『Complete Selection 仮面ライダー龍騎Vバックル』開発者インタビュー
以前にもファミ通.comで取り上げた、『Complete Selection 仮面ライダー龍騎Vバックル』(過去の紹介記事)。“大人も装着できる仮面ライダー変身ベルト”として開発された同製品は、前作『DXファイズギア』に続く“Complete Selection(コンプリートセレクション)”シリーズの第2弾。発売は2005年3月下旬、価格は31500円[税込]。これまでオンライン販売を中心に様々なホビーショップで受注が行われてきたが、いずれも早い段階で完売続出。現時点で予約にこぎつけるのは、非常に難しい状況となっている。
●そもそも、“仮面ライダー龍騎”&“Vバックル”とは?
“仮面ライダー龍騎”は、2002年2月〜2003年1月までテレビ朝日系列で放映された番組。“Vバックル”は同作品中に登場する変身ベルトだ。このベルトは番組放映当時、バンダイより子供向け玩具『変身ベルト Vバックル』として商品化。2002年11月には、トイザらス限定バージョン『変身ベルト Vバックル 13ライダーセット』も発売された。こちらも子供向け。
13ライダーセットとあるが、これは仮面ライダー龍騎の作品中には、総勢13人もの仮面ライダーたちが登場するため。ジャーナリスト見習いの主人公、敏腕弁護士、凶悪犯罪者、刑事、占い師、女詐欺師、巨大企業の総帥など、登場人物は実に個性的な面々だ。本作の見どころは、仮面ライダー同士のバトルロワイヤル。ライダー同士が戦いを繰り広げ、最後に生き残ったライダーはどんな願いでも叶えることができるという設定だ。13人は各々の変身ポーズから仮面ライダーに変身し、それぞれの思惑を胸に戦いへ身を投じていく。そこで仮面ライダーに変身するためのツールとなるのが、共通の変身ベルトであるVバックルと、各々がひとつずつ所有する13種類のカードデッキである。
最初に商品化された『変身ベルト Vバックル』は、ベルト本体とともに、序盤からの主要キャラクターである、龍騎、ナイト、ゾルダの3人のカードデッキが同梱。3人分しか同梱されなかったのは、当時のストーリー進行上、まだ多くのライダーが劇中に登場していなかったため。その後、シーズン後半に復刻&バージョンアップ版として発売された『変身ベルト Vバックル 13ライダーセット』には、13人分のカードデッキが同梱された。今回発売されるコンプリートセレクション版にも13人分のカードデッキが同梱されているが、これがファンを惹きつける魅力のひとつとなっている。 |
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●大人対象変身ベルトの“うみの親”に聞く
『Complete Selection 仮面ライダー龍騎Vバックル』は、熱心なファンやコレクターにとっては正に念願叶ったアイテムだろう。大人対象のため無理なく装着することができ、搭載された各種ギミックによって思う存分“なりきる”ことができる。素材には重みのあるダイキャストを使用するなど、子供対象ではなかなか実現できないクオリティも魅力的。
しかしながら“3万円の変身ベルト”というのは、決してこれまで馴染みのあった商品ではない。中には購入の決断を躊躇してしまい、いつの間にか予約が終了していたという人もいるのではないだろうか。数量限定のため、購入者しか知ることのできない仕様も気になるところ。そこで今回はこの『Complete Selection 仮面ライダー龍騎Vバックル』の実態に迫るとともに、バンダイの開発担当者の方にお話を伺った。
――本日はよろしくお願いします。まずは、今回の企画の経緯と、担当チームについて教えていただけますか?
はい、コンプリートセレクションシリーズについては、発案・進行はバンダイ ボーイズトイ事業部 ローエイジチームが担当しています。ローエイジチームは、3〜6歳の男の子を対象に、スーパー戦隊シリーズ、仮面ライダー、ウルトラマンなどの関連商品を主に取り扱っています。
ボーイズトイ事業部の開発チームには私たちローエイジチームのほかに、ハイエイジチーム、ハイターゲットチームの3つがあるんです。ハイエイジチームは小・中学生を対象に、例えばホビー玩具やデジタル玩具など。ハイターゲットチームは、例えばガンダムトイ商材や超合金シリーズなどの可動式フィギュア、インテリア製の高いものなど、大人が楽しめる商品を主に開発しています。
――なるほど。しかし今回の素材ですと、対象年齢としてはハイターゲットに属するのではないですか?
