大塚角満の ゲームを“読む!”
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さて、無事(?)に復帰を遂げたわけだが、2日経っても3日経っても、何を目的にプレイしたらいいのかわからない。さあてどうしたものか……と思って初代『モンスターハンター』からの友人、Bに「復帰したんだけど、何をしたらいいかねえ?」と携帯電話でメール。するとすぐにBから「いまイベントでイャンガルルガが来てるはずだから、それに行こうよ」と返事が来た。おお、そりゃあいい。いま行こうすぐ行こうということで、Bとふたりでイャンガルルガ討伐に出かけることになった。
イャンガルルガは"黒狼鳥"の異名で呼ばれる超レア飛竜。PSPの『モンスターハンターポータブル』や『モンスターハンター2』のオフラインモードのみで目撃することができたのだが、最近になって気まぐれを起こして、ときたまドンドルマにも飛来しているらしいのだ。このイャンガルルガ、ひと言で言い表すならウルトラマンタロウに出てきた"タイラント"、もしくはウルトラマンエースに出てきた"ジャンボキング"ってところだろう……って、若き青少年諸君にはまるで意味がわからないだろうから解説すると、いろんな怪物のいいところを持ち寄って作られた"合体モンスター"というわけですね。基本の行動は姿が似ているイャンクック。得意技のサマーソルトキックは明らかにリオレイアで、ときたま発する怪音はゲリョスの閃光に似ていなくもない。加えて装甲の堅さはバサルモスやグラビモスを髣髴とさせるものがある……。とまあ、こういった特長を書き連ねるだけでもイャンガルルガがひと筋縄では行かない相手であることがわかるというものだ。
ところがこのイャンガルルガ、じつはハンターランク1の若手ハンターでも戦うことができる。それを見て俺はBに向かって、「なんだ、ガルルガって下位クラスの飛竜なんじゃん。手ごたえないかもな」と言った。するとBは、「上位飛竜に挑むつもりで万全の準備をしたほうがいいよ。ナメてかかると確実にやられる」と不敵に笑った。それでも俺はPSPやオフラインモードで戦ったイャンガルルガを思い出し、「まあでも、大丈夫っしょ」とナメきった態度で戦場に赴いた。
イャンガルルガが出現するのは"密林"マップだ。『モンハン2』ではもっとも慣れ親しんだ場所である。といっても、パーティープレイでイャンガルルガに挑むのはこれが初めてということもあり、俺はBの指示に徹底的に従うことにした。「まず6に」とBが言うので、そのとおりに移動。するとすぐに、マップ6の地点にイャンガルルガがバサリバサリと飛来してきた。
今回、武器は水属性の片手剣"オデッセイブレイド"を装備していった。「ガルルガは水に弱いよ」とBが言うので、武器倉庫を漁って出てきた唯一の水属性武器、オデッセイブレイドを選んだのだ。しかし俺は『モンハン2』のプレイ当初こそ片手剣も使っていたが、正直ここ半年くらいはまったく触れてもいなかった。となると当然、操作がおぼつかないのはガンランスや大剣を持ったとき以上になるわけで、俺の分身はイャンガルルガの目の前でやたらにぴょんぴょんと飛び跳ねるのみ。こちらの攻撃はいっこうに当たらず、逆にイャンガルルガの多彩な攻撃を食らいまくるありさまで、アッと言う間に瀕死の重傷を負わされてしまった。しかも悪いことは重なるもので頼みの綱のBが「なんか回線の調子が悪いな……」とボソリ。そして「操作がおぼつかないので、1回リセットするね。やり直そう」と言って戦場から離脱してしまった。俺もすぐにBの後を追おうと思ったのだが、「せっかくなのでもう少しガルルガの特長を研究しよう」と余計な向学心をきらめかせてイャンガルルガに対峙。ところが研究も何もいきなり見事なサマーソルトキックをまともに食らい俺の分身は昇天してしまった……。
打ちのめされて街に戻ると、回線落ちから復帰したBが待っていた。俺はイャンガルルガにいじめられたことは黙ったまま、「さて、もう1回やろうか」とBに提案。今回はきちんと食事もとって、回復薬も万全にして、俺たちは再び戦場に立った。
そして、なんとか無事に討伐はできたのだが、ハンターランク220と96のふたりがかりで、約20分の時間を費やしてしまった。イャンガルルガは攻撃的な性格、攻撃力、スピード、耐久力ともに、上位の飛竜、そして古龍にすら匹敵するポテンシャルを持った怪物と言えそうだ。
つねに1匹で行動する、めったに会えない孤高の飛竜……。俺はイャンガルルガに、アスリートが持つ独特な強さを見た気がした。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。……え? このコーナー、まだ続いていたのかって? 続いていましたとも! しかも恐ろしいことに、じつに半年ぶりに『モンスターハンター2(ドス)』プレイ日記を書いちゃいますよ! 何をいまさら……って気がしないでもないですが、新しい年を迎えて心機一転、再び僕はドンドルマの街に降り立っているのです。だってもうすぐ、PSP(プレイステーション・ポータブル)の『モンスターハンターポータブル2nd』と、PC用ソフト『モンスターハンターフロンティア オンライン』のクローズドβテストが始まるんですもの! この両作品はプレイステーション2の『モンスターハンター2』をベースに作られている。なのでこれらの登場に備えて、いまからきっちりとリハビリしておこうと思ったわけだ。
