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下田麻美:何物にも変え難い『アイドルマスター』の日々
エンジェル・ボイス アゲイン

2008/1/30

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ファミ通Xbox 360(毎月30日発売)の人気コーナー “エンジェル・ボイス アゲイン”がファミ通.comに出張! 誌面の都合などから、本誌では泣く泣くカットせざるを得なかったお話の数々を完全収録。声優さんの“声のお仕事”に対するこだわりぶりを聴く! 本日のゲストは、下田麻美さんです(第12回)。

 

【本日のゲスト・下田麻美さん】

『アイドルマスター』の双海亜美・真美役でデビュー、大人気を博す。最近は舞台にも積極的に出演するなど活動の場を広げている。誕生日は1月30日!


●親への挑戦というつもりで受けたオーディション

simoda002.jpg――声優さんを目指すようになったきっかけを教えてください。
田 じつはよく覚えていないんです(笑)。気がついたら声優になりたいと思っていました。ただ、子供のころはアニメ『美少女戦士セーラームーン』のうさぎちゃんが好きだったので、当時はお芝居をしたいというよりも、そのキャラクターになりたいとうい願望のほうが強かったのかもしれません。

――それが徐々に声優を仕事として捉え始めた?
下田
 中学のときにマンガ好きの友だちと集まって、好きなマンガをテープに録音してドラマ仕立てで楽しんでいたんですね。5〜6人くらいで集まって録音していたのですが、とくにお芝居という感覚ではなくて、あくまで“ごっこ”みたいなものでした。1巻目から順番に録音していくのですが、巻を追うごとにキャラクターが増えていって、10巻目くらいになるとひとり5役くらいを演じるようになっていました(笑)。で、気がついたらいつも間にか、声優という職業を進路として真剣に考えるようになっていたんです。

――具体的に声優を目指して動き始めたのですね。
下田
 最初は高校を卒業してから養成所に行こうかな〜くらいに考えていたのですが、高校に入った途端に親から「いつまで声優を目指しているの?」って言われてしまったんです。親からすればそんななれるかなれないかわからないような声優を目指すのをやめて、しっかりとした将来設計を持ってほしいということだったのだと思います。もちろん私は納得できないので、声優のオーディションを受けさせてもらって、そこでいいところまでいったら声優への夢を追いかけさせてほしい!って訴えたんです。 そのときは、オーディションに受かりたいというよりも、親への挑戦という気持ちのほうが強かったですね。それが高校1年生のときです。

――それが受かってしまった?
下田
 はい。親も最初は反対していたのですが、私がオーディションに残って1次、2次と進むにしたがって次第に応援してくれるようになったのはうれしかったです。養成所へは高校2年生になってから週イチで通うことになったのですが、生活がけっこう変わりました。私は鳥取県に住んでいて、養成所は大阪にも名古屋にもあったのですが、なにしろ田舎娘なもので、どうしても東京に通いたかったんです。もちろん学校を辞めるわけにもいかないので、どうしようか迷ったのですが、ちょうどその年から週休2日制が導入されることになったのを幸いに、週末だけ東京へ行くことにしたんです。金曜日の夜にバスで鳥取を出発して、土曜日の朝に東京に着く。そして土曜日1日レッスンを受けて、夜に東京を出て、日曜日の朝に鳥取に戻る……というパターンでしたね。それを2年間続けたのですが、いま思うと我ながらよくやったなあ〜と思いますね。


●『アイドルマスター』はみんなの応援があったからこそ
simoda003.jpg
――最初のお仕事は?
下田
 高校2年生の冬くらいで、じつは『アイドルマスター』なんです。『アイドルマスター』は制作から発表までけっこう長い期間があって、ずっと録り溜めをしていました。最初はセリフではなくて、歌の収録から入ったんです。だから毎回収録のまえに歌詞を覚えていくのがすごく楽しかったですね。

――演技に関してはどうでした?
下田
 最初のころはけっこうたいへんでした。自分のセリフだけをそのまま読んでいても独り言になってしまうので、プロデューサーさんのセリフを黙読してから演技をするようにしていたのですが、なかなかうまくいかなくて……。「もうちょっと受け答えをするように」ということで、ディレクターさんから何回もリテイクをもらいました。自分のセリフとプロデューサーさんのセリフを交互に読んで、なおかつ双子の役なので、「いま誰をやっているんだっけ?」とか、けっこう神経がやられてしまいました(笑)。

