大塚角満の ゲームを“読む!”
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すでにニュースで詳細をリポートしておりますが本日、あの『モンスターハンターポータブル 2nd G』の”完成記念プレミアム発表会”なるイベントが開催されました!!! やったやった!!! ついに完成したんだ!! わーいわーい!! ということでさっそく、部下の記者を引き連れて発表会の会場に乗り込んできました。
ってじつは途中までダラダラと、辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、一瀬泰範ディレクター、小嶋慎太郎プランナーという、いわゆるモンハン4人衆と会場で交わしたバカ話を書きまくっていたのだが、事前にファミ通.comにアップした発表会のニュース記事をよく読むと、”そして会場では、マスコミ関係者に向けた『2nd G』の体験イベントがスタート。その模様はのちほど、大塚角満ブログに掲載予定”なんていう、無責任なことが書いてあるではないか! ……って、俺が書いたんだけどな!! というわけでバカ話コラムは文書ファイルの奥底に仕舞い込んで、ここからマジメに、体験リポートなどを書いてみたいと思う。……バカ話コラムが読みたい人は、「読ませろ!」コールを筆者に届けてください(笑)。
さて、怒涛の発表会が終わって、イベントホールの左右にPSPが設置された集会所風のテーブルが現れた。見るとテーブルは2種類あって、一方が4人でのパーティープレイ用テーブル、もう一方がシングルプレイでオトモアイルーを引き連れてプレイできるテーブルになっているようだ。どっちにしようか迷った末に、パーティープレイを選択。いっしょに取材に来た女性記者、江野本ぎずもとともに体験プレイを待つ行列に並んだ。ちょうど俺たちの前で第一陣がはけてしまったので、俺たちは自然と行列の先頭に配置されることに。15分1セットの体験プレイとなっているので、けっこう手持ち無沙汰である。ヒマなので、会場整理をしていたカプコンのスタッフの方(初対面)に話しかけた。今回の体験プレイでは3つのクエストの中からひとつを選んでプレイ(樹海でのヒプノック討伐、旧砂漠でのダイミョウザザミ亜種討伐、大連続狩猟)する仕様になっていたので、どれを選べばいいか、参考意見を聞こうと思ったのだ。
「正直、大連続狩猟はきびしいと思います」
とスタッフの人は顔を曇らせた。大連続狩猟とは、登場する複数の大型モンスターを連続して狩る新機軸のクエストのこと。今回用意されたクエストでは、フルフル、ゲリョス、ババコンガ亜種を連続で討伐しなければならないらしい。イベント用に調整されているとはいえ、この相手を15分で倒してのけるのは確かに骨が折れそうだ。「うーん」と自信がなさそうに唸る俺を見てスタッフの人は、「でも、かなりのベテランハンターでしたらなんとかなるとは思いますけどねー」と軽い口調で俺を挑発してきた。その口調に、初代『モンハン』の時代から狩人として生きてきた俺のプライドはジクジクと刺激され、思わず、「ふんふん、なるほどネ。まーボクはこう見えて、かなりのベテランっすから。フルフルにゲリョスにババコごとき、大丈夫だと思いますよフフーン!!」と言い切ってしまった。これを隣で聞いていた江野本は「ちょっと!!」とビックリ仰天し、とたんにヒソヒソ声になって、(あんまりかっこつけたこと言わないほうがいいですよ!! 恥をかきますよ!!)と直属の上司に向かって失礼千万なことを言い放った。
そんな江野本の発言を苦々しく聞いていると、俺の背後から、「フーン、そっかあ。すごい自信だなあ。そんなベテランさんといっしょだったら大連続狩猟も平気だろうなあ」という声が。ダレだダレだ! と若干憤って振り返ると、なんとそこにいたのは浜村通信……。わが社の社長!! とたんに俺は平身低頭となり、「あ、あのあの、いまの大言壮語はホンの冗談でして……。いつもはそんなエバってるわけでもなく……」と苦しい言い逃れをした。それを聞いた浜村通信はとたんに大爆笑し、「まあでも、ちょうど同じパーティーでできるみたいだから、大連続狩猟ってのやってみようよ(笑)」とニコニコ顔。じつはこの人、大のモンハンフリークで、シリーズのあらゆる作品を相当やり込んでいるのだ。俺はホっとして、「やりましょうやりましょう! 連続で狩ってやりましょう!」とわめきまくった。
大連続狩猟をまえに子供のようにハシャギまくる浜村、大塚コンビを見て、顔を青くしたのが件の江野本と、浜村通信といっしょに発表会に来ていたエンターブレインの女性広報のIさん。ふたりとも『モンスターハンター フロンティア オンライン』はかなり本気で遊んでいたのだが、『ポータブル』シリーズはそれほどでもない。「ミスったらどうしよう!」、「オチたらごめんなさい!!」などと狩りに出るまえからビビりまくっている。そんな女性陣をぼんやりと眺めながら、俺と浜村通信は相変わらずウキウキ顔で、「まあまあ、大丈夫だいじょうぶ。何とかなるって」と何の根拠もない励ましをして、強引に大連続狩猟のフィールドへと連れ出した。武器は、浜村通信が太刀、俺がガンランス(新登場のフルフル素材でできたガンランスだった!)、江野本が片手剣、Iさんが狩猟笛である。
