HOME> アニメ・声優> 『Halo Legends』がついに完成!『Halo(ヘイロー)』ブランドの責任者がその魅力を語る
●アニメスタジオ各社の個性が際立つ7つのストーリー
日本の名だたるアニメスタジオが集い、オムニバス形式で『Halo(ヘイロー)』ワールドを描くアニメプロジェクト『Halo
Legends(ヘイローレジェンズ)』。その7つのストーリーがすべて完成し、都内にて関係者を対象とした特別試写会が実施された。その試写会に合わせて、『Halo(ヘイロー)』ブランドのキーパーソンふたりが来日。マイクロソフトにて『Halo(ヘイロー)』ブランドの責任者を務めるHalo
ビジネス ゼネラルマネージャのボニー・ロス氏とHalo フランチャイズチーム フランチャイズ開発ディレクターのフランク・オコナー氏だ。ファミ通.comでは、両氏に単独インタビューを敢行。完成したばかりの『Halo
Legends』について制作秘話などを聞いた。『Halo Legends』において、ボニー・ロス氏はエグゼクティブ・プロデューサーを、フランク・オコナー氏は総監督を務めている。
▲マイクロソフトで『Halo(ヘイロー)』プロジェクトを取り仕切るおふたり。Halo ビジネス ゼネラルマネージャのボニー・ロス氏(右)とHalo フランチャイズチーム フランチャイズ開発ディレクター のフランク・オコナー氏(左)。 |
――ついに『Halo
Legends』が完成しましたね。
フランク はい。先週マイクロソフト本社で試写があったのですが、『Halo(ヘイロー)』チームのみんなと初めて”作品”として観ました。もちろん制作中も映像は適宜観ていたのですが、「これはこうしなくっちゃ」という仕事モードに入っていて、冷静に観ることができなかった。先週初めて”いちファン”として観ることができたわけですが、おもしろかったです。よくできた、というホッとした気持ちもあります。
ボニー 日本のすばらしいクリエーターとコラボして、このようなすばらしい作品ができたことを誇りに思っています。アニメというスタイルを駆使して、いままで語ることができなかった『Halo(ヘイロー)』の世界をファンの方にお届けできたことは意義のあることです。できあがった作品は、まさにアートですね。
――日本の名だたるアニメスタジオが勢揃いしていますからね。
フランク はい。その点は『Halo
Legends』の大きな魅力になっています。スタジオさんは、基本は好きな作品を作っている会社にお願いした感じです。『ジーニアス・パーティ』のスタジオ4℃さんとか。一方で、日本でアニメを作ろうと思うと、当然外せないスタジオはありますよね。プロダクションI.Gさんしかり、ボンズさんしかり。とはいえ、最重視していたのは、いかにそのスタジオのテイストに合ったエピソードを作ってもらうか、でした。それぞれのスタジオには得意な表現方法やジャンルがある。
ボニー 基本前提としてあったのは、クリエーターさんとエピソードとのマッチングでしたね。私たちとしては、何よりもクリエーターさんに『Halo
Legends』の制作を楽しんでほしかったんです。
フランク プロジェクトがスタートしたときの私たちの最初の希望は、それぞれのスタジオさんの強みと実力を発揮してもらいたい……ということでした。たとえば、東映アニメーションさんにはコミカルなお話を期待していましたし、ボンズさんの迫力のある戦闘シーンを観たいと思っていました。『Halo
Legends』では、私が抱いていた期待値を、それぞれのスタジオさんが遥かに超える仕事をしてくれました。試写を観て、本当に感動しましたね。
ボニー ひとつひとつのエピソードが違うスタイルだったし、それぞれのスタジオの強みを最大限に発揮していただいたのではないかと思っています。本当にすばらしいデキで、これ以上の満足はないですね。
――たしかに、各スタジオの特色が活かされたバラエティーに富んだエピソードが揃いましたね。
フランク プロジェクトがスタートしたときは、最初におおまかな10個くらいのアイデアがあって、これをオムニバスでやりたいというプランはありました。ただ、明確な形にはなっていなくて、各スタジオにアイデアをぶつけてキャッチボールをしていくうちに、徐々にストーリーが固まっていった形です。代表例が”The
Duel”です。ちょうど押井守さんが原案・脚本を担当された『宮本武蔵‐双剣に馳せる夢‐』を観て、「巌流島を古代のコヴナントでやりたい!」とプロダクションI.Gさんに相談したところ、いいアイデアをいただいたので”The
