大塚角満の ゲームを“読む!”

« 2007年03月 | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 2007年05月 »

【MHP 2nd】第46回 ガンランサー、つかの間の休息

 泣く思いでキリン討伐を成し遂げたことで、猛烈な虚脱感に包まれている大塚角満です。なんちゅーの、達成感っていうのかね、コレ。オトコがひとつの大きな仕事を成し遂げたあとに包まれる、心地よい疲労と満足感。なんかこう、ある種の到達点に達した感があるねぇ……シミジミ。……って、おまえが倒したのは弱い村キリンだろうっ!! と怒られそうなのでこのへんでやめときます。

 でもねえ、俺が虚脱感に覆われているのはホントなのヨ。とにかく実力のない俺が、村に棲んでるちっこいほうとはいえガンランスでキリンを討伐するってことは、とんでもない労力を要する偉業なのですよ。なのでいまの俺はPSPの電源を入れても、ポッケ農場でハチミツを採取したり、採集ツアーを受注してハチミツを採りにいったりと、なぜかやたらとハチミツ漬けの生活を送っていたりするのだ。

 でもこれには理由がある。

 キリン戦の疲れを癒し、それと同時に新たに開けた修羅の道へ進むための準備を着々と進めているのである。村のクエストをほぼ制覇した俺が進むべきところは、当然ながら集会所しかない。それも、回復薬グレートがいくつあっても足りないってくらい凶悪なモンスターばかりが出現する"あのエリア"だ。

 でにそのまえにもう1匹だけ、倒しておかないといけないモンスターがいた。

 "砦蟹"

 『2(ドス)』の時代からいた甲殻種の親玉については、じつはまだ一度も、このコラムで取り上げたことがなかった。何か理由があって避けてきたわけではないのだが、不思議と機会がなくて触れたことがないのである。

 でも、機は熟した。

 次回、砦蟹・シェンガオレンとの激闘をお届けする!!

 ……と言いつつ、今週末からゴールデンウィークですね。となると、「会社が休みのときはブログも休み」と勝手に決めて土日は更新されていないこのプレイ日記はどうなるのでしょうか? ……って自分で言ってりゃ世話ないが、さあてどうしたものか……。と思ったら、今週末からいよいよ『2nd』の全国規模の大会、"モンスターハンターフェスタ"が開幕するじゃないですか!! じつはファミ通.comはこのイベントに密着取材を敢行する予定で、さりげなく特設サイトも作っていたりするのです。……って、トップページに入り口があるからまったくさりげなくない!! なので皆さん、ゴールデンウィーク中は、全国各地から寄せられるモンハンフェスタの熱戦の模様を、この特設サイトでじっくりと堪能してくださいませ。テキストによるリポートは、ワタクシ、大塚角満が書きますので! それと何より、この特設サイトではモンハンフェスタの模様を動画でもお届けしますよ! 乞うご期待!

 あ、旅行などにお出かけになられる方は、旅のお供に左の単行本をどうぞ! しっかり宣伝!

投稿者 大塚角満 : 17:53
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第45回 キリンvs.ガンランス? 最終章

 「いつまでキリンの尻を追いかけてんだ!」とお怒りの方もいるかと思いますが、今日もキリンのお話です。でも、たぶんこれが最後になると思われます! 昨日の日記で「つぎこそ本命装備で挑む!」と書いたとおり、俺は対キリン用最終装備に身を包んで村★5のクエスト"幻獣、キリン現る!"を受注した。

 前回は"白ゲージの武器で突っつきまくる"という、傍からみたら完璧と思われる作戦で挑んだわけだが、白だろうが虹色だろうが弾かれるものは弾かれるという悲しい現実に直面してあえなく敗北した我がガンランス。でもこの結果は、言うなれば想定内のこと。ここで紹介する装備こそが、ガンランスがキリン戦に臨むうえでの理想の装備なのだっ!!

ガンランスvs.キリンにおける俺の装備(その2)

●武器……水属性の某ガンランス
●防具……ガード性能+2、ガード強化スキル発動防具
●所持アイテム
・回復薬グレート(10個)
・回復薬(10個)
・薬草(10個)
・ホットドリンク(5個)
・そのほか、砥石やペイントボールなど

 そう、ガンランスがキリンと対等に戦うには、ガード機能を極限まで高めて敵の攻撃を受けきり、伝家の宝刀・砲撃と竜撃砲をお見舞いするしかないのだっ!!! 鼻血が噴き出すほど気合をみなぎらせ、俺は雪山のてっぺんで待つキリンのもとへと駆けていった。

 雪山マップの6の地点に馳せ参じると、いましたいました白い霊獣。はたして何度、こいつの雷攻撃に苦杯を舐めさせられていることか……。しかし今日の俺は違うぜ。グラビモスのレーザーだろうがフルフルの電撃だろうが、そしてあんたの雷だろうが何でもガキーンと防御してしまう究極のガード性能を身に纏っているのだ。オラオラ! 雷放ってみろや! いくらでも受け止めてやるど! キリンは俺の挑発にイラっときたのか、パタパタと駆け寄ってきて首を上下に振るしぐさをする。雷の合図だ! 俺はR1ボタンを押し込んでがっちりと防御姿勢をとる。これで、前方からどんな攻撃がきても大丈夫だ。安心して画面を眺めていると案の定、俺の分身のまわりに雷の雨が降り注いだ。

 バリバリバリバリバリッ!!!

 俺は我が目を疑った。雷は狙いすましたかのように背後に着弾(?)し、悲しきガンランサーを吹っ飛ばしたではないか! そう、ガード機能をいくら高めたところで、盾のない背後から攻撃されたらダメージを受けるのは当たり前のことである。そしてキリンの雷攻撃は、素直に盾の真正面にばかり飛んでくるものではない。いまにして思えば、防御できたときのほうが運がいいくらいで、落雷を完璧に防ぐことなどまず無理だったのだ。

 そして俺は逃げた。目指すは6のエリアにある高台である。この高台は『2(ドス)』の時代には"対キリン時の聖地"とまで言われた神聖なる場所で、この高台の奥まったところに鎮座して遠距離武器で攻撃していれば、キリンがいくら怒って落雷の雨を降らせてもまったくこちらには攻撃が当たらず、強豪中の強豪であるこのモンスターを無傷で倒せた"安全地帯"だったのだ。しかし『2nd』では『2(ドス)』の時代にはなかった大岩が高台に露出しており、安全地帯に入れないようになっている。つまり、安全地帯は消滅したのだ。それにしてもなんでここに、岩が露出しているのだろうか。明らかに雪が溶けて、岩肌がむき出しになってしまった風情である。どうやら地球温暖化の影響はこんなところにも出てきてしまったらしい。そう考えると、岩が現れてしまったことも地球規模の視点で見れば仕方がないと言える。俺は仕方ない仕方ないと歌を歌いながら、それでも高台によじ登った。そう、この高台に登ることが、ガンランスでキリンに挑むときの"最終手段"と設定していた作戦だったのである!!

 作戦の骨子はこうだ。まずガンランスを背負って高台に登ったら、キリンが目の前にやってくるまで待つ。そしてキリンが何も知らずにのこのことやってきたら、有無を言わせず竜撃砲! ヤツの弱点である角を目掛けて、恐怖の火焔玉をお見舞いしてやるのだ。そして竜撃砲の冷却時間は、やはり角を目掛けてボンボコボンと砲撃の雨を降らせる。やがて竜撃砲が再び発射可能となるので、そうしたら脇目も振らずにドッカ〜ン……もう完璧じゃね!? まさにガンランスだけが可能な究極作戦。安全地帯がなくても壁を背にしてガードを固めれば、落雷も食らわないはず! さあどうだ! 見たかキリン! こういう完璧すぎるほどの作戦があったので、俺はいままで余裕だったのである。

 そして作戦どおり、高台に登ってガンランスを構える我が分身の足元に、キリンがヨチヨチとやってきた。さっきまで恐ろしくて仕方のなかった霊獣が、いまはなんとマヌケに見えることか! 俺はケケケケと高笑いしながら竜撃砲の態勢に入った。さあ顔面にお見舞い……ってアレ? なんかこのキリン、高台の高さに比べて小さくね……? いやでも、竜撃砲の巨大な火焔だったら当たるはず……。俺は不安度100パーセントの胸のうちをキリンに知られまいと必死に心を鼓舞して、「ふっとべキリン!!」と叫んだのちに竜撃砲を発射した! どうだ!! どうだ! どう……だぁ!? うわあああ! キリン、1ミリも燃えてないし!! この小さい村キリンじゃ、高台からの竜撃砲は当たらないのか!! ででででも、砲撃だったら当た……らねえ!! 竜撃砲よりも、もっと当たらねえ!! じゃ、じゃあせめてガードだけでも……。

 バリバリバリバリバリッ!!

 キャー!! 雷は当たるーーー!! もうダメだこの作戦……。

 俺は素直に、高台から降りた。ま、まあこういう卑怯な作戦はイカンよキミ……。こうなったら正々堂々と戦うしかない。俺は必死になって、重いガンランスを出したり引っ込めたりしながらキリンを追いかけた。どうやら顔面付近は白ゲージのないガンランスでも刺さるようだったので、確実に正面から攻撃できるキリンの突進に合わせて武器を突き出したのだ。これだとこちらもダメージを食らうことはあるが、どうやらキリンにもしっかりと傷を負わせているらしい。……つーか始めから正々堂々と、こうやって挑んでりゃよかったような……。俺はキリンが攻め疲れて足を休めているところを狙って砲撃や竜撃砲をお見舞いし(絶対に当たらないと思っていた竜撃砲も3回くらい食らわせることができた)、すれ違いざまの攻撃をさらにくり返した。これはもう、完全な消耗戦である。俺は回復薬のほとんどを使いはたし、(つぎに雷を食らったら出直しだな……)というところまで追い詰められた。しかしそのとき、俺がテケトーに戦場に置いておいた大タル爆弾の上にキリンが雷を落とし、爆風で吹っ飛ばされいく姿が目に飛び込んできた。俺は「勝機!」と見て取りすぐに霊獣に駆け寄り、竜撃砲の体勢を取る。まだ起き上がってくれるなよ……。これだけ撃たせてくれ……。もしもこの竜撃砲を外したら、キリンの報復タックルを食らって昇天するのは確実。どちらの攻撃が先に当たるのか……。そして……。

 ボボボボン!!

 一瞬の差だったが、俺が放った竜撃砲の火焔がキリンの白い身体を包み込んだ。当たった!! と同時に、耳に飛び込んでくる勝利のファンファーレ。おおおおお……。勝った!! やっとやっと、ガンランスでキリンに勝利した!!!

