大塚角満の ゲームを“読む!”
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このコラムの命も残り少なくなってきたので、ちょっとまとめに入ろう。8月29日現在、わたくしは約600時間ほどこのゲームを遊び倒しているわけですが、そんなベテラン中のベテランの俺がクリアーするのに七転八倒したクエストを、ここに発表してしまおう。「んなこと言うくらいだから、きっともう、全クエストクリアーしたんでしょうね」というデリカシーのない発言は完全と無視してズンズンと話を進めたい。でも一応、補足しておくと、先日”ボディーブロークエストでノックアウト”というコラムで書いた、キノコ20個納品とかヤオザミ10匹討伐といった「……」なクエストはまるでクリアーしてません!! 悪かったな!!(逆ギレ) でも考えてみると、こんなに包み隠さず全国の皆さまに申告しなくても、「いやあ苦労したけど、どうにか全クエストクリアーしましたよぉ^^」とでも言っておけば俺の面目も立つというものだが、根が正直者なのでついつい本当のことを書いてしまうのであります。
では、俺的苦労クエストベスト3の発表でえす! まず3位は……。
3位 異常震域(★8 ティガレックス2頭討伐 雪山)
あまりにも辛かったため、”ティガレックス、最後の激突”というコラムで戦闘の詳細を綴ってしまったこのドSクエストが第3位である。メインウェポンであるガンランスは当然のことながらどんな近接武器を持っていっても歯が立たず、結局最後はライトボウガンをこっそり持ち出して、遠くからプチュンプチュンと弾を当て続けてどうにかこうにかクリアーしたクエストだ。こいつはもう、極めつけにキツかった。ライトボウガンがなければ、いまだにクリアーできていないと確信できるクエストである。ティガレックスが『2nd』を象徴するモンスターだということに改めて気づかされ、あまりの強さにモチベーションが下がるってくらい強烈な相手でありました。
さあ続いて第2位の発表です!
2位 夢幻泡影(★8 キリン2頭討伐 決戦場)
『2(ドス)』のころから「あのクエストは本当にやべえだ……」と民間伝承として伝わっていたくらい危ないクエスト、それがこの上位キリンを2頭も討伐しないといけない”夢幻泡影”なのである。近々書こうと思っているのだが上位キリンはおそらく、『モンハン』シリーズに登場するあらゆるモンスターの中でもかなり最強に近い存在で、そいつを2頭まとめて(1頭ずつではなく、2頭いっしょに登場する)相手にしないといけない、ってんだから、その壮絶さが目に浮かぶ……ってものである。しかもこのクエストで最悪にいじわるなところが、戦いの舞台となる”決戦場”というマップ。初代『モンハン』や『モンハンG』にあった火山マップの一部を切り取って作られた特殊な舞台なため、ここに入るためには当然、クーラードリンクを飲んでおく必要がある。しかし相手は凶悪な上位キリン。クーラードリンクを限界数まで持ち込んでもクエスト遂行までに数が足りるかどうか微妙なのに、かなりの確率で昇天させられてしまうのでクーラードリンクの燃費が極端に悪くなってしまうのである。クーラードリンクを調合する素材を持ちこみゃいいのだろうが、地味なクーラードリンクよりも、やっぱり回復系アイテムを大量に持ち込みたくなるもの。しかも結論から書いてしまうと、俺はこのクエストも近接武器でクリアーすることができず、結局ライトボウガンに頼ることになってしまったので、クーラードリンク用の調合素材を持ち込むくらいなら1発でも多く強力な弾丸を持ちたくなって、何度も何度も焼け死ぬハメになったのでありました。
うーんさすが2位と3位、どちらもアリエネ、ってくらい凶悪なクエストでしたねえ。しかし! このふたつを超える超絶ふざけたクエストが存在するのです!! さあ1位の発表でえす!!
