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【Deep'nside Of EAJ】第5回
【コメント頂戴っ!】
マーケティング部 マネージャー 熊谷 氏
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はじめまして。
それにしても皆、何であんなに
戦闘機の操縦とヘッドショットが上手いんだろう?
まだまだ、やられてもやられても懲りずに
XBOX360版『バトルフィールド1943』をプレイ中の

PR担当、熊谷です。
先に登場している、
星、二宮、豊嶋とはほぼ同じくらい
または少し長くEAに在籍しています。
そういえば入社当時はまだ、
エレクトロニック・アーツではなく、
エレクトロニック・アーツ・スクウェアという社名でした。
ゲーム機はPSが全盛期で、
その頃PR活動したタイトルは、
『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』や
『F1 2000』、『テーマパークワールド』などなど、
いまでは懐かしいタイトルばかりです。
PCタイトルのPRは担当していませんでしたが、
『ウルティマ オンライン』の正式サービスを
丁度始める矢先で、シムシティも「3000」、
今の「ザ・シムズ」シリーズはまだ『シムピープル』という時代です。
現在は家庭用でも発売されるようになった
「バトルフィールド」シリーズはまだありませんでした。


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EAといえば、皆さんにお馴染の
EA SPORTSシリーズがありますが、
EA SPORTSタイトルで最初にPRに携わったタイトルは
「NBAライブ」シリーズ、『NBA LIVE 2000』で、
99年に2度目の引退をしたシカゴ・ブルズの
マイケル・ジョーダン選手が「カバープレイヤー」でした。
この時初めて「カバープレイヤー」という言葉を
聞くことになるのですが、
日本では当時あまり馴染みのないものだったと思います。
今回はその「カバープレイヤー」についてのお話。
「カバープレイヤー」はパッケージの表紙に
デザインされる選手のことで、
EA SPORTSシリーズには毎年そのシーズン最新の選手データで
発売されるリーグ公認シリーズNBA、NFL、NHL
そしてFIFAシリーズがあり、
そのほとんどが1〜3人前後の選手を
「カバープレイヤー」に起用しています。
古くはNHLシリーズで、メガドライブ版の1991年に発売された
『NHL Hockey』のパッケージに試合シーンが使われ始め、
数シリーズ試合シーンを採用したパッケージが続きますが、
96年の『NHL97』から一人の選手にフォーカスした
パッケージデザインになっています。
「NBAライブ」シリーズは『NBA Live 95』が最初のタイトルで、
1994年のニックスvsロケッツのNBAファイナルのシーンが
フロントカバーに使われています。
一人の選手がフォーカスされたのは
『NBA Live 97』が最初で、
当時サクラメント・キングスだった
ミッチ・リッチモンドがデザインされています。
日本ではそれまで基本的に
海外と同様のデザインを採用してきましたが、
『NBA LIVE 2000』のカバープレイヤー、
マイケル・ジョーダン選手は、実は日本だけのもの。
アメリカで発売されたオリジナル版は
スパーズのティム・ダンカン選手でした。
もちろん当時ダンカン選手の知名度や活躍ぶりは
NBAファンの間では周知の事実でしたが、
『2000』では前作まで選手データとして収録されていなかった
マイケル・ジョーダン選手が収録されたこともあり、
日本での知名度を考慮し、
ジョーダン選手のパッケージを採用しました。

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また2002年に発売した『NBAライブ2002』でも
アメリカ版はスティーブ・フランシス選手ですが、
日本版は2001年に現役復帰したワシントン・ウィザーズの
マイケル・ジョーダン選手を起用しています。
こうした例は『NBA LIVE 2001』以降、
スペイン出身のパウ・ガソル選手、
フランス出身のトニー・パーカー選手などの活躍、
NBA選手の国際化と販売地域の拡大に伴い、
各国により独自のカバー選手が起用されるようになってきました。
日本でも『NBAライブ06』を発売の際に、
ほぼ同時期にNBAデビューが決まった田臥勇太選手を
日本版のカバープレイヤーに起用した例があります。
ちなみに2000年以降発売された
「NBAライブ」シリーズの
日本版カバープレイヤーは以下の通り。

