運命と銃声が奏でる終焉の物語 END OF ETERNITY CREATORS' BLOG

第2回 声優さんはキャラクターの命です。[前編]

2010/2/16

お久しぶりです、則本です。

突然ですが、自分は声優さんの名前にはあまり詳しくありません。

ですからストーリーに登場する人物の声を決めるときに、スタッフから

「誰々はどうですか?」

なんて聞かれても、「あーアレね…、アノ人ね。」と曖昧に返すだけでじつは精一杯。

必然的にサンプルボイスをひたすら聞いて、声だけで決めることになります。

いまだから言えますが、じつはゼファー役の下野さんが、非常に女性ファンが多い声優さんということも収録後に知ったくらいでした。

まあ……、このへんは「有名無名にこだわらない起用」と前向きに捉えていただけるとうれしいです(汗)。

 

というわけで、今回はSEGAさんから声優ネタで書いてほしいとオファーがありましたので、収録現場の裏話を中心に、とりとめなく書いてみたいと思います。

(とりとめなく書いたら長文になってしまいました……スミマセン>広報担当様)

皆さんには現場の雰囲気を少しでも感じてもらえればと思います。

 

(※編集部注 長いので前後編に分けさせていただきました)

 

■『EoE』の収録は一昨年の夏ごろから始まったのですが、あいだを挟みつつ気がつけば秋になっており、「仕事以外何もしてない……」と愕然としたことを覚えています。

つねに笑いの絶えない現場で、所属の役者と養成科の生徒さんたちも見学や手伝いに来たりして、いつもとは少し違った雰囲気の中での収録となりました。

 

最初は「この若い子たち何モノ?」と思ったりもしたのですが、その声を聞いてすぐに理解しました。

異常なほどの「かつぜつ」の良さ、よく響く声……。

なによりも主人公やヒロインのような素敵ボイスがアチコチから聞こえてくるのです。

声優養成科にはこんな若者がたくさん集まっているのかと思うと、教室の風景を想像したらカッコよすぎて吹き出してしまいました(笑)。

 

 

■『EoE』のキャラクターボイスを担当していただいた声優さんたちについて語るときに、今回も引き受けていただいており、かつ他社製品ではありますが、何度もお世話になっている声優さんを最初に挙げないわけにはいかないと考えてしまいます。

山崎和佳奈さんは『スターオーシャン1』で初めて仕事を引き受けていただいたのですが、『名探偵コナン』の「蘭姉ちゃん」でブレイクする直前のことで、あとになってナイス起用! と皆でよろこんだことを覚えています。

その後『ヴァルキリー1』でメルティーナ役を頼んだ際には、「蘭姉ちゃんがガラ悪くなってしまった!(泣)」と方々で言われてしまい……。

なんですかね、このあたりから声優さんの起用の仕方がたびたび変(声優さんのイメージと違う役柄)なことがあったみたいです。

とくに意識はしていないのですが、声優さんに特定のイメージがないことが、けっきょくは影響しているのかもしれません。

 

個人的な山崎さんの印象は「よく笑う人」(笑)

そんな山崎さんが担当したヴェロニクは、落ち着いた、しっとりとした大人の女性。

悩み苦しむロエンを支えたいけれども支えきれない……、また少し違ったイメージの山崎さんが『EoE』では見られると思います。

個人的にヴェロニクはイチ押しです。イチ押しのキャラクターしか山崎さんには頼みません(笑)。

 

 

■子安武人さんもレザード・ヴァレス以降、イメージ的に少々被害を被ってしまったようなので心苦しかったのですが……(白々しい)、『EoE』で恐る恐るオファーを出してみたら快諾していただけたようで、安心しました。

実は『ヴァルキリー1』で最後まで声優さんが決められずにいたのがレザードで、営業サイドからの提案で、ギリギリになって子安さんに決まったという経緯がありました。

自分は収録現場で狂気に満ちた高笑いの演技を初めて聞いて、「これこそレザードだ! すげー!」と感動していたのですが、クルッと振り向いた子安さんが

「こんな人本当にいたらイヤですよねーあはは。」

と、そのギャップがまた素敵すぎて(笑)10年前の話ですが鮮明に覚えています。

 

『EoE』でも皆さんの期待以上の活躍をしていただけたと思うのですが、今回は一つ子安さんに珍事(?) がありました。

リテイクもほとんどないまま、調子よく収録をこなしていた子安さんだったのですが、突然ハタと喋るのをやめてしまったのです。

録音開始のシグナルが見えなかったのかとも思われたのですが、どうもそうではないご様子で。

 

子安さん曰く「あれッ? この人xxxxxxxxxなの??」

 

どうやらストーリー展開におけるサリヴァンの立ち位置の変化が腑に落ちなかったらしく、(でもサリヴァンはどう見ても正義の味方には見えないですよね?)そのセリフを言うのを躊躇したというのが真相のようでした。

「なんか悔しいなぁ。」と、つぶやく子安さん。

最後までサリヴァンに感情移入していただいたまま、収録を終えることができました(笑)。

 

 

■感情移入といえば、収録中にディレクターの勝呂や鏡らと、声優さんのタイプが話のネタに挙がったりもしました。

「帰ってこない系」のタイプ、おもに泣きのシーンをすると本当にボロ泣きしてしまって、つぎのシーンにしばらく進めなくなるタイプの声優さんが今回何人かいたことに端を発しています。

ゼファー役の下野紘さんはその筆頭でした。

ゼファーは泣いたり怒ったり笑ったり、フテくされたりパニくったり恥ずかしがってみたり……、とにかく感情の変化が物語全体を通してみると激しいキャラクターで、ストーリー進行の順番に収録していたら、前述したようなことが起こってさきに進めなくなる事態に陥ってしまいました。

 

正直なところ、困るよりさきに下野さんの意識の高さに感心してしまったのですが、収録時間の関係上、ここをやったら進行が止まるからさきに笑うシーンを! みたいな作戦を後半は密かに立てたりもしていました(笑)。

 

 

■木内秀信さんも「帰ってこない系」でした(笑)。

初めて聞いた印象は、とにかくうまい!

よくよく話を聞いたらアニメ『モンスター』のDr.テンマとか、主人公クラスの声優さんじゃないですか。失礼しました。

全然意識していなかったのですが、木内さん以外にもメインどころの役者さんが多くて、けっこうありえないキャスティングだったようです。

 

「ロエンすげー!」

「しんちゃんのお父さんですよ」

「マジで?」

とか。

 

『EoE』の世界でたぶんもっとも辛い立場のユリスは、非常に重要なキャラクター。彼の20号に対する言葉や態度は、本心でもあり偽りでもある。

迫真の演技にこっそりともらい泣きしていたのは秘密です。

 

 

 

次回は後編をお届けします。