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【MHP 2nd G】第55回 覗かれプレイ・究極

 最近、とある作業で深夜帰宅が続いている。とある作業というのはまあアレのことで、詳しくは6月の後半あたりに正式に告知させていただくことになると思うので、読者の皆様しばしお待ちを。

 でだ。

 たまには夜の電車があるうちに家に帰ろうと思って、雨の名残が残る重い空気の中をテクテクと歩いて、京浜東北線の最終電車に乗り込んだ。時間は深夜1時近く。「んな時間じゃ電車に乗るヤツなんていねえだんべえ」と群馬に暮らす俺の実家の住民たちはそう思うところだろうがナンノナンノ。東京では終電間近の駅構内は戦場のようなものだ。「これを逃したら自腹タクシーだ!」という思いが重くのしかかるために、ほぼ間違いなく、ベッドタウンとなっている都市の駅を過ぎるまでは電車の中はギュウギュウのすし詰め状態になるのであった。

 昨夜も、そんな感じだった。それでも俺は運よく、目の前に座っていた女性が席を立ってくれたおかげで電車に乗っている道程の半分くらいのところで着席することに成功。さすがに満員電車に立ったままで遊ぶ気にはなれなかったPSP(=『2nd G』)をやおら取り出し、毒のガンランスを作るためにどうしても必要なイャンガルルガの素材を手に入れるために樹海に足を踏み入れたのであります。

 そしてここで、思いがけないことが起こった。ゲームの中で起こったわけではなく、電車の座席に座って『2nd G』で遊ぶリアルな俺に、いささか芝居がかった妙な出来事が舞い降りてきたのだ。さっきからやたらと、座っている俺の左横に立っている40〜50代の男性サラリーマンふたりがPSPの画面を無遠慮に覗き込んでくるのである。覗く、っていうより、ギロギロと凝視している、って感じ。まあそれだけだったらよかったのだが、明らかに泥酔しているおっさんふたりは俺を肴に、”大声で”ナイショ話を始めたからタマラナイ。

 「アレ!! このにいちゃん、狩りしてるよ狩り!!

 メガネが若干ズレた、絵に描いたような酔っ払いサラリーマンA氏がガチョウのような声でわめいた。これに、A氏よりもいくぶん若作りのサラリーマンB氏が応える。

 「おう!! ホントだホントだ!! 狩りだ狩りだ!! いま流行ってんだよねえ、これ!!」

 言っておくがこの会話は、乗車率150パーセントの京浜東北線最終電車でなされているものだ。しかし傍若無人の唯我独尊状態になっている酔っ払いには、ここが満員電車だろうが郊外の墓地だろうが関係ない。サラリーマンA氏はさらに続ける。

 「うっほ! なんかこのにいちゃん、ヤバそうなでっかいのを相手にしてるよ!!」

 確かに、さっきから俺をケトばしまくっているこのイャンガルルガはやたらと大きい。ヘタすると、銀冠くらいはつくかもしれない。どう考えてもイャンガルルガなんて知らないくせに、「こいつはデカい!」と見破るあたり酔っ払いの超能力もバカにできないというものである。A氏に向かって、B氏も大声でささやく。

 「これさあ、なんてゲームだっけ?? まあそいつはいいけろ、欲しいんだいねー、コレさあ!」

 いくら欲しいと言ってもあげないぞ! と目を吊り上げる俺の顔はまったく見えないようで、A氏、ムチ打ちになるんじゃないかと思うくらい激しく首を前後させて「うんうん!」と頷く。そして「そう! 俺も欲しいんよ! ボーナス出たら買おうかなあ!!」と隣の車両に乗っている人にも聞こえるくらいの大声でささやいた。

 しかしここまで騒がしくされて、いくら善良でおとなしい俺でも黙っているわけにはいかない。思わず俺は口走った。「ぷっ!(笑)」と。こんな大声のナイショ話を聞かされて、笑わずにいられるものか。

 俺の吹き出し笑いを聞いた泥酔サラリーマンコンビ。「えへえへ……」というまるでかわいくないテレ笑いを浮かべたあと、顔を見合わせながらこんなことを言った。

 「このにいちゃん、笑ったで」とサラリーマンA。そりゃ笑うわ。サラリーマンBがこれに応える。「うん、なんか俺らの話、聞かれてたみたいだな。よく聞こえたなあ」。ってそりゃ聞こえるわい!! 聞こえないって思っていたことのほうが驚きだわ!!

 結局ふたりと親しくなれぬうちに、電車は俺が住む街の駅に到着してしまった。もしもこのふたりと最寄り駅がいっしょだったら、「いやあハンター予備軍ですか! いいですなあ! 一杯いきますかあ!」ってことで居酒屋にくり出していた気がする(笑)。

 このふたり、本当に『2nd G』買ってくれたかなぁ……。……ってもしかしてこのふたり、辻本流の新しい宣伝活動のために放たれた仕掛け人だったのか!? そう思ってしまったくらい、絵になるふたりでありました(笑)。おしまい。
 

投稿者 大塚角満 : 21:34

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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