« クーラードリンクの悲劇 | HOME | シェンガオレンを食べたい »

先行体験! ヴォルガノス!!

Today's text 大塚角満

 これまで寝る間も惜しんで『モンスターハンター』シリーズに浸かっていた我々ベテランハンターが、今回の『フロンティア』でもっとも期待していることは何か。新武器? もちろん、それも重要。新たなルックスと強さを纏った武器でモンスターに挑むときの高揚感はナニモノにも代えがたいものがある。お、そちらは新防具? 確かに、オノレの分身の姿かたちをガラリと変えてくれる新たな防具は、モンスターをハンティングして素材を得るための格好のモチベーションになる。アラ? そちらは新マップどすか。うんうん、わかるわかる。”樹海”のように『フロンティア』で新たに加わった地平は、ベテランハンターにこそ喜ばれたはずだ。俺も毎日のように樹海に潜っては、そこから得られる珍しいアイテムに一喜一憂しているクチである。

 しかしここに挙げた要素を指して、「これにいちばん惹かれた!」と断言するハンターは、意外と少数派なのではないだろうか。やはり、ドンドルマに長く住み着くベテランハンターたちがもっとも求めるものは”刺激”以外にない。では何がいちばん、屈強で手練なハンターに火をつけてくれるのか。そう、あれしかない。”新モンスター”だ!

 『フロンティア』の正式サービスがスタートしてまもなく導入された新モンスター、”眠鳥”ヒプノックと初めて対戦したときは感動した。動きそのものはトリというだけあってクックやゲリョスを彷彿とさせるものがあるのだが、余裕あるPCの能力の賜物か、「こいつ、やたらと頭がいい!!」と驚愕したことをよく覚えている。直線ではなく、追尾するように曲がって追いかけてくる啄ばみ、自分の死角になる背後に回り込ませまいとする細やかな動き、そしてハンターとの距離を測るように繰り出してくる多彩な睡眠ブレス。これまでのシリーズに出てきた飛竜たちは良くも悪くも猪突猛進タイプが多かったので、ハンターとの間合いを見ながら戦うヒプノックの登場は、何気に『モンスターハンター』にとって”確実な一歩”になった気がした。

 このように、すっかりヒプノックに魅せられてしまった俺だが、『フロンティア』ならではの新たなモンスターはコイツだけではない。これまで何度かメディアで紹介されているがもうまもなく、”溶岩魚竜”ヴォルガノスが配信となるのだ!! うーん、楽しみ!!

 さて、本日ここで言いたいのはですね。見るからにヤヴァそうなこの火の魚竜と、なんとワタクシ、対決してきてしまったのですよ!! そのプレイリポートを書いちゃおうかなぁ〜と^^ 「おめえだけズルイぞ!!」と言われるのを承知で、江野本ぎずもとともに挑んだヴォルガノス体験リポートを綴らせていただこう。

 溶岩魚竜の名のとおり、ヴォルガノスが登場するのは火山である。ホラ、火山のエリア2とエリア7に、「いかにも怪しい」って感じの黒い大岩が違和感たっぷりに置かれていたでしょう。ヴォルガノスのクエストではあの大岩がなくなり、その先に広がる隠しエリア(?)に行くことができるのである! 新たに現れたエリア9、エリア10がヴォルガノスの棲家、ってわけだ。

