ハイスピードアクションの雄『アーマード・コア』シリーズ最新作がプレイステーション3とXbox 360に登場する。本シリーズの大きな魅力のひとつは、何といっても無数のパーツを構成して自分だけのオリジナルメカ(AC)を組み上げられること。パーツ数は、前作『アーマード・コア4』の200種類強から400種類以上へと大幅にパワーアップ! より個性的なACを組み上げられるというわけだ。もちろんAC構成だけが本作の楽しみかたではない。超巨大兵器"アームズフォート"の登場や新システムの追加、オンラインプレイの充実など、前作から飛躍的な進化を遂げているのだ。ここでは、よりおもしろさを増した『アーマード・コア フォーアンサー』の魅力を4項目に分けて紹介しよう。
本作の舞台は、『アーマード・コア4』の数十年後。主力兵器は人型AC"ネクスト"から、最大のもので全長数キロにも及ぶ超巨大兵器"アームズフォート"に移行したという設定でストーリーが展開される。本作では、随所にこのアームズフォートとの戦いが用意されているのだ。ACの数百倍の巨躯を持ち、その圧倒的な火力に対し、いかに立ち向かうかが本作のおもしろ味のひとつとなるのは言うまでもない。登場するアームズフォートは、水上型や列車型、空中飛行型など、そのバリエーションは豊富。アームズフォートのデザインは、小林誠氏と宮武一貴氏というトップメカデザイナーが参加している点も見逃せない。ちなみに、ページトップの最新機体"ホワイト・グリント"は、本シリーズでお馴染みのメカデザイナー河森正治氏によるデザインだ。
欧州の総合企業BFF社の主力アームズフォート。6本の足で地上を闊歩する。艦載機発着用の大型甲板を三層で装備し、主兵装の大口径距離実弾兵器は驚異的。その一斉射撃は、ACが容易に近づくことを許さないほどの火力を誇る。
欧州第一のハイテク企業インテリオル・ユニオン社の新型水上アームズフォート。機体前面に大型レーザーブレードを装備し、多数のブースタによる圧倒的なスピードでプレイヤーを追い詰める。また、多数の砲門からのミサイル斉射もあり、その火力とスピードは、まさに最強クラスだ。
まずはともかくその大きさのインパクトを体験してください。従来のシリーズにも、さまざまな巨大な敵が登場しましたが、これまでの戦いが"人間vsビル"だとすると、まさに"人間vs山"といった感覚が適当だと思います。それだけに、とくに後半に登場するアームズフォートには、ひと筋縄ではいかない相手も多いですが、それを乗り越える手段を見出せたときの達成感は、かつてないものがありますよ。また、かなり特徴的な敵が多い分、意外な武器が意外に役立ったりもしますので、マルチプレイなども含めて、一度クリアーしたあとも、いろいろな方法で遊んでみてください。
(プロデューサー鍋島俊文)
時代が変わり、巨大兵器アームズフォートが戦場の主力になっていたが、ネクスト側もその強大な力に対抗するべくふたつの新装備を実装していた。それがヴァンガード・オーバードブーストと呼ばれる大型推進装備と自らのエネルギーを攻撃に転用するアサルトアーマーだ。ここでは、このふたつの要素の詳細を紹介しよう。どちらも無敵の装備というわけでなく、リスクも伴うシステムに昇華されているのが、フロム・ソフトウェア流といったところだろうか。
ネクストの後部に装着される脱着式ブースタ"VOB"。時速2000キロを超えるハイスピードで、長距離からの侵攻を可能にする新装備だ。もちろん高速移動中も操作が可能だが、こちらから猛スピードで近づくということは、敵からの攻撃も圧倒的な速さで迫ってくるということ。いかに華麗に避けつつ進むのかが、VOB装着時の大きなポイントとなるのだ。
今回から導入された新要素"VOB"については、なんと言っても時速2000キロという、かつてないスピード感が魅力だと思います。構成自体は基本的にシンプルなものですが、幾つかバリエーションも用意していますし、従来の戦闘に突入するまでの前哨戦になるので、ここをうまく乗り切れるかどうかで、ミッションの成否に大きな影響が出ることになりますよ。個人的には演出面でも気に入っているところがあって、とくに通常戦闘に移行する際にVOBをパージするシーンは、戦いが始まる高揚感が得られるシークエンスになっていると思います。注目してみてください。
(プロデューサー鍋島俊文)
『アーマード・コア4』から実装された完全防護膜のプライマルアーマー(PA)。この技術を攻撃に転用したのが、アサルトアーマーだ。これを発動させるとPAが一気にオーバードライブ。周囲の敵を一掃するほどの大爆発を起こすのだ。しかし、発動後はPAゲージをすべて消費するので、ゲージ回復まで無防備になっていまうというリスクを伴う。
もうひとつの新要素である"アサルトアーマー"ですが、幾つかのミッションではアサルトアーマーを使うことを想定した構成をしているものもあります。使わないとクリアーできないというわけではないですが、敵を一掃する爽快感を、ぜひ体験してみてもらえればと思います。また、対戦ユーザーの皆さんにとっては、対戦時の影響が気になるところだと思いますが、対ネクストという前提に立つと、うまく当てるには相応の工夫が必要になるのではと思います。PAがなくなるというリスクもありますし、アサルトアーマーの性能もアセンブルによるところがあるので、いろいろ研究してみてください。むしろチーム戦などで使ってみると、おもしろいかもしれませんね。
(プロデューサー鍋島俊文)
『アーマード・コア』というと、1作目発売から10年以上が経ち、また10本以上が発売されているという長期シリーズ。コアゲーマーに向けた、硬派なゲームだというイメージがあるかもしれないが、本作にはシリーズ初心者に向けてさまざまな配慮がなされている。右スティックを使わずとも直感的に操作できるビギナー向け操作を採用し、サイティングやブースト、弾がなくなった武器の自動的切り離しなどのオート化が可能になっている。また、チュートリアルの充実とボリューム満点の取り扱い説明書が付くのもポイントのひとつ。さらにはネットワークを介した協力プレイでミッションをクリアさせることも可能で、初心者にとっては非常にありがたい要素が満載されているのだ。ここでは、そんな初心者向けのふたつの要素を詳しく紹介しよう。
シリーズ初心者やアクションが苦手なプレイヤーでも、爽快にハイスピードアクションが堪能できるように、本作は簡易操作タイプが搭載されている。右スティックを使わずに移動をしても敵を画面中央に捉えたままクイックブーストや旋回移動が可能になっているぞ。
プレイステーション3とXbox 360は、ともにネットワークに対応している次世代マシン。前作同様、ネットワークにつなげば、1対1の対戦やチームバトルを楽しむことができる。本作では、そのネットワークモードに新たに協力プレイを追加! 本来ひとりでプレイするミッション選択モードだが、友達との協力プレイが可能になったのだ。難しくてクリアーできないステージもふたりでクリアーして物語を進めることが可能。アームズフォートが登場する過酷なミッションも、ふたりで挑めば倒せるはずだ!
