初は僕ひとりで見学に行こうと思っていたんですけど、やっぱりふたりで出たくなったんです。で、「付き合ってくれ」って連絡をしたんですね(苦笑)。そしてこのとき、相棒に言われてすごくうれしかった言葉があるんです」
何のことだ? と目をパチパチと瞬くravenに向かって、koheiが言った。
「”付き合ってくれるか?”と聞く僕に向かって、相棒はこう言ったんです。”出るんだったら、相棒は俺しかおらんやろ!”って。最高に、うれしかったですね」
しかし今年のモンハンフェスタにおいては、最後まで勝利の女神はJast25`sには微笑まなかった。あれほど女神に愛され、時代の寵児となったふたりも、狂った歯車を修正することはかなわなかったのだ。
そんな、ディフェンディングチャンピオン不在のモンハンフェスタ`08決勝ステージでは、シンクロプレイという必殺の武器を引っさげて現れたEffort Cristalと、抜群のセンスと柔軟性で圧倒的な存在感を見せ付けていたもうゲネポが激突。死闘の末、もうゲネポが2代目チャンピオンとして勝利の美酒に酔った。Jast25`sという強烈な光が消えたステージに、新しい光を放ちながら現れたもうゲネポとEffort Cristal。脚光を浴びる彼らを眺めるkoheiとravenを横目で見ながら、これもまたアスリートが集う祭典の魅力のひとつなんだろうなと、決勝大会の会場で思ったものだ。
インタビューの最後に、筆者はJast25`sのふたりにこんなことを尋ねた。「またこういった大会があったら、参加したいと思う?」と。koheiもravenも、この問いには一瞬の逡巡もなくこう答えた。「当たり前じゃないですか!」と。そしてお互いの顔を見ながら声を揃えて、
「ま、こういう相棒がいますから」
と言って笑った。
【MHP 2nd G】告知!! イベント参加の募集を始めました!
えー、ちょっとイレギュラーなんですがお知らせしたいことが山ほどあるので、本日のコラムをアップするまえに告知だけまとめてアップしちゃいますね。11月20日発売の拙著『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』にからむ発表ばかりです。ぜひチェックしてみてください。
●まずは、ちょっとまえに予告した”『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会”の応募方法から! 11月23日(日)の正午からエンターブレイン本社で行っちゃうイベントですが、応募要綱をこちらにアップしました。よくお読みになってからじゃんじゃん応募しちゃってください。豪華ゲストあり、俺のぐだぐだトークショーあり、プレゼントありと、いま本当に懸命になって仕込みをしていますので、この機会をお見逃しなく!
※『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会への応募はこちらから!
●前作『ニャンと! 逆鱗日和』のときにも実施したのですが、『サヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念した企画としてファミ通のケータイサイト”ファミ通DX”において特別コラムの連載を始めました! 『サヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているコラムから何作品かピックアップしてそれが書かれた舞台裏を赤裸々にするとともに、そのテーマに則した読者からの投稿を募って大塚角満が解答しちゃうという”読者とのキャッチボール”もできる試みとなっております。また、大塚角満へのご意見や質問を受け付ける郵便受けもありますので、ぜひぜひご利用を〜。下のQRコードから飛べますよ。
●2008年11月10日(月)と11日(火)の2日間、午後8時〜10時まで“アドホック・パーティ for PlayStation Portable”に大塚角満が出没しちゃいます! どのワールドのどのロビーにいるかは、各日とも午後8時ちょうどにこのブログでお知らせしますよ。はずかちいので、大塚角満のIDもそのときに。”大塚角満と遊んでやってもいい”っていう人はブログをチェックしたら指定のロビーに来てくださいね! ……まあ1ロビーの収容人数は最大で32名だし、時間も2時間なので来てくれたすべての人と遊ぶことは不可能なんですが……。でも、来るだけ来てくれるとうれしい!! なお、この企画での協力プレイの模様は、後日ブログでリポートいたします。ぜひご賛同を〜!
”Jast25`S物語”の続きをお待ちの皆様、ごめんなさい。今日はちょっと休憩して、こんなネタにお付き合いくださいな。
本日(2008年11月6日)より、プレイステーション3を介してPSPのアドホックモードを全国のユーザーと遊んじゃうという注目のサービス”アドホック・パーティー for PlayStation Portable”(長いので、以下、アドパ)のβバージョンサービスがスタートした。こいつがまた……じつに快適で楽しかったので急遽ここでリポートしたくなっちゃったのよ! アドパのHow toも含めて、遊んでみた感想なども書いてしまいましょう。まずはアドパの基本から。
アドパを利用するには、プレイステーション3(ハードディスクの容量が20ギガバイトのモデルはサービス対象外)とPSPが必要だ。PSPはとりあえず何もする必要はないので、アドパの対応ソフト『モンスターハンターポータブル 2nd G』をセットして安置しておきましょう。プレイステーション3のほうで、いくつかしなきゃならない作業があるんでね。
まずプレイステーション3(最新のシステムソフトウェア2.52にバージョンアップしておこう)をネットワークに接続する。ここで注意しなきゃいけないのは、無線ではなく、必ず有線で繋ぐこと。プレイステーション3とPSPは無線で連繋するので、プレイステーション3を無線でネットワークに繋ぐとアドパは利用できないのである。で、首尾よくネットワークに接続できたら、迷わずPlaystation Storeへ。ここから無料で、アドパのβバージョンをダウンロードできるのだ。そんなに大容量のアプリケーションではないので、ダウンロードもインストールも数分で済むだろう(個人差はあるだろうけど)。無事にインストールされると、プレイステーション3のクロスメディアバーの”ゲーム”の欄にアドパのアイコンがきらめく。これを選べばすんなりと、アドパのメニュー画面に飛べちゃうのだ。……なんか文字で説明しちゃうとひと手間かかりそうな雰囲気になっちゃうけど、この作業、作業なんて言葉自体がそぐわないほど簡単でスムーズ。なので臆せず、ダウンロード&インストールしちゃってくだせえ。