volgairiguchicom.jpg
▲ここがヴォルガノスが住むエリアの入り口。これまでにあった大岩がなくなっているでしょう。

 少々……というか大いにビビリつつ、まずはエリア10に侵入。今回はカプコンさんのご配慮で、武器は水属性のガンランス、防具は火耐性に優れるレウス装備を用意してもらった。もちろん、俺がリアルで育てている『フロンティア』のキャラよりも、遥かに強い借りもののハンターである。しかもスキルに自動マーキングまでついているので、ヴォルガノスがどこにいるのか一発でわかる。加えて所持アイテムを見ると、シビレ罠、落とし穴から始まって、音爆弾、回復フルセット、食料どっさりと至れり尽くせりの待遇ではないか。こんなセレブな格好をさせられて、初めて戦うモンスターとはいえ、このオレ様が遅れを取るわけもなかろう。問題はドスランポスあたりと戦うときも、いまだにギャーギャー喚きながらガチャプレイに徹している江野本の存在だけだ。俺は必要以上にビビりまくっている江野本を睨みつけて「足ひっぱんなよなあ、えのっち」とジャイアン声を張り上げた。それを受けて江野本は「わかりました! がんばります!!」と気合をみなぎらせる。俺はヨッシャヨッシャとエラそうにうなずいて、ヴォルガノスが待つエリア9に足を踏み入れた。

 それにしても、真っ赤なマグマがドプンドプンと波打っている溶岩の海っていうの、絶望的に恐ろしい風景ですな……。美しい『フロンティア』の映像だけに、(こっから飛び出してくるのはどんなバケモノなんだ……)という恐怖感が倍増される感じ。ドキドキしながら波打ち際(でいいのか?)に接近すると……なんか背ビレが見えるーーーー!! やっぱりいるんだこの中に!! 肝をつぶして内陸部に逃げようとすると、ザッパーンという濡れた大音響とともに巨大なサカナが陸地に飛んできた!! ヴォ、ヴォルガノスがキター!! 打ちあげられて(って、勝手に飛んできたのだが)びたんびたんと地面で跳ねるその姿は、やっぱり魚竜・ガノトトスを彷彿とさせる。ガノトトスと比べてルックス的に異様なのは表皮で、溶鉱炉に放り込んで10分ほど経ったあとに取り出した鉄鉱石のような質感を持っている。……溶鉱炉に放り込んだあとの鉄鉱石を見たことはないが、たぶん、こんな感じなのではなかろうか。堅い外殻の裏でメラメラとマグマがたぎっているような、そんな雰囲気なのだ。まあ簡単に言うと、やたらと熱そう!! なのである。でもいつまでもアチーアチーと言ってても始まらないので、俺はガンランスを構えてヴォルガノスと対峙した。ちなみに江野本は、水属性の片手剣を装備している。ふたりして、ヴォルガノスの巨体を支えている左右の脚に斬りかかった。

 がきーんガキーンガキーン……

 !!? は、弾かれるの!? 見るとヴォルガノスの脚の先は蹄のような形状になっていて、めったやたらと堅いようなのだ。ガンランスの俺だけじゃなく、片手剣の江野本の攻撃も弾かれている。うーん、これはやっかいだぞ。ヴォルガノスの大きさは完全にガノトトスのそれに匹敵する。つまり、異常にデッカイのだ。脚の先が弾かれてしまうということは、腿、顎の下、腹の下あたりを斬るしかなかろう。どんな攻撃をしてくるのかわからない相手にあまり接近したくないのだが、止むを得まい。俺はヴォルガノスの顎の下に潜り込んで、チクリチクリとガード突きを繰り出した。うん、ここならなんとか刺さる。もう俺は一生ここで生きていこう。そう思った矢先にヴォルガノスが巨体を揺さぶるような仕草をし、ばいーんと横向きの体当たりをかましてきやがった!! そう、ガノトトスがよく見せる、横っ腹を使った体当たりだ。その容姿どおり、ヴォルガノスの攻撃はガノトトスのそれに近いことがこの体当たりでよくわかった。