『NBAライブ2000』
マイケル・ジョーダン
『NBAライブ2001』
ケビン・ガーネット
『NBAライブ2002』
マイケル・ジョーダン
『NBAライブ2003』
ジェイソン・キッド
『NBAライブ2005』
カーメロ・アンソニー
『NBAライブ06』
田臥勇太/ドウェイン・ウェイド
『NBAライブ07』
トーイシー・マグレディ
『NBAライブ08』
ギルバート・アリナス
『NBAライブ09』
トニー・パーカー
『NBAライブ10』
ドワイト・ハワード
最新の『NBAライブ10』のカバープレイヤーは、
オーランド・マジックのNo.1プレイヤー、
ドワイト・ハワード選手。
筋肉質な体つきとは異なり
チャーミングなところがファンの間で大人気。
そんな彼の愛称は”スーパーマン”。
今やNBAで人気トップ3に入る選手とも言われています。
尚、『NBAライブ10』はXBOX360、PS3、PSPで
11月5日(木)に発売予定です。
開幕直後のNBA2009-10シーズンと共に是非楽しみ下さい。
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「マッデンNFL」シリーズは、
解説者ジョン・マッデンの名前をタイトルに冠し、
その前身となるタイトル
『Jon Madden Football』が1989年に発売され、
以降『Madden 2000』までは、
マッデン氏本人がカバーに登場していました。

全機種版で同じ選手が起用され始めたのは、
日本で2001年に発売された
『マッデンNFL スーパーボウル2001』(Madden NFL 2001)が
最初で、フロントカバーはタイタンズの
RB、エディー・ジョージ選手でした。
以降「マッデンNFL」シリーズは『マッデンNFL09』まで
一人の選手を起用しています。
知っていましたか?
「マッデンNFL」シリーズのカバープレイヤーになると
そのシーズンに怪我をしたり、成績が悪かったりと
あまりいいことがないっていうジンクスがあることを。
「マッデンの呪い」なんて言われています。
全世界で何百万本も売れる「マッデン」シリーズですが、
「マッデン」のカバープレイヤーにはなりたくない!
っていう選手がいるっていう話もあるくらいですから、
このジンクスは選手間でも有名なものかも知れません。
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ちなみに、このジンクス、
『マッデンNFL 2003』から始まっています。
日本では未発売の作品もありますが、
以下『マッデンNFL09』までのカバープレイヤーと
そのシーズン、選手に起きた事例の一覧です。

『2003』 マーシャル・フォーク
シーズン途中で怪我。1000Yラッシュを逃す。
『2004』 マイケル・ヴィック
足の怪我で出場機会5試合に終わる。
『2005』 レイ・ルイス
6試合目で怪我。前後数シーズンで最低の成績。
『06』 ドノヴァン・マクナブ
シーズン途中の怪我で9試合出場にとどまる。
『07』 ショーン・アレキサンダー
シーズン途中の怪我で連続1000Yラッシュを逃す。
『08』 ヴィンス・ヤング
シーズン途中で怪我
『09』 ブレッド・ファーヴ
現役復帰するもジェッツにトレード
最初の1、2年は全くそんなことを考えていませんでしたが、
レイ・ルイス選手が怪我をした辺りからでしょうか、
社内のマッデンのマーケティング担当と
そんな話をし始めたことを覚えています。
個人的に好きな選手がカバープレイヤーに起用された時には
いやーな気持ちになり、
「頼むからシーズンを無事に過ごしてくれ!」
と何度願ったことでしょう。
以降、願い叶わずこのジンクスの恐ろしさを何度も実感しています。
『09』では決定時には引退していた
ブレッド・ファーヴ選手だったので、
このジンクスも終わったかに思えたのですが、
パッカーズに復帰ではなくジェッツにトレードされてしまいました。
まあ、シーズン中怪我をしなかったことが救いではあります。
さて今シーズン、『マッデンNFL10』ではどうなるでしょうか。
『09』までは一人の選手を起用していましたが、
最新作『マッデンNFL10』からはコンセプトを変えて、
昨シーズンのスーパーボウル対戦チームから
トロイ・ポラマル(スティーラーズ)と
ラリー・フィッツジェラルド(カージナルス)が
それぞれ1名ずつ起用されています。
ポジション的にもシリーズ初となる
セイフティとワイドレシーバーの選手。
起用される選手にとっても、
「マッデン」シリーズにとっても
不本意なこのジンクス。
早くどこかでストップして欲しいところです。
2人で起用されれば怖くない!?
尚、『マッデンNFL10』は現時点で日本での発売は未定です。
まずは日本時間9/11(金)にスティーラーズ vs タイタンズ
で開幕するNFL2009-10シーズンを楽しみにしましょう!
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最後にご紹介するのは「FIFA」シリーズ。
「FIFA」シリーズ最初の作品は
『「FIFA International Soccer』で、
1993年に発売されました。
カバーにはゴール前でのハイボールの
競り合いの実写が使われています。
「FIFA」シリーズのタイトルに年号が付き始めた
『FIFA SOCCER 95』『FIFA SOCCER 96』でも同様に
選手同士の競り合いの実写が使われています。
1996年に発売された『FIFA 97』からは、
個別に選手が起用され始め、
さすがにサッカーだけあって販売地域ごと、
この頃からカバー選手が異なっていました。
アメリカとアジア地域ではブラジルのストライカー、ベベット選手、
ヨーロッパ地域ではニューキャッスルのダビド・ジノーラ選手でした。
翌年の『FIFA: Road to World Cup 98』では
更にバリエーションが増えイギリスでは
デビッド・ベッカム選手、スペインではラウール選手
などが起用されていました。
1998年に発売した『FIFA 99』は、
日本以外の地域では主にデニス・ベルカンプ選手でしたが、
日本ではこの年から中田英寿選手と契約し、
『FIFA99 ヨーロッパリーグ・サッカー』では
ペルージャのユニフォームの中田選手。
『FIFA2000 ヨーロッパリーグ・サッカー』と
『FIFA 2001ワールドチャンピオンシップ』では
ローマのユニフォーム、
『FIFA 2002 ロードトゥ・FIFAワールドカップ』では
代表をイメージしたブルーのユニフォーム、
PS2初となる2000年の
『FIFA サッカーワールドチャンピオンシップ』では、
ポリゴンで描画された中田選手のバストアップが
デザインされるというパターンもありました。
そして契約最後となる『FIFA2003 ヨーロッパサッカー』では
パルマの中田選手が稲本選手、
ロベルト・カルロス選手と共にカバーを飾っています。