1位 白き霊獣(★7 キリン1頭討伐 雪山)
なんと1位は最上級の★8クエストではなく、★7の上位キリン1頭討伐クエスト!! ビックリ!! って自分で言ってりゃ世話ないが、この上位キリン1頭討伐クエストには本当に凹まされた。あまりにも強くて、「俺もう、このゲーム進められないかも……」と本気で思って、しばらくPSPに触れなくなったほどである。思わずefigoというSNSで「上位キリンに勝てねえよお!!」という絶叫ひと言日記を遺書のように書いてしまったくらいだ。もう思い出したくもないのだが、あまりにも何度も何度も屠り去られてしまうので近くにいた女尻笠井にSOSを出し、ふたりがかりで挑みかかったのだがこれも見事に返り討ちにあって、ふたりして茫然自失になってしまったことがある。近接武器の攻撃はほぼ弾かれ、ボウガンや弓で挑んでも余りあるスピードでアっと言う間に距離を縮められてタックルやら雷攻撃を食らって昇天させられてしまう。ふつうの状態でも手に余るのに、これが怒り状態になんてなった日には……。防御力500オーバーの鎧に雷耐性+20なんてのがついていたとしても、尻尾をまいて隣のマップに逃げてしまいたくなるほど、地獄の使者のような強さを見せつけるのである。無事にハンターランク6になっている自分のキャラを見ると、どうやらこのクエストもクリアーできたようなのだが、自分がどうやって上位キリンの壁を越えたのか、まるで思い出すことができない。冷静に考えると俺がひとりでこやつを倒せたとは到底思えないので、おそらく女尻笠井と泣きながらクエストに出向き、ボロボロの状態で時間ぎりぎりまで粘って倒したのであろう。
こんな感じで上位キリン討伐クエストがふたつもランクインしてしまったので、当然ながら俺は、キリン装備もキリン系の武器も持っていません。
さて、お気づきの方もいるかと思いますが、このランキングにはあの”ラージャン”が入っておりません。当然のようにラージャンもひとりで討伐したことはないのだが、なんとなく「まあラージャンだったら、その気になればひとりで倒せると思うんだよね、ボク」なんて、どっから湧いて出てきているのかわからないが、そんなふうに思ってたりするのだ。なのでラージャンはランク外。近々”最後の招待状”を華麗にクリアーして「ラージャン、恐るるに足らず!!」ってことを証明してあげますよ、ふふふ……。
すっとぼけて、こっそり更新します。
8月21日から25日までドイツの古都・ライプツィヒに行っていた。ヨーロッパ最大級のゲーム展示会、GC-Games Convention-が毎年この時期に行われるので、ライプツィヒにはもう、4、5年続けて足を運んでいるはずだ。訪問数があいまいなのは単純に、最近とみに混乱が激しい我が脳ミソでは「……あれ? 今回でライプツィヒ行くの何回目だっけな……?」ってな具合に数が定まらないからである。まあとにかく、4、5回くらいはこの地を訪れている。分厚いドイツのガイドブックの中にあって、6ページくらいしか情報が載っていない旧東ドイツの小さな都市であるが、俺はやたらとピンポイントで、この美しき小さな街のことに詳しくなってしまった。もしもライプツィヒに旅行に行かれる方がおりましたらお便りください。オススメの料理屋等をご案内させていただきます。ただしガイドの仕方が、「えーっと、駅を背に200歩くらい歩いたところで右に曲がり、なにやら朽ち果てたレンガ造りの建物が見えてきたら右斜め上空を仰ぎ見て、青い看板にドイツ語で複雑なことが書かれたレストランの4軒くらい隣のカフェの向かい側あたりの店がおいしかったです」という、はなはだテキトーなことしか言えませんが……。まあひとつ言えるのは、下調べをしないでフラリと入った店でも、ほぼ間違いなく料理とビールは格別においしい! ってこと。って、俺はいったい何を書いているのでしょうか。
