現地直送! 北米ゲーム事情リポート

『トロン』はふたたび輝くか

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 僕は映画原作のゲームがあんまり好きじゃない。理由は言わなくてもわかるね? だが先週、ディズニーの『TRON Evolution』のイベントに行ってきた。 年末の3D映画『トロン:レガシー』の前日譚となるゲームだ。僕は最初、プレイステーション3とXbox 360とPC版を開発するのがPropaganda Gamesだというのを見つけてちょっと心が沈んだ……彼らには以前『テュロック』でがっかりさせられたから。だがまぁ、スタジオの最初のゲームというのはしばしばいい学習となるのも事実だ……。

 

 『TRON Evolution』は3人称視点のアクションアドベンチャーで、ユービーアイソフトの新しい『プリンス・オブ・ペルシャ』シリーズを思い起こさせるウォール・ランニングなどのパルクールの影響を受けた動きや、映画で有名なライトサイクルなどがゲームプレイに盛り込まれている。しかしながら、このイベントでおもにフィーチャーされたのはマルチプレイの部分で、僕が思うに、カジュアルゲーマーをマルチプレイに何とかして誘おうという試みのようだね。

 

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 マルチプレイはフリーランニングのスタイルとライトディスク(こちらも映画に出てくるガジェット)を使った戦闘システム(打撃、ブロック、遠距離攻撃に使う)、それと乗り物を使ったレースをブレンドしていて、プレイヤーのレベルアップに応じて複雑に進化していく。今言った“レベルアップ”については後ほどまた語るとして、ゲームモードは4つある。“Disintegration”(デスマッチ)、“Team Disintegration”(えーと、チーム・デスマッチ)、“Power Monger”(『アンリアルトーナメント』のノードの奪い合いが近い)、そして“Bit Runner”(キャプチャー・ザ・フラッグの変形)だ。チーム戦ではCPUが操作するボットと戦うこともできる。

 

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 いずれのゲームモードも4つの異なるマップでプレイできる。Defrag、Circuit Board、Hard Disk、Heat Sink。後者ふたつは中くらいのマップで、乗り物がない代わりに立体的なマップを自由に登り、走ることができる。もちろん大きなマップでは乗り物がある。ライトサイクルに乗ればもっとも速いが、タンクは強力な火力を持つ。だが素の状態はタンクに対して守りやすい。このじゃんけんのような関係は楽しくなるだろう……カメラとコントロールにいささか問題はあったけど。

 

 

 個人的にはマルチプレイ部分はちょっと不器用に感じた。というのも、小さなマップでは結局ボタンを乱打しまくったほうが勝ちということになりがちだったからだ。それでも、Propaganda Gamesが『トロン』の世界をなんとかしてサイバースポーツゲームに落とし込もうと努力したのは見て取れた。

 

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 ハードコアゲーマーではない層に向けたいい要素は、RPGのようにプレイヤーキャラクターを成長させられるところ。シングルプレイでもマルチプレイでもだ。いきなり素の状態でマルチプレイに飛び込むのがいやなら、シングルプレイでレベル20に成長させてから“ディスクステーション”にアクセスしてマルチプレイを始めればいい。これは映画を観に行く人々の多くが、オンラインロビーやマルチプレイのもろもろの要素にビビると考えているからだろう。カジュアルゲーマーにデスマッチを始めてもらう可能性を高めるために、まずシングルプレイをやってもらってクッションを作ろうというワケだ。さまざまなアップグレードを購入し、新たなバイクや機能、武器なんかを手に入れられるようになったら、最大10人で行われる競争に、いくらかは飛び込みやすくなる。

 

 N-Spaceが開発しているWii版の戦場は、さらにお子様向けなルックスでありながら、もっとマルチプレイにフォーカスされていた。多くの部分でWiiリモコンだけを使っていた。たとえばライトサイクルの操作はコントローラーを傾けて行ない、十字キーを使って90度ターンをキメたり、コントローラーを持ち上げてジャンプさせたりしていた。

 

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Hyper Ball 24_Wii
Tanks 19_Wii
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 ボクはオリジナルの1982年版『トロン』のルックスが、映画そのものよりも好きだった。だからPropaganda GamesとN-Spaceが、ネオンが浮かび上がる『トロン』の世界にふさわしい、楽しくバランスの取れたマルチプレイに調整してくれることを期待したい。北米の発売日は12月7日、映画公開の約2週間前に決まっているけれども。

 

 

プロフィール

Jason Brookes

ジェイソン・ブルックス

イギリスのスタイリッシュな辛口ゲーム雑誌『Edge』の元編集長。ふと思い立って渡米後、『LOGiN』アメリカ特派員などを経て、現在は学生としてデジタルアートを学び直す日々。イギリス人らしいシニカルさは、アメリカに渡った現在も健在だ。実は日本のあるゲームの名付け親だったりもする……。

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