アドパのメニューには、”スタート”、”ジャンプ”、”アドホック”なる項目がある。ひとつずつ説明しましょう。
●スタート……アドパの拠点となる”ワールド”に飛ぶボタン。11月6日現在、A1〜J1までの10ワールドが用意されている。ワールドの中の階層については後述する。
●ジャンプ……プレイステーション3のフレンドリストに登録してある人がアドパを利用していると、このジャンプの項目の中に名前が表示される。それを選ぶと1発で、その人がいるロビーまで飛べる仕組みだ。また、過去に行ったことのあるロビーも、”履歴”の項目から飛ぶことができる。
●アドホック……プレイステーション3にPSPを認識させるためのボタン。1台のプレイステーション3に、最大3台のPSPを接続することができる。
まあ、この説明だけじゃさっぱりわからないと思うので、もっと具体的に解説しちゃおう。
▲ワールド選択画面はこんな感じ。左アナログスティックをグリグリ回して選ぶ。10ワールドにそれぞれ64ロビーが設けられているので、「混んでて入れない……」ってことにはなりにくいと思われる。
とりあえず初めてアドパに接続したら、スタートを選んでワールドに入ってみよう。前述したとおり、現在10ワールド用意されていて、1ワールドは64のロビーで構成されていることがわかるはずだ。このロビーはアドパからPSPの対応ゲームに飛ぶための玄関のような場所で、1ロビーには最大で32人入ることができる。ロビー内では自分のキャラクターは、アバター……というか、簡易的な人型で表示されていて、キーボードやコントローラーで文字を打ち込むと、この人型の頭からフキダシが飛び出し、ほかの人とチャットができる仕様となっている(ボイスチャットやビデオチャットにも対応)。
▲ロビー内の風景。非常にシンプルで見やすいレイアウトだ。ここでチャットをすることができる。ロビーにいる人全員に自分の発言が見えるようにすることもできるし、特定の人に個人チャットを送ることもできる。
そしてここからが肝心。ロビーの中では自由に”ルーム”というものを立ち上げることができるのだが、このルームに入り、たとえば『2nd G』のオンライン集会所に入って初めて、遠隔地にあるPSPどうしがアドホックで繋がるのである。実際に試してみるとよくわかる。ルーム内のチャットで「んじゃ、オンライン集会所の1に入りますね」と告げてみんなでオンライン集会所1に入ると、ルームにいる人の『2nd G』のキャラと集会所1で出会うことができるのだ。ルームにはコメントを付けたり(”フレンド限定で遊んでいます!”とか)、パスワードを設定することもできる(フレンドだけで遊びたいときに有効)ので、特定の人とだけ遊びたい人もストレスなく利用することができるだろう。※ちなみに、前述したとおり1台のプレイステーション3は3台のPSPを認識できるので、ルームには最大で12人入ることができることになる。『2nd G』の集会所収容人数は4人なので、あぶれた人(?)は別の集会所に入って遊べばオッケー。
▲このルームから、PSPのゲームに入る。現在、正式にアドパに対応しているゲームは『2nd G』だけだが、今後続々と増えていく予定。
てなわけでさっそく、ネット友だち数人に連絡を取ってアドパで落ち合う約束を取り付けた。ここのところ『モンハン』は『2nd G』ばかりだったので、ネット友だちとは半年以上もいっしょに遊んでいない。無事、アドパで出会うことができたら、こいつは”同窓会”そのものではないか。俺は久しぶりに友に会うことに若干の緊張を覚えながら、集合場所に決めたロビーに降り立った。すると……!
「あああ!! ミドさーん!! めっちゃ久しぶりーーーーっ!!」
おおおお!? Kちゃん!! 『みんGOLオンライン』時代からずっといっしょにネットゲームを遊んできた、ネット上の親友のひとりである。まさかこんなところで会えるとは! お? もうひとり来たぞ。あ、あれは……! 今度は俺が絶叫した。
「Wちゃん!!!!!! おおおおお! なんて久しぶり!!!」
最近俺が『2nd G』でばかり遊んでいたもんだからすっかりコラムへの登場回数が減ってしまった『モンハン』の達人・Wちゃんが、アドパに降臨したのである!! これが興奮せずにいられるものか。そしてすぐに、ネット友だちのHさんも合流。彼とチャットするのも、じつに久しぶりだ。俺たちは「積もる話もあるけど、まあとりあえず……」と口々に言い合いながら『2nd G』を起動。オンライン集会所1で落ち合った。
それにしても、これはじつに不思議な風景である。
そういうサービスなんだから集会所で出会えるのは当たり前なのだが、”『2nd G』は顔を付き合わせて遊ぶもの”ってのが常識となっている身からすると、目の前にいないネット友だちのキャラと集会所のロビーでじゃれあっている映像は、どこか浮世離れしたものに見えてしかたないのだ。それもPCではなく、プレイステーション3を触媒として。なんだか、キツネにつままれたような気分だ。俺以外の人もしきりに、「なんか不思議〜」、「すごい時代になったなぁ」と感嘆の声を漏らしておったよ。
このあと実際にクエストにも行ってみたが、とくに気になる点もなく、ふつうに目の前のプレイヤーとアドホックで遊んでいるのと同じレスポンスでクエストを遂行することができた。あまりにも快適すぎて思わず、(じつは近くにほかの3人が潜んでいて、ふつうにアドホックで繋がっているんじゃね?)と勘ぐってしまったほどだ。でももちろんそんなことはなく、俺たちは本当に、東京、神奈川、福島、京都とまったく違う場所にいながら、『2nd G』の協力プレイを楽しんだのである。いささかの不安も感じずに。いやあホントに、すごい時代になったものだねえ。
『2nd G』を遊んでいるハンターの方からよく、「まわりに遊んでいる人がいないのでずっとソロで遊んでいます」という声を聞く。ゲームのプレイヤー人口が絶対的に少ない地方ほど、こういった傾向は強いだろう。実際、俺のまわりではいちばんの『モンハン』の達人であるWちゃんも、「『ポータブル』シリーズはネット友だちといっしょに遊べないから寂しくて、あまりやり込んでないんだ」と言っていた。しかしプレイステーション3とネットワーク環境さえあれば、こういった悩みも解消されるかもしれないのである。そして身近な人との協力プレイをやり尽くした人にとっても、”『2nd G』で不特定多数の人と繋がる”という、これまででは考えられなかった新たな楽しみに触れることができる。アドパはPSPユーザー、そしてハンターたちの新しい”玄関”になりそうだ。
さてそんなアドパを使って、俺もひと企画ぶち上げることにしました。詳細は、以下を読んでくださいね〜!