Duel”に結実したんです。
――実際のところ、制作はかなりクリエーターさんの自由裁量に任されていたようですね。
フランク 基本は、クリエーターさんの希望する方向性に任せています。クリエーターに自由に発想してもらわないと意味がない、という思いはありました。こちらから指示して作るのではあれば、自分で作ればいいだけの話ですから。自由に作っていただくというのは、『Halo
Legends』のもっとも大きなポイントでしたね。
ボニー ひとりひとりのアーティストに自由に仕事をしてもらわなければいいものは絶対にできない、というのはプロジェクトスタート時から考えていました。
――『Halo(ヘイロー)』ワールドの歴史を綴る”Origins”では、初めてフォアランナーが描かれますね。
フランク フォアランナーのデザインは二村監督にお願いしたのですが、二村さんとは長いミーティングを重ねました。3時間の予定が5〜6時間になって、また翌日再度……ということもざら(笑)。ふたりで新しいデザインを積み上げていく感覚でしたね。もちろん、彼のデザイン力には全幅の信頼を寄せていたし、挙げてもらったデザインは実際すばらしいものばかりでした。
――アニメで初登場したデザインは、今後ゲームが出たときに引き継がれる?
フランク 個々のデザインに関しては、アーティストの解釈に任されている部分もあります。たとえば、『Halo
Legends』ではロングヘアーのスパルタンが登場しますが、ゲームではスパルタンの髪型は短い。そういった意味では、ゲームとアニメは必ずしも直結しているわけではありません。ただひとつ言えるのは、『Halo
Legends』では「これはなんだろう?」という観たことがない設定がたくさん出てきますが、それらの設定はけっして意味がないわけではないということです。”Origins”でとくに顕著なのですが……。これ以上の説明はできないのですが、すべてにおいてちゃんとした意味がある。
ボニー 私は個人的にはロングヘアーのスパルタンは気に入りましたよ(笑)。実際のところ『Halo(ヘイロー)』の開発チームも、『Halo
Legends』を観てインスパイアを受けた部分が相当多いです。フォアランナーに関しては、人気SF作家のグレッグ・ベアさんがフォアランナーをテーマにした三部作の小説を書くことになっていますし、『Halo
Legends』が基点となって『Halo(ヘイロー)』ワールドが広がることになる。いまは言えませんが、『Halo
Legends』で描かれた謎は必ず将来につながっていきます。
フランク グレッグには、最初はマイクロソフトからアプローチしたんです。「フォアランナーの難しい物語を書ける作家はいないか?」とエージェントに聞いたところ、グレッグ・ベアの名前が挙がったんです。もともと私もグレッグ・ベアが好きだったので、「ぜひ!」とお願いしたのですが、「たぶん断られるんじゃないかな?」とのエージェントの返事でした。ところが息子さんが『Halo(ヘイロー)』シリーズの大ファンだったみたいで、執筆を快諾してもらったんです。彼自身も新しいエンターテインメントに興味があったみたいですね。グレッグがどのような『Halo(ヘイロー)』ワールドを紡いでくれるか、楽しみです。
――新しい才能を得て、『Halo(ヘイロー)』ワールドはどんどん広がるわけですね。
フランク 『Halo(ヘイロー)』シリーズを展開するうえでのいちばんの醍醐味は、新しい世界や新しいストーリーを探っていくことだったりするわけですが、シリーズに新しい魅力を加えるという意味でも、『Halo(ヘイロー)』シリーズはいままでも才能のあるクリエーターと組んできたし、これからもそうあるべきだと思っています。新しいクリエーターが自分たちの解釈で『Halo(ヘイロー)』を表現するのが重要なんです。『Halo
Legends』の個々の作品を比べてみると、スタイルも違うし、表現方法も違うわけですが、それでも『Halo(ヘイロー)』であり続けている。言葉ではうまく説明できないのですが、『Halo(ヘイロー)』特有の普遍性があるんです。
ボニー 1作目の『Halo(ヘイロー)』は、FPS(一人称視点シューティング)でありながらしっかりとした世界観を構築して、ストーリーを楽しめる最初のゲームだったと思います。世界観やストーリー、ゲームプレイまで『Halo(ヘイロー)』には独特のスタイルがある。そういった『Halo(ヘイロー)』の魅力を、今後も展開していきたいと思っています。
――今後『Halo(ヘイロー)』ワールドはどのような展開を見せますか?
