誰にも存在を悟られずに任務を遂行するステルスアクションゲーム『スプリンターセル』シリーズの最新作が、ニンテンドー3DSで登場! 本シリーズは、アメリカの著名作家トム・クランシーが監修を務めるステルスアクションゲーム。ニンテンドー3DSで発売される最新作は、『スプリンターセル カオスセオリー』をベースに、さまざまな要素がパワーアップ。3D立体視やタッチスクリーンなどの技術を駆使したミッションが楽しめるぞ。もちろん難度も調整されているので、『カオスセオリー』がクリアーできなかった人も安心。アメリカに始まり、パナマ、北朝鮮、日本と、世界各国を舞台にした潜入ミッションに挑もう。
2003年、アメリカの国家機密漏洩防止を目的とした高度なデジタル暗号化システムが普及するにともない、編成された特殊部隊“サードエシュロン”。従来の諜報活動と、最新鋭の監視技術や戦闘技術を駆使して、敵のデータを盗み出す。国家の安全にとって脅威となるデータを盗み出せない場合、物理的に破壊する。サードエシュロンには、“スプリンターセル”と呼ばれるチームがある。スプリンターセルは、リモートチームの支援を受けながら単独で侵入する特殊部隊である。プレイヤーは特殊工作員のサム・フィッシャーに扮して、困難な隠密任務に挑むのだ。
機密情報エンジニアのブルース・モルゲンホルトがペルーで誘拐された。サードエシェロンはモルゲンホルトの救出に動くが、時すでに遅く、モルゲンホルトは拷問されて死んだ状態で発見された。その後、サム・フィッシャーは犯行現場に残された武器がMCASバンコ・デ・パナマ銀行を介して売買されたことを突き止める。そして、銀行への潜入調査を開始するのだが、コンピューターテロにより日本とアメリカ東海岸の情報システムが停止してしまうのだった。そこでサム・フィッシャーは、バンコ・デ・パナマ銀行とモルゲンホルトを結びつける人物、ゼルケージを追うことに。彼の住むペントハウスを調査するためにマンハッタンへ向かうが、ゼルケージは北海道に逃亡してしまった。裏には、彼の旧友ダグラス・シェトランドが組織する民間軍事会社、ディスプレイス・インターナショナル社と、その傭兵マイラン・ネディチがいた。サム・フィッシャーはゼルケージを捜しに北海道へと向かうが、ゼルケージは確保する前にシェトランドによって殺害されてしまう……。
サムを照らす光の量を表す。光量が多いほど、敵に見つかりやすくなる。
周囲の音量レベル。これより大きな音を立てると警戒レベルが上昇。
文字通りサム・フィッシャーの体力。敵の攻撃を受けたりすると減少する。
プレイ中に表示される各種情報の配置を、ニンテンドー3DSでのプレイに最適化! 上画面には3つのメーター、下画面にはタッチ操作が可能な武器選択やアイテム管理情報が表示されているのだ。
『スプリンターセル コンヴィクション』で導入された、スタイリッシュに目的を指示してくれる“3Dビジュアルメッセージ”を採用。3D立体視機能を活かし、メッセージが浮かび上がって表示される。
親切かつスタイリッシュ
闇にまぎれての潜入任務に欠かせないのがゴーグル。ナイトビジョン、サーマルビジョン、エレクトロニックビジョンと、状況に応じて3種類のゴーグルを使い分けることが、ミッション達成の鍵を握る。使用するゴーグルの種類によって、グラフィック表示もガラリと変化するぞ。
状況に応じて使い分けよう
全体マップは3Dで表示される。これにより、階層の違いや目的地までの距離などが、より把握しやすくなっている。もちろん、セーブポイントもアイコンで表示されるのだ。
立体マップで位置関係がよりわかりやすくなった!
