『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親としても知られる坂口博信氏率いる、ミストウォーカーが手掛けるApple Arcade向けの新作、『FANTASIAN』。

　多重構造を持つ世界を舞台に、ジオラマで作られたフィールドを冒険できる完全新作のRPGということは判明しているが、まだ謎に包まれている部分も多い本作。登場キャラクターとしては主人公のレオア、シャルルなどの存在は明かされていたが、どういった人物なのか、そして肝心のストーリーがどういったものなのかは、まだ語られていなかった。

　本記事では、そのあたりに注目した最新情報をもとに、ストーリーやレオアの仲間となるキャラクターたちを紹介。また、レオアたちの冒険の足となる豪華客船・ウズラ号についても解説していこう。

多次元世界の秘密を解き明かす物語

　行方不明になった父を探すため、世界各地で発見したさまざまな“もの”を駆使して多次元世界を探索している主人公・レオア。彼は物語の冒頭で、機械の支配する別世界でみずからが引き起こした魔法爆発によって記憶を失う。

　そして、唯一思い出した少女の面影をたどって、キーナという女性と再会することになる。

　みずからの運命を探すために旅立つ、レオアとキーナ。さまざまな出会いが待つ旅路の中で、レオアの記憶との対峙が描かれる。多次元構造を持つ世界の重要なキーワードは“混沌と秩序”。そして、世界で暗躍する“邪神”と呼ばれる者たち。見たこともない別次元を行き来し、世界の構造に秘められた謎を解き明かしながら、多次元の深淵へ迫る冒険がくり広げられる。

冒険を彩る魅力的なキャラクターたち

レオア

　本作の主人公。物語は、レオアが未知の機械世界で目醒める瞬間から始まる。レオアはみずからが引き起こした魔法爆発によって、その記憶を失っていた。なんとか頭に浮かんだ光景と少女の姿を頼りに、辺境の街・エンにワープし、そこでキーナと再会する。みずからの記憶と運命を求めて、探索の旅に出るレオア。そしてそれは、世界の構造と、それを操る“邪神”と呼ばれる者たちとの邂逅へとつながっていく。

チクッタ＆ハクッタ

　物語冒頭でレオアによって改造され、心と感情が芽生えたロボットたち。でこぼこコンビな2体は、やがて機械世界の秘密の場所で仲間たちと、とあるミッションを進めることになる。

キーナ

　辺境の街・エンの西に広がる、森の中で育った少女。占い師オーウェンに拾われた子どもだった。強い魔力を生まれながらに持ち、その運命や、そもそも人とは何かという問いかけを胸に抱いている。エンにて、ワープしてきたレオアと再会する。

シャルル

　民衆から敬愛されている、 次代の女王。女王であった母を幼いころに亡くし、どこか心を閉ざしたような少女に育った。その反面、王位継承者であることを強く自負している。レオアとは過去に、王宮の仮面舞踏会で出会ったことがあるようだが……。

ジニクル

　面倒見のいい性格と腕っぷしで、ビブラ王国中に名高い豪華客船・ウズラ号の船長に成り上がった。かつてレオアの父親・バナードとともに旅をしていた時期があり、レオアと出会い、そこにバナードの面影を見る。

エズ

　発明を得意とする少年。ビブラ王都の賑やかな街並みからは離れた外郭街で、育ての親であるダガルーンと暮らしている。

タン

　“霊獣”を操る、謎の男。かつてビブラ王国の隣国であるファルシオン帝国の諜報員だった。復讐の旅の途中で、レオアと出会う。

バウリカ

　混沌の世界でひとり生きてきた研究者。深い思想を持つ哲学者であり、優秀な科学者でもある。

冒険の足となるウズラ号

　ビブラ王国が誇るウズラ号は、いわゆる飛空艇のような性能を持つ豪華客船だ。物語の中で、レオアたちは船長のジニクルとともに、ウズラ号を使って冒険をくり広げていくこともあるようだ。どういった機能を持つのか、その詳細はいまのところ不明だが、公開されたゲーム画面には、まるで次元を超えるような光にレオナたちの姿も見える。ウズラ号にも秘密が隠されているのか？

　また、本作はジオラマで制作されたフィールドを冒険できることが特徴のひとつだが、ウズラ号もなんと模型として制作されている。コンセプトアートをもとに作られていく、ウズラ号の制作過程を写真でお届けしよう。

　こちらが、ウズラ号のコンセプトアート。白亜の船体に金の装飾、無骨な装甲が融合した、美しくも剛健なデザインだ。このアートをもとに、熟練のジオラマ職人たちが見事に立体化を成功させた。そのディテールをゲームで確認できる点も本作の魅力だ。なお、ゲーム内でのルートの設計上、実際の模型には変更が加わっている部分もあるが、その緻密さに変わりはない。