 というわけで、俺は本当にやっとの思いでガンランスによるキリン討伐を成し遂げた。考えた作戦をことごとく突破され、最後は強引につぐ強引な力技でねじ伏せた、って感じになっちゃったけどね……。しかし何度も言うように、このキリンは"村のキリン"だ。要するに、キリンの子供のようなものなのだ。ここでこんなに手こずっているようでは、この先どうなることやら……。

 でもいまは、ちょっとだけ勝利の美酒に酔いたい。そしてしばらく、馬系統の生き物は見たくない……。

投稿者 大塚角満 : 15:43
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第44回 キリンvs.ガンランス? その2

 前回の続きになりますが、まったくキリンに刺さりませんガンランス。白ゲージだろうが金ゲージ(んなものはないが)だろうが、とにかくひたすらガキンガキンと弾かれまくり。肉質がやわらかい頭を狙えば刺さるのかもしれないが、ここで"かも"と言ってるくらいなので、まともに頭部に攻撃なんてできません。だってキリン、動くし攻撃してくるし……って当たり前だけど、やっぱり重くて直線的なガンランスだと、相当の運に恵まれないと頭部に攻撃するチャンスはやってこないのだ。どのくらいの運が必要かと言うと、たとえば名刺交換したら相手が間違えてロト6のカードを渡してきてそれが後日3億円の当選チケットとなり、返そうと思ったら相手が神のようにいい人で「一度渡したのだからそれはアタナのものです」と言ってくれるくらいは欲しい。「そんな悪魔のような運に頼るより自分の腕を磨け」と言われそうだが、全身のあらゆる箇所から根性、根気、やる気、殺意、無我などいろんな感情を搾り出し、モチベーションを総動員してもガキンガキンと弾かれるところにしか攻撃できません。ガキーンと弾かれるたびに「何すんだオウ!!」と怒りの報復電撃や突き上げを食らい、その一撃で信じられないほどの大ダメージを被る、雷耐性に思いっきりマイナスのついた我が自慢の斬れ味装備。耐性など眼中になく、短絡的に「白ゲージがあれば勝てる!」と思い込んで攻撃一辺倒のこの装備にしたわけだが、頼みの白ゲージが機能しないのだから、これは単純に電気を通しやすいだけの触媒のようなヨロイになってしまったわけだ。

 というわけでワタクシは、サディスティックなキリンに好き放題に感電させられたあげく、クエスト開始からわずか5分程度で屠り去られてしまいました。体力をマックスにして臨んで、この体たらくである。しかもこいつは村★5で対戦する、弱い部類のキリンだ。村のクエストに臨むにははっきり言って反則的に強い装備をしているのに、これほどまでに歯が立たないとは思わなかった。

 しかし! 今回の"白ゲージでキリンに挑む作戦"は、いまだから言うがじつは"捨て作戦"だったのだ!! じつは前回のコラムで述べた"もうひとつの秘策"こそが、本命の作戦だったのである!! ……え? なにもわざわざ捨て作戦なんて試さずに端から倒せる方法で挑みゃいいのに、ですって? たた、確かにそのとおりなんですが、モノには順序ってものが……ゴニョゴニョ。

 とにかく! 次回はついに本命装備に身を包んだ俺が、キリンをボコボコにしばく武勇伝をここに書く!! きっとあの装備ならば問題なく、華麗にキリンを屠りされるはずなのだっ! キリンの暴挙に夜ごと枕を涙で濡らしている全国のガンランサーよ、次のコラムこそ必見ですよ!!

 ……なんて書いておきながら、じつはこれから試すんだよネ。

★お知らせ★じつは左の枠で昨日の夜あたりからさりげなく告知しているのですが、ファミ通.comで連載している"『モンスターハンター』プレイ日記"(つまりこのコラムですな)と、ファミ通コネクト!オン誌で連載している"本日も逆鱗日和"というコラムをまとめた、その名も『『モンスターハンター』プレイ日記 本日も逆鱗日和』という書籍が発売になります! もちろんたっぷりと加筆修正を施し、書き下ろしのコラムもありますよ! 発売日は5月10日で価格は998円[税込]です。ハンターの皆さんに手にとっていただけたら幸いです。……ってぜんぜんさりげなくなかった!
 

投稿者 大塚角満 : 16:39
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第43回 キリンvs.ガンランス? その1

 もう、なんなのコイツ……。

 というのが、わたくしがガンランスでキリンに挑み、ため息とともに吐き出した第一声でございます。もう、怒りを通り越してため息しか出てこないわ……。

 数日まえにご報告したとおり、俺は村★5のクエスト"幻獣、キリン現る!"を受注した。正直、気が進まなかった。俺はもう徹底して、この白い霊獣が苦手なのだ。

 過去に俺はこのコラムで、ディアブロスが苦手だ、黒グラビがイヤだコンガが頭に来るナナには辟易する……などなど、さまざまな苦手モンスターを挙げてきたが、はっきり言ってこれらのどのモンスターよりも、キリンへの対処の方法がわからない。キリンは初代『モンハン』の時代からいる古参モンスターだが、正直その時代から確信を持って「勝てる!」と思ったことが一度もないのだ。パーティープレイだと俺以外の仲間が倒してくれていたのでキリンの素材も持っていたし、その素材から作る武器も得意げに振り回したりしていたのだが、独力でキリンの上を行けたことは絶無であろう……と、恥を覚悟でカミングアウトする。もちろん、『2(ドス)』の時代に雪山の安全地帯から散弾を撃ちまくって倒したことはあるが、あれは脱法戦法のようなものなので"勝負"というにはほど遠い。それに『2nd』では雪山の安全地帯がなくなったので、もうこの戦法は使えないのだ。俺はイヤだろうがナンだろうがガチンコで、この白き霊獣に挑むことになったわけだ。

 さて、ここで問題となるのが"ガンランス"である。そもそもキリンは、ボスクラスのモンスターの中ではずば抜けて動きが速く、しかも体格が小柄なので的が小さい。動きも直線だけではなく、大きなサイドステップをくり出してくるので非常に攻撃の狙いが絞りにくいのだ。となると、ガチンコでのキリン戦で持っていきたい武器は、遠距離からでも攻撃できるライトボウガン(ヘビィボウガンは機動力が低いので俺は持って行きたくない)、機敏に動ける片手剣、堅い外殻を気にせず攻撃できるハンマー、そしてなぎ払いで高角度に攻撃ができる大剣……と言ったところか。どう考えても、直線にしか攻撃できず、堅い外殻に跳ね返される可能性の高いランス系の武器はキリンに向いているとは言えない。ガンランスの砲撃や竜撃砲もまともに当たるとは思えず、戦うまえから暗雲が垂れ込める……どころか、はっきり言って相手にならない可能性が高いのだ。しかし、俺はこの日のための秘策がふたつあった。キリンに有効そうなスキルを突き止めたのである! まずは"秘策その1"のスキルを纏って、俺は雪山に赴いた。ちなみに、装備は以下のような感じだ。

ガンランスvs.キリンにおける俺の装備(その1)

●武器……水属性の某ガンランス
●防具……斬れ味レベル+1&業物発動防具
●所持アイテム
・回復薬グレート(10個)
・回復薬(10個)
・薬草(10個)
・秘薬(2個)
・ホットドリンク(5個)
・生命の粉塵(3個)
・そのほか、砥石やペイントボールなど

 注目すべきは、いつもの回復薬トリオ(回復薬、グレート、薬草のことね)に加えて生命の粉塵(自分だけでなく、パーティーの仲間の体力を回復する接待必須アイテム)まで持ち込んでいるところか。シングルプレイなのに、パーティープレイ用の回復アイテムまで持ち込んでいるところに、いかに俺がキリンにビビっているのかがよく現れている。って、自分で言うのもナンだがネ。ちなみに、武器の欄に具体的なガンランス名が書いていないのは気にしなくていいヨ^^ 今回の作戦には、どうしてもこの武器が必要だったので^^ そう、俺の"秘策その1"とは、"武器の斬れ味に白ゲージを出現させ、キリンの堅い外殻などものともせずに斬りまくる!"というものなのだ!! この作戦を実施するには、白ゲージが出る武器がどうしても必要だったのだっ! なので村クエをやっただけでは作ることのできない反則技のような武器を持っていったとしても見逃してネ!! ネ! ネ!! と、俺は以前もこんなこと言ったなぁ……と思わなくもなかったが、必死にネ! ネ! を連発しながらキリンと対峙した。

 「よくもいままで、夢にまで出てきて俺を感電させてくれたな……。でも今日は白ゲージの武器でボコボコにしてやるぜ。ケケケ」

 俺はケケケーと怪音を発しながら、寒立馬のように吹雪の中で佇むキリンにガンランスの切っ先を向けた。突き刺され! 俺のガンランス!! このトラウマモンスターに目にものを見せてやろうぞ!!

 しかし。

 ガキーンガキーンガキーンガキーン……

 !!!!

 さささ、刺さんねえのかよガンランス!!!

 俺とガンランスの苦闘が始まった。

 (以下次回)

投稿者 大塚角満 : 16:47
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第42回 グラビモスがやって来る

 本日は予定だとキリンvsガンランスの熱戦の模様をお届けするはずだったのですが、いろいろと事情があってキリンのことを書くのはもうちょっとあとになりそうです^^; ……え? どうせ勝てないから書きたくないんだろう、ですって!? ししし失敬な!! そんなことはそんなことは……アーそんなことは……。ま、まあヤツはそのうち目にモノを見せてやりますよ^^;;;

 というわけで、今日もゲームとまったく関係のないことを書かせていただきます。本当に徹底的に『2nd』とはまるで結びつかないようなことを書く予感がしているので、読者の皆様もそのつもりで、ここから先は進んでいただきたいと思います。

 昨日のことである。

 久しぶりの休日となった風の強い日曜日。ここのところ激務が続いていたのでちょっと身体をオーバーホールしないとマズイな、と思い、最近家の近所にできたスーパー銭湯に行くことにした。スーパー銭湯とはその名のとおり、非常に設備が整った巨大なお風呂屋さんのことで、俺が行ったその施設にはサウナや露天風呂はもちろん、整体、アカスリ、岩盤浴に、エステ、理髪店までついている。できたばかりなので館内も非常に小奇麗で、値段がリーズナブルなことも相俟って、またぜひ行ってみたい! と思わせるに十分なパワーを持った施設となっている。

 あ、何を俺はスーパー銭湯のことをこんなに詳しく書いているのだろうか。非常に気に入ったので思わず167文字も使って説明してしまったが、今日の話のテーマとスーパー銭湯は、じつはあまり関係がない。関係があるのは、そのスーパー銭湯の脱衣所にあった、ひとつのマシンなのである。

 こういうところには必ずと言っていいほど、自分がどれくらい地球の重力の影響を被っているのかを測定する機械がある。うんまあ、簡単に言うと"体重計"ってヤツですね。じつは我が家にも、体重以外にも体脂肪率やら基礎代謝やらも計測できるなかなか優秀な体重計があるのだが、最近、俺が乗るとあまりにも無遠慮な数値を叩き出そうとしやがるものだから、3ヵ月くらいまえから乗ることをやめてしまった。いま乗ってしまうと、自分の想像を超えた非常に忌まわしい数値がそこに刻まれる気がする。霊感にも近い確信に阻まれ、俺は自宅の体重計を物置に放り込んでしまった。

 そんないわくつきのマシンが、スーパー銭湯の脱衣所に現れたのだ。うーん、これはどうしたものか。でも自宅の体重計に乗らなくなってから3ヵ月ほどが経過したが、俺がこの間に何の努力もしていなかったのかと言うと、じつはそんなことはないのだ。キチンと食事まえにはウーロン茶を飲むという、非常に効果が出るのが目に見えづらそうな、気長なダイエットを続けていたのである。

 (もしかすると、一時期に比べて劇的に痩せてるかも……)

 体重計を前にした俺がそう思ったとしても、誰も責めることはできないであろう。計測してみる価値はある。よし、乗ってみよう体重計に。きっとランゴスタが裸足で逃げ出すくらいの数値が表示されるに違いない。意を決して、俺は慎重に両足を体重計に乗せた。それと同時に、デジタルの数値がピロピロとめまぐるしく動く。そして……。

 (うおおおおおおお!!!)

 俺は心の中で絶叫した。それはもう明らかに、断末魔の悲鳴であった。プクプクに太ったモスが10匹ほど連なって、うれしそうにエサを食んでいる姿が脳裏に閃いた。そしてモスの行列のうしろから、ころころに肥えたバサルモスが「早くこっちに来いよ〜^^」と言いながら駆け寄ってこようとしている姿がはっきりと見えた。く、来んな! こっちに来んなバサルモス! 俺はまだそこまで行ってねえ!! しかしまだバサルモスでよかったのだ。もしもこれで、御大・グラビモスまで出てきた日には、俺はどうすればいいのだ……。ここで強引に話を『2nd』に結びつけるが、俺はできることならティガレックスのように、筋骨隆々で猛々しい男になりたいのだ!

 というわけで、炎のダイエット宣言。バサルモスになりつつあるこのたるんだ身体を、引き締まったティガレックスボディーにするまで徹底的にダイエットする! ここで大々的に宣言しちまえば、中途半端でやめる、ってわけにもいかないだろう。見事、ティガレックスもかくやというビルドアップされたボディーを手に入れた暁には、ここでご報告したいと思う。乞うご期待!!

