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【MHP 2nd G】第107回 角満出張狩猟企画・長崎編 その3

 水の都・松浦市を後にしたJast25`sと逆鱗日和ファミリー。雷神様に天誅を食らったかのような豪雨と雷のコンボに、我々4人は茫然自失状態である。でも、いつまでもショックを受けているわけにはいかない。早くどこかに腰を落ち着けて、じっくりとインタビューしなくては!!

 我々は雨に追われるように松浦市を飛び出し、再び佐世保市を目指す。ところが、松浦市から峠をひとつ越えたあたりで豪雨はあっさりと沈静化。傘なしでも外を歩けるくらい、穏やかな雨滴がパラパラと舞う程度に収まってしまったではないか。

 「ずいぶん小降りになったねぇ」

 と俺。その顔はニヤニヤと笑っていたことだろう。

 「ホント、さっきの豪雨はなんだったんでしょうねぇ」

 と江野本。俺と同じようにやはり、その顔はニヤニヤと笑っている。これを聞いて慌てたのがJast25`sのふたりだ。半ば怒りながら、kohei君が言う。

 「いったいどうなってんだ……。せっかく松浦市を堪能してもらおうと思ったのに!! なんで松浦だけ大雨なんだ……」

 相棒のraven君も苦笑いだ。

 「まだ松浦から20分も走っていないのに、こんなに天気が違うなんて……。我が故郷になにがあったのか……(苦笑)」

 しかも困ったことに、落ち着いて話ができるようなファミリーレストランは豪雨から逃れるためにビバークしているファミリー層でいっぱいで、どの店も席が空いていない。そこで我々は佐世保市の郊外にある小さな喫茶店にお邪魔し、コーヒーやパフェなどを注文して、じっくりと『モンハン』トークに花を咲かせることにした。

 Jast25`sのふたりは何度も書いたとおり、昨年の第一回モンスターハンターフェスタのタイムアタック大会で、見事初代チャンピオンに輝いた精鋭中の精鋭チームだ。いまでこそ”理詰め”の『モンハン』タイムアタックはふつうの景色としていろいろなところで見ることができるが、昨年の春に全国大会の舞台で初めて、詰め将棋のような突き詰めたプレイを展開したのがこのふたりなのである。もちろん、このふたりだけが数学の計算式のような突き詰めたプレイをしていたわけではないが、全国のてっぺんから「『モンハン』にはこういう立ち向かいかたもある!」とその実力で宣言した功績はあまりにも大きい。いまでもはっきりと覚えている。モンハンフェスタ`07の決勝で、狩猟笛を担いだJast25`sのふたりがEffort Cristalのシンクロプレイを髣髴とさせる息の合ったプレイで、あのラージャンを翻弄した姿を。このときのふたりの動きは伝説となり、これにインスパイアされたEffort Cristalが1年後、より極まったシンクロプレイを完成させて全国のハンターを震撼させたのは記憶に新しいところだ(詳しくは『本日もニャンと! 逆鱗日和』のEffort Cristalインタビューで確認しよう!)。そう、Jast25`sは”理詰めの『モンハン』”の先駆者なのである。

 そんな、伝説的なコンビであるJast25`sは今年も、モンハンフェスタに参加した。ディフェンディングチャンピオンとしての誇りを胸に抱いて。目指すは当然、V2。春、モンハンフェスタ`08福岡大会の会場で1年ぶりに彼らと再開したとき、俺は「今年もこのふたりが全国の舞台で大暴れするんだろうなぁ」と確信したものだ。しかし……。

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▲佐世保市内のマリーナで、Jast25`sのふたりにインタビュー。雨はすっかりあがっていた。


 ……当然ながらここからが核心なのだが、これ以上は書かない。じつはふたりへのインタビュー、1時間40分にも及んだのだが、俺の書き手魂に火をつけるには十分すぎるほど中身が濃いものだったので後日、違う形で記事にしたいと思う。Jast25`sのふたりはどんなふうに料理されるのか気が気じゃないと思うが(笑)、もうちょっと待っててね〜。