※『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売記念! 大塚角満とアドパで遊ぼう!※
2008年11月10日(月)と11日(火)の2日間、午後8時〜10時まで“アドホック・パーティ for PlayStation Portable”に大塚角満が出没しちゃいます! どのワールドのどのロビーにいるかは、各日とも午後8時ちょうどにこのブログでお知らせします。はずかちいので、大塚角満のIDもそのときに。”大塚角満と遊んでやってもいい”っていう人はブログをチェックしたら指定のロビーに来てくださいね! ……まあ1ロビーの収容人数は最大で32名だし、時間も2時間なので来てくれたすべての人と遊ぶことは不可能なんですが……。でも、来るだけ来てくれるとうれしい!! なお、この企画での協力プレイの模様は、後日ブログでリポートいたします。ぜひご賛同を〜!
自分たちが福岡大会を勝ち抜けたのは、たまたまだ。もしも決勝ステージをまえに見知らぬふたりのハンターが声をかけてくれなかったら、自分たちが全国決勝大会に進出することはあり得なかっただろう。Jast25`sのふたりを強くしたのはある種の劣等感と、タイムアタックを詰め切れぬまま勝ち抜いてしまったことに対する負い目だったのかもしれない。だからこそ、ふたりは練習した。koheiをして「寝ているとき以外は、タイムアタックのことしか考えていなかった」と言わしめるほどに……。
まずふたりはパソコンを立ち上げて、自分たちが知る限りのあらゆる攻略情報をデータとして打ち込んでいった。武器の攻撃力、防具の防御力、武具のモンスターに対する相性、スキル、与えるダメージ……。これをプリントアウトして、何時間もふたりでにらめっこ。そしてこのデータをもとに実戦をくり返した結果、ふたりは立ち回りにおけるさまざまな場面を”数字”で考えるようになる。単純なところでは、「このモンスターはハンマーで頭を●発殴るとめまいをおこす」といった感じで。ただがむしゃらに暴れていた”感覚プレイ”から脱却したことで、見えてきたものもたくさんあった。その中でもっとも大きかったのが「数字にして考えないと、タイムアタック勝負では勝てない」という思いだ。この瞬間に初めて、Jast25`sは”理詰め『モンハン』”に目覚めたのである。
理詰めの青写真はおもに、理系出身のravenが作った。数字アレルギーの人ならばモンスターの動きやハンターの立ち回りを数字に置き換えることに顔をしかめるところだろうが(完全文系な筆者のように)、理系の頭脳を持っている人から見れば、これはごくごく自然な流れらしい。
ふたりはravenが作った青写真をもとにディスカッションと実戦を重ね、タイムアタックを詰めていった。青写真どおりにいかないことも当然ながらたくさんあったが、これを叩き台にしてタイムを縮めていく作業は思っていた以上に楽しかった。
理詰めのタイムアタックは、ふたりの性に合った。自分のことを「文系です」と評するkoheiが、「がむしゃらなプレイスタイルよりもはるかに、理詰めプレイのほうが楽しかった」と断言するほどに。もちろん、すべてが理論どおりに進むとは限らない。そもそも自分たちが使いやすい武器と、理論上では”最速”とされている武器が違うことがザラにあったし、それが合致していたとしても方程式どおりに立ち回れる保障はどこにもない。ひと口に”理詰めプレイ”と言っても、その道は決して平坦なものではないのだ。
この”齟齬”を埋めるために、ふたりは徹底的に”個人練習”をした。「いくらすばらしい理論があっても、実践できる個人スキルがなければ文字通り机上の空論になる」を合言葉に、ソロでの練習をくり返したのである。これが自然と、「俺、このモンスターのこんな動きに気づいたんだけど」、「この隙に攻撃するのがよさそうだ」という有益な”情報”に変換され、情報は”理”となって、気がつくとふたりはがむしゃらに遊んでいたころでは到底たどりつけなかった”理詰めの境地”に到達していた。
ふたりの理詰めプレイが極まったのが、モンハンフェスタ`07全国大会の決勝戦におけるラージャン討伐だ。狩猟笛を担いだふたりがシンクロしながら躍動し、あのラージャンを翻弄したシーンは、いまでも筆者の脳裏に刻み込まれている。なので筆者は尋ねた。「あのとき、シンクロするようにふたりは同じ動きをしていたけど、それは狙ってのことだったの?」と。この質問に”作戦参謀”のravenはニッコリと笑い、こんな言葉を返した。
「シンクロすることを狙って練習したことは一度もありません。狩猟笛ソロでラージャンを相手に立ち回ることを突き詰めていくと、笛を吹くタイミング、回避の瞬間、攻撃のポイントなどが同じになって、シンクロしているように見えるんです。僕らはそれに加えて、ラージャンの動きを記号化して”このモーションをしたらここに一撃”といった具合にモンスターの動きと狩猟笛による攻撃をパターンにして当てはめたんです。そうするとおのずと、ふたりの動きは同じようになるわけです」
しかし最終的には狩猟笛・狩猟笛による立ち回りに到達したが、そこにたどり着くまでにはもちろん、膨大な時間と試行錯誤を要した。とくに、この決勝戦で選べる武器の中にはスキル”火事場力”が発動した弓があり、ravenもkoheiも「火事場を完璧に使いこなせる弓使いが現れたら、優勝はそのチームが持っていく」と確信していたという。となれば、Jast25`sのふたりも弓を選べばよさそうなものだが、ふたりの内には福岡大会の決勝ステージで覚えた”負い目”が反芻してきて、弓を持たせることを拒ませたそうだ。koheiが言う。