フランク いまは2010年秋発売予定の『Halo(ヘイロー):Reach』に注力しています。今後は、Halo
Waypointやこれから刊行予定の小説などで、シリーズの世界を広げていく予定でいます。これからどうなるかはまだまだ言えないのですが、今後の展開に期待していてください。
――最後に『Halo
Legends』を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。
ボニー 『Halo(ヘイロー)』は、欧米ではそれこそある程度定着したブランドになっていますが、日本ではまだまだそこまでいってないという認識はあります。今回『Halo
Legends』がリリースされることで、『Halo(ヘイロー)』ブランドは欧米のものではなくて、日本の方にも楽しめるものだ……というのを意識していくきっかけになってもらえればうれしいです。
フランク まずは、『Halo(ヘイロー)』をサポートしてくれている日本のゲームファンに”ありがとう!”と言いたいです。『Halo
Legends』は、ファンの皆さんへの感謝の気持ちを込めて作りました。観て楽しんでいただければ、これ以上の喜びはないです。これからも、皆さんに喜んでいただけるような『Halo(ヘイロー)』ワールドの作品を紡いでいきたいと思っています。期待していてください。
『Halo
Legends』
発売日:2010年2月16日
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
Blu-ray版(2枚組)※写真左
価格:5980円[税込]
品番:WBA-Y27242
DVD版(3枚組)※写真右
価格:4980円[税込]
品番:DLX-Y27243
収録エピソード
1. Origins
Part1(制作:スタジオ4℃)
2. Origins Part2(制作:スタジオ4℃)
3. The
Duel(制作:プロダクションI.G)
4. Homecoming(制作:プロダクションI.G)
5. Odd
One Out(制作:東映アニメーション)
6. Prototype(制作:ボンズ)
7. The
Babysitter(制作:スタジオ4℃)
8. The Package(制作:カシオエンターテイメント)
[関連記事]
※押井守、ボンズなど最強スタッフで『Halo』をアニメ化
※原作のファンが見たい映像が盛り込まれている! アニメビッグプロジェクト“Halo Legends(ヘイロー レジェンズ)”発表
※『Halo(ヘイロー)』と日本アニメのトップクリエーターが奇跡のコラボ、『Halo Legends』インタビュー
※アニメ『Halo Legends』がブルーレイとDVDで2010年2月16日に発売決定
【Halo Legendsの世界】の関連記事
- スタジオ4℃:ロードムービー的なプロットで描く人間ドラマ“The Babysitter” - 更新日時:2010年3月22日
- スタジオ4℃:世界観を忠実に反映した壮大な歴史絵巻の“Origins” - 更新日時:2010年3月17日
- ボンズ:戦闘シーンで泣ける! 渾身のアクションを実現した“Prototype” - 更新日時:2009年12月29日
- 『Halo Legends』がついに完成!『Halo(ヘイロー)』ブランドの責任者がその魅力を語る - 更新日時:2009年12月25日
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