過去タイトルでは、2001年の『アーマード・コア2 アナザーエイジ』(プレイステーション2)で、画面分割を用いた形で共同プレイを実現したことがありましたが、制限も多く、実験的な実装にならざるを得なかったので、ようやく実現できたというところが正直な実感です。ひとりでじっくりと、ストイックにプレイすることも、『アーマード・コア』というゲームには似合っていると思いますが、反面大勢で楽しく賑やかに遊べることがプリミティブな、ゲームの本質のひとつでもあると思います。そういう意味では、遊びの幅を広げられる非常に大きな要素なので、上手い・下手にかかわらず、ひとりでも多くの方にぜひプレイしていただきたいと思っています。楽しくコミュニケーションしてくださいね。
(プロデューサー鍋島俊文)
『アーマード・コア フォーアンサー』では、マルチシナリオシステムが採用されている。プレイヤーが選んだ行動によりシナリオが分岐し、エンディングも変化。複数存在する勢力のどこに味方するかで、それぞれのストーリーが進行するという仕組みだ。ミッションの随所にイベントが挿入されるなど、ストーリー演出も強化されている点にも注目。ストーリー展開は多岐に渡り、すべての物語を見るまで存分に楽しめるぞ!また、本作では、過去のシリーズでアリーナと呼ばれていた1体1のバトルシステムが、オーダーマッチという新たな名称で登場する。これもマルチシナリオの中に組み込まれていて、ストーリーの進行上、プレイヤーが属する勢力によって参加できるオーダーマッチが変化するのが特徴だ。
作戦を選択すると、ブリーフィングで詳細な作戦内容を説明してくれるのは、これまでどおり。しかし、今作ではブリーフィングの演出が大幅に強化されている。ムービーとフルボイスで、置かれている状況や取るべき行動をわかりやすく解説してくれるのだ。ミッション内容は多彩で、アームズフォートと対決するものはもちろん、敵AC部隊のせん滅戦や特定ミッションではアームズフォートと共に戦うものまで、その内容はさまざま。ブリーフィングをしっかり見てから、機体構成を見直すことも多くなりそうだ。
ミッションの選択によってストーリーが大きく変化するのも本作の特徴のひとつ。カラードや3つの企業グループなど、複数存在する勢力のどこに与するかによって、それぞれの視点でストーリーが進行する。中には極端な行動を取らないと出現しないルートもあるというから、攻略しがいがあるぞ! また、ミッションによっては、傭兵である主人公に同じ都市を防衛するか、侵攻するかの選択が迫られることもある。たとえば下の写真は海上都市ラインアーク関連のミッションで、左が防衛戦、右が侵攻戦を選んだ際の冒頭イベント。このように、同じステージでも選択によって状況、演出が変化するのだ。
本作は、地上の利権争いをする3つの企業グループや、リンクスを管理する機関”カラード”、またこれらに属さない謎の勢力など、さまざまなキーワードで世界が構築され、多数のキャラクターが登場する。ここでは、そんな魅力溢れるキャラクターを3人紹介しよう。ゲーム中は、彼らがNPCとして活躍するだけでなく、自分の僚機として雇えることがあるかもしれない。
管理機構カラード所属。フラジールは空力特性を突き詰めた異端の実験機で、紙のような装甲や脆弱性、射撃精度の低さから、多くの点で実戦的とは言い難い。
ネクスト開発会社BBFの女性リンクス。BFFの新しい女王と呼ばれる存在だ。乗機となるアンビエントは、重4脚機との共闘を想定した、前衛用の2脚機。
カラードに所属しないイレギュラー。世界を支配する企業を揺るがすため、もうひとりのイレギュラー、テルミドールと組んでいる。機体名は定跡を意味する。
これまでにも、何度かマルチシナリオにはチャレンジしていますが、今回は、背景となる世界観もあわせて分岐によっては、かなりシビアな展開になることがあります。多様なキャラクターが、さまざまな個性を持って登場しますので、彼らとともに、どういった選択を行うかを楽しんでいただければと思います。当然、ひとつのシナリオだけでは全貌を把握することは難しいので、くり返しプレイしても楽しめるものになっています。最初はひとりでクリアーして、2度目以降は友達と協力しながらと、いった遊びかたも楽しいと思いますよ。
(プロデューサー鍋島俊文)