 ね、ぜんぜんゲームと関係なかったでしょ。

投稿者 大塚角満 : 14:36
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第41回 キリン〜気高き霊獣を追って〜

 ファミ通.comにおける"『モンスターハンター』プレイ日記"の連載は、じつに3年に及ぶ。回数にして、約150回ってところか。うーん、よくぞ単一のシリーズでこれだけ長いこといろいろ書いてきたものだ。我がことながら、驚いてしまうのう。

 ところが、こんだけたくさん駄文を連ねているというのに、ただの一度もメインのテーマとして書かれたことのないモンスターがいる。サァどうだ。何だと思いますか? まあ俺が思いつく限り、あのモンスターしかいないんですけどね。……え? ドドブランゴ? ……た、確かにあの白ザルのことはここでは書いてないな。うーん、じゃなくて、初代『モンハン』の時代からいるのにここで扱われていないモンスター、ってことですよ^^ え。ケ、ケルビ? たた確かにケルビのことも書いたことナイ……。……なに? ガレオスのことも書かれてないって? たたた確かにガレオスも……。じゃあなくてぇ、ボスクラスのモンスターで、ってことですよお。やだなあもう。……えええ! ドスガレオスのこと書いてないぞ、ですって!? うおお……かか、書いてねえ……。ていうか、ドスガレオスをテーマに書くことが思いつかな……。はい? ドスランゴスタのことも書いてないぞ? そそそそういえば書いてな……って、そんなモンスターいねえ!! (※書き加え そういえばイベントクエスト"雲霞の如く"で戦うやたらとデカく見えるランゴスタは、ドスランゴスタという名前だったりするのでしょうか?)

 もうキリがないので止めます。ていうか、思いっきりコラムのタイトルになってるので空々しいったらありませんね。そうですね。ここで俺が扱いたいのはそう、白き霊獣"キリン"なのです。いまのいままで、あれほどインパクトのあるモンスターのことをひと言も書いてこなかったってのが驚きなんですが、筆者の想いを考慮するとあまり驚きじゃありません(どっちなんだ)。俺の中ではキリンほど、どう扱っていいのかわからないモンスターはいないのである。こういうことって、ありませんか? なんかこう、あまりにも容姿端麗で強烈なオーラを纏っている女性に気後れしてどう対応していいかわからず、「ああ……また今度……」ってな感じで敵前逃亡すること。ね、ありますよね? 俺にとってのキリンが、まさにこれなのだ。神々しいまでに美しく、俺のようなものなど近寄ってはならじ、と思わせるあの雰囲気……。しかもキリンは、ちょっとアンタどうしたの? って言いたくなるくらい、強い。まともに接近戦を挑んだら、恐らくどの飛竜と戦うときよりも回復薬を使わざるを得なくなる。少なくとも、俺はそうだ。なので俺は、キリン戦が嫌いなのだ。こんだけダラダラ書いておいて、けっきょく行き着いたところは「アイツ強いから行きたくない」って結論になっているが、気にしないでください。

 しかしキリンとあまり戦っていなかったのか、と言われると、じつはそうでもない。とくに『2(ドス)』の時代は頻繁に戦っていた気がする。いや、気がする、じゃないな。確実に、頻繁に戦っていた。

 それはなぜか。

 じつは『2(ドス)』のときは、戦場は雪山に限るのだが、こちらはほとんどダメージを受けることなくキリンを倒すことができたのだ。近接武器ではなく、武器はボウガンで、だけど。高台に上ってピキュンピキュンと弾を撃っていれば、まずこちらが倒されることはなかったのである。まあ安全に戦えるのは雪山だけだったので、火山や塔にキリンが出没した、という情報が流れてきてもチキンの俺は決して出向かなかったけどな。なので『2(ドス)』の時代のキリン戦において、俺はボウガン以外の武器を装備していた記憶がほとんどない。たまに遊びでガンランスや大剣で挑んだことはあったが、あの雷攻撃がどうしても読みきれずに感電ばかりして、そのたびにボロボロのコゲコゲにされていたのだ。つまり俺は、近接武器によるキリン戦が、究極的に苦手なのである。

 そして白状してしまうが、あまりにも苦手なために『2nd』においても、俺はいまだにキリンに挑んでいない。シングルプレイでもパーティープレイでも、一度も戦ったことがないのだ。苦手意識ここに極まれり、って感じだが、どうしてもキリンのクエストを選ぶことができなかった。するとある日、おなじみのWちゃんからメールが1通届いた。この人は『モンスターハンター』に出てくるモンスターの中で、何よりもキリンが大好きだったりする。メールを開けると、そこにはこんな文字が……。

 「まだコラムでキリンのこと書いたことないよね? ガンランスでのキリン戦、よろしく」

 よ、よりによってガンランスか……。この重い武器で、あのす速いモンスターを捕らえることができるのだろうか……? でもいつまでも避けて通るわけにもいかないだろう。これはいい機会だ。自慢のガンランスで気高き霊獣を打ちのめし、我がトラウマを消し去ってしまおう!

 次回、ガンランスvs.キリンの熱闘をお届けする!

投稿者 大塚角満 : 13:31
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第40回 イーオスのキモチ

 性懲りもなく集会所★4のクエスト"巨大龍の侵攻"を受注。比較的緩慢に時間が流れるラオシャンロン撃退クエストを、アクビを噛み殺しながらプレイしていた。

 以前書いたように、ラオシャンロン撃退クエストは基本的にヒマである。ハンターの存在など眼中になく、ただただ前へ前へと侵攻してくる巨大龍にじゃれつくことのくり返しになるので、慣れてくるとどうしても、退屈になるのである。そのためベテランハンターたちは、「度胸試し!」とか言って歩み来るラオシャンロンの足元に寝転がり、踏み潰されるギリギリまで挑発行為をしたり(たいがい踏み潰される)、「けたぐり!」と叫んでラオの巨大な足にキックをくり返したりする。……え? しない!? またまたぁ^^ 俺はしますよ? ……え? あんただけだ!? そうですか……。

 まあとにかく、そういう無駄このうえない行為をしたくなるほど慣れ親しんだラオシャンロン撃退クエストだが、1ヵ所だけ、ラオシャンロン以外の敵が出るエリアがある。それが決戦場となる5のエリアにつながる通路、"6"のエリアなのだが、ここにはなぜか昔から、赤トカゲことイーオスが棲みついている。こいつがウザい。ジェノサイドの巻物をぶつけたくなるくらい、究極的にウザい。

 ラオシャンロン撃退クエストでは、4のエリアでの戦闘を終えたら決戦場に向かうわけだが、決戦の場となる城門には対ラオシャンロン用の兵器としてバリスタと大砲がしつらえられている。まあこれは使っても使わなくてもいいのだが、誰だかわからないがせっかく設置してくれたので使わないと悪いと思い、俺は両方の兵器を活用することにしている。バリスタの弾はほかの実用品といっしょでアイテム袋の中に入れられるのだが、大砲の弾は巨大なので卵運搬と同じように両腕で抱えてピコピコと歩いて運ばなければいけない。こいつがクセモノなのだ。

 城門に向かうにはどうあがいてもイーオスの棲家である5のエリアを通過しなければならないのだが、ここにハンターが現れると、イーオスは俄然、目を輝かせる。

 「お、来た来た。久々に人間が来たぞ来たぞ」

 と、イーオスAは好色そうに舌なめずりをして、「ちょっと遊んでいけよ〜^^」と言いながらヒョイヒョイとじゃれついてくる。こちとら、大砲の弾を抱えている身なのでいつもよりも動きが鈍く、「やめろやめろやめろ」とわめきながらすんでのところでイーオスAのじゃれつきをかわす。しかしホっとしたのもつかの間、今度はイーオスBが「お〜^^ 来たな来たな^^」と言わんばかりの笑顔で抱きついてくる。俺は「くんなくんな! あっちいけコラ!!」と大いに慌ててアナログスティックをグリングリンと動かしてこれを避ける。しかし恐ろしいことにこのエリアにはイーオスCも潜んでいて、奇跡の操作でイーオスBをかわして逃走を図る俺に向かって遠くからドロップキックをかましてくるのだ。ドロップキックは見事に俺の背中に命中し、落ちた大砲の弾は大爆発。俺は「あ!!!」という世界最短の絶叫を発したあとあまりの怒りに本気でブルブルと身体を震わせ、「いいいいーおすテメこらこの※▲○×◇%$!!!」と周囲の冷たい視線も気づかずにデスクで大暴れすることになるのだ。今日もそうだった。しかも、涙を流しながら何とか立ち上がって「もう1回運ぶんだ、大砲の弾><」と健気にキャンプに大砲の弾を取りに帰り、再びエリア5に入ったところで「お〜^^ また来たな〜^^」とニコニコしながら接近してきたイーオスB(Aかもしれんが)に抱きつかれて、なんと2回連続で大砲の弾の運搬に失敗してしまったのである。これには怒りを通り越して、本気で泣くところであった。

 それにしてもなぜイーオスは、これほどこちらのイヤがることをするのであろうか。彼らが何もしてこなければ、こんな僻地(?)で細々と暮らしている赤トカゲなど俺も相手にしないのに。セクハラまがいに抱きついてこようとするからこちらもムキになって、「さわんないで!!」と言わんばかりに斬りかかったりするわけである。

 そこで俺は考えた。イーオスのキモチを。砦なんてなかなか人もケモノもやってこない、寂しい寂しい忘れられた土地のようなものであろう。ときたまラオシャンロンやらシェンガオレンといった宇宙生物もかくやというやたらとでっかい客人がやってくるが、もとより住む世界が違うモンスターなので、3匹のイーオスたちは「なんかでっかいの来たねぇ……」と呆然と見送っているに違いない。「ああいう大きいのとはわかりあえないだろうねぇ……」とまで言っているかもしれない。でも彼ら以外にやって来るものといったらそれこそハンターしかいないわけで、イーオスたちは我々ハンターを見ると、ついついうれしくなって飛び掛ってしまうのではなかろうか。

 そう、イーオスたちは寂しいのだ。彼らは我々に攻撃を加えたいのではなく、ただただ遊んでほしいだけなのだ。

 こう考えると、砦に棲む3匹のイーオスたちがとても哀れに思えてくる。大砲の弾を持っているときにじゃれつかれても、「寂しいんだからしかたないよな」と思えるような気がしてきた。

 そういう心構えで、本日2回目のラオシャンロン撃退クエストに行ってみました。そして同じように、大砲の弾を抱えて5の地点に乗り込みました。優しい自分に出会えるような気がしましたが、結果は、

 「いいいいーおすテメこらこの※▲○×◇%$!!!」。

 やっぱり俺は『モンスターハンター』の世界では、大人にはなれぬ。

投稿者 大塚角満 : 16:19
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第39回 偉業!? ノンストップ討伐達成!

