運命と銃声が奏でる終焉の物語 END OF ETERNITY CREATORS' BLOG

第6回 壊したほうがいい。ためらわないで。

2010/4/21

こんにちは。

リードプログラマーを担当しましたトライエースの北尾です。

kitao

 

先日海外版も無事に発売されてホッとしているところです。さて、今日はやや現場寄りのお話と、小ネタのお話を少し。

 

いつものことですが今回の『EoE』もたいへん難産のタイトルでした。トライエースと言えば、作品を作るたびに激変するバトルシステム。今回も前例のないバトルができあがりました。

 

さて、よくゲームの内容を人に説明する際にひと言で「○○みたいなの」と、べつのゲームの名前を出して話をすることがあります。これは単に何気ない会話で使うぶんにはかまわないのですが、製作の現場では、なるべく使いたくない言葉です。

 

むしろ使ってはいけない。とくにゲームの内容の根幹をチームに説明する方は気軽に言ってはいけません。

 

例外として、互いに長くいっしょに仕事をしている間柄での会話や、ちゃんとお互いの意思疎通が取れた上での会話なら……ギリギリ。あとは、やむおえない都合で「○○みたいなの」という説明がいちばんよい場合。

 

そんな「○○みたいなの」という説明を(勘違いする可能性があるため)してはいけない、そして「○○みたいなの」という説明が(前例のないシステムだから)出来ないのが本タイトルでした。

 

 

このゲームのシステムは、仕様書を読んでもパッとイメージが浮かびにくかったのです……。

 

確かに本タイトルは内容をパッとイメージできない「とっつきにくさ」があります。また、ほかのゲームと違って、掴みが弱いのも自負しています。もっとわかりやすく「いままであるゲームの風味」にしてしまうのもアリでした。(例えばアクションゲームっぽくするとか……このあたりの件は第4回の勝呂さんの話を読んでください)

 

でも、根幹にある「いままでにない何かを作る」からには、「○○みたいなの」というワードから入るのではなく、まずは過去に例のないこの仕様書を形にしようという部分を目指して始めました。

 

つまり簡単に言うと「とりあえず作ってみる」という作戦です。これは非常にリスクをともなうことですが、チームのメンバーや、クライアントさんにダイレクトに内容を理解してもらえる方法です。開発当初はこの「ビジュアルなどは置いておいて、とりあえず作って形にして検証する」ということに重点を置いて開発が進みました。

 

 

……と、言葉で言うのは簡単なんですが、実際にはまぁ苦労が絶えませんでした。

 

実際に動くものができても「おもんない」「わかりにくい」などで、何度も作り直しや仕様変更をすることに……。

 

とくにバトルパートは「作って壊して、作って……」を何度繰り返したか(苦笑)。

本当に最後の最後まで仕様をイジリ倒していました(セガさんごめんなさい。そして、ありがとうございます)

 

そして、バトルのつぎに「作って壊す」という経緯が多かったパートが、じつは「カスタマイズ」でした。

 

このゲームはこんな感じでアホな銃改造が可能です。

 

 

Custom

 

画像にご注目下さい。

 

ハンドガンの下にマガジンがあるのはいいでしょう。しかし、その下になぜかグリップが接続され、目で追っていくと横にグリップが接続されていたり(笑)他にも変な箇所が沢山あります…。

 

ガンマニアの方は「ありえねえー!」と驚愕するこのムチャクチャなカスタマイズ!(銃の構造に詳しい則本さんに怒られるかも、えー、おもしろいからいいじゃん、無視、無視〜。)

 

じつはこのカスタマイズ、開発当初はパネルに絵がありませんでした。当初の見た目はただの無地パネルをハメるだけのパズルで、接続点などのルールも存在していなかった時期もあります。

 

しかしパネルに絵を入れるだけで、あら不思議。とてもシュールな絵に(笑)もしもこのパネルが無地だったら……寂しいですね。

 

逆にエスカレートした時期は「アイテム何でもつけられるように!」とか「だいこん銃作りたい」「大根! 大根!」とかいう話もありましたが、これはさすがにボツに(ちなみに大根に固執していたのは勝呂さん)。

 

また、バトルにカスタムした銃をポリゴンモデルとして反映させるのは、バカっぽくて実現させるのが夢でしたが、安易に想像できる技術的問題の多さに、諦めました(苦笑)。

 

そんな苦労が多かったカスタマイズは、本当にユーザーさんに好評とのことで、うれしい限りです。

 

今作では、このような仕様変更の嵐に対応するため、プログラムチームの面々は300%のパワーで頑張ってくれました。ギリギリのスケジュールで仕様変更の依頼や、新規仕様の指示を出すのは正直たいへんで多少無茶もありましたが、その甲斐はあったと思います。

 

 

 

さて、開発の話は終わりにして、少し小ネタのお話を。小ネタは3つ。

 

■1 “テラドライバー”のこと

 

『EoE』のトロフィー(実績)のなかに”テラドライバー”というものがあります。今回内容に関しては触れませんが、実はこれ当初は”ドライブクラッシャー”という名前でした。ですが……まぁ、大人の事情でNGになりまして(笑)。

そこで昔、セガさんが出していた”テラドライブ”というハードにかけて、”テラドライバー”という名前にしました。テラドライブ? 知らない!という方は、セガさんのサイト内にあるセガハード大百科のページをご覧ください。

 

セガハード大百科はこちら

 

メガドライブとIBM-PCが合体している、当時の僕にとっては夢のハードでした。

 

 

■2 スティックを使った裏技

 

これはご存知の方もいらっしゃると思います。着替えのときにR3(右スティック)を押しっぱなしにするとカメラが動き、角度が俯瞰になったり、煽りになったりします。

 

つぎ、これは皆さんご存知ないと思います。セッティングの”スピーカー”の位置調整時か、”サウンド”のボイス音量の設定中に、L3(左スティック)を押し込みながら△ボタン(Yボタン)を押してみてください。ヴァシュロン、ゼファー、リーンベルの、ちょっとうれしいボイスが聞けます。

 

 

■3 サントラが出ました

 

3月24日に『EoE』のサウンドトラックが発売されました! 田中公平さんと、桜庭統さんの楽曲がCD6枚にわたって収録されています(……いま思うと、あのゲーム内容でCD6枚分の楽曲がよくDVD一枚に収まったなと思います)。

 

とくにバトルのBGMはゲーム中ではなかなか聴けない”Aパート”と”Bパート”の

BGMをキチンと別々で聴ける仕様となっています。是非お買い求めを!

 

 

 

まだ『EoE』をプレイされていない方も、このブログを見て興味を持たれたら、是非製品を手にとってもらえるとうれしいです。

買ってくれた貴方、ありがとうございます。感想などがありましたら、セガさんのほうにドシドシお願いします。

 

それではまた。

次回作(何?)でお会いしましょう。