「弓が圧倒的に強いだろうな、とは思いました。でも僕らはふたりとも、遠距離武器をほとんど使ったことがなかったので、キチンと弓を扱って立ち回る自信がありませんでした。僕らが弓を選んで付け焼刃の練習をしたとしても、もしも決勝で対峙するハンターが弓使いだったら……。彼らが僕らよりもヘタな弓使いだとは到底思えなかった。だからふたりで決めたんです。”もしも全国決勝大会の最終ステージに残ったら、自分たちがみんなに見せたいプレイをしよう”って」
使用武器に狩猟笛を選んだのは、自分たちの持つスキルでもっとも”魅せるプレイ”ができるのがこれだったからだ。まずハンターの立ち回りが有利になる要素として、狩猟笛の旋律に”耳栓”があったし、防具のスキルには”耐震”がついていた。そして所持アイテムとして落とし穴がひとつずつと、閃光玉が2個ずつ。闘技場の隅からは携帯用シビレ罠も取れる。これらのアイテムを駆使すれば、ハンマーですらめまいが取りにくいラージャンを、狩猟笛で圧倒することができるかもしれない。もしも決勝ステージでそれを披露したら観客が沸くのは間違いないぞ……! この作戦の青写真を作ったとき、ravenは興奮した。「もう、これしかない!」と。すぐさま相棒のkoheiにこの作戦を報告。ravenと同じように魅せるプレイに目覚めていたkoheiもすぐに「いいね!」と同意し、狩猟笛・狩猟笛による突き詰めが始まった。
ふたりが時間の許す限り練習をくり返して、全国決勝大会が始まるまえに到達した対ラージャン用の”詰め将棋”の解答は、以下のようなものだ。
・徹底的に頭を攻撃する
・最初の怒り状態になるまえに頭へのダメージを蓄積できれば、落とし穴に落として頭を殴った瞬間にめまいになる
・ここで狩猟笛の”攻撃力UP[大]”の効果が消えるのでひとりが演奏
・2回目のめまいは取りにくいので、シビレ罠をふたつ使ってこれを狙う
・このへんで笛の効果が軒並み消えるので、閃光玉を当てて笛を演奏し、武器も砥ぐ。砥ぎ終わる瞬間にラージャンから閃光玉の効果が消える
・残りの3つの閃光玉をつぎつぎと当てる。ラージャンは閃光玉を浴びると大暴れするが、耐震、耳栓が発動していれば左右の後ろ脚に張り付いてスタンプ→離脱をくり返していれば攻撃を食らうことはほとんどない
・7分もあれば討伐完了……
あのラージャンを相手に、Jast25`sの立ち回りはここまで極まった。この戦法だったら牙獣の王に一度も主導権を渡さぬまま、遅くとも8分もあれば討伐することができるのだ。ここにたどり着いたとき、ふたりは声を上げて叫んだという。「ついに、ほかの人に見せられるプレイが完成したぞ!」と。
そしてふたりはこのフローチャートにあることを、ほぼ完璧に全国大会の決勝という檜の舞台で実践してみせた。めまいを取る回数が1回少なかったことと1オチを計上したことを除けば、「これはデモ映像なのでは……?」と勘ぐってしまいたくなるほど、本当に美しい”詰め将棋”である。もちろん、理詰めプレイはJast25`sの専売特許ではないし、いまほど理詰めプレイが浸透していなかった昨年のフェスタ当時も、全国大会に進出してくるようなチームであれば方法論は違うだろうがモンスターの動きとハンターの動きを研究し尽くして”詰めて”きていただろう。しかしあの緊張する大舞台の上で、自分たちが導き出した方程式どおりに立ち回れるかどうかとなると話はまったく違ってくる。Jast25`sのもっとも偉大なところは、”全国決勝大会の決勝戦で己の導き出したフローのとおりに演じきることができた”という、この一点にある。刃のような緊張感に満ちた頂点の戦いで”究極の理詰めプレイ”を披露した幼馴染コンビに、勝利の女神が最高の笑顔を贈らぬわけがなかった。結果、Jast25`sのふたりは”モンハンフェスタ初代チャンピオン”の栄誉とともに、”理詰めプレイの先駆者”という称号も手にしたのである。
それにしても、と思う。
全国決勝大会のステージは、1回戦(ティガレックス)、準決勝(テオ・テスカトル)、決勝(ラージャン)と、最後まで勝ち残れば3試合もこなさなければいけない。常識的に練習の配分を考えたら、ティガ、テオ、ラージャンの順になろう。1回戦、準決勝を勝ち抜かないことには、決勝にたどり着けないのだから。Jast25`sも当然のように「練習量は多いほうから、ティガ、テオ、ラージャンだった」と語るが、ここまで立ち回りを極められたことを考えると、ほかのチームに比べてラージャンに割いた時間は圧倒的に多かったんだろうなと推測できる。でもなぜ、決勝まで残らなければ披露することができないラージャン討伐の立ち回りを、これほどまで時間を割いて練習することができたのだろうか? この疑問をそのままふたりにぶつけると、ravenはちょっと照れくさそうに笑ったあと弾けるようにこんなことを言った。
「最終的に僕らは”タイムを詰めるって、楽しいな”という境地に到達したんだと思います。決勝に残る、残らないではなくて、単純に自分たちの動きを極めていくことが楽しかったんです」
koheiが言葉を継ぐ。
「準決勝のテオに対する立ち回りが煮詰まったとき、ちょうどラージャン攻略法の糸口が見えたんですね。それからはもう、ラージャンと対峙するのが楽しくて楽しくて(笑)。ずっと、”魅せるプレイをしたい”って思っていましたけど、最後には”『モンハン』を極めるって、楽しいな!”って言い合いながら、純粋に遊んでいました」
理詰めプレイを極めた先にあった、純粋なゲームのおもしろさ。そしてその先にあった”最速ハンター”の称号……。自分たちよりも優れたハンターがいることはわかっていた。そして自分たちよりも立ち回りを極めているハンターがいることも知っていた。それでもいまは、全国の頂点に立った美酒に酔いしれたい……。
次回に続く
※モンスターハンターフェスタ`07福岡大会の模様、動画はこちらから!
