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【MHP 2nd】特別編 最後の招待状 〜長き旅路の果てに〜 (その1)

 カナダ第二の都市、モントリオール市で、ゲーム開発者を対象にした大規模な会合"モントリオールインターナショナルゲームサミット"が開かれるということで、約1週間にわたり現地で取材活動を行った。けっこうハードな取材旅行となり、マイナスの外気に身体の芯を貫かれながらも、ぜえぜえはぁはぁとモントリオール市内にあるゲーム関連企業を駆けずり回った。

 それでもこういった取材旅行は、思わぬところでぽっかりと時間が空くものである。今回の取材のメインとなったゲームサミットは学校の授業を想像するとわかりやすいのだが、ゲーム開発者やミドルウェアの技術者が講師となり、同じような仕事に従事するクリエーターたちにゲーム開発のノウハウや心構えなどを伝えるセッション群だ。2日間で40以上のセッションが行われていたのだがさすがにすべてを取材できるわけもなく、俺は自分自身やファミ通の読者の皆さんが興味ありそうなセッションを選んで、比較的余裕をもったスケジュールで講義を聴講した。

 セッションの合い間にできる休憩時間に俺の暇つぶしの友となっていたのはほかでもない、『モンスターハンターポータブル 2nd』の入ったPSPだ。9月に行われた東京ゲームショウ2007で次回作『モンスターハンターポータブル 2nd G』が発表されて以来、すっかり焼けぼっくいに火の状態になってしまって、再び精力的に、素材集めやモンスターの狩猟に勤しむ日々を送っていたのである。

 しかし”狩猟に勤しんでいる”なんて言いながら、じつは自分が昔のようにモンスターを狩ることに集中できなくなっていることにも気づいていた。リオレウスやディアブロスといった屈強なライバルたちを前にしてもつねに心ここにあらずの状態で、クエストに失敗しても「あーあ」とちょっと不貞腐れたため息をつく程度で悔しくもなんともないのだ。

 なぜこんな状態になってしまったのだろうか? じつはその理由、わかりすぎるほどよくわかっていた。

 『モンハン』に飽きてしまったわけではない。そんな日は一生涯来ないと、いつでも断言できる。

 ではなぜか。

 じつは半年ほどまえからずっと、心に引っかかり続けている”トゲ”のようなものが『2nd』の中にあったのだ。

 何度挑んでも跳ね返されてしまう、厚くて高い究極の壁。自分の愛するガンランスでこのクエストをクリアーしない限り、俺はいつまで経っても心にシコリを残したまま『モンハン』シリーズを遊び続けることになるだろう。グラビモスを相手にしてても、屈強な古龍と対峙しているときでもつねに、頭のどこかでチラチラと閃く”あのモンスター”の恐ろしい顔。俺から集中力を削いでいる原因は、それしか考えられなかった。

 そのクエストの名は、”最後の招待状”。

 闘技場を舞台に最凶モンスター・ラージャンを2頭狩猟するという、村クエスト最後にして最高難度のクエストである。

 いったい何度、このクエストに挑戦しただろうか。

 あまりにも返り討ちに合いすぎて途中から挑戦した回数を数えるのをやめてしまったってくらい、俺はボコボコにやられ続けた。ガンランスでは1頭目を倒すこともままならず、ついに観念して氷属性の大剣、ダオラ=デグニダルをこのクエスト用に作ったこともあった。しかしなぜか、俺がこの大剣を手にしてラージャンの前に立つことはなかった。

 こいつはじつに不可思議な心の動きだった。ぶっちゃけて書いてしまうと、俺はラオシャンロンに挑むときは双剣を手にするし、キリンを狩猟するときはライトボウガンを背負っていく。やっぱりなるべく楽に立ち回りたいという思いがあるので、強力なモンスターに挑戦するときはガンランスへのこだわりを端に避けておくこともあるのだ。そんな俺がなぜか、”最後の招待状”に挑むときだけはガンランスにこだわり続けた。愛するガンランスでクリアーしないと『2nd』の卒業証書がもらえない……と、勝手に思い込んでいたのかもしれない。でも頑ななこだわりの先には、非情なまでの困難と、立ち直れなくなるほどの絶望しかなかった。

 そして、モントリオール。

 取材の合い間にいつものように、『2nd』を起動する。起動してすぐに現れる俺のキャラは、体力満タン、スタミナ満タンという完全ドーピングを施した出で立ちで、つねに氷属性のガンランス”ヘルスティンガー”を背負っている。アイテムは、回復系はフル装備、シビレ罠3セット(調合素材持込)、落とし穴、モドリ玉6回分(調合素材持込)、捕獲用麻酔玉、強走薬グレート3個、閃光玉、大タル爆弾G2個、大タル爆弾3個などで完全武装。そう、つねに”最後の招待状に挑む直前”でセーブされているのだ。

 そのまま何も考えず、村長さんに話しかける。ここのところ連続で挑んでいるので画面を見なくても操作できる……ってくらいの早業で”最後の招待状”を受注した。

 そして。

 異国の地を舞台にした、”最後の決戦”が始まった。

投稿者 大塚角満 : 18:02
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大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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