『メッセサンオー稲越のテレビゲームの売りかた』

第3回:守らない守り人。

こんにちは。
秋葉原のゲームショップ“メッセサンオー”の中の人、稲越です。

やっと心が落ち着いたので独り言を書かせていただく。

一般社会において“約束”というものを交わしたならば、それを守らなければいけないものだということは子供でも大人でも知っているはずだ。
ましてや実社会の会社間の取引で“約束”を守らなければ、それは“信用”という社会で一番を大切なものを失うことになる。

たとえばオイラたち小売店が長いあいだ取引している仕入先への仕入れ代金を決められた期日までに支払わなければ、即座に“信用”を失い取引は中止となるか、商品を注文しても先に代金を支払わなければ商品は届けてもらえない。それほど“信用”というものは一瞬で失なわれ、回復するまでには長い長い時間が必要となる。

ゲーム業界における一番大事な“約束”は「発売日にゲームソフトを発売すること」だと思っている。この“約束”は会社の規模やソフトの出荷本数の大小で破っていいものではない。むしろ会社が大きくソフトの出荷本数が多ければゲームショップやゲーム業界だけでなくメディアや消費者など、さまざまな人や会社に影響を与えるはずだ。
もちろんそんなことは“彼ら”も分かっているはずだ。それこそ不眠不休で守ろうとしただろうし、いまこの瞬間もがんばっていると思う。だが結果として“彼ら”は“約束”を守れなかった。いくらがんばったという過程を言ったところで結果が出せなければ評価はされない。それが社会というものだろうし商売というものだ。

もちろん一度失った“信用”がすぐには回復しないことは、株価という一般社会における“信用”の目安が表わし続けている。まぁ、そんなことは経営者や投資家、アナリストと呼ばれる連中に任せておこう。

ただ、“彼ら”にひとつだけ言いたいことは、“約束”を守らなければいけない相手は株主でもなければオイラたち(守ってほしいけど……)でもない。楽しみにしていた多くのユーザーだということだ。

昨今の消費が落ち込んでいる状況でオイラたち小売店に立ち止まったり、嘆いたりしている時間はない。大きく空いてしまった穴を埋めなければ今度はオイラたちが“約束”を守れなくなってしまうのだから……。

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プロフィール

秋葉原の老舗ゲームショップ、メッセサンオーにて家庭用TVゲーム売り場を取りまとめる。趣味はアジア旅行とTVゲーム収集。とうとうピンク色の仮面ライダーになじめなかったが結末は劇場版でって……。最後まで商魂たくましいライダーだな。観に行かなきゃ!