そうですね(笑)。素材や仕様としてはそうかもしれませんが、今回はローエイジチームの企画として進めています。社内でも基本的に“担当がやりたいといったものをやる”というスタンスがありまして、「子供向けのベルトの玩具を作るノウハウで大人向けのベルトを作りたい」という気持ちから商品化に至りました。
――開発期間はどれくらいかかったのでしょうか?
企画自体は2004年の夏前には立ち上がってました。そこでまず2005年3月発売というのも決めてしまって、それに合わせて動くわけです。設計して、金型を作って、トライ品(量産前金型あがり品)ができたら今度は量産して、あらかじめそれらを全部スケジュールに落としておいて。普通の玩具を作る流れと基本的には変わらないですね。企画が通ってから商品の発売までは、およそ半年くらいかかります。
――『Complete Selection 仮面ライダー龍騎Vバックル』はシリーズ第2弾になりますが、そもそも“大人向け”の需要があることは分かっていらしたんですか?
もともと子供向けに開発されたもののグレードアップ版というか、仕様をさらに上げた商品というのは、以前から色々な場面で要望があったんです。大人になっても「変身したい」っていう願望はありますし、我々もそれを理解しています。子供対象の場合、安全性を考えて設計をするため、エッジを丸くしたり、価格を抑えるため仕様を落としたりしますが、大人対象ではそういう制限も比較的少ないはずなので、子供対象ではなかなか実現できない部分を取り入れていく考えです。
実際に商品化しようと思った動機は、そういう“感覚”でしょうか(笑)。僕もそういうのがあれば欲しいなあなんて思っていたし、同じ考えの人って結構いたと思うんですよね。子供用に作られたものを大人用サイズに改造したりする方もいらっしゃいますし。テーマが仮面ライダーということもあって、社内ではそれほど抵抗なく話を聞いてもらえました。
あと、バンダイとしては子供だけでなく、おじいちゃんとかおばあちゃんも楽しんでくれるような商品を提供していくことを目指しています。国内では少子化も進んでますし、玩具メーカーの立場としてはやはり子供以外の層にもアプローチしていかなければなりません。これまで続けてきたことですけども、今回の商品についてもそういう部分への挑戦になりますね。この商品も最近拡大している大人向け玩具市場の究極のアイテムといえましょう。
――企画を通す際、特に釘を指された点は無かったのですか?
論点としてあがったのは価格ですね。本当に3万円で売れるのかと。ダイキャスト使っていたり新規造形で金型を起こしてるので、実際は3万円という価格設定も原価からみると相応なんです。金型を起こしたり、カード82枚付属等、価格に見合った仕様になっています。企画を通した後は、とにかく徹底的に良いものを作らなければなりません。ファン方の目にかなう仕様で、かつ量産しなければならない。その辺のバランス取りが難しかったですね。
――第2弾として“Vバックル”を持ってきたのは何故ですか?
まず、第2弾をやろうと思ったのは前作の反響があってこそ、というのがあります。前作『DXファイズギア』もおかげさまで好評をいただきました。第2弾として“龍騎”を選んだのは、番組の人気が一番大きいですね。“仮面ライダークウガ”から始まったいわゆる“平成ライダーシリーズ”は、大人も子供もそれぞれ楽しめるような作品に仕上がっていますが、なかでも3作目に当たる“龍騎”はトップクラスの人気でした。当時の商品としては子供向けの『DX龍召機甲ドラグバイザー』が人気だったんですが、アドベントカードとの連動もあってベルトも好評でした。
ポイントは、やはり劇中での13人のライダーの存在でしょうか。13人それぞれの変身ポーズがあって、みんな個性的で、番組的にも面白い部分ですよね。劇中では鏡の前でそれぞれ変身ポーズをとるわけですが、好きな人はやっぱり実際にやってみたいじゃないですか(笑)。それぞれの変身ポーズがある分、ファンの方の感情移入度が高かったりとか、“龍騎”の人気の秘密はそういう部分にあるんじゃないかと思います。
あと、すっかり“コンプリートセレクションシリーズ”で定着してますが、実はシリーズ化という意識は初めはなかったんです。“555(ファイズ)”が変身するときって、ベルトから「Complete!」っていうサウンドが流れるじゃないですか?それをそのまま名付けたんですよ。商品は劇中のファイズギア一式を同梱していたので、“コンプリートセレクション”だろうと(笑)。でも、こうしてシリーズ化して、第2弾の発売を迎えることができるのは本当に嬉しい限りです。
