『メイプルストーリー』開発者に聞くこれからの展開
●新しい楽しみをこれからも追加していく
ネクソンジャパンの『メイプルストーリー』で7月30日に行なわれる、待望の新規職業“海賊”を含むアップデート。発表会ではこちらでご紹介したとおり、さらに先のアップデート内容についても言及されていた。ファミ通.comでは、本作の開発を統括するチェ・ウンド氏と、海外展開などを統括しているリュウ・インソン氏にインタビューする機会を得たので、“海賊”から今後の展望までいろいろ聞いてきたぞ。
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今回おもにお話を聞いたのはこの3人。左からネクソンジャパン柳本隆氏、ネクソン本社のWizet2室 室長のリュウ・インソン氏、Wizet1室 室長のチェ・ウンド氏。そのほかに日本でのマーケティングを担当する、ネクソンジャパンのキム・ヨンイル氏にもCM展開などについて語ってもらった。 |
──まずは先日のアップデートの発表を受けて、日本のユーザーの反応はどうですか?
柳本隆(以下、柳本) “海賊”が韓国で実装されてから、半年になります。ユーザーさんの中には、もっと早い段階に実装されるんじゃないかという期待もあって、3月末辺りの登場を予想していた人もいたみたいなんです。今回夏休み前の実装となったことで、“やっと海賊が来たな!”という感慨深いような反応が多かったです。
──“海賊”の実装が夏休み前というのは、タイミングとして狙った部分もあるんですか?
柳本 もちろんそれもあるんですが、“海賊”の登場によって新規ユーザーが増加することが考えられたので、新規ユーザー向けのコンテンツをちゃんと拡充しておきたかったんです。いまようやくその準備が整ったので、実装に向かったという形です。
――ではその“海賊”の話を改めてお伺いしようと思います。昨日の発表の際に、開発を統括するチェさんが「海賊を実装する際に“『メイプルストーリー』らしさ”を残すのがたいへんだった」とおっしゃっていましたが、どのようなものを“『メイプルストーリー』らしさ”と考えてらっしゃいますか?
チェ・ウンド(以下、チェ) 『メイプルストーリー』らしさとは、見た目の細かくてかわいらしい感じと、攻撃した時にちゃんと手ごたえがある打撃感の両方にある思います。既存の職業ではアクションにあわせてフレームを作っていくのですが、“海賊”は新規職業ということもあって、制限のある既存のフレームの中で新しいアクションを作っていかなければならなかったのが非常にたいへんでした。
――いま“アクション”というキーワードが出てきましたが、今後のアップデートの予定にある“最強のモンスターが登場する”とされている“時間の神殿”などアクション性の強いものになりそうですが、今後はアクション性が強化されていくのですか?
チェ “時間の神殿”は、新たなボスや新しいモンスターが登場するというのが大きなトピックになりますが、それで既存の職業などのアクション性が大きく変わっていくということはありません。ただ、“時間の神殿”で出てくるボスは、現在いる最強のボスモンスター“ホーンテイル”よりもレベルが20から30くらい上の設定になっています。いまの高レベルのユーザーたちで攻略したとしても、当分のあいだはなかなか倒せないんじゃないかと思いますよ。
――では、こちらもこれからの展開の部分になりますが、“メインストリームシナリオ”を今後実装するという、その意図は。
チェ 『メイプルストーリー』の全体的な世界観というのがまだ整理されていなかった部分が多かったので、一度整理したうえでクエストなどのゲーム内にちりばめていって、ユーザーに全体の世界観を理解してもらおうと思ったんです。
――ほかにあがっている“成長型アイテム”や“モンスターレイド”というものは比較的高レベルユーザー向けの内容になりそうですが、“メインストリームシナリオ”は低レベル向けのものも含まれるんでしょうか。
チェ そうですね。キャラクターを作ったばかりの状態から、メインストーリーを通ってプレイしていくことで、世界観を把握していってもらえればと思います。そういった意味ではある程度は序盤のコンテンツになってくるかと思います
――“成長型アイテム”というのも今後のアップデート予定にあがっていたかと思いますが、どういった形で強化していくのでしょうか。あるいは課金アイテムなどと絡めたものになるのでしょうか。
チェ あくまで韓国での話になりますが、課金アイテムとは関係ない形での実装を予定しています。“成長型アイテム”を装備して戦っていくことで、経験値がアイテムに溜まり、成長していく予定です。
――ではここでちょっと話を変えて、世界60カ国で運営されている『メイプルストーリー』ですが、そのなかで日本市場というのはどのように捉えていますか?