というわけで俺は、久しぶりに『モンスターハンター2』を起動した。最後に『モンハン2』のプレイ日記を書いたのは2006年8月31日となっているから、約3ヵ月半ぶりの"帰郷"ということになろうか。(まだ俺の友だちは街にいるのだろうか……?)、(田舎モン扱いされないだろうか……?)等々の不安を胸に、俺はドンドルマへと向かった。しかし、ランドを選ぶ段階ですでに異変が……。俺が初代『モンハン』の時代から暮らしていた"モデスト"がない! どうしちゃったの!? これは昨今流行の市町村合併だろうか……。そういえば俺が住むさいたま市は浦和や大宮などいくつかの市町が合併してできた都市だし、実家のある群馬も、知らないうちに高崎市が榛名町や群馬町と合併していた。となるとモデストは、『モンハン』の最大都市(?)であるブレイブあたりに吸収されてしまったのであろうか……? 読者の方々にはこの上なくどうでもいい話だろうが、俺は復帰初日から言いようのない寂しさに包まれて、「もういいやどのランドでも……」という捨て鉢な気分になってドンドルマに降り立った。
さて、3ヵ月もプレイしていなかったゲームを気まぐれにやり始めて困ることは、"自分が何を目指してプレイしていたのか"という遊ぶうえでの根幹の理由を忘れてしまっていることだ。俺くらいの歳になると物忘れも尋常じゃなくなってきているので、"どの武器を作ろうとしていたのか"、"どんな飛竜を倒すことを目的にしていたのか"ということ以前に、"どのボタンを押せばメニューが出るのか"という、基礎中の基礎までキレイさっぱり忘れてしまっている。それでも、おぼつかない手つきでメニューを開き、自分が持っているアイテムを確認すると"蒼火竜の甲殻"やら"蒼火竜の尻尾"なんてアイテムを持っているのがわかった。これにより、3ヵ月まえにセミリタイアする直前にリオレウス亜種を倒したってことだけは判明したわけである。「んじゃまあ何していいかよくわからんので、続きってことで蒼レウスを倒しにいくか」と思ったのだが、季節が悪くて蒼レウスのクエストがない。しかたないので「手始めにレイアレイア!」とひとりわめいて上位リオレイア討伐に行こうとするも、今度はクエストまえの食事で何を食べていいのかサッパリわからない。ほんの3ヵ月まえまでは、"信号は青がススメ"、"さいたま新都心−上野間は片道450円"という世界の常識(そうでもないか)と同じように、"寒冷期はジャンゴーネギと銀シャリ草"、"レウス、レイアには龍属性武器"というハンターの常識まで頭から消えかけている……。さすがに、これには衝撃を受けた。俺は『モンスターハンター』シリーズを数千時間プレイしている、自称・モンハン伝道師、なのだ。それがこの体たらく……。俺はドンドルマの自室で涙を流しながらメニューを閉じ、食事ドーピングをあきらめて上位レイアの討伐に出かけた。愛用のガンランス、ナナ・フレアを持って……。
しかしメニュー画面を出せないくらい鈍った男が、まともに戦えるわけがなかった。操作方法がおぼつかないので、ガンランスの切っ先は敵の遥か彼方でむなしく空を切るばかり。ならばとガンランスの真骨頂である砲撃と竜撃砲をぶっ放そうとするも、そんな複雑な操作を覚えているわけもない。いらぬところでガンランスの先端は爆発し、リロードしようと思ってガチャガチャとコントローラーをいじくりまわしていると、豪快な竜撃砲が誰もいない虚空で轟いていたりする。こんなことで上位レイアとケンカになるわけもなく、俺はアッと言う間に2回昇天し、「んだよ、リハビリなのに本気出しやがって……」とレイアに悪態をついてリタイアした。
どうやら復帰戦で上位レイアはハードルが高かったようだ。あのオンナはこっちが久々のプレイってことをまったく考慮に入れてくれなかった。昔からそういうオンナなのだ。融通が利かないのだ。やはり復帰戦は、あのお方に相手をしてもらうべきだった!! ……というわけで、俺は上位クックを相手に選んで、再び戦場に降り立った。武器はガンランスは捨てて、毒大剣のクロームデスレイザーを持った。回復薬グレート10個、回復薬10個、それに秘薬まで持って……。
そんな、ラージャンに挑むときのような万全の装備でも、俺は苦戦した。相手は、"斬り試し"用キャラ、イャンクックだというのに。業物・クロームデスレイザーは空気だけ(強調)を斬り裂き、クックのついばみは確実に、俺の脳天をえぐりにえぐった。そして気が付くと俺の分身は屍となって、キャンプに転がされているのであった……。
「ち、空気読めない鳥野郎め……」
リタイアを選ぶ俺の視界は、心なしかぼやけていた。
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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