――それは知らなかった(笑)。いま目の前に試作品があるわけですが、正に鋭意開発中といった様子ですね。
造形についてもとにかくこだわりが重要なので、当然ですが何度も作り直しています。全てのパーツについてゼロから作り上げているわけですが、特に苦労したのがカードデッキです。子供用ですと、例えば“ナイト”のデッキはメッキをペタッと貼り付けていて、表面は平らに近い状態になってるんです。でも劇中ものはそうではない。すごく立体的ですよね。
細部の凹凸の有無によって、全体的なクオリティにはとても差がでますよね。あと立体的にするにしても、切り込みの角度とか、ロゴマークの大きさとか長さとか、そういうところにもかなりこだわっています。雑誌なんかには“本物”の写真が大きく載っていたりするので、見る人が見ればすぐに違いは分かっちゃいますしね。それがライダー13人分なので、作業は13倍というわけです。
あと、サウンドについては新たに入れ直しています。とはいっても、そもそもVバックルのサウンドって、作品中の設定としてもあまり多くないんですよね。従ってベルトのギミック自体もファイズギアみたいに単体で遊べちゃうほどのものではないので、今回はベルトとカードとデッキがセットで、皆さんには“変身”を楽しんでいただこうというコンセプトです。13人分の変身ポーズをとって、デッキに好きなカード入れて「ブァーン」って抜いてなんてやったら、好きな人はやっぱり楽しいと思います。それぞれ個々のデッキやカードだけ見ると、龍騎を知らない人には「ふ〜ん、なんなの?」って感じでしょうけどね(笑)。
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――とりあえず、必要な要素は全て詰め込んだという感じですか?
う〜ん、強いて挙げるとすれば、実は劇中だと“オーディン”だけバックルが金色なんですよ。気付いてました?さすがにここで金色も作っちゃうのは難しかったので、今回はこれで勘弁してくださいと(笑)。
――あと、やっぱり“ドラグバイザー”と連動させて遊びたいなあと思うんですが……。
今回付属するアドベントカードに関しては独自のサイズになりますので、残念ながら『DX龍召機甲ドラグバイザー』とは連動しません。アドベントカードは劇中デザインでもプラ製ですので、これも魅力のひとつであるかと思います。でもドラグバイザーが大人対象として出てきたら楽しいでしょうね。よりクリアなサウンドが轟いたらと思うと興奮しますね。
――次回作、第3弾が登場する可能性はありますか?
ええ、第3弾も作ろうと思っていますので、期待してください!……で、今度は何がいいでしょう?(笑)というのも、次回についてはいまのところ本当に未定です。社内でももちろん、ハイターゲットチームと話しあったり色々と検討していきますけど、やはりもっとファンの方々の反響を見てからというか、希望を形にしていきたいと思っています。
いまのところベルトシリーズで来てますから、個人的にはまずは“平成ライダーシリーズ”全部とか、ひと通りベルトを作りたい気持ちはあります。でも、ドラグバイザーのような装備や、その他の武器なんかも悪くないですよね。あとは、ベルトと武器のセットとか。往年のライダーたちのものもいいですよね。最近はDVDでも旧ライダー作品が続々と映像化されてますし、やってみたいことは本当にたくさんあります。
あと、子供向けにもう一度“Vバックル”を復刻します。仕様も以前発売されていたものより少し変わっています。いま“クウガ”とか“アギト”の子供向けベルトがリニューアル版として発売されてるんですが、その流れを汲んだものになります。
――なるほど。実際に開発に関わっている方からそう聞くと、とても楽しみですね。
開発担当者というよりも、ファンの方々と同じく実際に私も仮面ライダーが好きですので、皆さんと一緒に要望を形にしている立場にあると思っていただけると嬉しいです。そもそも自分がこういうのを好きじゃなければ、良いものは絶対に作れないです。だからこそ次回作の構想を練るにしても、ファンの皆さんに「次は何がいいですか?」って常に問い掛けていきたいと思っています。
――期待しています。本日はありがとうございました!
【関連記事】気になる仕様はいかに!?大人対象『Vバックル』に触ってみた
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