そう、ドイツのGCというイベントに行っていたのである。勝手知ったるライプツィヒメッセ(GCの会場ね)でプレス受付を済ませ、広大な会場へ向けてテクテクと歩いていくと、アレ……? なにやら前方に見たことある人が……。あの浅黒く日焼けした精悍な顔つき……そう! 辻本良三プロデューサーではないか! 『2nd』のプロデューサーが何でここに!! というわけでさっそく、俺を見つけてニヤニヤと笑っているプロデューサーに声をかけた。「アレ? なんで良三さんいんの?」と。すると辻本プロデューサーは開口一番、最近、夏太りに悩んでいる編集者に向かって、「ちょっとそこのヒト、100回を目前にサボりすぎじゃないの、コラム!」とグサリと突き刺さる矢のような台詞を吐いた。痛恨の一撃である。俺はすっかり会話の主導権を握られ、プロデューサー様の言葉に「ははー!」、「へへー!」と耳を傾ける。それによると辻本プロデューサーがGCの会場に来たのは、なんと『2nd』の海外版がプレイアブルな状態でPSPブースに出展されるためで、その様子を視察に来たというのである。サアたいへんだ。すぐにPSPブースに行かなくては。俺はこうしちゃいられないとばかりにカメラを担ぎ、辻本プロデューサーに別れを告げて展示会場に突っ走った。目指すはPSPブースである。
PSPブースに行ってみると……あったあった『2nd』の海外版が! さっそく遊んでみよう。タイトル画面に出た『MONSTER HUNTER FREEDAM 2』のロゴを確認して、スタートボタンをポチリ。すると恐ろしいことに、キャラクターメイキングの画面が現れた。通常、この手のイベントでは”イベント用”ってことである程度セッティングされたキャラクターを選択し、クエストも短時間で終わるようにカスタマイズされたものが楽しめるようになっている。それがここドイツでは、完全にナマの状態から触らなければいけないらしい。うーむ。こいつはまさに質実剛健。俺は(会場のほかのブースも取材しなければいけないのだが……)と思いながらも、「まあやらないわけにはいくまい!」と腹をくくってキャラクターを作り始めた。せっかくなので”kado man”という名の男性キャラを作成し、海外版の『2nd』の歴史に名を刻んでおいた。
さあゲームスタートだ。驚いたことに、キャラクターが発する台詞もステータス表示も、すべて英語である(当たり前)。俺は大いに戸惑い、村人たちがやたらと黄色い吹き出しを出して「HEY! 話しかけて話しかけて!」とアピールしているのをガン無視してクエストを受注した。俺の優秀な英語能力から推察すると、どうやらギアノス5頭討伐クエストのようである。優秀な、と言ってるわりには文章がおっかなびっくりなのだが、ギアノスを5頭倒したらクエストが終了したので、俺に間違いはなかったようである。
さすがにイベント会場でこれ以上遊ぶことはできなかったのだが、kado manというキャラクターはしっかりとセーブしておいた。俺のあとでこの試遊機で『2nd』を遊んだ人は、なんの躊躇いもなくkado manというキャラクターを選択してゲームを堪能することだろう。のちに『2nd』の海外版がヨーロッパで話題になったとき、もしかしたら「OH! あのkado manが出てくるゲームね!」と叫ぶドイツ人ユーザーが何人か出てくるのではあるまいか……。美しい古都の夜更けに、そんなことをひとり思った。
▲ホラホラ! これが”Kado man”の勇姿!
