NCsoftの新作『ブレード&ソウル』の鍵を握るキム・ヒョンテと開発者にインタビュー!
●NCsoft渾身の新作を直撃
先日韓国で発表された、NCsoftのPC向け新作オンラインRPG『ブレード&ソウル』。こちらでご紹介したように、日本でも人気の高いイラストレーター、キム・ヒョンテ氏がアートディレクションを務める本作のグラフィックは美しく、早くも大作の風格が漂っている。ファミ通.comではキム・ヒョンテ氏と、本作の開発責任者であるペ・ジェヒョン氏にインタビューを行なった。
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左:『ブレード&ソウル』アートディレクター キム・ヒョンテ氏 右:NCsoft 開発部 本部長 チェ・ジェヒョン氏 |
――『ブレード&ソウル』のテーマについて、「東洋的なものを作りたかった」と発表会でおっしゃっていましたが、なぜそのように考えたのか教えてください。
ペ・ジェヒョン(以下、ペ) 『リネージュ』、『リネージュII』とヨーロッパテイストのファンタジーを作ってきたのですが、まずそれとは違う方向性のものを作ろうと考えていました。
キム・ヒョンテ(以下、キム) 東洋風のファンタジーとは、具体的には武侠(中国を中心に韓国でも人気のある、武術により正義を実現する時代劇)です。自分自身を鍛練して、仇討ちをするといった、武侠的なシンプルで強烈なパワーを持った武侠をより発展させて、オリエンタルなファンタジーを作ろうと思ったんです。
――本作のデザインは確かに東洋風でありながら、必ずしも典型的なアジアのものではなく、ヨーロッパ的なものなどがミックスされているように見えるのですが、デザインする際に苦労した点や工夫した点などあれば。
キム 韓国で武侠というと、(時代劇で侍が着物を着て笠を被っているような)固定化された観念があるんです。そうではなくて、中国や、モンゴルや、ロシアなどの多様な文化を活用して、進化した武侠のデザインを見せたかったんです。そしてオリエンタルな要素と、私が持っているデザイン上のアイデンティティーとをミックスして、うまくビジュアル的に表現しようと考えました。
ペ 一般的にはキム・ヒョンテはアートイラストのような(イメージ的な)ものが優れていると認識されていると思いますが、実際には3Dのデザインなどにも優れているので、NCsoft本社でもアートディレクターの役割も果たしています。
キム アートワークから感じられるような全体的な雰囲気を、できるだけゲームでも表現したかったんです。
――本作は“Unreal
Engine 3”を使用しているそうですが、使ってみてどうでしたか。
ペ 決して万能ではないのですが、基盤がしっかりしているエンジンなので採用することにしました。
キム “Unreal
Engine 3”は(『Gears of War』のように)暗い雰囲気でモンスターを描いたりするような処理を得意とするのですが、『ブレード&ソウル』では人間のキャラクターが中心となるので、どの角度でも美しくなるようにライティングやレンダリングを気を付けて作業していて、ほぼ完成に近づいています。
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▲キム・ヒョンテ氏が本作のために描き下ろしたアートワークから。氏一流の、独特の世界観がうかがえる。 |
――ティザームービーで気になったのですが、打撃を受けているキャラクターからダメージ値のような数字が出ているのは、まさか実際のキャラクターのモーションなどをそのまま使っているのですか?
ペ ムービーで使っているのは、ほぼ100パーセントゲーム画面です。
――失礼ですが、てっきりただのイメージビデオだと思ってました!
ペ 演出用にカメラを固定したり、スローモーションなどの効果は足していますが、ふたりのキャラクターが格闘しているパートなども、キム・ヒョンテとイラストを担当している別のスタッフが一緒にキャラクターを操作して撮影したものですよ。
――とすると、壁を走っているシーンなどもありましたが、あちらもゲームで出てくるモーションなのですか?
ペ はい、そのとおりです(笑)
――これだけハイクオリティーだと、プレイするのに相当スペックが必要そうですが……。
ペ 日本ではノートPCを使用しているユーザーが多いと聞いていますが、ノートPCだと辛いかもしれませんね。
――ティザームービーに出てきたシーンだとほかにも、関節技が出てきたり、打撃のモーションがいろいろあるのに驚きました。オンラインRPGだと往々にして、威力だけ増えたり、エフェクトだけ変えた、似たようなモーションの技だらけなんてこともありますが、本作では攻撃モーションやスキルのバリエーションは豊富に用意されているのですか?
キム はい、その場でほぼ棒立ちに技を繰り出したり、同じモーションでスキルが水増しされているようなことは確かにありますよね。でも本作では武侠や武術をテーマにしようと考えているので、そういうことはしたくなかったんです。
ペ 格闘ゲームは狭いステージで1対1で戦いますが、それをもっと拡大化して、たくさんの人が広い場所で戦ったらどうなるかって考えたんです。そうすると幅広くて多様なアクションが必要です。クラス(職業)は全部で8クラスを用意しているのですが、今回の発表に出てきたのは2つのクラスでしかありません。剣を使ったクラスと格闘するクラスが出てきましたが、まだまだそれ以外のクラスがあるので期待してください。
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▲これがダメージ値らしきものが出ていたというシーン。記者は本当にイメージ用にわざわざ作成したものだと考えていたので、ほぼ実際のプレイと聞き仰天。 |
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▲オンラインRPG史上あまり見た記憶がない、マウントポジションからの攻撃シーン。 |
――舞台になる世界の名前はあるんですか?
キム じつはまだ決まってないんです。
ペ 戻ったらすぐにつけなきゃいけませんね(笑)。
――本作の主要な要素のひとつとして、ゲーム世界の環境が変化することが挙げられていましたが、これは具体的にどのようなものなのですか?
ペ たとえばティザームービーでは雨が降る場面がいくつか出てきたかと思うんですが、自然に雨が降ったりもするんですが、これは意図的に雨を降らせることもできるんです。たとえばクエストの進行によって雨が降ってきて、それによって蛙が出てきたり、またその蛙を倒すといったようなストーリー性もあります。
キム このような環境の変化は、シングルRPGではすでにあることだと思うのですが、オンラインRPGでも表現したかったんです。
――クローズドβテストなどはいつごろから始まりますか?
ペ まだ具体的なことはお話しできないのですが、今年は難しいんじゃないかな……。
――日本での日程が決まるのを気になる人も多いと思いますよ!
キム 日本の市場には愛情を持っています。日本でPCを使ったオンラインゲームが他国ほど広まっていないのは、まだユーザーの味に合ったオンラインゲームがあまりないからではと考えていて、やりたいゲームがあれば、オンラインゲーム市場がさらに大きくなるんじゃないかと思います。日本のゲームクリエイターが携帯ゲーム機だけでなくオンラインゲームにももっと進出するといいなと思っていますし、本作がそういった流れを生み出すきっかけになればいいと個人的に考えています。
――デモムービーの最後にコミカルなシーンがありますが、本編でもこのようなシーンが登場するのですか?
ペ 個人的にコミカルな要素は好きで、『どうぶつの森』に出てくる”とたけけ”はとくに好きです。デモムービーに登場するシーンは、クエストを行なった際に表示されるシーンです。
キム デモムービーには登場しませんが、本作ではシリアスなシーンばかりではなく、かなりコミカルなモンスターなども登場する予定です。
――まだ本作は日本でのサービスが決まっていませんが、現状でどのように受け入れられると考えていますか?
キム 私たちは、日本が韓国に次ぐ第2の市場になるように願っています。日本のコミックマーケットとかでもなにか展開ができるといいですね……。
ペ ブース出したいよね……個人ブースで。(一同笑)
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