――ご苦労がしのばれます(笑)。
下田 
収録中はとにかく体力が奪われました(笑)。亜美と真美は『アイドルマスター』の登場キャラクターのなかではいちばん元気な女の子だと思うのですが、収録中に私がちょっとでも疲れを見せてしまうと、それが亜美と真美に影響してしまう。だから、現場ではとにかくテンションを高めていました。

――下田さんご自身のテンションは?
下田
 まわりの人から「酔っているの?」と言われるくらい高いです(笑)。『アイドルマスター』というゲームは、声優さんの性格などをキャラクターに取り入れているところがあって、私が元気でフレッシュだったというのがディレクターさんにとっては印象的だったようで、亜美と真美に影響した部分があったみたいですね。

――『アイドルマスター』ではライブが印象的ですね。
下田
 あれだけ大きな作品に出演できて、大きなステージでライブができるというのは、ものすごくありがたいことで、この経験は何物にも変え難いです。ただ、初めてのライブのときは、本当に不安でたまらなかったです。それで、とにかく練習だけは人一倍しました。緊張しちゃうと、自分の持っている100パーセントの力を出せなくなっちゃうので、120パーセントまでもっていけるように。

――練習は自宅で?
下田
 自宅はもちろんですが、代々木公園でもしました。ダンスには広い場所が必要なので……。だから、代々木公園は私の練習場でした(笑)。共演する声優さんの自宅に泊まりに行って、いっしょにダンスの練習をしたりもしましたよ。

――『アイドルマスター』で得たものは何ですか?
下田
 『アイドルマスター』という作品に関しては、スタッフの皆さんと声優さん、そしてファンの方がいっしょになって歩いてきたという感じが強いです。『アイドルマスター』では、スタッフの方はもちろん、声優さんやユーザーの皆さんの意見なども取り入れて、みんなでゲームを作り上げてきたのですが、そういうゲームってほかにはあんまりないですよね。ファンの方を始めとする、たくさんの人が応援してくれることによってできたタイトルであることは間違いないので、そこにはとても自信を持っています。

――そうした一体感は、得難い経験となりそうですねえ。
下田
 一定期間で収録が終わってしまうのであれば、私たちもそれ以上キャラクターを深めることはできないのですが、『アイドルマスター』はつぎからつぎへといろいろな展開があるので、どんどんキャラクターに愛着が湧いてしまっています。そんな感じで亜美と真美も徐々に変化しているのですが、いまは亜美と真美がひとり歩きを始めてしまって、自分の外にどんどん出て行ってしまう感じです。娘がひとり立ちしてしまった……みたいな感覚はあります(笑)。最近は、ふとした機会に亜美と真美の声を聞いても、「あっ、亜美ちゃんと真美ちゃんが出ている!」と、自分が演じているというよりも、親しい人が出ている……みたいな感覚がありますね。

――下田さんと亜美・真美はお互いが独立し始めている?
下田
 それはあるかもしれません。亜美・真美はデビュー作ということもあり、最初はつねにいっしょという感じだったのですが、彼女たちは彼女たちでファンの方たちに支えてもらえているし、私は私で“下田麻美”という名前をどんどん知っていただけている。これからもいっしょにがんばっていけたらいいなって思っています。

――下田麻美さんとして、新しいことにも挑戦していきたい?
下田
 ここ最近よく舞台に立たせてもらっているのですが、そこから受ける刺激は大きいです。きっかけになったのは、2年まえに先輩の今井麻美さんが出ているお芝居を見たことです。そこで、役者さんが体を使って表現する凄さというか、全力で演じることのパワーに圧倒されまして、単純に「私も舞台に立ってみたい」って思っていたんですよ。それで、今井さんに相談してみたところ、その舞台に出させていただけるようになりました。行動ですね(笑)。いまは、いろんな役者さんとじかに掛け合いや稽古をすることによって、「芝居というのは本当に奥の深いものだったんだ……」ということに気づかされます。しっかりと体を使った芝居をすることで、声の演技にもフィードバックがありますし、舞台でのお芝居なくして、いまの私はなかったと思っています。

――それは、最後に今後の目標を教えてください。
下田
 芝居と声優の両方でがんばりたいです。いま演じているような若い子の役は、年を取っても元気なままで継続して演じられるようになりたいし、一方で、ゆくゆくはおばあさんの役とか、妖怪役とかもこなせるようになっていきたい。幅広い役柄を演じられるようになっていけたらうれしいですね。

※下田麻美さんの公式ブログはこちら

 

 


photograh:Daisuke Komori  

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