※『サヨナラ! 逆鱗日和』最新情報※
■本邦初公開! 11月20日発売予定の『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』のカバーがコレだーーーーっ!!
いままでの『逆鱗日和』シリーズのカバーイラストは全体的にホンワカとした雰囲気に満たされておりましたが、今回はかなり凛々しい感じ! かっこいいすなー(自画自賛)。
■11月20日に発売される拙著『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念して、11月23日(日)にイベントを行います! 詳細は追って発表しますが、今回のイベントに参加したいと思ってくれた皆様は、本日よりアップする”Jast25's物語”と、 ”もうゲネポ”インタビュー、そして『ニャンと! 逆鱗日和』に収録されている”Effort Cristal”インタビューを熟読すると吉! っていうか、そのほうが絶対に楽しめます!! なんか謎めいていますが、ホントにそうなのでぜひぜひ読んでおいてください。ちなみに『サヨナラ! 逆鱗日和』イベントは招待制で、応募方法については11月7日発売の週刊ファミ通(大塚角満のモンハン研究所のコーナー)と、同日アップ予定の本ブログでご確認ください!
抜群のセンスと適応力で一気に全国のトップに駆け上った”もうゲネポ”。大剣・大剣による超絶シンクロプレイで全国のハンターを震撼させた”Effort Cristal”。今年の春に行われた”モンスターハンターフェスタ`08”は、際立った個性と才能がぶつかり合う非常に印象深い大会だった。
そんな、新たなヒーローが現れた影で、無念の涙で頬を濡らすふたりの若者がいた。昨年の第1回モンスターハンターフェスタで全国の頂点に立ち、”タイムアタックを突き詰める”という『モンスターハンター』シリーズが持つもうひとつの顔をハンターたちに知らしめた伝説のコンビ”Jast25`s”(kohei&raven)だ。
彼らが昨年のモンハンフェスタ全国決勝大会で見せた数々のプレイは、現在の”理詰め『モンハン』”の礎となるそれはそれは見事なものだった。モンスターとハンターの立ち回りを研究し尽くし、”モンスターがこう動いたら、ハンターはこう動く”、”こう来たら、こう逃げる”とすべての動きをフローにして対応する立ち回りは、全国大会の決勝戦で極限に達した。ラージャン相手にくり出した狩猟笛・狩猟笛によるコンビプレイはまさに”詰め将棋”の極みで、このときのJast25`sのプレイにインスパイアされて、1年後にEffort Cristalが大剣によるシンクロプレイを完成させてトップハンターに上りつめたのは有名な話だ(顛末は拙著『本日もニャンと! 逆鱗日和』に収録)。
そんな伝説のハンター・Jast25`sに会うために、俺は長崎県に赴いた。『本日もニャンと! 逆鱗日和』の発売を記念して行った”地方出張狩猟企画”に絡めて彼らと会い、ふたりの人となりからモンハンフェスタにかける思いまでを掘り起こしたいなと思ったのだ。もともと俺は、Jast25`sのふたりとはイベントで顔を合わせるたびに『モンハン』論を語り合う”狩り仲間”のような関係だったが、じっくりと腰をすえてインタビューすることは一度もなかった。それが、今年のモンハンフェスタで頂点を争ったもうゲネポとEffort Cristalに出会い、彼らの情熱とひたむきさを知って、俺の中の(Jast25`sにも話を聞いてみたい!)という気持ちは大きく膨れ上がった。ディフェンディングチャンピオンとして大会に臨み、敗れ去ったいまだからこそ、さらに彼らの人間性に踏み込んで話が聞けるのではなかろうか? そう思ったら居ても立ってもいられなくなって、俺は長崎へ向かう機上の人となったというわけだ。
というわけでこれから数日に渡って、”あるハンターの栄光と挫折と再生 〜Jast25's物語〜”と題したドキュメンタリーを連載します。彼らと会って話を聞くまで、通常の一問一答形式のインタビュー記事にしようかと思っていたのですが、ドラマチックで情熱的な彼らの歩みに心打たれ、久しぶりにドキュメンタリーとして記事にまとめたいなと思ったのです。かなりの長文を覚悟して(笑)、ぜひ読み進めてみてください。
◆◆◆
「あれ? なにそのゲーム。おもしろそうやな」
koheiが久しぶりに故郷である長崎県松浦市に帰省し、小学校時代からの腐れ縁であるravenのもとを訪れると、親友は真剣な表情でPSP(プレイステーション・ポータブル)の画面に見入っていた。”楽しそう”というより、どちらかというと苦悶の表情で。ravenは、画面を覗き込むkoheiに向かって、ため息とともに言葉を吐き出した。
「クックが、狩れん……」
クック? クックって、なんだ? 言われたkoheiはわけがわからぬまま、親友を圧倒しているゲームの画面をさらにじっくりと覗き込む。見ると巨大な鳥のようなモンスターが、ravenが操っていると思われる人間を弄ぶように啄ばみまくっていた。まもなく、ravenの分身が天に召されたメッセージが画面に流れる。それが、Jast25`sのkoheiが『モンスターハンター』シリーズに最初に出会った瞬間だった。
イャンクックに打ちのめされたravenの説明によると、このゲームは『モンスターハンターポータブル』というタイトルで、いま、密かなブームになっているという。巨大なモンスターを狩り、狩ったモンスターから得た素材をもとにいろいろな武器、防具を作って、再び狩場に飛び出していく……というアクションゲームの王道的な作品で、顔を突き合わせて4人まで協力プレイができるという手軽さがウケているらしい。koheiは不思議と、このゲームに心惹かれた。(自分もやってみたい!)と、出会った瞬間に思った。
それからひと月ほどが経過し、再び松浦市に帰省してきたkoheiの手には真新しいPSPが握られていた。中に入っているソフトはもちろん、『モンスターハンターポータブル』。ファーストインプレッションで得た(おもしろそう!)という予感はものの見事に的中し、彼は瞬時にこのゲームの虜となっていた。