 最近の『2nd』におけるマイブームは、地味で面倒くさいイメージしかなかった"採集系クエスト"と"雑魚敵多数討伐クエスト"をこなすこと。なかなか凶悪なクエストに集中することができない日々が続いているので、これらのお手軽クエストはじつに具合がよろしいのだ。……具合がいいとか言いつつ、ゲネポス20匹を討伐しろとかコンガ20匹をしばいてこいとかいうクエストは、正直、クックやゲリョスを1匹倒すよりもキツい。倒しても倒してもウジャラウジャラと湧いてくるこれらの雑魚どもは心の底から鬱陶しくて、イラつきを解消するために深夜の編集部で怒りのスクワットを38回もやってしまったほどだ。そもそも雑魚敵というものは、生きていくうえでのレゾンデートル(存在証明)が"いかにハンターどもにウザがられるか"というものなので、間違いなくハンターを"倒そう"という気持ちよりも"嫌がらせをしよう"という方向にベクトルが向いている。コンガなんかは完全に、「どうせやられんのなら、みんなでいっせいに屁を引っ掛けてやるべ!」としか考えていないし、ゲネポスも「一撃でやられるのはわかってっけど、縦横無尽に跳び回ってイライラさせてやるだ」と思っているに違いない。こういう、ハナからこちらを怒りで震えさせようとしているものを相手にするのは本当に骨が折れる……って、俺はまた何を関係ないことを長々と書いているのでしょうか? このまま行くと、つぎはブランゴの悪行についてさんざん文字数を使いそうだし、それが終わると今度は我が天敵草食獣・ガウシカのことを再びここに書き連ねる気がする。そしてガウシカバッシングの気が済んだら……とこうなるといつまで経っても終わらないので止めますね。

 そう、俺は昨夜、ある偉業を成し遂げたのだ。

 以前、"ガンランサー、大剣を語る!"というコラムで、

 "大剣は操作もシンプルで、走って敵に接近して△ボタンで武器出し攻撃、その勢いで○ボタンを押してなぎ払い攻撃、そのまま剣を収めずに△+○ボタンで斬り上げ攻撃を行う。この3つの攻撃方法で、モンスターの妨害さえなければ永遠に斬り続けることができる。つまりヘタをすると、最初に走り込んでの武器出し攻撃が当たったあとに連繋攻撃がうまく繋がれば、そのままモンスターが昇天するまで攻撃し放題になるのである! ……まあそんなのは夢想もいいところなのだが、そういう無茶な考えが頭に浮かんでしまうほど、大剣は攻撃しやすい武器だ−−"

 と書いたのだが、ここでは"夢想"としていたノンストップ・ボス敵撃破を成し遂げてしまったのである!! おおお、そいつはすげえ!! と自分でビックリしてもしょうがないのだが、やり込み大賞に応募できるんじゃないかと思うくらいすごい快挙をやっちまったのだ。なので今回は自慢たらたらで、そのときの俺の雄姿を再現したい。

 昨夜俺は、密林マップに釣りにでかけた。そう、黄金魚3匹納品クエストを受注したわけですね。こういった納品系のクエストでも、イャンクックやらドスゲネポスといったボスクラスのモンスターは出てくるわけだが、今回はそういった連中はまったく眼中になく、俺は釣りに没頭することにした。俺は群馬の山猿男なので、釣りにはけっこううるさいのである。釣りのときは雑念を切り捨て、徹底的に集中したいのだ。なので部下が「原稿チェックお願いします」と声をかけてきても、「うっせ! 釣り人に話しかけるなコラ!!」と天竜川で鮎の友釣りをしているおじ様のような心境になって一喝することにしている。それくらい釣り名人の俺だから黄金魚ごときは敵ではなく、ものの数分で所定数の3匹を釣りあげる。余裕余裕。俺はすっかりご満悦となってきびすを返し、キャンプに戻ろうとした。

 振り向くとそこに、巨大なモノブロスの頭蓋骨が転がっていた。アレ? なんでモノブロスの骨が……と一瞬だけ思ったが、それはもちろんダイミョウザザミ。そう、このクエストに出てくるボスクラスのモンスターはダイミョウザザミだったのだ。このクエストの目的は黄金魚を3匹納品することなので、ダイミョウザザミなどはでっかいオブジェだと思ってシカトしても構わない。でも俺がそのとき背負っていた武器は、ダイミョウザザミの苦手属性である"雷"を纏った強烈な大剣。きっとさほど苦労することなく倒すことができるだろう。よし、じゃあせっかく出会ったのだから相手になっていただくかな……という、あまり積極的ではない動機でもって、俺はダイミョウザザミに大剣を振り下ろした。

 ぷしゅーっと噴き出すダイミョウザザミの体液。俺は間髪入れずに○ボタンを押して剥ぎ払いをお見舞いし、すぐに○+△ボタンを押して斬り上げをくり出す。ここまで連続で攻撃を食らわせるとたいがいこちらも何かしらのダメージを受けているものだが、うまい具合にダイミョウザザミの攻撃が当たらない箇所にハマったらしく、我が分身の体力ゲージは1ミリたりとも減らない。俺は気をよくして斬り上げから縦斬りに攻撃を連繋させて、さらに○ボタンを押してなぎ払いを再び見舞う。ここまで来ても我が分身の体力はまるで減っておらず、さらに俺はコンボをつなげ、ダイミョウザザミがコケても見事に視点の切り替えを図り、連繋を途切れさせることなく剣を振り回す。我が大剣はことごとく巨大なカニの顔や脚にめり込み、斬れ味が多少落ちてもまったく気にせずに悪鬼のごとき勢いでさらに剣を振り下ろす。もう止まらない。こうなったらコイツが昇天するまで止まることなく剣を振り続けてやる!! しかしそう思ってしまうと、まるでノーヒットノーランを目前にしたピッチャーのような心境になってしまって途端にガタガタと指が振るえ始める。や、やべえ、緊張してきた……。大記録をまえに、手のひらが汗ばんでくる俺。しかしノンストップ討伐のチャンスなんて、そうそうあるとは思えない。ならばこの機会を逃すわけにはいかぬ!!

 「うおりゃぁあああ!!」

 このクエスト中でもっとも気合のこもった縦斬りがダイミョウザザミの頭上で閃く。ずばっしゃああああ! とめり込む雷の剣。するとさしもの巨大蟹もついにそこで地響きを立てて、雨に濡れた密林の大地に横たわった。俺は勝った! 最初の一振りから一度も攻撃を止めることなく、ノンストップでダイミョウザザミ討伐を果たしたのだっ!!!

 いつもはヘッポコなことばかり書いている俺だが、じつはヤルときはヤル男なのだ。まあ手練のハンターから見たらたいしたことないのかもしれないが、俺がやるとなんだかものすごい偉業のように思えてくるから不思議である。

投稿者 大塚角満 : 17:23
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第38回 リアル虫の木

 俺は築30数年は経過しているボロボロの一戸建て住宅に住んでいる。この家の小さな庭には梅、柿、そしてダイダイというナリモノの木が植わっているのだが、これはこの家の以前の持ち主が植えたもので、現在の家主である俺の意向とはまったく関係のないものだったりする。じつはここに越してきたときから、俺はこいつらに悩まされ続けているのだ。

 これら3本の木は非常に元気で、春には梅の実がどっさりと実をつけ、秋には巨大な百目柿が恐ろしいほど実って隣家の庭に絨毯爆撃を敢行する。当然、隣家に住む奥さんはやたらと庭を汚されるのでおもしろくなく、春には「ホント、たくさん実るわねぇ、オタクの梅。ウチの庭にもいーっぱい落ちてる」と言い、秋には「ホント、立派な柿ねえ。ウチの庭にもたーくさん落ちてる」とのたまう。そのたびに俺は平身低頭となり、「ごめんなさいごめんなさい」と言いながら隣家の庭を掃除してりしているのだ。

 まあこれはいいのだが(よくないが)、じつはこの3本の木にはもっと恐ろしい秘密があるのである。元気でたくさん実をつけることも関係してか、やたらとこれらの木にはお客さんが多いのだ。え? どうせカラスやスズメだろうって? そんな日本昔話のような牧歌的な光景が広がるのならいいのだが、集まってくるお客さんはそんなものではない。めったやたらと"虫"が集まってくるのだ。

 まず春。梅の木に実が成るころになると、木の枝のいたるところにアブラムシとカイガラムシがビッシリと張り付く。これはキモイ。写真を貼り付けると二度と女性の読者がここを訪れなくなると思われるほどキモイ。なので写真は貼らない。っていうか、撮ってない。

 そして梅雨の時期になると、ダイダイの木にアゲハの幼虫がうじゃらうじゃらと発生する。1匹や2匹ではなく、毎年10〜15匹くらいはこのダイダイの木から巣立っているのではあるまいか。まあアゲハだったら成虫になってもキレイだし、幼虫もどことなくかわいらしいので許してあげよう。オウビート装備が作れるかもしれないし。それよりも問題は秋の柿の木だ。

 柿の木には夏の終わりから秋にかけて、ある意味非常に美しい蛍光グリーンで彩られた、ちょっと毛深い虫が大量発生する。10匹や20匹なんて生やさしいものではない。余裕で100匹、150匹というレベルで柿の木に鈴なりになるのである。あ、もちろん、虫除けの薬は毎年キチンと撒きますよ。それでもどこからともなく現れて、こいつは発生するのだ。これはイラガという蛾の幼虫で、興味があったらネットで検索してその姿をぜひ見ていただきたいのだが、確かに色自体はキレイなのだがルックスそのものは絶望的に極悪で、「この世に存在してはならじ!!」という気持ちを見るものに植えつけてくれるほど。しかも始末が悪いことにこのイラガの幼虫は強烈な毒を持っていて、聞くところによると日本に存在する毛虫の中で、刺されると最強の痛みを感じさせるツワモノなんだとか。そして俺は毎年1回は、この毛虫に刺されている。日本に存在するすべての種類の毛虫に刺されたわけではないので最強に痛いのかどうか判断できないのだが、究極に尖った焼け火箸でツン! っと突っつかれたときのような(そんな経験ないけど)強烈な痛みが患部から広がり、しばらく刺された場所を中心に猛烈なシビレが取れなくなる。それくらい痛い。俺が刺されたことのある毛虫の中では、ダントツにいちばん痛いと断言しよう。

 もしも我が家の庭にアイルーが住んでいて、この恐怖の柿の木の下で「ハンマーを貸すからぶっ叩くニャ!」と言ったらどうしよう……。ポッケ村の虫の木をジャストのタイミングで叩けなくていつもイライラしている俺だが、我が家の虫の木ではジャストで叩けないことを神に感謝するであろう……。今年もやる気まんまんに葉をつけ始めた柿の木を仰ぎ見ながら、俺はそんなことを思ったりした。

 ……ってこれのどこが『2nd』のプレイ日記なんだ!! ゴメンナサイ。

投稿者 大塚角満 : 14:36
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第37回 また来たんですか、ラオさん……その2

 うお、もうこんな時間か……。最近、仕事に忙殺されて『2nd』をやったりこのコラムを書いたりする時間があまり取れなくて……;; しかし考えてみると、仕事はやはり最優先事項なわけだが、俺の場合は『2nd』で遊ばないとなかなかコラムが書けないわけで、でも『2nd』で遊ぶことが仕事かというとどうもそうじゃない部分も大きいわけで、とは言うもののやっぱり『2nd』をプレイしないとコラムが……と書けば書くほどわけがわからなくなってくるのでこのへんでやめますが、最近とにかくボクは混乱の極みにあるのです。

 さあて、ラオシャンロン戦の続きだったな。俺はガンランスはひとまず置いておいて、龍属性の片手剣を持ってクエストに出撃したんだった。なぜガンランスで行かなかったのかと言うと、当時はラオに有効そうなブツを持っていなかったのと、明らかにガンランスはこの巨大龍に向いていなそうだったから。じつはこの判断はある意味正しくて、数日後に河合リエに「ラオやりたいんだけど、大塚さん手伝ってよ」と言われ、そのときは「まあ俺のクエじゃないからテケトーでいっか」と判断し、ガンランスで出撃したのである。河合リエが大剣で頭を狙うというので俺はラオの腹の下に潜り込んでツンツンツンと突っついていたのだが、しょっちゅう攻撃が弾かれるし足で踏み潰されるし、そうこうしているうちにアレヨアレヨと言う間にズンズンズンと前に進まれ尻尾で引っ叩かれるしでまるで戦力にならないガンランス(ていうか俺)。すぐに「あ、ガンランスってラオに向かないかも」とおずおずと申告したものの、強烈な眼力光線と「はぁ!?」というひと言を浴びて奮起し、必死こいてがんばってなんとかこのクエをクリアーしたのである。正直、明らかに俺の腕不足のせいで苦戦したのだが、それを差し引いても、ガンランスにとってのラオシャンロンは決して与し易し、という相手ではないと思われる。