いやぁ、暑い……。なんて暑い……。それにしても暑い!! ここのところ都心は、気温35度を超える猛暑日が続いている。もう家から1歩外に出ただけでフラフラ。これだけで会社に行く気もなくなってしまうというものだ。おそらく、日本全国のハンターがギラギラと照りつける太陽を仰ぎ見て、「クーラードリンクくれぇぇぇ!!」と叫んだことであろう。あまりにも暑いので、俺も例に漏れず毎日、マイクーラードリンクと位置づけた生ビールを浴びるように飲んでおります。暑くなくても毎日飲んでおります。
そんなある日、俺のもとに1枚の招待状が届いた。見ると、東京の池袋にある廃校を利用した施設で、『モンスターハンターポータブル 2nd』を使った”夏期講習”なるイベントが行われるというではないか! こ、これは行かねばなるまい……。世の中、お盆休み真っ最中と思われる8月14日、15日の2日間に渡って開催されるイベントだが、とりあえず何もやることないし、会社に行っても誰もいないから、モンハン制作陣やいろんなハンターと会えるこのイベントに行くのがベストの選択であろう。俺は取材申し込み用紙に参加する旨を記述し、カプコン宛にぴーひょろろ〜とFAXを送った。
そして8月14日。俺は会場の最寄り駅である地下鉄・要町駅に降り立った。要町か……。この駅に降りたのは初めてだが、なんとなく親近感が沸く駅名である。俺はシリーズのディレクター、藤岡要さんの顔を思い浮かべながら会場へ向かって歩き出した。
うーん、それにしても暑いな……。この日は全国各地で最高気温の記録が更新されるほどの猛暑中の猛暑。とっとと会場に到着してクーラーの風に当たらないと俺は溶けてなくなってしまうのではあるまいか……。そういう危機感に半ば本気で苛まれながら、俺は溶けたマグマのようなアスファルトの上をトボトボと歩き続けた。会場案内のリリースによると、要町駅から会場まで歩いて7、8分程度だという。まあ多く見積もっても、10分もありゃ着くだろう。歩くのが速い俺だったら、5分で到着するかも! 夕べ飲んだビールをすべて汗として発散させながら、俺は15分ほど歩き続けた。
ところが。
なぜか会場に到着しない。
あとからわかったことだが、駅から出て最初に曲がるべき道をいきなり間違えて、会場の方向とまったく違う、灼熱地獄へ続く道をひたすらテクテクと歩いていたようなのである。歩き始めて20分が経過したところで「さすがにこれはおかしい……」と携帯電話を取り出し、ナビゲーターを起動。じつは俺はかなりの方向音痴で、取材場所にたどり着かずに焦ることが頻繁にある。なのでいまやナビつきの携帯電話は、筆記用具、ICレコーダーとならぶ”取材三種の神器”となっているのであった。そんな神器の審判によると、やはり俺は地図にある案内とはまったく関係のない道を、ひたすら無意味に歩いていただけだったということが判明した。「うおおおお!」と熱い涙を流して方向転換。数分後、イベント開始まえからすっかりグッタリして、俺はなんとか会場に到着した。でも本日、このイベントに行かれるハンターに言っておくと、案内どおり素直に歩めばすんなりと会場に到着します。悪いのは俺です。
会場は、都会のど真ん中に突如現れたアナザースペースといった感じの、じつに趣深い学校跡で行われた。玄関をくぐって懐かしい匂いのする校舎内の廊下を歩いていると、いましたいました、辻本良三プロデューサー。パタパタと団扇で風を発生させながら、「お! お疲れ様っす!」と元気に俺に手を振ってくれる。俺はそんな辻本プロデューサーに向かって汗だくの顔を振り向けながら、「良三さん、学校に入ったとたんにこんなに汗かきましたよ! 暑いっすね!」と言い捨てた。本当は道に迷ってグシャグシャの雑巾のようになってしまったわけだが、せっかくなのでここはこの人のせいにしておこうと思ったのだ。しかし辻本プロデューサーは俺の発言は意に介さず、「さあさあ行きましょう! 体育館で朝礼をやりますよ!」と元気に言ってスタスタと歩き出した。いつも元気だなあ、この人……。
