Vol.A INTRO編 New Vegasは今日も絶賛営業中だぜ!

 I'LL BE BAAACCCKKKKKKK !!!!!!!!!!!!!!!!

 またもや帰ってきましたよ! 核戦争後のアメリカに! FALLOUTの世界に! 放射能まみれの水と食料! 荒野には超凶暴な動物たち! 腐敗しまくった政治と無法者の跋扈! 人はまた、過ちを繰り返す!

 というワケで『Fallout: New Vegas』(以下『FONV』)における生活や事件をダイナミックかつダラダラと綴る自称Z指定ブログ『Atomic Gambler's Guide―世紀末博徒無情』を、今後2ヶ月間に渡り執筆しますんで世露死苦尾根骸屍魔巣!!!!

 

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▲『Fallout 2』はクォータービューのRPGだった。

 発売直前の第1回目っつうことで、簡単ながら『FONV』をプレイ前に知っておくと何かとタメになる予備知識を、B29なみの絨毯爆撃で投下しよう。まずは本作が誕生するまでの経緯から。世界中に衝撃を与えたディストピアRPG『Fallout 3』から約2年の時を経てリリースされた『FONV』。開発したのは前作を担当したトッド・ハワード率いるベセスダ・ソフトワークスのトップチームではなく、外部スタジオのOBISIDIAN ENTERTAINMENTである。OBISIDIANは日本では馴染みの薄いデベロッパーだが、海外では傑作として一部マニアから高く評価されている『STAR WARS:KNIGHTS OF THE OLD REPUBLIC II』や、スパイアクション洋ゲー『ALPHA PROTOCOL』などを開発。『FONV』に続く最新作として『DUNGEON SIEGE III』が控えている、RPGのゲームデザインに長けた存在として有名なのである。それならば『Fallout』シリーズの開発に選ばれて当然かもしれないが、OBISIDIANが選ばれたのには、ちゃんと理由がある。そもそもOBISIDIANの創設者や開発スタッフの上級メンバーは、元々『Fallout 2』と、その続編として発表される予定だったプロジェクト“VAN BUREN”を開発していたBLACK ISLE STUDIOSのメンバーだったりするのだ。ちなみにBLACK ISLEは懐かしの洋ゲーメーカーINTERPLAYの傘下スタジオだったのだが、残念ながら2003年にクローズしてしまった。

 

 ここで本筋とは関係ないが、筆者とINTERPLAYの思い出もついでに語りたい。

 INTERPLAYといえば、粘土細工のキャラが破片をブチまけながら闘うモンド格闘ゲーム『CLAY FIGHTER』シリーズ。日本未発売だが、ニンテンドウ64オンリーでリリースされた『CLAY FIGHTER 63 1/3(64ではなく、ろくじゅうさんと3分の1)』は傑作である。クリスマスにビデオレンタルチェーン店限定でリリースされたXマス・エディションバージョンは、北米屈指のレア64タイトルとして有名(一部で)。

 またプレイステーション全盛期には、奇才サイモン・ビズレーがデザインした筋骨隆々のキャラが血みどろのステージで銃撃戦を展開する『ブラッド・ファクトリー(原題『LOADED』)』も発表するなど、ジョークとバイオレンスがイイ感じに混じり合ったタイトルで洋ゲー市場を賑わしていた(日本での評価はイマイチだったが)。

 

 話が本筋からズレるのは、いつものことなので恐縮だが、とりあえず本題に戻そう。

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▲Josh Sawyer氏、gamescomにて。

 『FONV』の前作にあたる『Fallout 3』は、核戦争後200年が経過したアメリカ東海岸の首都ワシントンD.C.が舞台だったのは周知の通りだが、実はそれまでのFalloutシリーズの舞台は西海岸周辺が中心だったので、ほぼ同じ設定だった『Fallout 2』を制作し、Falloutシリーズの歴史にも精通している元BLACK ISLEが選ばれたのは当然至極。他にあるか? って話である。とくに『FONV』のリードデザイナーであるJOSH SAWYER氏は、前出のオクラ入りとなった“VAN BUREN”のリードデザイナーの1人であり、『FONV』のストーリーの核となる軍事集団・新カルフォルニア共和国(NCR)といった勢力や、高速の二足歩行で襲いかかる巨大トカゲのGEKKO(ゲッコー)といったクリーチャーは、そもそも『Fallout 2』 のために用意された設定であり実際にゲームに登場している。また、『FONV』では重要なキーポイントとなる<フーバーダム>は、その続編となるハズだった『VAN BUREN』に登場する予定だった。つまり、『FONV』は、一旦は頓挫したプロジェクトを決着させるという壮大な目的を持ち合わせたタイトルなのである。コレ、試験に出ますから!(何の?)