 とまあそういうわけで、俺はラオと相性の悪いガンランスは捨てて、片手剣を持ってクエストに出掛けたわけである。じつは上記の記事をよーく読むと、俺のこのクエストと河合リエのクエストの前後が巧妙に逆になっており、俺が自分のクエストに片手剣で臨んだことが見事に正当化されているが、読者の皆さんは騙されてはならぬ。……って自分でバラしてりゃ世話ないですね。そうですね。

 さて、ようやく本題を書く気になりました。

 ラオシャンロン撃退クエストは、特別に作られた通路をズンガズンガと進んでくる巨大龍にひたすら攻撃を加え、砦を壊すことをあきらめさせるのが目的だ。やたらめったらと攻撃を加えても、ラオシャンロンは基本的に「……」という吹き出しを浮かべながら無表情で前へ前へと進んでくる。怒ってるのか泣いているのかもよくわからないラオシャンロンを相手にするのは、正直、ぬかにクギというか雪に小便というか、とにかく手ごたえがあまりなくて、2、3回もすればこちらのほうが「……」と無表情になってしまうものである。まあ要するに、慣れてしまえばじつに単純なクエストなわけですね。もっと簡単に言うと、慣れてしまうと眠くなるくらい容易いクエストなのだ。まあベテランだしね、俺。身体がデカいだけじゃ、俺を驚かせることはできないよ^^

 そういうナメきった態度でラオシャンロン撃退に赴いた大塚角満。生あくびを噛み殺しながら、じつにテキトーに顔やら腹を切りつけておりました。最終決戦場となる6のエリアでもナメた態度は変わらず、竜撃槍を外しても、「アレ、外しちゃった。ま、いっか」と意に介さずにさらにテケトー化して片手剣を振り回した。信じがたいことだが、俺はこれでも余裕でクリアーできると思っていたのだ。しかしモンハンの神様は怠慢なハンターは決して許さず、無常にもクエストは失敗。見事ラオシャンロンに砦を破壊されてしまった。

 俺は驚いた。まさか失敗するとは!! 驕る平家は……じゃないが、たいした腕もないくせに慢心していると、今後の『2nd』生活に大きな支障が出るに違いない。俺はフンドシを締めなおして、今度はかなーり真面目な態度で同じクエを受注。大タル爆弾なんかもこっそり懐に忍ばせて"必勝"を心に誓って再びラオシャンロンの前に立った。

 しかし心を入れ替えて臨んだはずが、なんとこの回もクエストは失敗に終わる。なんたることだ……。真面目にやったのに、どうしてもラオを撃退することができぬ……。俺は大いに焦り、「これは武器のせいだ!!」とわがままに言い放って、武器をライトボウガンに換えた。そう、最終兵器"拡散弾レベル2"の力を借りて強引にクエストだけクリアーしてしまおうと思ったのだ。

 ところが!! なんとライトボウガンを用いても、俺はラオシャンロン撃退に失敗してしまう。い、いったいどうすればコイツを倒せるんだ……。その後俺はランスを持ち出して虫けらのように潰され、「最後の砦!!」と勢い込んで装備した双剣でも及ばず、ついに万策尽き果ててしまったのだ。バカにして悪かった、ラオさん……。あんたやっぱり、強かったよ……。

 そして俺は取り出した。究極兵器、"携帯電話"を!!

 俺は友だちと合流し、その日のうちにラオシャンロン撃退に成功する。しかし、気持ちはひとつも晴れなかった。俺は負けたのだ、巨大龍に……。

 もうちょっと強くなったら、再度俺の挑戦を受けてください、ラオさん……。

投稿者 大塚角満 : 19:21
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第36回 また来たんですか、ラオさん……

 そうですか、ラオシャンロンですか。なるほどなるほど……。はぁ……(ため息)。

 ハンターのあいだではすっかりおなじみの巨大龍、ラオシャンロン。威風堂々とした体躯と、いくら攻撃を食らってもひたすらずんがずんがと前に進んでいく様は、まさに古龍の中の古龍、って感じがして見るものに感動すら覚えさせる。どう考えても、ちっぽけなハンターがひとりで立ち向かっても勝てるとは思えず、いくら屈強な武器で突っつこうともラオシャンロンは「……」と頭の上に吹き出しを出すばかりで、こちらの攻撃などまるで意に介さない風を装う。彼の歩みはいっこうに止まらず、いつまでもポーカーフェイスに「……」の吹き出しを出したまま、砦マップの通路を破壊して歩くのであった。

 ところが集会所の受付ねえちゃんは、この巨大龍を撃退しろとムチャな要求を突きつけてくる。「ねえちゃんあんたラオ見たことあんのか!」と突っ込みたくなるが、彼女はラオ並みにこちらの言うことなど意に介さず、「はい、がんばって♪ いってらっしゃい♪」などと言う。さあ困った。ラオを倒さないとクエストを進めることができない。はたしてガンランスで、この巨大龍を退けることができるのであろうか? ……まあべつにガンランスではなく、たとえば龍属性を持った片手剣や屈強な双剣、はたまた火属性のキケンな大剣などを持っていけばわりと元気に立ち回れるような気もしたが、やはりそこはさすらいのガンランサー大塚角満。そのモンスターに最初に挑むときはやはり、ガンランスを持っていきたいのである。でも武器庫をいくら引っ掻き回しても、ラオシャンロンが泣いて喜びそうな強力なガンランスは出てこない。

 「うーん、じゃあ仕方ないか^^;」

 ってことで俺はやむを得ず、龍属性の片手剣を持ってラオシャンロン討伐に出かけることにした。本当はガンランスで行きたかったのだが、見合う武器がなかったんだから仕方ないよネ。あまりショボい武器で行ったのでは、古龍の中の古龍と崇め奉られるラオシャンロンに失礼だもんネ。そうだよネ! ネ! と、俺は誰に言い訳しているのかまるでわからないながらも、ひたすら「ネ! ネ!」とくり返して"砦"マップに降り立った。

 で、ここからラオシャンロンとの壮絶な戦いが始まるわけだが、冒頭で「はぁ」とため息をついたとおり、俺はラオと戦うことはあまり好まないのである。

 それはなぜか。

 キリがいいので、続きは次回で^^;

投稿者 大塚角満 : 16:47
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第35回 ガンランサー、"双剣"を語る!?

 って語れるほど使ってねえだろ!!!

 と、いきなり自分に突っ込んでみた大塚角満です。でも聞いてください。

 作ったんですよ双剣。このコラム用に作ったってわけではなく、あるモンスターのあるクエストで躓き、「もう絶対にひとりじゃ無理」といじけモード90パーセント突破……ってなったとき、(でももしかしたら、双剣の手数があればひとりでもクリアーできるかも)と思ってそのときにリストに出ていた中ではいちばん強いと思われる双剣を作ったのでした。……なんだか奥歯の間にモノが挟まったような読みづらい文章で恐縮ですが、まあそういうワケアリの状況下で俺は双剣を作ったわけですね。そして俺の目論見はまんまとハマり、見事そのクエストをひとりでクリアーすることができたのであった。

 "双剣"という武器カテゴリーが登場したのはプレイステーション2の『モンスターハンターG』のときだ。新しい武器カテゴリー、ってだけでハンターのあいだでは話題持ちきりだったが、実際にそのいでたちを見て、そして使ってみて、全国の多くのハンターが「これは使える!」と快哉を叫んだものである。人気は右肩上がりのストップ高状態。結果、あっと言う間に双剣は武器人気ランキングのトップに躍り出ることになる。……まあ集計を取っているわけではないのでこれは当時の俺の感想ではあるのだが、双剣はそのくらい、人気の武器だったのでありますね。

 実際、双剣は強かった。防御ができない、というハンデはあるのだが、俺の友人のようにランス使いのくせに「防御なんてしたことがない」って人がいるくらいだから、防御ができないことは大きなデメリットにはならないのであろう。双剣を持ったハンターは例外なくアドレナリン分泌率150パーセントくらいの状態になって、「うりゃりゃりゃりゃ〜〜っ!!」と攻撃を食らおうがなんだろうが気にせずに、鬼人化して斬り込んで行く。双剣を持ったハンターは、誰もがそのとき、屈強な勇者になるのである。基本の攻撃力はたいしたことないように見える双剣だが、「おまえ肩外れるど」と言いたくなるくらいめったやたらと剣を振り回すので、モンスターに与えるダメージは結果として、とてつもなく甚大なものになるわけだ。手数が多いってことは状態異常攻撃との相性も抜群にいいわけで、俺は『2(ドス)』の時代には毒属性の双剣を作って、わーいわーいとハシャギながらザクザクとモンスターを切り刻み、屈強なクシャルダオラやテオ・テスカトルをポコポコの毒状態にして喜んでいたものである。

 さて、そんな双剣だが、『2nd』においても強さに翳りは見られない。『2(ドス)』のときと比べると若干ながら属性ダメージ値が目減りしたようだが、その分、基本攻撃力が上昇しているようなので、双剣使いの人はあまり違和感を感じていないのではなかろうか。俺もせっかく双剣を作ったので試しとばかりにイャンクックに嫌がらせに行ったのだが、鬼人化しての乱舞攻撃は今回も文字通り鬼のように強く、クックごときはものの数分で屠り去れる……はずだった。はずだった……ハズダッタ……。

 この鬼人化っての、怖いネ。スーパーアーマー状態になるからちょっとくらいのモンスターの攻撃は「効かぬわ!! わーっはっはっは!!」てな感じでスルーしやがるんだけど、じつは思いっきりダメージは受けててオノレの体力はガンガン減っているんだよネ。このときも、「あ!!」って気づいたときはすでに自分の体力は1ドット(!)くらいしか残っておらず、続けて「ああああ!!!」と思ったときにはアイルーの荷台に乗せられてキャンプに運ばれていましたとさ……。

 こんな感じで、双剣はとっても強いです。……え? 説得力がない? ……双剣使いの方、ゴメンナサイ。腕磨きます……。なので今回は、恒例のチャートはナシ! 腕を磨いた暁に、こっそり更新しておきます^^;
 

投稿者 大塚角満 : 16:10
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第34回 古の忍者古龍・オオナズチ その2

 霞龍・オオナズチとは、『2(ドス)』の時代に何度も何度も戦った。そりゃあもう、ヤモリやサンショウウオを見るたびに「うわ、またナズチが出た!」とうんざりするくらい戦った。「うんざりするほどヤモリやサンショウウオがオマエの前に現れるのか!」と言われそうだが、まあ、そう表現したくなるほどたびたび戦った、ってことですね。なぜそんなにムキになって挑みかかっていたのかというと、オオナズチの素材から作れる武器がじつに俺好みだったから。そして防具もなかなかにして優秀で、俺のまわりにいた友だち連中も「ナズチいこナズチ!」ってな具合にオオナズチの人気はいち時期、ストップ高状態だったのである。まあ防具のほうはデザインがあまり好みではなかったので、俺は作らなかったけどネ。

 さてそんなオオナズチだが、昨日のブログでも書いたとおり、こいつはなかなかにしてクセのあるモンスターである。"消える"という、ほかの飛竜や古龍とはまったくベクトルの違う技を使ってくるので、慣れないと本当に、わけのわからないうちに屠り去られてしまう。テキトーに「このへんにいるだろう!!」と虚空に向かって剣を振るうも、返ってくるのはフニャリフニャリとした頼りない感触のみ。しかもペイントボールをぶつけていない状況だと、そのエリアにはオオナズチなんていないのに、いつまでも「こんにゃろこんにゃろ!」と誰もいないところで一生ひとりで暴れているというとんでもない辱めを受けることになる。ひとりで汗が滲むほどむなしいシャドーボクシングをしたのちに、とっくの昔にオオナズチはほかのエリアに移動したことにようやく気づいて、「……あぁ、久しぶりの大剣なんで操作忘れていたんだぁ。いまあえて素振りして、操作思い出していたよ……」とテレ隠しにブツブツつぶやいてももう遅い。オオナズチ戦は、いろんなところに罠が仕掛けられているのである。