というわけで始まりました、モンスターハンター夏期講習。まずは辻本プロデューサーの言葉どおり、体育館で朝礼である。学校の体育館か……。いったい何年ぶりだろう、こういうところに足を踏み入れるのは。熱気のこもった体育館から、なんとも言えない懐かしい匂いと雰囲気が漂ってくる。まるで自分が小学生に戻ってしまったかのような錯覚を覚えながら、俺は自分の”クラス”である”集会所01”と書かれた列の最後尾に加わった。すると壇上で、今回の夏期講習の”校長”である辻本プロデューサーと、”教官”である小嶋慎太郎プランナーが挨拶。彼らの説明によると、今回のイベントでは参加者を20人前後のクラスにわけて、朝礼終了後は各クラス単位で”授業”を行うという。さっそく担任の先生(カプコンのスタッフの方ですな)に先導されて教室に移動。見ると、木製の懐かしい机が4つセットでくっつけられている。これ、いわゆる”給食フォーメーション”ではないか! 懐かしいなあオイ! 好きな女子とこうやって机をくっつけて給食食いたかったんだよなあ!! なんてことを瞬時に考えながら、適当な席に着席。すると担任の先生が1枚のペラ紙を生徒に配り始めた。なんと、いきなりテストである。『モンスターハンター』シリーズに関する問題が20問も書かれた模擬試験である。うーん、なかなかどうして、キチンとした夏期講習ではないか……。制限時間は、わずか5分。俺は難問奇問の山に頭を抱えながら、それでもかなりのスピードと自信を持ってこれらを解きまくった。こんなに余裕の構えで挑める試験が、かつてあったであろうか!? 俺はすっかり優等生気分になり、2分ほどですべての問題を解いて椅子にふんぞり返った。
模試のあとはお待ちかね、フリークエストタイムだ。机が給食フォーメーションに並べられていたのは、じつはこのフリークエストのためなのである。まずはいっしょの島に座ったお三方と挨拶を交わし、何のクエストに行くか相談する。ところが、我が集会所01クラスはベテランハンターばかりが集っていたらしく、参加者の全員がハンターランク6。つまり、最高ランクだ。このクラスまで到達したハンターは、ほぼひととおりのモンスターとの顔合わせを済ませているし、欲しい武具もほとんど揃えていると思って間違いない。思ったとおり我が島でも「うーん、とくに行きたいクエはないですねえ」、「皆さんにおまかせしますよ」、「強烈に欲しい素材もないなあ」という声があがる。しかしフリークエストの時間は1時間ほどしかないのであまり悩んでいるヒマはない。そこで我々は最近配信されたばかりのダウンロードクエスト、闘技場の銀レウス、金レイアを2匹同時に相手にする凶悪なクエストに出撃することにした。
しかしいくら凶悪なクエストと言えども、さすがハンターランク6のツワモノが4人揃ったパーティーである。なんと銀レウス、金レイアを7分程度で屠り去り、しかも俺は火竜の紅玉2個、雌火竜の紅玉2個、火竜の逆鱗1個をいっぺんにゲットするという大フィーバー振りで、いっしょにクエストに行った3人の仲間に大絶賛された。いやあ楽しいなあ、フリークエスト!!
1クエストが終わったところでパーティーチェンジ。俺は高校生ふたり組と思しきチームに加わり、新たな3人パーティーを結成した。でも彼らもハンターランク6ということで、とりたてて行きたいクエストもないという。そこで俺はここぞとばかりに「上位ティガレックス討伐手伝って!!」と年下の彼らに進言。しばらくまえから轟竜の尖爪が欲しかったことを思い出したのである。快くこれを受け入れてくれた高校生ふたりとともに、俺は砂漠のティガレックス討伐を開始した。武器はもちろん、ガンランスである。
やっぱりハンターランク6まで育てている人は、どの人もじつに余裕のあるプレイをする。閃光玉を投げるタイミングやシビレ罠の使いどころも巧みで、俺は非常に安心してボンボコボンと砲撃に専念することができた。じつはここのところ『フロンティア』に入り浸っていたため、『2nd』の操作が若干不安だったのである。それでも、「俺もハンターランク6のツワモノのひとりだ!!」ということを主張するため、歳のわりにがんばったと思う。砲撃や竜撃砲も、じつにいいタイミングでかますことができたと思う。その証拠に、先ほどからじーっと俺の背後からプレイをのぞいていたカプコンのスタッフの方が、こんな言葉を贈ってくれた。
「お! けっこう使い慣れているみたいじゃないですか、ガンランス!!」
……。
俺はいかにも日本人的な曖昧笑顔を浮かべながら、「え、ええ。た、たまーに使うんですよガンランスがんらんす……」とうわごとのように言葉を返した。うーん、俺もまだまだだな……。