そして同じころ、ravenもイャンクックの壁を乗り越えてリオレウスを狩れるまでに成長していた。これを、『ポータブル』を遊び始めたばかりというkoheiに見せてやろう。きっとkoheiは、クックあたりで挫折しているはずだ。驚くぞ。わくわくしながら、ひと月ぶりに親友に会うと……。
「驚いたことに、koheiのほうが圧倒的にうまくなっていたんですよ……。彼は片手剣専門だったんですが、モンスターにピタリと張り付いて華麗に立ち回っているんです。驚くと同時に、悔しくて。”負けてられん!”って奮起して、僕も本気でこのゲームに取り組むようになったんです」(raven)
それからというもの、ふたりはkoheiが帰省してくると必ずPSPを持って落ち合い、お互いのプレイを見せ合ったり、協力プレイをして遊ぶようになった。しかし当時はまだ「きちんと狩れて、それなりの素材が出ればいいや、っていう遊びかたでした」とkoheiが語るように、彼らがモンハンフェスタの決勝で見せたような”理詰め『モンハン』”は萌芽していない。すべてが始まるのは、あるときkoheiが持ってきた”とある情報”からだった。koheiはいつものようにravenと落ち合ったとき、本当になんとなく、つぎのように打診した。
「”モンハンフェスタ”っていうイベントが開かれるらしくて、そこでふたりひと組のタイムアタック大会があるんだって。ウチらふたりで、出てみない?」
本当にふつうに、「楽しければいい!」というスタンスで『モンハン』に向き合っていたravenにとって、koheiの提案は寝耳に水だった。このゲームで、タイムアタック? そんなこと、いままで一度も考えたことないぞ……。それにkoheiのように、自分はたいして上手じゃないし……。
しかし戸惑うravenとは裏腹に、koheiにはある種の確信があった。(ravenとだったら、本気でタイムアタックに挑めるはずだ)と。その裏づけは、ふたりの『モンハン』に対するスタンスにあった。
ふたりの『モンハン』をプレイするときの絶対的な方針として、”すべてのクエストを1回は必ずソロでクリアーする”というものがある。でもこれ、ふたりで申し合わせて決めたものではなく、お互いが心の内で思い、温めていたもので、口にして相手に伝えることはなかったそうだ。それがあるとき、どちらからともなく「必ず1回は全部のクエをソロでクリアーするんだ」と話したところ、「え? おまえも?」となり、知らぬうちに心がシンクロしていたことを笑い、同時にうれしく思ったのだという。koheiは、親友のravenがハンターとして同じ思いを共有していると知っていたので、ふたりひと組で大会に出ることに思いを馳せたとき、隣にいるのはravenしかいないと思ったそうだ。
そして25歳(当時)の幼馴染コンビ”Jast25`s”は誕生した。九州各地から手練のハンターがやってくる大会を勝ち抜けるとは思えなかったが、出ると決めた以上、やれるだけのことはやってみよう。熱血漢であるkoheiが牽引する形で、Jast25`sは”ゲームアスリート”としての道を歩み始めた。
モンハンフェスタ2007の地区予選の種目は、イャンクック討伐だった。これにJast25`sのふたりは、片手剣(kohei)、ハンマー(raven)という武器で挑んでいる。「かなり練習を積んだ」(raven)とのことだったが、この武器の選択にしても立ち回りにしても、「自分たちのいちばん得意な武器で、ただガムシャラに斬り込んでいただけ」(kohei)だというから驚く。モンスターの動きを研究し尽くして詰め将棋を詰めていくJast25`sらしい立ち回りは、この段階でもまだ、生まれていないというのだ。たとえば落とし穴にモンスターが落ちたとき、いまのJast25`sだったら「どのタイミングで武器を振れば頭に攻撃が当たるのかを考える」そうだが、当時のふたりは「落とし穴に落ちたのを見て喜んで、ただただ攻撃ボタンを連打していた」と苦笑する。実際に福岡大会の予選でも、「落とし穴に落ちたモンスターがハンマーの攻撃でスタンしたのを見て”奇跡が起きた!”って叫んでいました(苦笑)」とraven。しかしこの”奇跡”によって、Jast25`sは予選1位で福岡大会の決勝ステージまで上りつめた。
しかし、困ったことになった。まさか自分たちが決勝ステージに残れるなんて1ミリも想像していなかったので、決勝の種目であるティガレックス討伐の練習がまったくできていない。武器の選択も「なんとなく……」という頼りない理由で片手剣と弓に設定していたが、戦術の青写真はまったくできていなかった。「エライことになった」とふたりは顔を見合わせた。
でもいつまでも「困った困った」と言っていても始まらない。決勝ステージが始まるまでの2時間を練習に充てて、なんとか活路を見いだすしかないだろう。ふたりは焦りながら会場の片隅に陣取り、必死になって練習を始めたが、これまでの蓄積がまったくないので確信を持てる立ち回りがどうしてもできなかった。
そこに、見知らぬふたりのハンターが通りかかった。彼らはJast25`sが決勝に残ったのを知っていてそれを激励する意味で声をかけてきたようだったが、Jast25`sのティガレックスタイムアタックのベストタイムを聞いて、「え……。それ、かなり遅くないですか?」と困惑の表情を浮かべたという。実際、見知らぬふたりのベストタイムを見せてもらうと、自分たちが片手剣・弓のコンビで出したタイムより1分以上速いタイムが刻まれているではないか。Jast25`sは驚いた。そして、「やっぱりエライことになった!」とあたふたと右往左往した。
そんなJast25`sを眺めていた見知らぬふたりは苦笑いを浮かべながらも、まるで夢破れた自分たちの思いを託すようにこんな提案をしてきた。
「僕らの立ち回りを、教えますよ」