さあ狩猟の始まりだ! 狩猟フィールドは”沼地”。マップを見ると、ペイントボールをぶつけるまえからモンスターにマークがついている。時間が限られているイベント用のクエストなので、自動マーキングの配慮がされているようだ。エリア9の洞窟の中に最初のモンスターはいる。こいつはどうやらフルフルらしい。(フルフル相手にフルフルのガンランスで行っていいものだろうか……)という若干の不安はあったが、俺と浜村通信が先頭に立って、一路エリア9に駆けていった。
洞窟に佇むフルフルは、見た目はいつものフルフルと変わらない。しかし『2nd G』になって、既存のモンスターにもいろいろと改良が加えられているというから油断はできぬ。俺はちょっと慎重にフルフルに接近し、ガンランス特有の踏み込み突きからの砲撃を、ボンボンボンと白いメタボモンスターに食らわせてやった。しかしフルフル、こちらの攻撃が効いているのか効いていないのかまるでわからないポーカーフェイスを浮かべたまま、首を上下に振る仕草をする。あ、電撃ブレスを吐く気だ。こいつを食らうとエライことになる。俺はフルフルの真横に回りこんで電撃ブレスの射程から避難し、電撃が放たれる様を眺めようとした。その刹那、ズビュン! とフルフルのキュートな口から、5本の電気の束が地面を這っていくのが見えた。
「!!!?」
とアタマの上に、ビックリマークやらクエスチョンマークやらを飛び出させる俺。見ると、目の前でプレイしている浜村通信の頭上にも、大きく「!!!」とビックリマークが3個ほど飛び出しているのが見えた。「ででで電撃ブレスが増えてますよ!!!」と俺。「すすすすごいな!!!」と浜村。丸っきりふたりとも、手品を見せられた子供と同じ反応である。しかし女性陣はフルフルの新モーションなどまったく目に入っておらぬふうで、「ギャー!! ごめんなさい!!」、「ふ、笛ってどうやって吹くの!?」なんて言っている。そういえばさっきから、やたらと画面に”龍耐性アップ”の文字が躍っていた。密かに(何のおまじないだろう……)と思っていたのだが、どうやらIさんはパニック状態になって、どうやって狩猟笛を吹いていいのかわからなくなっているらしい。しかし俺も浜村通信も15分という短い制限時間のプレッシャーから、女性陣をかばう余裕もなくなっている。とにかく闇雲に、太刀の気刃斬りと、ガンランスの砲撃、竜撃砲を浴びせ続けた。
我々ふたりの奮闘の甲斐あって、約7分ほどでフルフルの討伐に成功した。もう時間は半分しかない。急いでつぎのモンスターを倒さなければ! 見ると、今度はエリア8に新しいモンスターの影が。8っつーことは、ゲリョスだな。4人はドタドタと連なって、エリア8に乗り込んだ。
初代『モンハン』のころから変わらぬマヌケ面をさらして草むらに佇むゲリョスに、勇ましく斬りかかる4人のハンター。相変わらず、ゴム質の厚い脚のまわりはガンランスの刃が立たない。俺は顔方向に回り込んで、ガード突きを連発してからの砲撃に活路を見いだす。浜村通信は俺の攻撃と干渉しないように、ゲリョスのやや後ろあたりに陣取って太刀を振り回している。このへんはさすが、ベテランハンターらしい立ち回りだ(エラソーでスンマセン!)。女性陣もやや落ち着いてきたのか、ギャーギャーわめきながらも果敢に斬り込んでいる。しかし……。
「ぐぎゃーーーーーー!!!!」
品川インターシティホールの瀟洒な空間に、江野本の断末魔の悲鳴が響き渡った。冗談ではなく、会場中の視線が俺たち4人に振り向けられるような、江野本ぎずも一世一代の大悲鳴であった。
「うるせえ!! わめくな!!(笑)」と江野本を叱る上司の俺。どうやら江野本は、ゲリョスの新モーションである尻尾ブルンブルン攻撃(子供みたいな表現でスンマセン……。どう書いていいかわかんなくて……)に直撃し、そのまま帰らぬ人となったようである。それにこのゲリョス、たまたま今回がそうだったのかもしれないが、本当に間髪入れずに閃光を放ってきやがるもんだから、ガードできない武器を持っていた浜村通信、Iさんとも非常に戦い辛そうだった。もしもこれが標準のゲリョスだとしたら、なかなか気の抜けないモンスターになったな……と言わざるを得ない。
それでもなんとか、江野本の死を乗り越えて、ゲリョスの討伐に成功した。残るはババコンガの亜種だ!!!
と、勢い込んだところで時間切れ。あえなくクエスト失敗となった。うーん、これはどうしたものか……。自慢できるのか、恥ずべきことなのか。よくわからぬまま、俺たちは口々に言い合った。
「ま、まあ3頭目までは行った、ってことで面目は保てるよね?」(浜村)
「そ、そうですね。2頭倒したっちゅーことは、3頭目に到達した、ってことですもんネ」(大塚)
「で、ですね。つまり3頭目とも顔を合わせた、ってことになりますもんネ」(江野本)
「私が龍耐性アップばっかり吹かなければぁぁぁあ……(泣)」(Iさん)
ってことで、パーティープレイはことのほか楽しかったです(苦笑)。シングルプレイは時間がなくてできなかったんですけど、機会があったら、また書きますねー。
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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