さて、俺がうろたえているうちにフリークエストタイムが終了してしまった。時間は短かったが、じつに充実したひとときを過ごせたと思う。今回の夏期講習は運営サイドがアレコレとコンテンツを詰め込むよりも、とにかくハンターが集まれる”場所”を提供して、あとは各ハンターの裁量で自由に遊んでほしい、という部分に重きが置かれていたように思う。実際、終礼式が終わったあとも教室のひとつをリアル集会所として解放し、遊び足りないハンターたちに自由に使ってもらっていた。そこでは、友だちどうし数人で遊びに来ていたグループはもちろん、クラス分けの給食フォーメーションで出会った小学生とOLのグループ、なんていう異色のパーティーも見ることができた。朝礼で辻本プロデューサーと小嶋プランナーが強調していた、「この夏期講習で新たなハンター仲間を見つけてもらえたらうれしい」という言葉が強烈にフラッシュバックするほど、このイベントで生まれた即席パーティーの遊ぶ姿は微笑ましいものがあった。
こんな感じで、イベントは無事終了〜。ちなみに、俺の模試の得点は95点でした! 1問間違えてしまったのは痛恨だったが、モンハンスポークスマンの面目躍如!! と自己満足にひたった。
そんな俺のもとに、知り合いのかわいらしい女の子が近づいてきた。会うのは結構久しぶりだ。「元気だった?」なんて軽く挨拶をしていると、ふいにその女の子が衝撃のひと言を発した。
「……大塚さん、もしかして太った?(笑)」
バサルモスの夏は終わらない。
100回目を目前に、少々停滞気味の我がブログですが、今日は更新しますよ! それも、地味に。
前回の日記で、『2nd』のラストスパートとして絶対にやっておきたいことをずらずらと列挙したが、その中のひとつにして最大の目標、”全クエストコンプリート”の足がかりを作っておきたい。つまり、現時点でオノレがクリアーできずにいるクエストを浮き彫りにしようってわけだ。さあ調べよういま調べよう。村クエでクリアーできずにいるのはひとつだけだとわかりきっているので、俺はいきなり集会所に飛び込み、カウンターにいるパティちゃんに話しかけた。すると出てくるわ出てくるわ……。これまでスルーしまくっていたボディーブロークエストがたくさん……。正直かなり恥ずかしいのだが、もう等コラムも残り数回だし、旅の恥はかき捨てとも言うので(意味不明)、ドドーンと赤裸々にしてしまおうではないか。以下、大塚角満が8月7日午後5時時点でクリアーしていないクエストである。
◆村クエスト◆
・最後の招待状(ラージャン2頭討伐)
◆下位クエスト◆
・猪突猛進!ドスファンゴ(ドスファンゴ討伐)
・ブランゴたちの群れ(ブランゴ15頭討伐)
・雪山草摘み(雪山草20本の納品)
・珍獣の中の珍獣(ババコンガ1頭討伐)
・森の珍獣、コンガを狩れ!(コンガ15頭討伐)
・キノコ探しで大もうけ!?(特産キノコ20本の納品)
・大地を泳ぐモンスター(ドスガレオス1頭討伐)
・鉄壁の盾蟹(ダイミョウザザミ1匹討伐)
・幻の珍味を追え!(魚竜のキモ8個の納品)
・雪山に潜む影(フルフル1頭討伐)
・ヤオザミの群れ(ヤオザミ10匹討伐)
・湿地帯の鎌蟹(ショウグンギザミ1匹討伐)
・幻獣、キリン現る!(キリン1頭討伐)
・古の霞龍、オオナズチ(オオナズチ1頭討伐)
◆上位クエスト◆
・なんかひとつやってないらしいが、よくわからず
……。
なんかものすごーくイヤらしい残しかた、って気がするんですけど……。あまりにもあからさまに、つぎのハンターランクに進むためにキークエストだけを各個撃破していったことが浮き彫りになっているような……。なんとなく、ひたすら要領だけがいいスネ夫的な残しかた、って気がする。うーん、こいつは弱った。
しかしいつまでも頭を抱えているわけにはいかないので、とりあえずチョロそうな雑魚モンスター討伐クエストから片づけていくことに決めた。俺ほどモンハン愛とスキルが極まっていれば、何のストレスも感じることなくアっと言う間につぎつぎとクリアーしていくことができるであろう。んじゃ手始めに、まずはウザい白ザル、ブランゴをシバきに行くとしよう。武器は、なぜかPSPの電源を入れたときに装備していた弓のままで行くことにした。ブランゴごときが相手だったら、伝家の宝刀・ガンランスを装備するまでもないわい。俺は着替えをするのが面倒くさいということはおくびにも出さず、弓を装備したまま雪山に赴いた。
さあブランゴ退治だ。イヤらしい雑魚敵の代表のようなおサルさんだが、多少動きが速いことを除けばそれほど恐ろしい相手ではない。俺は鼻歌を歌いながらエリア6に到着し、そこに棲息していた3匹のブランゴどもと対峙。そして、やおら弓矢を発射しようとした刹那、とんでもないことに気がついた。
……弓ってどうやって操作するんだ……?
