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【MHP 2nd G】第59回 ヒプノックの恐怖

 どこかで「俺は寝オチなんかしたことねえ!」と豪語していたような気もするが、最近『2nd G』で遊んでいるとところ構わず寝るようになりました。もう、ひとりで遊んでようが協力プレイ中だろうが眠たくなったら即寝り!! という迷惑千万な方針のもと、日々マイペースで狩りを続けております。最近寝オチをぶっこいた場所は、行きつけのバー、長野のとある温泉、自宅(って、自宅はいいのか)、そしてデパートの中……。ホントに、「おまえは赤ん坊か!!」とドッペルゲンガーになって居眠りしている自分を蹴飛ばしに行きたいくらい、無邪気にそこらじゅうで眠っているのです。寝ながらやってるとこのコラムではないけど、何のモンスターを討伐に来ているのかもよくわからぬまま、虚空に向かって「うりゃー、おりゃー」と武器を振り回すだけでいいことなどひとつもない。結果、藤岡要ディレクター、小嶋慎太郎プランナーという全国のハンターが見たら垂涎のメンバーといっしょに狩りに行きながら、5連続オチという醜態をさらすハメになるのである。藤岡さん、小嶋さん、ごめんなさい(土下座)。

 さて、いま挙げた最近の俺の寝オチシチュエーションの中でも、異彩を放っているのが”デパート”ってやつである。

 とある休日、俺は身内の女性の買い物に付き合うかたちでさいたま市にあるデパートに足を踏み入れた。俺はこの日の明け方まで仕事をしていた関係で睡眠時間はほとんどゼロ。でも、自分も買い物がしたかったので「いくいく」と行ってついてきたのだ。

 統計を取ったわけではないので俺の偏見に基づく分析だが、基本的に男性は買い物が早く、女性はゆっくりだと思う。……ていうか、圧倒的に男のほうが買い物は早い!! この方程式から導き出される結果は”男性=永遠の待機”で、俺もご多分に漏れず買い物に行くときは120パーセントの確率で長々と待たされている。コーヒーを1杯飲んだくらいじゃまったく追いつかず、書店でゆっくりと立ち読みした結果何冊かの書籍を購入して再び喫茶店に入り、2杯目のコーヒーを「これ以上ゆっくり飲むことは不可能!」ってくらいのんびり飲んでも相方の買い物は一向に終わらない……って感じなのであります。

 でもいいんだ。いまの俺には『2nd G』があるから。

 その日も俺は、肌身離さず持っているPSPを小脇に抱え、ウキウキしながら安住の地を求めてデパートの中を彷徨い歩いていた。おそらく余裕で、5、6回はクエストに行くことができるであろう。キョロキョロとあたりを見回すと、都合よく休憩スペースが近くにあり、ふんわりとした大きめのソファーがしつらえてある。よし、今日の狩場はあそこにしよう。俺はバフン! とソファーに腰を下ろし、ふんぞり返りながらあるクエストを受注した。クエスト名は”死に至る眠り”。そう、旧密林を舞台にしたヒプノック1頭討伐クエストである。ヒプノックの素材を使ったガンランスを作ろうと思って、その素材採集に来たというわけだ。

 ヒプノックと対峙するときに注意しなければならないのは、とにもかくにも”睡眠ブレス”である。G級モンスターの中では比較的狩りやすいと思われるヒプノックも、この睡眠ブレスにハマりだすととたんに手の負えない”イヤな”モンスターに変貌する。しかしそこは、ガード性能+1とガード強化という”最強ガードスキル”をまとったガンランサー。がっちりガードを固めてさえすれば、ヒプノックは怖い相手ではない。俺はガンランスを出したり引っ込めたりしながら果敢にヒプノックに挑みかかり、あっと言う間に屠り去ってくれた……と思った。思っていた。ところが……。

 気がつくと俺の分身は、ひたすらポケーっとしながらキャンプにたたずんでいた。?? 何が起こったんだ? ゲームが巻き戻ってしまったのか? 俺の記憶にあるのは、ガンランスの砲撃をものの見事にヒプノックの顔面にお見舞いしたところまでである。それが何で急に、キャンプにたたずむシーンに切り替わっているのだろうか? 見ると我が分身の体力とスタミナが、ノーマル値に戻っている。俺はキツネにつままれたような気分のまま、再びヒプノックがいるエリアへと走っていった。

 ところがここで、再び巻き戻し(?)が起こった。全力でヒプノックに駆け寄ったはずが、またまた俺のキャラはキャンプにたたずんでいるのである! 見ると今度はスタミナが激減していて、腹をグーグーならしながらヘロヘロになっている。??? ヒプノックには時間を操る力があったのだろうか……? もしかして時間超人!? 俺はタイムスリップをくり返しているような妙な気分になりながらも「なんのなんの……」と心を鼓舞して、三度、ヒプノックのもとへ駆け寄っていった。そして俺の記憶は、またしてもそこで途切れた……。

 「ちょっと! 起きなよ! 風邪ひくよ!」

 俺を揺り動かしながら、必死に起きろ起きろとくり返す女性の声が聞こえた。重いまぶたを強引に上げると、そこには呆れ顔の身内の女性……。あ、あれあれ? ここはどこだ……? 俺は旧密林でヒプノックと戯れて、そんでそんで……。俺は状況がまるで理解できず、寝ぼけ声で身内の女性に聞いた。

 「あ、あのあの……。ヒプノックは……?」

 身内の女性は”呆れ顔、ここに極まれり”という表情を作りつつ、ケラケラ笑ってこういった。

 「何言ってんの(苦笑)。ここはデパートだよ? ヒプノックの睡眠攻撃で自分が寝てれば世話ないね(笑)」

 うーん、なるほど……。ゲーム中ではたいしたことないと思っていたヒプノックは、じつはリアル睡眠攻撃でプレイヤーを眠らせることがあるのか……。

 眠れない夜は、ヒプノックに限る。

投稿者 大塚角満 : 14:15

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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