 インタビューを終えた俺たちは再びkoheiカーに乗り込み、佐世保市内に舞い戻った。俺たちが長崎に来るのに合わせてkohei君が所属する長崎の『モンハン』サークル”NHK(長崎ハンター協会)”が会合を開いているというので、そこにお邪魔しようという算段だ。会場になっているカラオケボックスの大部屋に入ると……。

 「お待ちしてましたーーーーーっ!!!」

 「遅いよーーーーっ!!!!」

 「早く早く!! ひと狩りやりましょーーーっ!!!!!」

 とビックリマークの大洪水で歓迎されました(笑)。この日集まっていたのは15人ほどで、20〜30代半ばの男性ハンターを中心に、女性もふたりほど混ざっておられました。

 NHKの管理人である”龍作”さんに話を聞くと、このサークルの母体は携帯ゲームサイトで、そこにハンターが集うコミュニティーを作り、徐々に規模が拡大していったという。いつの間にかメンバーは20人を大きく越え、積極的にオフ会も開催。いまでも月に1〜2回は皆が顔を合わせる機会を設けて、ワイワイギャアギャアと騒ぎながら狩りを行っているという。

 それにしてもこのサークル、うるせえったらなかった(笑)。もちろん、いい意味でね。とにかく部屋のあちこちから爆笑や嬌声が轟いて、俺も江野本も笑いっぱなし。しかも感激したことにほとんどの人が『本日もニャンと! 逆鱗日和』を買ってきてくれていて、即席のサイン会までやらせてもらった。

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▲カラオケボックスで『ニャンと!』にサインをする大塚角満(上)。けっきょく時間の都合で1クエしか行けなかった。討伐目標はG級のリオレウス希少種。危なげなく討伐して村に帰郷しました。


 「いっつもこんな感じで、うるさく騒ぎながら狩りをしてるんです(笑)。やかましくて申し訳ないです(苦笑)」

 と龍作さん。いやいや、最高じゃないですか。気の置けない仲間がこんなに集まって、好き勝手なことを言いながら楽しく狩りができるなんて。なんだかとっても、うらやましく思ったよ。キチンと団体を引っ張っていく人がいれば、ゲームのサークルもこんなに結束固く運営することができるんだなぁ……。あ、そういえば。龍作さんたちが着ているおそろいのTシャツ、どっかで見たことあるぞ。俺の視線に気づいたのか、Tシャツを着ていた何人かの人が口々に「今年のモンハンフェスタ福岡大会にこのTシャツを着て行って、Jast25`sの応援をしたんですよ!」と教えてくれた。そうだそうだ。福岡大会で敗れ去り、泣きじゃくっていたkohei君のまわりにいたのが、このTシャツを着た人々だったんだ……。テレくさそうに、kohei君がつぶやく。

 「今年の福岡大会で負けたとき、本当にどうしようもないくらい落ち込みました。そんなとき、僕のまわりにいてくれたのが相棒のravenと、このNHKのメンバーなんです……。凹みまくる僕を慰め、励ましてくれたのがこの人たち。仲間って本当にありがたいものなんだなぁ……って改めて思いました」

 そんな温かいNHKのメンバーと、狩りをともにした。時間がぜんぜんなくて、俺も江野本もたったの1クエストしか行けなかったけど……。そんな、かき回すだけかき回してとっとといなくなってしまう俺たちふたりに対しても、NHKのメンバーは温かかった。誰もが口を揃えて言ってくれた。「また絶対に遊びに来てくださいね!」と。「今度はゆっくり狩りをして、じっくりと話を聞かせてください!」とも言ってくれた。本当に、わずか30分ほどの滞在だったけど、NHKのメンバーとの邂逅を俺はずっと忘れないだろう。

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▲NHKのメンバーと記念撮影。本当に賑やかでした(笑)。


 いつまでも手を振るNHKのメンバーに見送られながら、俺たちはカラオケボックスを後にした。さっきまで小雨がパラついていた佐世保の空から、小さな光の束が濡れた地面に降り注いでいた−−。


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投稿者 大塚角満 : 17:55

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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