 しかしさすがに、俺くらい何度も何度も戦っているとそういうムナシイ独闘はしなくなる。角満流のオオナズチ攻略法は、とにかくペイントボールだけぶつけて、あとはひたすら"力技"で斬り込む。これに尽きる。前述のシャドーボクシングとあまり違わない気がするが、とりあえず武器を振り回して"カキン"と何かに当たったら「そこかああ!!!」といきり立ってぶつかった場所を中心に攻めに攻める。オオナズチの身体はけっこう堅くて攻撃が弾かれることもたびたびだが、そこは「なんのなんの」と挫けずにひたすた武器をぶん回していればよろしい。そのうちに角が折れ、尻尾が斬れたらもうこっちのもの。オオナズチはステルス状態になれなくなるので、あとはちょっと大きいサンショウウオだと思って余裕を持って攻めればいいのである。まあ、こんなデカいサンショウウオがリアルに目の前に現れたら、間違いなくキモをつぶして逃げるけどな。

 とまあこんな感じで、俺は『2nd』においても悪鬼のように野蛮に武器を振り回してオオナズチを屠り去った。まあ言ってしまえばテキトーの極みのような戦いかただが、これでいいのだ。

 なんて、ちょっと得意になって椅子にふんぞり返りながら週刊ファミ通4月20日号をパラパラとめくる。俺はこの雑誌の『2nd』攻略ページを愛読しているのだ。見るとちょうどいい具合に、オオナズチを攻略しておるではないか。どうせ結論は"戦術ナシ! 力技で攻めろ!"だろう。

 ところが。そこには知られざる(俺だけか?)オオナズチの生態がいくつも書かれているではないか! いわく、

・音爆弾でステルスを解除できる
・毒弾を食らうと防御力がダウンする
・ナズチの毒ガスはガードできる

 などなど。ホントかオイ……。ぜんぜん知らんかった……。とくに音爆弾を使ってのステルス解除。『2(ドス)』のときからオオナズチ戦時の支給品に音爆弾が入っていたのは知っていたが、使いかたがまったくわからず、「これはきっと制作チームが間違えて支給してしまったのだろう。ドンマイ^^」と勝手に判断しておりました。ドンマイは俺か!!

 河合リエあたりから「ちゃんと攻略読め! 角満!!」という怒りの熱線ビームが飛んでくるまえに、ステルス状態になって消えようと思います。サヨナラー……。

投稿者 大塚角満 : 14:42
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第33回 古の忍者古龍・オオナズチ その1

 皆さん、幽霊、オバケの類に遭遇したことありますか? 俺はじつはオカルト系の話が大好きで、仕事でもプライベートでも、みずから好き好んで心霊スポットなどに出かけていたクチです。まあそこでくっきりと何かを見た、なんてことはないのですが、何度かヒヤリとしたことはある。この"ヒヤリ"という感覚、何度体験しても気持ちのいいものではない。「じゃあ何でそんなところに行くんだ」ってことになるが、やはり"怖いもの見たさ"って感情は確実に存在するわけでして……。

 なんで俺はいきなりこんなことを言い出したのでしょうか。

 じつは『モンスターハンター2(ドス)』をプレイしていた時代に、冒頭の心霊体験(体験してないけどな!)に匹敵する"ヒヤリ"に遭遇したことがあるのだ。

 体験者のOさんは当時を思い出しながら、青ざめた表情でつぎのように語る。

 「おもしろ半分だったんです、最初は。友だちが、「あそこは本当に出るよ」って言うもんだから……。でもそんなこと言っても、どうせ何も出ないだろう、って高をくくってました。じゃあなんで行ったのかって? ……まあ、あとで話のネタになればいいかな、っていう軽い気持ちで……。いまは、軽はずみな行動をとったことを反省しています……。本当に怖かった……」

 Oさんの証言をまとめるとつぎのようになる。

 春の宵。オカルト好きのOさんは友だちの熱心な勧めで「出る」とウワサの沼地へ足を踏み入れた。瘴気渦巻くこの毒沼の空気を吸ったとき、Oさんは直感的に「やばい」と思ったという。それでも、沼地の入り口でビビって引き返したのではいい笑いモノになるだけ。Oさんはガンランス片手に震える足取りで禁断の沼地へと足を踏み入れた。

 しかし捜せども捜せども、サルやら虫やらがまとわりついてくるだけで、それっぽいものは何も見えない。そう、何も見えない……。

 「ええ、思いましたよ。やっぱりガセネタだったんだな、って。でも、正直ホっとしたかも。オカルト好きとは言っても、やっぱり"ホンモノ"が出てきてしまったらどうしていいかわかりませんから。ひととおり沼地を見て回って、もう帰ろう、と思いました。帰って友だちと笑おうと考えてました。"なんも出なかったぞ!w"って。そして、僕は行ってしまったんです……。沼地の6の地点に……」

 一瞬、Oさんは何を見たのか理解できなかったという。いや、"何かを見たのかどうか"すら、よくわからなかったらしい。沼地の何もない空間に、一瞬だけチラチラと緑色の霞のようなものが見えた気がした。でも何かが閃いたと思った場所には、霧が漂う薄暗い空間が広がっているだけ……。

 「な、なんだいまの……」

 そう思った瞬間、今度は先ほどよりも鮮明に、亡霊のような透明な影がOさんの眼前でユラリと揺れた……!! ピシャリと、背中に氷水を入れられたかのような強烈な悪寒が背筋を這いめぐる。いいい、いた! 本当にいた!!

 「ででで、デター!!!!!!」

 キモを潰したOさんは、夜の編集部で絶叫した。モンスターというよりも、本当に幽霊を見たかのような心の底からの恐怖の叫びであった。Oさんの悲鳴を聞きつけて、ナンダナンダと集まってくる同僚。しかし、歯の根が合わなくなったOさんが指差すモニターには、またしても何も映っていない。

 「なんだ、何もいないじゃないっすか。人騒がせだなあ」

 そう冷たく言い放って、同僚は去っていく。

 「いいいいたんだよ!! 本当にヘンな透明なヤツがいたんだよ!! 信じてくれエエェェェェ!!!……」

 これが、Oさん(まあ俺のことだが)と霞龍・オオナズチとの出会いだ。ここに書いたこと、本当に何の誇張もなくて、俺はオオナズチを初めて見たときの背筋の寒さがいまだに忘れられないのだ。

 しかしこれ、『2nd』じゃなくて『2(ドス)』のプレイ日記のような……(苦笑)。では次回はこの続きとして、『2nd』におけるオオナズチとの初対戦の模様を書くとします。お楽しみに〜。

投稿者 大塚角満 : 15:17
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第32回 激突! 炎の女帝、ナナ・テスカトリ

 ちょっとまえに炎の雌古龍、ナナ・テスカトリとの甘酸っぱい想い出を書かせてもらったが、いつまでもトラウマを引きずってダダをこねていても仕方がない。とっととこの獅子顔女をガンランスで叩きのめし、2年に及ぶ因縁に決着をつけねばならぬ! よし行こう! ナナ討伐に! 俺は愛用のガンランスを背中に背負って、いささか過剰と思わないでもなかったが、「回復薬ヨシ! 回復薬グレートさらにヨシ! 薬草せこくヨシ! 秘薬もこっそりヨシ!!」ってな具合に回復系オールスターズをカバンに詰め込み、ナナ・テスカトリの待つ火山へと出撃した。

 さてここで、ひとつ白状しなければならぬことがある。

 ナナ・テスカトリは『2(ドス)』の時代から村のクエストにだけ登場する古龍である。今回の『2nd』でも俺の知る限り、村の★5クエストでしか出会うことはできない(違ったらゴメンなさい。少なくとも、俺はここでしか会ってないんす)。まあ要するに、『モンハン』シリーズ用語で言うところの"下位"クラスのモンスターなわけですね。でも強い。猛女、と言っていいくらい手強い。顔も怖いが性格はもっと怖い。並大抵の武器と防具では太刀打ちできないくらい強力な武力を持ったとてつもないオンナなのでありますよ。……え? おまえはいったい何が言いたいんだ? ですって? いやあ、まあそんなに大したことじゃないんよ^^ 非常に些細なことなので別にここに書かなくてもいいかなぁ^^ って思ったくらいツマラナイことなんですよ^^^^ いやほんとにどうでもいいことなんだけどね^^ まあなんだ、

 上位の武器持ってった。

 ……え? 小さくて見えない? …………えっとその。……スンマセン! 村クエストやっただけでは作れないおぞましい威力を持ったガンランスで行っちゃいました!!! だってナナ、怖いんだもん!!!! 仕方ないよネ! ネ!!! ……というわけで、ナナトラウマここに極まれり、って感じで、俺はここには書けないような禍々しい武器を携えてナナ討伐に出かけましたとさ……。

 「しかしまあアレだよ。それだけ俺はナナの戦闘力を評価してるっつーわけよ。これはリスペクトの証だネ。なのでナナちゃん、許してよ^^」

 薄暗いスナックの片隅で管を巻くおっさんのようになりながら、俺はナナの待つ火山へと降り立った。目指すは火山の最深部、8の地点。わき目もふらずに駆けつけると、おどろおどろしいムービーが始まった! そして現れたナナ・テスカトリ。なんだか『2(ドス)』のころより綺麗になったんじゃないの? なんかこう、血色ますます悪く、青い色が美しく強調されて、それにちょっと、痩せたんじゃない? ……と手加減してもらおうと思っておべっかを並べても、この熱いオンナは聞く耳もたない。『2(ドス)』のころから変わらぬ変則的な軌道を描くタックル、粉塵爆破、火炎放射という多彩な技の数々で、俺の分身をいびりにいびった。

 しかしやっぱり俺、ちょっと成長したようだ。確かに攻撃力、スピードが格段に上がる"怒り"状態のときはそりゃあもうダメージも食らいまくったが、それでも比較的冷静に、ナナの動きを追えていたのである。かつては「ガンランスなんかでこのバケモノに勝てるわけがない!!」と言ってはばからなかったのだが、『2nd』で初めて対峙したナナに対しては「対等に戦えてる!」と、炎の古龍に負けぬほどメラメラと燃え滾る目をギラつかせながら宣言できたほどである。それにガンランスだと非常に楽に翼を破壊できるし(砲撃でね)、防御を固めてじりじりとナナの眼前までニジリ寄り、「うりゃうりゃ」とガード突きでちょうどいい具合に顔面を突っつけるのだ。顔を攻撃されるとナナはイヤがってもんどり打って倒れるので、そしたらすかさず竜撃砲。俺は「ガンランスはナナ討伐にぴったりの武器だっ!!」と、さっきまでビビリまくっていた自分は死にました! と言わんばかりに吠えまくり、ほうほうの体で逃げるナナちゃんを追いかける。25分間攻めまくったあげく炎の女帝は飛んで逃げ去り、逃がすもんかと挑みかかった2回目のクエストで俺はついに、悲願だった"ガンランスによるナナ・テスカトリ討伐"を成し遂げた……!

 が。

 やっぱりいまになっても引っかかっているのは、俺が持っていったガンランスが反則技的に獰猛で強力なブツだった、ってこと。この武器じゃなかったら、俺ははたしてナナを討伐することができたのだろうか……?