やべえ!! 完全に弓の操作を忘れてる!! ていうか、そもそも『2nd』ではほとんど使ったことがなかったので、もともと操作方法を気にしたことがなかったらしい。仕方ないので俺は、
「と、とりあえず攻撃の基本は○ボタン!!」
と叫んで○ボタンを連打。すると何を思ったのか我が分身は、持っていた弓矢を取り出して、虚空に向かってブンブンと子供のように振り回し始めたではないか。どうやら弓矢の発射ボタンは○ではないらしい。それならばと今度は×ボタンを3回ほど押してみたが、あきれたことに我が分身、今度はピョンピョコピョンとバックステップを繰り出す有様である。そうこうするうちにウジャラウジャラとまわりに集まってきたブランゴどもが、「うらうら」、「ホレホレ」と我が分身を小突きまくってくる。そこでようやく△ボタンを押すと矢が発射されることを突き止めて(説明書読め)、半ばキレながらピヒュンと1発矢を放つ。しかし完全に上目線となったブランゴは華麗なサイドステップでこれを避け、ドタドタを間合いを詰めてはヘッドパットをかましてくる。「わあああああ!! ブランゴうぜええええ!!!」といくら絶叫したところで戦況が変わるわけもなく、それどころか同じエリアに何やら怪しい大きな影が……。あ、あのお方は……。
「なんでドスファンゴいんの!!?」
ボスクラスのモンスターの中ではもっとも弱いと思われるドスファンゴだが、ブランゴにカツアゲされているところに登場されるととてつもなく強大な相手に見える。こうなったら恥も外聞も捨ててエリアチェンジを敢行し、体力を回復してからモンスターどもに挑もう。そう考えたのだが、アホなブランゴどもがやたらとジャレついてくるのに加えて、猪突猛進日本代表といった風情のドスファンゴが何も考えずに突進してくるのでエリアチェンジもままならない。こうなると、ハンターがたどる道はひとつしかない。もう、あえて書かないけどね……。こんなクエストを、あといくつこなせばいいんだ……?