見知らぬふたりが選択した武器は、片手剣・片手剣だった。片手剣をメイン武器としていたkoheiは問題なかったが、ハンマーオンリーで『モンハン』に向き合ってきたravenはなんとそれまで、片手剣を使ったことが一度もなかったという。自分たちの脆弱な戦術を選ぶのか、速いのはわかっていながらも慣れない武器を使うことになる新たな戦術を選ぶのか。究極の選択を迫られた形になったが、Jast25`sは”新たな戦術”を選んだ。しかし、わずか2時間足らずの練習で片手剣の立ち回りを完璧に身につけることなどできるものでもない。そこで、ravenは考えた。(これまでの蓄積を、利用してやろう)と。
「このゲームをやり込んでいる方だったらわかったと思いますけど、福岡大会での僕の動き、片手剣を持っていながら完全にハンマーの立ち回りなんです。ハンマーの動きを、片手剣に置き換えただけ。なので狙いはすべてティガの頭で、ハンマーだったらスタンプをするところを、ジャンプ斬り→斬り上げ→回転斬りとつなげているんです」(raven)
それでも、納得のいく動きは最後までできなかった。見知らぬハンターに教えてもらった立ち回りは、半分も実践できていないだろう。Jast25`sは不安だけを抱えて、福岡大会の決勝ステージに上った。
しかし不安とは裏腹に、ravenはティガレックスの攻撃をほとんど食らわなかった。閃光玉を投げるタイミングも爆弾を置くタイミングも、完全に教えられたとおり。「奇跡だ!」と、koheiは相棒の立ち回りを見て心の中で叫んでいた。
そしてティガレックスはあっと言う間に脚を引きずり、隣のエリアに逃げようとし始めた。ここで逃がしてしまうと、とんでもないタイムロスになってしまう。koheiは逃げるティガレックスの脚元に駆け寄り、片手剣でザクザクと斬り刻んだ。この攻撃を嫌がって、ドゥ! と雪原に倒れ伏すティガレックス。その直後、画面には”目的を達成しました−−”の文字が躍ったではないか! かなり速いタイムが出たはずだ。その証拠に、スクリーンを凝視していた観衆から、怒号とも言える歓声が上がっている。それを聞いたJast25`sのふたりは、いままで感じたことのない高揚感と充実感が心を満たすのを感じていた。「なんて気持ちいいんだ!!」と、自分たちに浴びせられる喝采に酔いしれた。
けっきょくJast25`sは福岡大会2位となり、全国大会への切符を掴む。しかしこの結果を受けたふたりはさらに有頂天になった……のではなく、まったく違う気持ちに苛まれていた。本来ならばもっと喜んでいてもよかった場面でふたりを襲ったのは、とんでもない”重圧”と”責任感”だった。koheiが、このときの心境を振り返る。
「僕らよりももっともっと突き詰めて練習してきたチームって、たくさんあったと思うんです。でも結果、そんな人たちを差し置いて僕らが全国に行くことになった……。その人たちに対して恥ずかしくないプレイをするには、一生懸命練習するしかないじゃないですか? 全国へ行くことが決まった瞬間に、僕らの中で何かが変わったんです」
これが、これ以上ないくらいモンスターと立ち回りを突き詰める、Jast25`sの”詰め将棋プレイ”が産声を上げた瞬間だった。
次回に続く
※モンスターハンターフェスタ`07福岡大会の模様、動画はこちらから!
※『サヨナラ! 逆鱗日和』最新情報※
11月20日に発売される拙著『モンスターハンタープレイ日記 本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念して、11月23日(日)にイベントを行います! 詳細は追って発表しますが、今回のイベントに参加したいと思ってくれた皆様は、本日よりアップする”Jast25's物語”と、 ”もうゲネポ”インタビュー、そして『ニャンと! 逆鱗日和』に収録されている”Effort Cristal”インタビューを熟読すると吉! っていうか、そのほうが絶対に楽しめます!! なんか謎めいていますが、ホントにそうなのでぜひぜひ読んでおいてください。ちなみに『サヨナラ! 逆鱗日和』イベントは招待制で、応募方法については11月7日発売の週刊ファミ通(大塚角満のモンハン研究所のコーナー)と、同日アップ予定の本ブログでご確認ください!
※お知らせ※
現在、週刊ファミ通のwebサイト”ファミweb”にて、”俺たちモンハン族”という企画記事が展開されています。興味のある方は、ぜひぜひ。ちなみに、ファミwebを閲覧するには会員登録が必要ですので、トップページの注意事項をよく読んでくださいね。入れたら”俺たちモンハン族”のアイコンがあるので、そちらをクリックして入ってくださいね〜。
これやっぱ、書くのやめようかな……。オノレの恥をさらすだけだし……。でもまあ、予告しちまったので書くか……。ま、あくまでも”番外編”ってことで流し読みしていただけたらなと……。
えーっと、まずはモンハン4人衆のサイン会から。懇親会の最後に行われたこの催しは、ツアー参加者全員に配られた旅のしおりのメモ欄に、辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、一瀬泰範ディレクター、小嶋慎太郎プランナーの4人が直筆でサインをしてくれるというファン垂涎のもの。まさに、このツアーに参加したからこその特権で、ファンはサインをもらいながら、憧れの4人衆との会話を楽しんだ。
で、このサイン会だが、我々マスコミ軍団も参加することができた。旅の記念に4人衆のサインがもらえるとは、こいつはじつにうれしい配慮ではないか。知り合いの編集者は「読者プレゼントにさせてもらおう!」と目を輝かせていたが、俺はあくまでも自分用のが欲しい!! というわけでマスコミ軍団の先陣を切って、サイン会の行列に並ばせてもらった。
最初にサインをするのは一瀬ディレクターだ。一瀬さんは俺の顔を認めると「うひぃ」と声を漏らし、「なんで大塚さんまで並んでるんですか(苦笑)」と思いっきり苦笑いした。そんな一瀬さんがしてくれたサインが、以下のもの。
▲これ、一瀬さんが書いてくれたサイン。アイルーと思われるネコがかわいい。
▲これは一瀬さんが一般の方へ贈ったサインです。(写真提供:もうゲネポ・MASAKI君)
ひょうひょうとして、雲のような一瀬さんらしい癒し系のサインですなあ。いやあ、ありがとうございます!