 でもまあ。

 今度行くときも、このガンランス持っていこっと^^;

投稿者 大塚角満 : 16:10
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第31回 我慢の限界

 ランサー必携の素敵スキル、"ガード強化"にベタ惚れ状態の大塚角満です。いやーいいですねえ、ガード強化。こいつがあれば、あの凶悪なグラビモスのレーザーもフルフルの電撃攻撃もガキーンガキーンと防御できるのである。それと、地味にウザいグラビモスとバサルモスの火焔の煙や毒の煙もナンノナンノと防御してくれる。このスキルを身に着けたランス使いは、まさに鉄壁の移動要塞!! この響きのよさにメロメロになって、俺はしばらくまえからガード強化のスキルがついた防具を身にまとって、「何も効かねえぞオラオラ!!」と傍若無人の野蛮人の権化となって、必要以上にこれらの強力な攻撃を受けまくっているのであった。

 そんなある日。

 俺は自分の中ではすっかりおなじみとなったガード強化防具を身にまとって、グラビモスの討伐に出撃した。べつにグラビの素材が欲しかった、ってわけではなく、意味なくグラビのレーザーをガキーンと防御したくなったのである。わかるかなぁ、この気持ち。ランサーの皆さんだったら、きっとわかってくれるだろうなぁ^^ 俺はルンルン気分でグラビモスの待つ沼地へと足を踏み入れた。

 そして出会ったグラビモス。さっそく俺の要求どおりに、ド派手なレーザーを照射してきた。サっと身構えて、ガキーンとレーザーを受け止める我が分身。たたた、頼もしい!!! やっぱりこのスキルをつけたランス(もしくはガンランス)は最強の最堅だっ!!! しかしふとオノレの体力ゲージを見ると、さっきまで満タンだったはずなのに明らかにけっこうな量が目減りしているではないか。あ、あれ? 完璧に防御していたと思ったのに、わりと減るのね体力……。俺の戸惑いをよそに、再びレーザーを照射してくるグラビモス。ガキーンとそれを受け止めたかに見えた俺の分身だが、ちょっと看過できないほどの体力が奪われてしまった。そこで俺は「はっ!!」となった。そうか。そうだったのか……。おまえってヤツは……。

 そう。察しのいいお方ならもうおわかりであろう。ガード強化スキルを身に着けたハンターは、グラビのレーザーやフルフルの電撃を防御していたわけではなかったのだ。

 我慢していたのだっ!!!

 表面上は「なんのなんの。余裕よゆー^^」と言ってはいるが、心の内ではグラビのレーザーを受け止めるたびに(あちちちち!!)となり、フルフルの電撃を受け止めれば(いててててててっ!!)と泣き叫んでいたのである!! それに気づいてやれず、俺は必要以上にこれらの攻撃を受け止めさせていたのであった。ゴメンな、ガード強化の我が分身よ……。

 俺は凶悪な攻撃を食らっても必死の形相(?)で我慢する我が分身に、若手お笑い芸人の根性を見た気がした。

投稿者 大塚角満 : 14:33
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第30回 覗かれプレイは、今日も手強かった

 覗かれプレイの続き。

 本日も通勤電車の中で『2nd』をプレイしておりました。昨夜、東京近郊は激寒で、ところによってはミゾレだかヒョウだかわからないが、なにやら冷たい物体も降り注いでいて「いったいいまは何月なんだろう……」と真剣に悩んでしまうほどのヘンな天気だったのです。

 ところが一夜明けた今日は、ポカポカフワフワ(?)したじつにいいお天気。俺はお昼時の、比較的空いている京浜東北線快速大船行きのほどよい振動に身をゆだねながら、「こういう天気の日は、やっぱ"森丘"だよなぁ^^」とニコニコマークを撒き散らして、森丘マップのイャンクック討伐を受注した。「またクックかよ!!」と言われそうだが、俺が京浜東北線に乗車している時間は20分程度なので、クックにとってはまことに迷惑な話だろうが、相手はアナタしかいないのだよ。

 さて空いているとは言っても、東京都内を縦断する電車なので座席はほぼ、埋まっている。俺が着席した左右にも、一方に40代半ばと思われるサラリーマンのおじさんが、もう一方には高校生と思しきヤンチャそうな少年が座っていた。俺はこのふたりの男性に挟まれたまま、カバンからPSPを取り出す。そしてさりげなく、電源をオン。見慣れたタイトル画面が、PSPの大きなモニターに映し出された。

 そして、覗かれプレイが始まった。

 サラリーマンのおじさんは「ん? 何を始めるんだこのオトコは。新聞は読み終わっちまったし、週刊文春をキオスクで買い逃してヒマもいいところだから覗いてやれ覗いてやれ」というオーラを発散させながらチラチラと盗み見してくる。そして高校生の少年は「あ!! 『モンハン』始めやがった!! 見るぞ見るぞ!」と無遠慮光線を照射しまくりながら、何の躊躇もなく覗き込んでくる。しかしこちとら、そんなことはもう慣れっこである。「ほら、見て見て! 森丘のクックだよ! ガンランスだよ!」と言わんばかりにゴキゲンとなって、元気に森丘マップを駆け巡った。

 しかしこの覗かれプレイっての、じつは何気に緊張するものでもある。「失敗はできぬ」、「かっちょ悪いところは見せられぬ」という気持ちが頭を持ち上げてきて、いらぬプレッシャーがかかってくるのだ。そうなってくると微妙に操作が鈍ってくるもので、あろうことか俺は森丘マップの"9"の地点でメラルーの大群に囲まれ、信じがたいことに地図と回復薬を立て続けにかっぱらわれてしまったのである。するとなんと! 隣から覗き込んでいた男子高校生から、

 「ふww」

 という明らかな冷笑が聞こえてきたではないか!! ななな、なんという失礼な! 覗いているくせに冷笑するとは何事だ!! ……なんて言えるわけもなく、その冷笑がさらに俺を緊張させて、操作をますます狂わせる。森丘の9の地点と言えば視界が悪いことで有名だが、俺はまんまと狭い通路で視界を失い、クックについばまれまくった挙句に、回転尻尾にビシバシと叩かれて無念の昇天を果たしてしまった。ああ……。なんてことだ……。衆人環境にありながら、よりによって森丘クックごときに昇天させられるとは……。

 すると隣に座っていた冷笑男子はとたんに俺に興味をなくし、口の端をゆがめながら大げさに座席の背に身体を投げ出して居眠りを始めてしまった……。そしてサラリーマンのおじさんは画面の中で何が起こっていたのかまったくわからぬふうであったが、俺の苦笑いを眺めて「どうやらこのオトコは何かに失敗したらしい」ということを敏感に悟り、「見ていても何ら得るものはない」と判断したのか、やはり座席に身を投げ出して居眠りに突入してしまった。俺は言いようのない敗北感と、ふたりのオーディエンスを退屈な気分にさせてしまったことを大いに恥じ、「ヘボいことしてスマンかった……」と心の中でつぶやいてPSPの電源を切り、屈辱の居眠りに堕ちていった……。

投稿者 大塚角満 : 16:41
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第29回 通勤電車でファッションショー

 プレイステーション2版の『モンスターハンター』シリーズと、PSP版の『モンスターハンター』シリーズ、最大の違いはどこにあると思いますか? サアどうだ。どこだどこだ。俺は両シリーズのもっとも大きな違いは、"持ち運べるか、持ち運べないか"ではないかと思うのだ。……え? んなことはあたりめーすぎるわ! ですって? まあそうなんだけど、この違いは大きいんですよ。プレイステーション2版は1歩家から出てしまえばどんなにプレイしたくても何もできない。あんなにチョロいイャンクックすら倒せない。クックどころかケルビもモスも倒せないし、肉も焼けなければマカライトを掘ることもできないのだ。当たり前のこと言うな!! と自分で怒ってりゃ世話ないが、まあ据え置きゲーム機のゲームとは基本的にそういうものであります。まあ俺みたいな特殊な職業の人は会社でも遊べるけど、それはこの際、考えない。ところがPSPとなると、携帯ゲーム機の最大の利点を活かして、電車の中だろうがバスの中だろうが、その気になればバス(風呂のほうね)の中でも遊べてしまう。実際、俺のネット友だちのBは、湯船に浸かりながら腕を風呂の蓋の上に出し、そこでPSPを構えて狩りに出かけているという。濡れたときのことを考えるととてもじゃないけど万人には薦められず、「よい子はマネしちゃダメだ!」と言いたくなるが、まあ携帯ゲーム機というものはそれくらい、お手軽なものなんですねえ。

 さて俺は携帯ゲーム機の機動力の高さを活かして、毎日通勤電車の中で『2nd』をプレイしている。「埼玉から都内に通勤しているんですよ〜」と言われればめちゃくちゃ混んでいる電車に乗っていそうだが、幸いにも朝の通勤ラッシュは避けることができるし、帰りも都内を走っているときは乗車率200パーセントもかくやという状況だが、荒川を越えたとたん(東京ローカルな表現でスマン)に乗客がグっと減るので、思った以上に快適に、車内プレイに勤しむことができるのである。俺は混んでいる電車の中では、人に絡まると悪いのでイヤホンを外し、音声をオフにしてプレイしている。それでも乗車時間が1時間ほどもあるので、かなりじっくりとクエストに臨むことができるのであった。いままで、長い通勤時間はストレス以外のナニモノでもなかったが、『2nd』が発売されたおかげですっかり楽しいひとときとなったのだから、俺はディレクターの一瀬さんに足を向けて寝られません。

 ところで、電車やバスの中で近くにいる人が、おもしろそうなマンガや雑誌、新聞などを読んでいた場合、あなたはどうしますか? シカトする? それはすごい。なんて豪胆。俺にはとてもマネできぬ。俺はそんな状況になったら間違いなくいてもたってもいられなくなって、鼻の下をニョキーンと伸ばしたマヌケ面になることも構わずに覗き込むであろう。"であろう"じゃなくて、確実に覗き込む。きっと多くの人が、覗き込む度合いの差こそあれ、皆俺と同じような心境に陥るのではなかろうか。って、自分が新聞や雑誌を読んでいて隣の人に覗き込まれたら、プルプルと腕を揺するか、「ふぁ〜あ〜……」ってな具合に眠くもなんともないのにわざとらしくアクビをかましながら新聞をメリメリとたたみ、脇に抱え込んで寝たフリをするけどな。「イヤなヤツ〜」なんて思わないでくださいネ。

 話が脱線したように思わせておいて、じつはしっかりとつながっているのでご安心を。

 最近、電車の中で『2nd』を遊んでいると、やたらとまわりの人に覗かれるようになった。そりゃあもう、ギロギロギョロギョロと画面を凝視される。学生はもちろん、サラリーマンや女性にまでジロジログリグリと覗かれるのだ。電車の中でゲームを遊んでいてこれほど執拗に画面を見られることが、かつてあっただろうか!? いや、決してなかった。少なくとも、俺は初めての経験だ。

 こんなとき、俺はどうするのか。

 ハンティングに支障を来たすことを承知の上で、腕をプルプルブルブルと震わせて画面を見られないようにするのか? それとも電源を切ってPSPをしまってしまうのか!?

 じつはどちらでもない。

 心の中で「どうぞどうぞ見てください! 見てやってください!! 俺のキャラ、強そうでしょ!! ガンランスっすよガンランス!!! ティガレックスも倒せるようになりましたよっ!!」とツバを撒き散らさん勢いで喚き散らして、より覗きやすくなるように画面の角度まで調整する有様である。

 プレイステーション2版の『モンスターハンター』シリーズならば、ネットに接続して街に行きさえすれば、いくらでも装備の自慢ができる友だちがいた(進行の遅い俺が自慢することはほとんどなかったがな……)。しかしPSPの場合だと、なかなかいろんな人に自分のキャラを見てもらうってわけにはいかないものだ。

 いま、俺にとっての通勤電車は、『2nd』のキャラクターを自慢するファッションショーの場なのである。都内から埼玉に向かう電車の中でガンランスを振り回しているハンターがいたら、それはもしかすると俺かもしれませんよ。

投稿者 大塚角満 : 17:56
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】告知 オフ会やるんですけど参加したい方いますか!!?