はっきり言おう。
コラムが100回を迎えるまでに、全クエストをクリアーする自信がまったくありません……。
俺が『モンスターハンターポータブル 2nd』でやり残していること。”『2nd』プレイ日記”の最終回とふんでいる100回目まで回数がないので、忘れないように列挙しておきたい。何度かこういうことを本コラムで書いてきたが、今回はかなり切羽詰っている。残り9回の指針として、しっかりと記しておこう。でもこれだけやり込んでいると、できることはもう、あまり残されていないとも思うが。
・ガンランス最終形コンプリート
生粋のガンランサーを『2(ドス)』のころから標榜する身として、これはまっさきに成し遂げなければならないだろう。エンターブレイン刊の超ド厚い攻略本『モンスターハンターポータブル 2nd 公式ガイドブック』と自分の武器リストを見比べると、残っているガンランスはあと2本しかない。そのうちの1本は製作するために必要な素材は十分持っているので、お金さえ調達すれば一発で作ることができる。問題はもう1本のほう。コレ、じつは持っていると思っていたのだがナゼか途中で育てることを忘れてしまっていた"ヘルスティンガー"だったりする。"ラージャンと『東京タワー』"というコラムであたかもヘルスティンガーを持っているかのように書いているのだが、どうやら同じ氷属性のガンランス、スノウギアドライブと勘違いしていたようだ。じつは最強(と勝手に思っている)ガンランス、ガンチャリオットを持って挑んだラージャンに簡単に返り討ちにあい、「やっぱりラージャンに勝てるガンランスはヘルスティンガーだ」と勝手に納得して件のヘルスティンガーを持ち出そうと倉庫を漁ったときに、「あ、あれ? 俺、ヘルスティンガーどころかヘルスティング(氷ガンランスの初期バージョン)しか持ってねえぞ……」と気づいた次第だ。いまだ成しえぬ村ラージャン2頭討伐のために、連載が終わるまでにヘルスティンガーを作らねばならぬ! えーっとそのためには……上位ドドブランゴと上位ティガレックスをぶっ倒さなければいけないのか……。また不毛な螺旋階段を上ることにならなきゃいいが……。
・訓練所制覇
以前、何度か本コラムで「訓練所にハマってる」、「訓練所を制覇する」などと大口を叩いたことがあるのだが、じつはいまいちばん”見なかったこと”にしようとしているのがここらの記述だったりする。最後に訓練所について触れたのは”第79回 イャンガルルガに恥をかかされた話”というコラムで、このときは「ガルルガが壁になって先に進めない」ということを書いたわけだが、当時といまの訓練所コンプリート度をつぶさに比べると、じつはひとつも前に進んでいないことがわかる。うお……。マ、マジで……? つまり俺は6月26日以来、イャンガルルガにとうせんぼされたまま、その場から1歩も動けていないってことだ!! このトリ野郎に、俺をここまで束縛する権利があるっちゅーのか!! 丸々2ヵ月以上も同じ場所に止まってなんかいたらアナタ、バキじゃなくともアンチェインになるために脱走したくなる……って関係ないですねゴメンナサイ。大好きなんですこのマンガ……。
とにかく! ガルルガごときはとっとと焼き鳥にしちまって、訓練所制覇の足がかりを作らなければならない!! ……まあ無理だったとしても、最終的にどこまで進められたかはさらすようにしますネ。
・村ラージャン討伐
もうエエかげんにせいよ、と言われることを承知で書くが、『2nd』における最大の壁、”最後の招待状”を制覇しないことにはこの連載を終えられません!! いままでは「どうせ俺なんて……」というイジケ気分でラージャンに挑んでいたわけだが、もうそんなことを言ってはいられない。マジで本気に、ガケっぷちに立った気分で、万全の準備をしたうえでチャレンジしなければならないであろう。現在、最後の招待状における星取表は0勝7敗ってところか。もう1回失敗したら、見事な負け越しである。連敗街道驀進中である。これではまるで、いつまで経っても朝青龍に勝てない琴光喜みたいじゃないか! でも琴光喜は、大関になったんです。努力はむくわれるのです! 俺もやればできるはず!! そういう気合のもと、最後の挑戦状に、最後の挑戦状を突きつける所存であります。
・クエストコンプリート
そして、『モンハン』における最終到達地点のひとつが、この”クエストコンプリート”であろう。まあ最後の挑戦状をクリアーできないかぎり永遠に最終到達地点には到達できないわけだが、ラージャンを屠り去った勢いですべてのクエストを一掃してしまいたい。もう残ってるクエスト、わずかだしな。……でもよくよく見ると、ヤオザミ20匹討伐とかイーオス20匹討伐とか、微妙にボディーブローで面倒くさいものばかりが残っているような気もする。強大な敵だったら気合も沸きあがってくるのだが、じつはこれらがいちばんの難関なのかもしれん……。
まあこんなところかな? とてもじゃないけど残り9回ですべてを書ききれるとは思えないのだが(苦笑)、がんばってみますね^^;
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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