リュウ・インソン(以下、リュウ) アジアでは、中国・韓国・台湾などは若干市場が飽和状態で、競争も実際に激しいです。それに対して北米やヨーロッパは、まだまだコンシューマーゲームが基本で、未開拓の部分がたくさんあると思います。そのなかで日本は北米市場などと同じく、コンシューマーゲームがまだ中心で、オンラインゲーム市場が成熟期に突入しておらず、いまだ成長期にあると考えています。『メイプルストーリー』も日本の市場の成長とともに大きくなっていければいいですね。
――『メイプルストーリー』というと、日本でゴールデンタイムにテレビでCMを見られる数少ないオンラインゲームですが、北米などでもちょっと変わったCMを流されていますね。日本や世界でのCMの戦略などはどういったものがあるのですか?
キム・ヨンイル(以下、キム) 日本では2005年度からCMを開始しておりまして、現在も谷村美月さんに出演していただいていますが、新規ユーザーの開拓を目標としています。家族でテレビを見ているような時間帯にCMを流すことで、オンラインゲームの初心者に興味を持ってもらうのが目的です。
リュウ 北米市場はまだパッケージでの定額制ゲームが主流ですので、『メイプルストーリー』は無料で費用がかからないという部分をメインにCMを考えました。“無料でゲームができて、やりたいことはなんでもできる”というのをコンセプトに製作しています。おじさんの裸の体の上にカタツムリを這わせたり、別のバージョンでは子豚を散歩させたりといったものがありますが、『メイプルストーリー』でのモーションを実写でおもしろおかしく再現してみました。まず基本プレイが無料であるというのを押し出しつつ、まだアジアでのように認知度がそこまでないので、強いインパクトのあるものにしています。
――インパクトありました(笑)。それでは今後の開発の方向性などをお伺いできればと思うのですが。
チェ 『メイプルストーリー』はある程度の成功は収めていますが、まだゲームが難しいと考えているユーザーが多くいるというのもわかっています。やはりRPGなので難しい部分というのはあると思いますが、いくらかは改善していこうと考えています。既存のアップデートのようにマップやモンスターを追加していくのはもちろんですが、これまでなかった、新規職業を追加したときのような新しい楽しさというのを今後もコンテンツとして追加していこうと考えています。
――では、日本での『メイプルストーリー』はどのように進んでいくのでしょうか。
柳本 基本的には韓国で実装されたコンテンツというのを持ってくるんですけれども、日本では1カ月単位でパッチを当てているんですね。韓国で実装された要素と、日本で企画した要素を交互にアップデートしています。韓国で実装された大規模コンテンツを持ってくることもあれば、日本のユーザーからあがってきた要望や問題点を吸収したものを反映することもあります。
――日本のユーザーの意見を反映して、日本の『メイプルストーリー』を作っていくわけですね。
柳本 そうですね。日本側の企画もいっぱいありますので、それを韓国側に渡して一緒に調整しながらコンテンツにして、また日本にフィードバックするというようにしています。
――『メイプルストーリー』といえば、アニメやタイアップによるガム、カードゲームなどのライセンス事業も盛んですが、こういった新しいコンテンツを『メイプルストーリー』から作り出していく取り組みも継続して行なっていかれるのでしょうか。
キム そうですね。日本のユーザー向けの商品開発というのは欠かさずやっていきたいと思います。『メイプルストーリー』は若いユーザーが非常に多いので、今後もユーザーが楽しめるようなタイアップやライセンス事業をやっていければと思います。
――それでは最後に、今回実装される新規職業“海賊”をメインに日本のファンや、これから『メイプルストーリー』をプレイする人にメッセージをいただけますか。
チェ “海賊”は既存の職業と違って、いろんなスキルを組み合わせることで楽しさが変わってきます。ベストな組み合わせを探しながら、楽しくプレイしてもらえればと思います。
リュウ まったく新しい職業の追加となるので、新しい楽しさが感じられると思います。これまで『メイプルストーリー』を愛してくれているユーザーはもちろん、ちょっと離れていたユーザーや、まだプレイしたことがない人もぜひ参加して、体験してもらえればと思います。これからも応援よろしくお願いします!
柳本 チェ室長からもあったと思うんですけれども、“海賊”のスキルはこれまでと全く違った多様なスキルが実装されます。新規ユーザーも既存ユーザーも、本当に新しい、いままでとは違った『メイプルストーリー』を感じていただけると思いますので、(実装される)7月30日にはぜひキャラクターを作って遊んでみてください。それと今年の冬に、待望のオリジナルマップ“未来の東京(仮)”を実装する予定ですので、こちらも楽しみにまっていてください。
――ありがとうございました!
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| ネクソン Wizet 1室 室長 チェ・ウンド氏 |
ネクソン Wizet 2室 室長 リュウ・インソン氏 |
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『メイプルストーリー』の韓国での開発及び、サービス総括・新規プロジェクト開発総括を担当。 |
『メイプルストーリー』の海外での開発とサービスの総括を担当。 |
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