 すんません、突然なんですが、『モンスターハンターポータブル 2nd』のオフ会を開催します!! 我がエンターブレインの社屋の2階にイベントスペースがあるんですが、なんとそこで開催するのであります。といってもエンターブレインやカプコンさんの公認イベントって言うよりは、本当に『モンスターハンター ポータブル 2nd』が好きな人が集まって、いっしょに狩りに行っちまいましょう! ってことがメインの正真正銘の"オフ会"だったりするんですねぇ〜。とにかくみんなで狩り狩り狩り!! っていう会合です。

 で、このオフ会なんですが主催はどこがやってるのかっていうと、エンターブレインが運営しているSNS(ソーシャルネットワークサービス。会員制・招待制のコミュニティーサイト)"efigo"の"モンハンコミュニティー"の人々なのです。職業や年齢の枠を越えた約130名の『モンハン』Loveの人が在籍する大きなコミュニティーなんですが、ふだんはPCのモニター越しにしかモンハン談義ができないので、いっちょみんなで集まってクエストに出撃しちゃいましょうか! そうしましょうそうしましょう! ってことになったわけですな。あ、もちろん、僕もこのコミュニティーの一員だったりしますw

 さて、なんでコミュニティー内のことをここに書いているのかと言うと、なんと運営サイドから「大塚角満ブログを読んでいる読者の皆さんも招待しませんか?」という提案を受けたからなのですっ!! コミュニティーに所属しているハンターたちのオフ会なので、参加するにはefigoの会員になり、モンハンコミュニティーに加わる必要がありますが、もしも僕のブログを読んで下さっている読者の方で、「efigoに入りたい!」、「モンハンオフ会に行ってみたい!」、「たくさんの人とクエストに行ってハンターランクをあげたい!!」、「とにかくモンハンのことを語りあいたい!」、もしくは「角満と友だちになってやっか」って思っている人がいたら、ぜひともメールをください。僕からご招待メールを送らせていただきますので。

 が、いくつか注意点があります。今回のイベントは、

■開催日時:2007年4月13日(金) 19:30〜22:30(予定)

■会場:東京都千代田区三番町 
    (株)エンターブレイン 2F イベントスペース"WinPa"

 っていうのが開催概要なんですが、ご覧のとおり夜に開催されるので18歳以上限定のイベントとなります。それともうひとつ。会場のキャパシティーの都合により、僕が招待できる人数は最大で20名ということになりました。

 応募の締切は4月8日(日)。オフ会に参加してみたい、って方はEメールに、お名前、連絡先、年齢を明記のうえ、下の"応募はこちら"をクリックしてどしどしご応募ください! 募集は20名に達した時点で締切とさせていただき、参加いただける方には4月10日までに、efigoへの招待案内のメールを差し上げます。んで、efigoのモンハンコミュニティーに入っていただき、オフ会掲示板の"大塚角満招待枠"からご参加願えれば! 詳しくは招待メールにも書かせていただきますけど^^

 というわけで、応募はこちらからどうぞ


※そのほかの注意事項※

・efigoの利用促進及び本件サービスの広告・宣伝の目的に限り、無償で複製・公衆送信等により利用できるものとします。
・オフ会へ参加される方には、ご自宅から会場までの往復の交通費をご負担いただきます。また、会場に駐車場の用意はございませんので、公共交通機関にてご来場ください。
・同伴者がいる場合には、参加表明をされる際にお連れの方の人数を明記してください。また、同伴者も注意事項をご了承いただいているものとみなします。

投稿者 大塚角満 : 17:50
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第28回 ショウグンギザミに擦り寄った理由

 わけあって、"青いハンセン"ことショウグンギザミを追い回していた。そりゃあもう、親の敵か百年の恨みかってほどとにかく目の敵にして、この青いラリアットマシンを追い掛け回しておりました。

 ヤオザミ、ダイミョウザザミらと同じ甲殻種に分類されるこのモンスターは、密林や沼地といった比較的穏やかな地域はもちろん、火山でも平気な顔して生活を営んでいるなかなか節操のない男(女かもしれんが)である。火山と沼地をウロついているモンスターというと真っ先にグラビモスが思い出されるが、ショウグンギザミもまた、グラビモスほどではないかもしれないがなかなかにしてイヤラシイ性格をしている。どうも毒沼の瘴気と火山の熱気は、浴び続けるとその人の性格を捻じ曲げる化学反応を起こすらしい。なのでハンターの諸君も、火山−沼地のクエストコンボは少々控えたほうがよろしい(ウソ)。

 さて、ショウグンギザミは甲殻種であるから、動きや性質はほかの同種モンスターと非常に似ている。ほぼ同じ、と言っていいかもしれない。左右にチョコマカと移動するハンターを小バカにした動き、堅い外殻、ときおり水を吐きかけてくるところなどもダイミョウザザミとまったく同じだ。つまりコイツは、ランス系の武器をメインに使っているハンターにとっては"天敵"と言える存在なのである。なので俺は『2(ドス)』の時代から、ショウグンギザミのクエストに行くことがイヤでイヤで仕方がなかった。上位のギザミはもちろんだが、下位のギザミも恐ろしくて恐ろしくて、とにかく可能な限り、近づこうとしなかった。

 いまにして思えばものすごい過剰反応だったんだなと思うのだが、こういう"なぜかわからんけど苦手な相手"っていませんか? 俺の友だちのひとりは初代『モンハン』の時代、オフラインプレイからオンラインにデビューしたとき、野良でガノトトス討伐に出かけていきなり昇天させられ、「田舎から出てきたばかりの俺に恥をかかせたガノトトスには二度と行かない!!」と顔を真っ赤にして怒り狂い、以来すっかりガノトトスが苦手になってしまった。またある友人は『2(ドス)』でメインの武器を弓と決めてクエストに出かけて、さんざんヤオザミ、ブルファンゴ、コンガ、ランゴスタというウザ雑魚四天王に追い回されて、「カニとイノシシと猿と虫が出てくるクエストにはいかない!!!」と、ほとんどすべてのクエストを否定するような発言をして、はあはあはあと荒い息をついていたものである。

 しかし考えてみると俺はこのコラムを通じて、「モノブロス、ディアブロスの角竜コンビが嫌い」、「グラビ最悪」、「ババコンガが好かん」、「ヤオザミあっち行け」、「イーオスうざすぎ」、「ガウシカ、シッシ」等々、苦手なモンスターを列挙しまくってきた。となると、「あんたもしかして、このゲーム向いてないんじゃない……?」なんて言われそうだが、そんなことはありません。モンハン最高。

 何が言いたいのかさっぱりわからなくなってきた。

 そうそう、ショウグンギザミのことを書いていたんだった。ショウグンギザミはじつにイヤなヤツだが、意外なほど剥ぎ取れる素材が高く売れるので、好き嫌いを抜きにしてがんばって狩っていればなかなかすばらしい金づるになってくれる。じつは俺はプレイ当初こそデータ引き継ぎのおかげでセレブな生活を送っていたが、放蕩の限りを尽くした結果、一時は現金が1000ゼニーを切るというとんでもない没落ぶりを披露していたのである。なので俺は擦り寄った。大嫌いなショウグンギザミだが、安定した生活を送るためにゴリゴリとゴマを擂りながら接近したのである。

 「お、今日もいい青色してますね!」

 と俺は心の中でギザミに言った。同時に、画面に向かってヘコヘコと頭を下げた。出世するためには、嫌いなモンスターにも我慢してお近づきにならなければいけない……。それがオトナってもんだ。

 俺は『モンスターハンター』の世界に、一般サラリーマン社会の縮図を見た。

投稿者 大塚角満 : 16:18
| トラックバック (0)

【MHP 2nd】第27回 ティガレックスの影武者

 5日間ほど、オーストラリアに出張に行っておりました。GO3(ゲームオンオーストラリア)という、同国では初めてとなる国際的なゲーム展示会&カンファレンスの取材をしていたわけですが、こちらの記事もここ2、3日にわけて随時アップしていくので、興味のある方はぜひぜひご一読を。

 さて5日間も日本を離れていたわけだが、『2nd』が入っているPSPは財布や携帯電話とまったく同じ扱いで、つねに肌身離さず身に着けていた。しかし! オーストラリアまでバカンスに行っていたわけではないので、いくらカバンの中に忍ばせておいたところで、ところ構わずイャンクックを追い掛け回すってわけにもいかない。何となくイャンクックを彷彿とさせる巨鳥・エミューや、ぴょんぴょん跳ねる姿がケルビのそれとオーバーラップするカンガルー、ワラビーを見るたびに(って、どこに行ってんだ? って感じではあるが)、「あ! 『2nd』やりたい!」と衰えぬモンハン愛が頭を持ち上げてきて困ってしまったよ。それでも日中はイベント会場や動物園を駆けずり回ることに忙しかったので、モンハン愛を無理矢理押さえつけ、「『2nd』は夜!!」と誰にともなく宣言。取材から戻り、こまごまとした仕事を片付けたあとにホテルのベッドに身体を放り投げて、「や、やっとできる!! どんなにガマンしたことか!! はあはあはあ」と身もだえしながらPSPの電源を入れた。

 時計は深夜1時を指していた。

 日本と、我々が出向いたパースという都市は時差が1時間しかないので時差ボケは感じない。アメリカやヨーロッパに行くと何気に時差ボケがひどくて苦労するのだが、今回は平気なようだ。が、パースの深夜1時は日本で言うところの深夜2時である。眠くないわけがない。それでも俺は、クエストを受注した。それもなぜか、あまりの眠気に気が大きくなったのか(意味不明)、討伐目標は砂漠のティガレックス……。

 それにしてもかつてこれほど、ボロボロのクエストがあったであろうか。我ながら、やることなすことすべてがメチャクチャなのである。まず持ち物だが、思いっきり船を漕ぎながらテケトーに選んでいたらしく、やたらとヘンなものが混じっている。クモの巣、素材玉くらいだったらまだ「ああ、クモの巣を加工してネットを作って、落とし穴でも製作するつもりだったんだろうな」とか、「素材玉を持ち込んで光蟲と調合して閃光玉を作るつもりだったんだなウンウン……」ってな具合に何となく所持していた理由がわかるのだが、竜骨【小】99個と雪獅子の毛12個は、いったい何をしようとして戦場に持ち込んだのであろうか。本当に皆目見当がつかぬ。まあでも、戦場に出てしまいさえすれば目も覚めるに違いない。何たって相手は、あのティガレックスなのだ!

 ところが。

 目が覚めるどころか、時間の経過に比例して、俺の眠気も見事に増大していった。ああ……眠い>< でも、ティ、ティガレックス倒さなきゃ……。てぃがれっくすてぃぃがれええくすぅぅ……zzz。こんな感じだから戦闘になるわけもなかった。

 でも俺は健気にも砂漠をウロつくティガレックスを発見し、「おりゃー」という気の抜けた掛け声とともにて閃光玉を放り投げた。ところが、見事に目の前で炸裂したはずなのにティガレックスは意に介さず、ノシノシと砂の上を歩いている。あれぇ、おっかしいなぁ……。ティガって閃光効かないんだっけぇ……? とフニャラ声を発しながら画面をよくみると、ティガレックスと思って何発も閃光玉をお見舞いした相手はあろうことか砂竜ガレオス。ガレオスに閃光玉など効くわけがない。

 「だ、だまされた!!!」

 とその一瞬だけ目が覚めるもすぐにまたウツラウツラとしてしまい、まったくの酩酊状態のままフラフラと砂漠を彷徨う遭難者のようになってしまった。それでも電源を切らずに続けようとしたものの眠気はさらに増大していき、リアルに『2nd』で遊んでいるのか、それとも夢の中で遊んでいるのかよくわからなくなってくる始末。いつしか俺の分身からはクーラードリンクの効果が消えうせ、3匹のティガレックス(全部ガレオス)に囲まれ、あちこちから砂を引っ掛けられてジャリジャリのボロボロになってしまった……。そしてそこで、俺自身も昇天……。

 朝、俺の枕元には、電池がすっかり切れて冷たくなったPSPが所在なげに転がっていた。そしてその夜、俺は"砂漠の真ん中で狂喜乱舞しながらやたらと砂の上を転がりまわる"という謎の夢を見た。

 しばらくガレオスには会いたくない。

投稿者 大塚角満 : 16:26
| トラックバック (0)

大塚角満

プロフィール画像

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


ファンタジーライフ公式サイト