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スタジオ4℃:ロードムービー的なプロットで描く人間ドラマ“The Babysitter”
【Halo Legendsの世界】

2010/3/22

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●ODST隊員の心の変化が伝わるような演出を……

 日本が世界に誇るアニメスタジオがオムニバズム形式で『Halo(ヘイロー)』ワールドを綴るアニメ作品『Halo Legends(ヘイローレジェンズ)』。ファミ通Xbox 360(毎月30日発売)とファミ通.comでは、各アニメスタジオにインタビューを敢行。作品の見どころなどを聞く。ファミ通.comではインタビューの完全版をお届けする。

 『Halo Legends』では、2作品の制作を担当しているスタジオ4℃だが、今回は“The Babysitter”の紹介をしよう。スパルタンのスナイパーと攻撃チームを組むことになったODST部隊のミッションを描く本作は、隊員の内面の揺らめきを丁寧に描いた1作。同社が手がけるもう1本の“Origins”とは、対象的な作品となっている。監督を務めた菅野利之氏とプロデュースを担当した田中栄子氏に聞いた。

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菅野利之氏(右)
数多くのアニメでキャラデザインや作画監督、演出などを手がける。人間ドラマには定評がある。本作では監督、絵コンテ、作画監督を担当。

田中栄子氏(左)
スタジオ4℃代表取締役社長/CEO。数多くの名作を手がける。両作のプロデューサーを務める。“The Babysitter”ではシナリオのリファインも担当。


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――ある意味で、スタジオ4℃さんらしからぬストレートな1作ですね。

田中
 『Halo Legends』のお話をいただいたのは、2008年の末くらいだったのですが、ちょうど翌年に『Halo 3(ヘイロー3):ODST』がリリースされることが決定していたんですね。「ODSTの隊員をフィーチャーしたエピソードがほしい」というのが、マイクロソフトさんからのリクエストでした。当初、このエピソードが『Halo Legends』のキーとなる1作ということだったので、「ぜひ!」という形で担当させていただくことになりました。

――監督を菅野さんにお任せすることはご指名で?

田中
 そうです。菅野さんとはいろいろなプロジェクトでいっしょに仕事をしているのですが、人間の描きかたがとても丁寧なんです。で、この“The Babysitter”という作品が、ODST部隊に所属する隊員の絆を描く、ロードムービー的なプロットだったので、人間ドラマが得意な菅野監督が適任だろうと思ったんですね。菅野監督の、真面目でコツコツやり続けるという仕事への姿勢も評価していました。ただ、“The Babysitter”は、当初はほかのエピソードよりもひと足早くお披露目する予定だったので、締め切りがとても早かったんですね。一方で、全世界発売なので世界中のユーザーのきびしい評価に耐えられるだけの高いクオリティーを要求される。だから、菅野監督とは「腹をくくってやるつもりがありますか?」という話からはじまりましたよね(笑)。

――(笑)。話がきたとき、菅野監督はどうだったのですか?

菅野
 私はメカものがあんまり得意ではなかったので、最初はそこがちょっとひっかかりました。話をいただくまでは、正直『Halo(ヘイロー)』シリーズのことはよく知らなかったので……。でも、調べてみると世界観がちゃんと構築されていて、物語がしっかりしている。“The Babysitter”では人間ドラマが展開されるとのことで、やってみたいと思いました。

――制作はどのような形で?

菅野
 フランクさんに概要を出してもらって、それをリファインしていった感じです。それに対して、私たちなりにストーリーを膨らませていきました。

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――シナリオを担当されたのは?

田中
 私です。“The Babysitter”では、最初はスパルタンに対して敵対心を持っていたODST隊員のオブライエンが、ミッションを果たすべく旅を続ける中で、どう変化していくか……というのが見どころになるのですが、その心境の変化をいかに視聴者にちゃんと伝わるようにするかに注力しました。物語自体は当初10分くらいの予定だったのですが、最終的に少し延びてしまったんですよ。登場キャラクターたちの情感を、リアリティーを持って描こうとすると、どうしてもエピソードを丹念に積み重ねる必要があったんです。それでボリュームが膨らんでしまいました。シナリオの段階で19分になっちゃったのかな。ラインプロデューサーから「これではできません!」って言われて、泣く泣く削っていきました。

――絵コンテは菅野監督が?