ライフル類やグレネードなどのウェポンが多数登場。状況に応じた使い分けが重要だ。
→下画面のタッチ操作でウェポンの種類を切り換えられる。
パズルに挑戦する感覚でプレイできる謎解きも、豊富に用意されている。ニンテンドー3DSの3D立体視機能により、これまでのシリーズ以上に謎解きの種類の幅が広がっているぞ。
↑ピッキングでドアのロックを解除する。潜入任務には、こうした技術も欠かせないのだ。
ニンテンドー3DSの3D立体視機能が謎解きの幅を広げる
↑ブロックを組み合わせて立方体を作る。ブロックは3Dで表示されるので、形状が把握しやすい。
トム・クランシーファンのみなさん、そして『スプリンターセル』シリーズファンのみなさん、ごめんなさい。仕事にかこつけて、ニンテンドー3DS版『スプリンターセル3D』を、ひと足お先に遊んじゃいました。
本作は、あの名作『スプリンターセル カオスセオリー』をベースに、さまざまな要素を加えた最新作。激ムズと名高い『カオスセオリー』に比べ、ノーマルプレイ時の難度は控えめ。前作をクリアーできなかった人や、シリーズ未経験者も安心して遊べます。ちなみに難易度はノーマル、ハード、エキスパートの3段階から選べるので、ウデに覚えのあるプレイヤーはエキスパートに挑戦して地獄を見ましょう。
さて、本作はニンテンドー3DS用ソフトということで、3D立体視でのプレイが可能です。当たり前ですね。とはいえ、3Dでプレイするだけでも、これまでのシリーズとは異なるプレイ感覚が味わえるので、ここはあえて触れておきたいところ。主人公のサム・フィッシャーさんが物陰に隠れていて、敵が遠くから近寄ってくるときなんかは、かなりドキドキしますよ。「ああ、近付いてくる……見つかりませんように……!」と、思わず自分も息を潜めて危うく酸欠になるところでした。
それと、本作には『カオスセオリー』よりも後に発売された『スプリンターセル コンヴィクション』に搭載されていた、“3Dビジュアルメッセージ”が採用されています。これは、プレイ中の画面に“ENTER THE BANK”(銀行に侵入せよ)みたいなメッセージが立体的に表示される機能。「あれ、これから何するんだっけ?」といった事態を避けられるうえに、プレイを中断することなくメッセージが確認できるので便利です。しかも3D表示オンならメッセージが浮き出て見えるので、なんかカッコイイです。インターフェース部分では、上画面は3つのゲージを表示するに留め、武器やゴーグルの選択、マップ確認といった機能は下画面に集約されています。アイコンなどがプレイのジャマになったりすることなく、いつでも各種選択動作がタッチ操作で行えるようになっているのがいいですね。
そんなこんなで、しばらく本作をプレイしてみて感じたのは、まさに“自分が潜入任務に挑んでいる”という感覚。光に照らされないように物陰を選んで進み、大きな音を立てないように静かに歩く。敵が背を向けたスキに移動して、こっちを向く前に隠れる。こうしたステルスアクションの基本が、やらされている感じではなく、みずから行っているものとして味わえました。いやー、最近“没入感”という言葉をよく聞くわりにピンとこなくて困っていたのですが、「これが没入感の高さってヤツか!」と思いました。音声が完全日本語吹き替えなのも、この没入感の高さに一役買っているポイントです。
また、サムさんは隠れるだけじゃなく、戦うときは戦います。敵に発見されたときに逃げ道がなかったりしたら、もう仕方ないとばかりに銃をブッ放し、グレネードを投げつけて敵を排除することも可能。ムダな戦いは極力避けつつも、いざとなったらヤラれる前にヤレ、が基本です。とはいえ、必要以上に派手に暴れるとよけいピンチになるので、危機を脱したら物陰に隠れて敵の警戒レベルが下がるまで待ったほうがいい。隠れることをせずにバタバタ走り回り、敵を撃ちまくって進むと、たいてい追い込まれてゲームオーバーになります。このあたり、ステルスアクションだってことを思い知らされますね。
そして、ミッション遂行中の随所に挿入されるミニゲーム的な謎解きもグッド。ドアのロックをピッキングで解除したり、敵のPC端末を操作したりと、潜入任務を果たすべく、やることは多岐にわたります。また、ミッション中に、あるきっかけからサブミッションが追加されることもあり、プレイヤーを飽きさせません。
もともと『スプリンターセル』シリーズが好きな人は黙っていても本作に期待しているでしょうから、あえてオススメするまでもないと思いますが、シリーズ未経験の人も一度本作をプレイしてみるとイイと思います。ストーリーは著名な小説家であるトム・クランシーが監修しているだけあって、秀逸そのもの。潜入任務ものの映画を観ているような感覚で物語に没頭できます。プレイに関しても、シリーズを知らなくても十分楽しめるようにできています。前述のように難度もしっかり調整されているので、「もうここから永久に進めないよ!」みたいなことにはならないのではないかと。まあ、決して簡単というワケではありませんが。
そして、がんばってゲームをクリアーしたあかつきには、あなたもサム・フィッシャーさんのファンになっていることでしょう。もう、たたずまいやらセリフやらが、いちいちカッコイイんですよ。サムさんの声の日本語吹き替えは玄田哲章さんが担当しているので、声もダンディーそのもの。サムさんの運命が気になって、きっとほかのシリーズ作品も遊んでみたくなりますよ。
(ファミ通.com編集部 山口ジョン)
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