本作は、「マリーのアトリエ」「エリーのアトリエ」に続く、
「ザールブルグ三部作」と呼ばれる初期アトリエシリーズの3作目。
「マリー」、「エリー」も面白いし、ほのぼのした魅力はシリーズ通して不変ですが、
「リリー」からプラットフォームがPS2に変わったこともあり、
個人的には本作がシステム的にもっとも洗練されていて、完成度も高いと思います。
(逆に「リリー」以降の「ユーディー」や「ヴィオラート」のアトリエシリーズになると、
せっかく作ったアイテムが時間の経過によって「腐る」など、
制約のきびしいシステムが追加され、のんびりとゲームを楽しみにくくなった気がします。)
2001年に発売された通常版よりも、こちらの「プラス」版のほうがイベント数が多いので、
プレイするならぜひ「プラス」版で。
主人公は、錬金術発祥の地ケントニスから、ザールブルグにやってきた
駆け出しの錬金術士・リリー。
このザールブルグで錬金術に対する市民の理解を深め、
国王に認められるなり、お金を稼ぐなりして、最終的にアカデミーを建設する、
というのがプレイヤー=リリーの目的。
(このときリリーが建てたアカデミーが、約十数年後、マリーやエリーの学び舎になる、
というふうに、時をさかのぼる形でシリーズがつながっています。
エンディングの歌を聴くと、リリーが成し遂げたことの意味をしみじみ感じます。)
わたしが思うこのゲームのいちばんの魅力は、
現代の都市生活ではぜったいに味わえない、
「一からモノをこさえている」感覚が楽しめるところ。
まずは錬金術の材料を自分の手で探すことからスタートします。
近くの(ときには遠くの)森や湖や野原や山へ出かけては素材を採集し、
工房に持ち帰って調合してアイテムを作成。
完成したアイテムは、イベントに応じて依頼主に売ったりあげたり、自分で使ったり。
基本的にはこの繰り返し。
けれどそんな生活が、夢のように楽しく素敵なのです。
たとえば、芳しい花を摘んで絞れば香料になるし、泉の水は磨けば純水になるし、
鉱物を製錬すれば金属ができる。
それらの一次加工品をさらに組み合わせて、より高度で実用的なアイテムを作る。
金属は武器や防具に、輝石は装飾品に、木材は楽器に、木の実はお菓子に、植物は薬に・・・。
不思議な効果を持つアイテムや、最終的にはもちろん金も作ることも可能になります。
「ありふれた液体や石ころや葉っぱから、こんなものが!」という
錬金術ならではの驚きと喜びを感じることができます。
作れるアイテムの数やジャンルが非常に豊富で、調合システムも奥が深く、
何度プレイしても飽きません。
2つめの大きな魅力は、「街の人との交流」がゲームの進行に重要な意味を持っているということ。
錬金術の腕と知識を高めるには、工房にひきこもってモクモクと調合しているだけではダメで、
ときには街に出て、いろんな人とコミュニケーションを取る必要があります。
これがまた楽しい。
リリーをとりまく魅力的なキャラクターたちは、親しくなると、
珍しい材料が採集できる場所や、調合の参考になりそうなレシピを教えてくれることも。
錬金術のヒントは、専門書のなかだけでなく、生活のあらゆるところに存在している、というわけです。
ゲームの目的である「アカデミーの建設」じたいは、極端にサボりさえしなければ
それほど苦労せず達成できると思います。
逆に、アカデミーが完成した時点でゲームが終わってしまうので、
あまり急ぎすぎず、制限期間(最長で9年間くらいだったかな?)めいっぱい、
ザールブルグでの暮らしを満喫してください。
*以下、余談ですが review for girls(女の子のためのレビュー)・・・*
メーカーの立場からすると、「女の子向け」とくくられるのは不本意かもしれませんが、
個人的には女の子にとくにお薦めしたいゲームです。
それも、
「デザインのすてきな雑貨が好き」とか、
「手作りのぬくもりが好き」とか
「ヨーロッパの古くて小さな町を旅してみたい」とか、
そんな乙女心を持った女性に。
まず、中世ドイツを思わせるザールブルグの雰囲気にうっとりします。
地名、人名、アイテム名、すべてがドイツ語風で統一されており、気分はメルヘン街道。(意味不明)
また、いい意味で“萌えない”、ユーザーに媚びてないキャラクターデザインも高感度◎。
「ゲームに登場する女の子キャラって、どうしてあんなに無意味に露出度が高くて
極端にステレオタイプな性格の娘ばっかりなのかな?」と
ときどきひっかかりをおぼえていたわたしにとっては(べつに嫌ではないんですけどー)、
ときにお転婆だったり、ときにお姉さんだったり、しっかり者だったり、だらしないところもあったり、
そんな自然体で等身大な女の子リリーはとても魅力的な主人公でした。
リリーに限らず、このゲームに登場する女の子は皆、それぞれに独自の夢や悩みを持っていて
(鍛冶屋を継ぐべく日々鍛錬するボーイッシュな娘さんとか、王宮騎士団入りを目指す美人のお姉さんとか、ねずみ小僧まがいの盗みをはたらく良家のお嬢さんとか)、
そんなところも、女の子がプレイすると共感できて楽しめるんではないでしょうか。
女性ユーザーへの最大のサービス(?)として、一部の男性キャラとのささやかな恋愛イベントもございます。
お相手も、麗しの王宮騎士から、明るく頼りになる武器屋の兄ちゃん、偏屈でクールな雑貨屋の青年、年下の見習い冒険者まで、ちょっとした乙女ゲーム並みのラインナップ。
恋愛イベントはあくまでサブ、本業は錬金術ですが、良き協力者である彼らの存在が、
街での生活に、ほんのり彩りを添えてくれることはまちがいありません。
リリーのアトリエ プラス 〜ザールブルグの錬金術師3〜のReview
ザールブルグで暮らしてみたい
最終更新日時:2006/12/22 15:16:52
レビュー内容
ザールブルグで暮らしてみたい
- 更新日時:2006/12/22 15:16:52 |
- プレイレビュー |
- 評価:93点
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アフィリエイト
リリーのアトリエ プラス 〜ザールブルグの錬金術師3〜
ガスト (2002年04月04日)
定価:5,040円[税込]
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