おつぎは我が親友、藤岡要ディレクターだ。この人はアート、デザイン畑出身らしく、サインにアイルーやプーギーなんかを描いてくれたりする。実際この日も、一般ツアー客に藤岡さんが描いたサインを見てみたら、やっぱりかわいらしいアイルーの絵が描かれていた。さあさあ、俺のノートにはどんな絵を描いてくれるのだろうか? 藤岡さんは「大塚さん、サインなんかいらんでしょが(笑)」と言いながら、サラサラとペンを走らせた。結果……。
って、文字だけかい!! 3秒で俺へのサインを書き終えた藤岡さんはニヤリと笑い、「大塚さんには、これで十分です」とピシャリ。俺は「く……」と一瞬言葉を失い、それでもなんとか悔し紛れに「いいですよーだ」と声を漏らしながら、つぎの列に移動した。
▲藤岡さんが一般の方へ贈ったサイン。これですよこれ!!(写真提供:同)
3番目に待ち構えていたのは、辻本プロデューサーだ。俺は良三さんに向かって、「良三さん、藤岡さんがヒドイんですよ。見てよこの手抜きのサイン」と藤岡さんの所業をチクる。良三さんは藤岡さんの文字だけサインを見て「へぇ〜。そっかぁ〜。なるほどねぇ〜」とよくわからない感嘆の声を漏らし、俺のノートを眺めたあとサササッとペンを動かした。
……って、小っさいだろそれ!!! もっとスペースあるじゃんかっ!! 俺は憤怒の表情で良三さんに詰め寄り、「ちょっと! こんな小さく書くほうがたいへんでしょが!!」とツバを飛ばしまくった。良三さんは腹を抱えてゲラゲラと笑い、「ハイ、おつぎにどうぞ(笑)」と最後に控える小嶋プランナーのほうへ俺を押しやった。
▲これが通常の良三さんのサイン。こう書けばいいじゃんか!!(写真提供:同)
へーんだ。いいよいいよ。小嶋さんにキチンと締めてもらうから。小嶋さんがファンへ書くサインは、いつも漢字で達筆だ。仲良しの俺には、とくに気合を入れて書いてくれることだろう。小嶋さんは俺を認めて「あー、今回もありがとうございます〜♪」とニッコリ笑って、「じゃ、サインさせてもらいますねー♪」と音符交じりのルンルン声で、うれしそうにペンを転がした。
……って手ぇ抜きすぎダロッ!!!!! なんだこのボウフラみたいな文字はっ!!!!! 俺は腹を抱えて笑う4人衆に向かって「ひひひ、ひどいわ!!」と吐き捨て、悔し紛れにオリオンビールをラッパ飲みした。
▲これがいつもの小嶋さんのサイン。これが欲しかったのに!(写真提供:同)
そしてこのあと、ツアー参加者はホテルのスイートルームに移動して、藤岡ディレクターみずからが『モンスターハンター3(トライ)』について語ってくれるという、信じられないくらい贅沢な魅惑のトークイベントへ雪崩れ込んだ。
……らしい。
……そういうことが、行われた、らしい……。
じつはサイン会が終ったあと、俺はC社のとある悪魔に「いこうよ〜! おおつかさぁ〜ん! 1時間だけ! ネ! ネ!」と絡まれた挙句に拉致されて、沖縄の有名な繁華街に……。1時間は2時間となり、2時間はいつのまにか3時間となって、ふと気がつくと携帯に1本のメールが……。恐る恐る開封すると差出人は誰あろう、藤岡要ディレクター。その内容は……、
「そっかあ。大塚さん、『3(トライ)』には興味ないんだぁ〜……」
俺、一瞬で泡盛の酔いがすっ飛び、俺をここに連れ込んだ悪魔に向かって「ちょっと!!! 藤岡さんに怒られたよ!!!」と絶叫。そのままタクシーに飛び乗って、ホテルへと帰還した。
そして深夜のビーチ。
俺は藤岡さん、一瀬さん、小嶋さんに、「大塚さぁん、どこほっつき歩いてたんですかぁ〜?」、「まさか大塚さんが、あの場にいないとはねえ」、「『3(トライ)』のこと、たくさんしゃべったのになぁ〜」と口々にいじめられ(苦笑)、自業自得もいいところなのでひたすら「つつつ、つい出来心で!! すんませんでしたっ!」と平身低頭。と言いつつ、お酒で過ちを犯したというのにまったく懲りず、藤岡さんが持っていた泡盛がうまそうだったので「藤岡さん、その泡盛ちょっとくだちゃい」と言って藤岡さんの泡盛をグビグビグビ……。あまりにもおいしかったので「うまいすなあ」と調子に乗って飲んでいたら「あ!! 大塚さん!! 全部飲んじゃダメ!!」とさらに藤岡さんに怒られたのであった(苦笑)。
というわけで、最後はわけのわからない俺の失敗談で終っていますが(苦笑)、沖縄ツアー、本当に楽しかった!! ツアー参加者に今回の旅の感想を聞くと、皆一様に目を輝かせて「言葉じゃ言い表せないくら楽しかったです!! また企画されたら、ぜひ参加したいと思います!」と声を揃えていた。
新しい狩友との出会い。そして憧れのモンハン4人衆を始めとする制作チームとのふれあい。沖縄まで来たからこそ得ることができたたくさんの想い出を胸に、ツアー参加者たちはそれぞれの場所に帰っていった。
「また、必ず会おう!」
の言葉を残して。
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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