 

 ちなみに実質的に『FONV』の前作にあたる『Fallout 2』は、現行のWINDOWSシステム上で動作するバージョンがGOG.comにて絶賛販売中。プロダクションノートのPDFや、オリジナル・サウンドトラック、壁紙、アイコンなど大量のオマケ付きなので、より深く『FONV』の、そしてFalloutシリーズの世界観を知りたい人には超レコメンドしておきたい(当然ながら全て英語です!)。

 

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 長くなってしまったが、以上が『FONV』開発までの経緯である。ここからは『FONV』を彩る周辺文化についても触れてみたい。

 まず、恒例の元ネタ予備知識! 筆者的にはプレイを始めた瞬間に「このストーリーは『情無用のジャンゴ』にソックリだ!」と直感した。『情無用のジャンゴ』とは、1972年に制作されたマカロニ・ウエスタンのカルト的作品で、主演はトーマス・ミリアン。強盗仲間に裏切られ、射殺されたハズの主人公が、通りがかりの先住民に墓場から掘り起こされて息を吹きかえし、自分をハメた連中に復讐する物語。腐敗しきった町で正義の名の下にホモ集団のカウボーイが無法を繰り返し。裏切りと血みどろの銃撃戦が全編に渡って展開するという、何でもアリなマカロニ・ウエスタンの中でも異常な内容で有名だ。当時としてはエクストリームすぎる残虐描写がイタリア政府当局の逆鱗に触れてしまい、イタリア国内では上映禁止。おまけにフィルムは没収され、検閲によってズタズタに引き裂かれる始末。つい最近になって全てのフィルムが発見されて、30ウン年ぶりに完全版のソフトがリリースに至ったのは有名な逸話である。ちなみにアレハンドロ・ホドロフスキー監督作品『エル・トポ』も、この『情無用のジャンゴ』のアバンギャルドすぎる内容や描写に触発されて制作されたというネタもあるけど、ますます『FONV』に関係ない話になるので割愛。とりあえず『情無用のジャンゴ』は必見!

 あと、テリー・ギリアム監督作品『ラスベガスをやっつけろ』も忘れてはならない。ならず者の記者(GONZO JOURNALIST)のハンター・トンプソンの生き様をモデルに、1971年のラスベガスを舞台にした本作は、かの地が如何にムチャクチャな価値観で成り立っているかを理解するに相応しいといえるだろう。こちらも興味のある方は是非! ついでに核実験場跡地に住み着いた食人フリークス一家を描いたスプラッター映画『サランドラ(THE HILLS HAVE EYES)』も必見である。もちろんリメイク版がオススメなのだ。もう観てる方は『FONV』プレイ前に、もう一度観ろ!

 

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 本作の舞台となるネバダ州といえば、ご存知、カジノの街ラスべガスが舞台。ラスべガスといえば筆者が連想するのは梶原一騎原作のトンデモ格闘劇画『四角いジャングル』のオープニングで主人公・赤星潮が空手道場をラスベガスに作ると言い残して行方不明になった兄を探すために現地入りした瞬間、客引きに声をかけられるシーンである。

 

 「やあ! ラスは初めてかい?」

 

 普通「べガス」だろ! というツッコミはともかく、ラス……もといべガスといえば、博打と売春が合衆国唯一の合法エリア。なぜ合法かといえば、他に何も産業が存在しないからである。ネバダ州は見渡す限り砂漠、砂漠、また砂漠。いわゆるモハビ砂漠地帯であり、とにかく広大! そして何も無い! サソリ! 砂漠! サボテン! と、思わずGASTUNKの『ジェロニモ』をBGMに聴きたくなるような世界であり、何も無さすぎて核実験場を作ってしまうような州であることを覚えておこう。ちなみに射撃場ではアメリカで唯一マシンガンが撃てることでも有名(他の州は拳銃のみ)。それだけ何でもありだと、ゲームの設定にも具合が良いのは当然である。過去には『GTA:サンアンドレアス』に登場したラス・ベンチュラスがあり、最近では『デッドライジング2』のフォーチュン・シティなど、「自由であることが産業」として成り立っている街なのだ。このへんの背景を頭の片隅に入れておけば、あの世界で何が起きても驚くことはないだろう(実際は驚きの連続だが)。

 

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  イントロとしては異常に長くなってしまったが、ここまでが『FONV』をプレイする前の予備知識の一部であり、全てではない。それほどまでに『FONV』は広大で深く、残虐で救いのない世界が展開する。もちろん筆者は本作でイチバンの売りである<ハードコア・モード>でプレイし、日々研鑽を重ねている。その詳細は次回更新にて執筆しよう。

 合い言葉は、「死なない限り、問題はない」だ!

 

次回、「モハビの縄張り(シマ)争いは最悪だぜ!」

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マスク・ド・UH

国籍、年齢、職業すべて不詳という設定の自称・洋ゲー冒険家。週刊ファミ通において、ゲームクリエイター須田剛一氏と共に“洋ゲー発着便AIRPORT 51”を連載中。ファミ通wave DVDでは最新洋ゲーレビュー“THE NEW 洋ゲー TIMS”を連載中の他、ファミ通wave DVD公式サイトにて“動く!! 洋ゲー TIMES”の動画も配信中。某大手海外ゲームデベロッパーの元社員という噂もあるが、本人曰く「オマエの過去は聞かない。だからオレの過去も聞くな」とのこと。座右の銘は「毒蛇は急がない」。Twitterでは<MASKDEUHBADASS>の名義で小ネタ&コボレ情報も投下中。SEE YOU IN HELL !!!