田中
 そうです。監督はいちばん最初に「どの時間にどこを通って、どの経路でどこに移動して、ここでこんなイベントが起こって」という感じで地図を描いたんですよ。あの地図ができたときに、「これはいけるな!」って私は思いました。

菅野 話の流れがわからなくなりそうだったので、ちょっと整理してみたかったんです(笑)。アニメ制作で地図を作ったのは初めてだったのですが、どういう順番でお話を見せて、どこで敵と遭遇して……ということは全部設定していかないといけないかな、と思いまして。

田中 それだけ菅野監督が、作品世界におけるリアリティーの構築にものすごいこだわりを持っていたんですね。設定の細かいディテールにもこだわりました。フォアランナーの遺跡でのグランドの行動も、当初は“何かをしている”ということで設定はなかったのですが、“何か”だと「機械の絵が描けない」ということで、金の採掘をしているという設定を提案したんですね。そうしたら、フランクさんから、「この世界では金なんて大した資源ではないので、金を掘っているという設定にはしないでください」というお返事がありまして(笑)。

菅野 それで最終的には鉱物を採掘しているという設定になりました。

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――“人間ドラマ”という点で言うと、どんな点に気を配りましたか?

菅野
 観てくれる人が感情移入できるような話の作りかたは意識していました。観ている人が、その場にいる気分になれるような流れを作っていきましたね。

田中 絵コンテを書くときは、人によっていくつかのタイプに分かれるんですね。自分の視点で書く人と、視覚的におもしろくなるように斬新な角度で書く人と。菅野監督は、「観客の方がいま何を感じているか」を大切にしながら絵作りをなさる監督さんですね。

菅野 今回のストーリーでは、それがいちばんいいだろうと思ったんですね。濃かったりキャッチーな画面ではなくて、なるべく自然な雰囲気で見られるようにと。

――たしかに、『マインド・ゲーム』(2004年)や『鉄コン筋クリート』(2006年)などに代表される癖のある絵柄に比べると、“The Babysitter”は極めてオーソドックスですね。それもドラマ性のため?

田中
 そうです。実際のところキャラクターデザインも、最初はスタジオ4℃を意識して「どこの国の人?」という感じのものが仕上がってきたのですが、「私たちが感情移入できるキャラにしましょうよ」ということで、いまのような感じになりました。フランクさんもそれは同じ思いだったです。

――作画はどのような感じで?

菅野
 作画監督はぼくが担当しています。

田中 菅野監督は作画もかなり研究していますね。持っているマシンガンを置いて、携帯しているナイフを抜くというシチュエーションがあるのですが、「どこにマシンガンを置いて、どう剣を出せばいいのか……」ということをいろいろと悩んでいましたね。この世界を感じさせる“重さ”みたいなものも相当研究していました。

――それこそ細かいところまでこだわったのですね。苦手とおっしゃっていたメカは?

菅野
 けっきょくメカも全部ぼくがやりました(笑)。メカデザインはほかの方にお願いしましたけど。何とか形にはなったんじゃないかなと思っています。

――制作を終えてみての手応えは?

菅野
 制作は実質7ヵ月と相当タイトだったのですが、楽しかったですね。「今年は夏があったかしら?」というくらい、あっという間に時間が過ぎていったのですが、かつてないくらい密度の濃い日々でしたね。ファンの方には、くり返しご覧いただければ……と思います。

田中 “The Babysitter”では、ODSTの隊員との旅路を付き合って、心の揺れ動きをぜひともいっしょに体験してください。楽しみにしていてくださるとうれしいです。

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『Halo Legends』
発売中
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
Blu-ray版(2枚組)
価格:5980円[税込]
品番:WBA-Y27242

DVD版(3枚組)
価格:4980円[税込]
品番:DLX-Y27243

【日本オリジナル仕様】
◆ジャケットデザイン
◆特典ディスク1枚封入(DVD仕様)
◆初回生産限定特典封入(絵コンテ集、ポストカード1枚)
※ジャケットはBlu-ray版のものです。


[関連記事]
※押井守、ボンズなど最強スタッフで『Halo』をアニメ化
※原作のファンが見たい映像が盛り込まれている! アニメビッグプロジェクト“Halo Legends(ヘイロー レジェンズ)”発表
※『Halo(ヘイロー)』と日本アニメのトップクリエーターが奇跡のコラボ、『Halo Legends』インタビュー
※アニメ『Halo Legends』がブルーレイとDVDで2010年2月16日に発売決定
 

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