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以下、2003年以降に日本で発売した
FIFAシリーズのカバープレイヤー一覧です。
『FIFAトータルフットボール』
デルピエロ、アンリ、ロナウジーニョ
『FIFAトータルフットボール2』
モリエンテス、ビエラ、シェフチェンコ
オリバー・カーン(記念ボックス)
『FIFA06』
ルーニー、ロナウジーニョ
『FIFA06 ロード・トゥ FIFAワールドカップ』
ロナウジーニョ
『2006 FIFA ワールドカップ ドイツ大会』
選手を起用せず
『FIFA07』
ルーニー、ロナウジーニョ
『FIFA 08 ワールドクラス サッカー』
ルーニー、ロナウジーニョ
『FIFA 09 ワールドクラス サッカー』
ルーニー、ロナウジーニョ
『FIFA10 ワールドクラスサッカー』
ルーニー、ウォルコット、ランパード
もちろん各国でもFIFA2003以降はさまざまな選手が
カバープレイヤーに起用されていますが、
現在発売中の『FIFA 09 ワールドクラス サッカー』の
海外版には日本と同様のパターンで発売されたパッケージ以外にも
10種類のパターンがありました。

ここまでパッケージパターンにバリエーションのあるタイトルは
EAのタイトルではもちろん、
世界的にも例を見ないシリーズパッケージだと思います。
今作『FIFA10 ワールドクラスサッカー』(FIFA10)でも、
同様に世界各地域で、数種類のパッケージが存在します。
各地域のパッケージについては
また別の機会に紹介させていただきますが、
日本版ではルーニー選手、ウォルコット選手、ランパード選手と
久しぶりに3選手を起用したパターンとなりました。
さて、初回の星から前回の中嶋からも紹介のあった
シリーズ最新作の『FIFA10』。
皆さんに先駆け、プレイする機会がありますが、
前作から『09』から250以上の改良を加えたというだけあり、
FIFAシリーズファンの皆さんであれば、少しプレイしただけで、
その違いに気づいてもらえると思います。
また、全てを発表できていませんが、
各種ゲームモードはシリーズでも最高峰の充実ぶりです。
これからまだまだファミ通本誌やファミ通.comを通じて
新情報をお届けいたしますし、
近々、体験版についての詳細もお知らせできると思います。
それまでは『FIFA09 ワールドクラスサッカー』で
お楽しみいただければと思います。
特に今年3月に配信開始された追加コンテンツ
『FIFA 09 Ultimate Team』は特にお勧めです。
未プレイの方は是非、お試しの5試合だけでもプレイしてみて下さい。
以上、長くなりましたが、今回はこれにて終了。
今後とも「FIFA」シリーズをはじめ、
EAタイトルを宜しくお願いします。
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