volgahihakicom.jpg
▲口から何か吐いてくるところはガノトトスと同じだが、こやつは水じゃなく、マグマの塊を吐いてくるからたまらない。

 しかし、”ヴォルガノス=ガノトトスの火バージョン”と思うのはあまりにも早計だ。俺も体当たりを食らった瞬間はそういう思いが頭をよぎったが、やはり『フロンティア』ならではの新モンスターはそんなに生易しいものではなかった。誤解を恐れずに言うなら、ヴォルガノスは”ガノトトスからマヌケさを取っ払って、いやらしさを付け加えたモンスター”って感じである。特徴的なのが、ガノトトスもときたま繰り出す腹ばいになってズリズリと前進してくる体当たり攻撃。ヴォルガノスもこれと同じことをやってくる。しかしガノトトスの腹ばい攻撃が一直線なのに対して、ヴォルガノスの腹ばいは一定距離進むと向きを変えて、ハンターを追いかけてくるような形になるのだ! これは怖い。心理的に、背後からズリズリと迫ってくるものほど怖いものはないでしょう。それがこんなでっかいモンスターなのだから恐ろしさもひとしおである。その証拠に、カプコンさん応接室で遊ばせてもらってるっつーのに、江野本がギャーギャーワーワーとうるさいことうるさいこと……。でもこのときばかりは、俺も心の中で江野本以上に「ウギャーギャワワワー!!!」と叫んでおりました……。

 また陸地に上がっているときだけではなく、マグマの海の中でもヴォルガノスは多彩な攻撃を仕掛けてくる。ゴバー!! っと吐き出してくるマグマの塊や、イルカのように空高くジャンプした瞬間に放射状に飛び出してくるマグマ弾……。あまりにもマグマ攻撃がウザいので溶岩海から引きずり出そうと思っても、チャレンジした数回では音爆弾の使いどころがわからずにいたずらに接近してマグマの雨を浴びまくるハメに……。そのうち、江野本がズリズリアタックで1オチ、さらに復帰したとたんにフライングボディープレス(この巨体をジャンプさせてプレスしてくる! ダイミョウザザミのボディープレスのようなものかな)をまともに食らって2オチ。しかし江野本を怒っているヒマもなく今度は俺が巨大な尻尾のビンタ(『2nd』で似たような攻撃をしてくるモンスターがいる)をまともに食らって3オチめ……。「あー!! やられてる!!」という自分の2オチを棚にあげた江野本の絶叫に、俺はただただ「しぃましぇん……」と応えるだけだった……。

 こんな感じで、ヴォルガノスはひと癖もふた癖もある、ヒプノック以上に手強いモンスターでありました……。俺たちが遊ばせてもらった段階では、「ちょっとふたりでは厳しいかも……」という感じだったが、さてさて、実際に配信されるときはどうなっているのであろうか。早く気の合う仲間たちと、この想像を絶するマグマ魚竜と戦ってみたいものだ。

volgadekaicom.jpg
▲デケェよおおお!!!

volgaharabaicom.jpg
▲やっかいな腹ばいズリズリ攻撃。一定距離進むとL字型に方向を変えるのがじつにいやらしい!

volgapresscom.jpg
▲頻繁にくり出してくるボディープレス。食らうと尋常じゃないダメージを負わされます。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www1.famitsu.com/pc/cgi-bin/mt/mt-tb2.cgi/1589

ファミ通猟団メンバー

●大塚角満
大塚角満ご存じ(?)、ファミ通のモンハン番長。ドタバタプレイ日記『本日も逆鱗日和』を上梓したばかり。ガンランスをこよなく愛するファミ通猟団のリーダー。
●中目黒目黒
中目黒目黒じつは初代『モンハン』からシリーズに触れている恐怖のテケトープレイヤー。属性や弱点などいっさい構わず、今日もテキトーに狩猟笛を奏でる。
●女尻笠井
女尻笠井角満ブログにもたびたび登場するヘビーユーザー。シリーズのプレイ時間は長いくせに、武器やアイテムの知識が驚異的に乏しい。愛用の武器は弓。
●百人乗っても稲葉
百人乗っても稲葉クックもレウスも知らない、オマエ本当にファミ通の人間か的な超ルーキーハンター。なんとなく、大剣を使いたいらしい。
●江野本ぎずも
江野本ぎずもファミ通猟団の紅一点。『モンハン』シリーズ未経験の超初心者だ。女の武器を使って野良クエに精を出す!? 武器は片手剣を使うそうな。

カレンダー

2007年10月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

カテゴリー

banner.jpg
© CAPCOM CO., LTD. 2007 ALLRIGHTS RESERVED.