普遍的な価値をもった王道RPGを坂口博信は見事に進化させた。
グラフィックは特出していないが次世代レベルとして十分に綺麗。
音楽は植松サウンドの底力を感じる素晴らしい出来栄え。
シナリオはFF的だが期待に応える壮大な物語になっている。
登場するキャラクターは主人公にしても一見ダサかったり、
姫のくせにボンテージっぽい服装で登場するので
お前はど変体か?と思えたりもするが、
物語の進行と共にそれらは払拭されていく。
特に各レビューでも好評価の「千年の夢」はたまらない。
主人公カイムの過去の記憶の話なのだが、
サウンドノベル風の短編小説になってるので読みやすく、
そしてなにより読み物として面白い。
RPGをやっていて泣きそうになったのはこれが初めての経験だ。
さすが直木賞作家といったところか。
この千年の夢があることにより、
和製RPGとしてロストオデッセイは
もっとも進化したRPGと思える域に到達している。
そのくらい千年の夢が物語に深みを与え、
ゲームに必要不可欠な存在になっている。
しかも、それだけの存在感をもつにもかかわらず、
スキップしてあとでいつでも読めるようにしている配慮は
ユーザーの事をちゃんと考えており、押し付けがましさがなく、
さすがとしかいいようがない。
サウンドノベルをRPGの中に取り込み見事に成立させるあたり、
坂口博信のRPGを作る才能を感じずにはいられない。
コマンドバトルは馴染みやすく、
最近の新しいだけの押し付けがましい新システムバトルとは違い、
楽しさを理解するまで時間がかからない。
個人的にはこの形が一番やりたかったので大変満足している。
このコマンドバトルには確実に普遍的な面白さがある。
戦闘の難易度設定は意外と高く、
最初のボスで負けたときは驚いた。
少々頭を使って戦わないと勝てない調整は、
絶妙な緊張感を生み、戦闘にやり応えを出している。
ゲーム開始直後からの怒涛のイベントムービーは
ブルードラゴンのディスク1枚目のような掴みの弱さはなく、
がっしりと心を鷲掴みして世界に引き込んでくれる。
昔ながらのRPGファンが待っていた
あのやりたかったテイストがしっかりとここにある。
そして最終局面での曲はFF7の「片翼の天使」を超えずとも並ぶ
FFファンに是非聴いてもらいたいクオリティの
盛り上がりを演出してくれる。
不満点を上げるならばロード時間が長いところくらいだろう。
FF10を楽しめた世代、またFF10のようなRPGを長年探している人は、
ロストオデッセイがそれを満たしてくれるはず。
これはもう一つのFFであり最新のFFみたいな出来栄えなのだ。
XBOX360という一般的には敷居の高いハードでの発売が残念だが、
これを機会にハードごと買うのもけっして間違った選択ではない。
これがPS3でタイトルだけFFにして売ったら
いったいどれだけ売れ、どんな評価になったのだろうか。
これだけ完成度の高い日本人好みのRPGが売れないのなら、
XBOX360が日本で普及する可能性は極めて低い
という証明にもなっているだろう。
ロストオデッセイにはFFファンが期待している物がある。
そして昔からのRPG好きにこそお勧めしたい。
ロストオデッセイのReview
まるでもう一つのFFの集大成であり、王道RPGの最新進化版
最終更新日時:2007/12/17 18:04:41
レビュー内容
まるでもう一つのFFの集大成であり、王道RPGの最新進化版
- 更新日時:2007/12/17 18:04:41 |
- プレイレビュー |
- 評価:98点
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