まだ記憶に新しい、2019年のラグビーワールドカップ。初の日本開催という大きな国民の期待を背負った“ブレイブ・ブロッサムズ”こと日本代表の大躍進に、目頭を熱くさせた方も多いはず。

 そんな世の中の熱気に感化される形で、人並みにラグビーを観て感動していた筆者。そんな中、いままで海外のみで発売されていた『RUGBY』シリーズの最新作『RUGBY 20』が2020年2月6日、プレイステーション4用ソフトとして3gooから日本版が発売される。正直、筆者はワールドカップからハマった、ピッカピカのラグビーファン1年生だが、はたして人生初のラグビーゲームを楽しむことができるのだろうか。

 本記事では『RUGBY 20』の製品版を一足先に体験。そのプレイレビューをお伝えしていく。

日本語版のパッケージはラグビー日本代表をフィーチャー。やっぱり気分も盛り上がる。

ワールドカップの興奮のまま楽しめる本格ラグビーゲーム

 本作にはラクビーワールドカップ2019に参加した20ヵ国のナショナルチームが収録され、そのうち日本を含む13のチームが実名で選手登録されている。そのため、筆者と同じくワールドカップからラグビーに興味を持ち始めたが、日本代表以外の選手はあまり知らないという方も楽しめるはず。もちろん、ラクビーワールドカップ2019の参加国がすべて揃っているので、戦いをゲームで再現するなんて楽しみかたもできてしまう。

 そのほかにも、フランスのプロリーグ“TOP14”から14チーム、同じくフランスの2部リーグ“PRO D2”から16チーム、イングランドのプロリーグ“PREMIERSHIP RUGBY”から12チームが収録。全62チームを使って試合を楽しむことができる。

残念ながら、日本の選手の写真は権利関係の問題で使えなかったようだが、登録名はしっかりと実名となっている。

 試合中の操作は少々複雑だが、それはスポーツゲームなので仕方ないところ。しかし、パスやタックルなどの基本的な操作は、“トレーニングモード”で練習することができ、初心者でも操作が覚えられるようになっている。試合では一瞬の操作ミスで攻守が入れ替わる場面も多いため、ゲームを始めたらまずはここで練習するのがよいだろう。ひと通りトレーニングモードを行っただけでも、ある程度試合らしくプレイできてしまうので、操作に不安がある方もそこまで心配する必要はない。

トレーニングモードでは“パス”、“ラック”、“スクラム“、“ゴールキック”、“タックル”、“タックル(上級)”、“ラインアウト”、“セットプレー”という8項目が用意されている。それぞれ操作を反復して練習できるので、一度行っておくだけでも覚えられた。
敵にタックルされた場合などに発生する“ラック”は、近くの選手を×ボタンでサポートに参加させて、入る瞬間にRスティックを前に倒すことで相手を押すという操作になる。試合中ではかなりの頻度で使うことになるので、練習は必須だ。

 ある程度トレーニングモードで操作を覚えたら、さっそく試合をプレイしてみることに。最初は操作に慣れていないため、小さいパスミスから相手に大きなチャンスを与えてしまったり、いまにも観客の失笑が聞こえてきそうな、あらぬ方向に飛んでいくコンバージョンキックなどを連発。意外とラグビーをゲームとして遊ぶと操作が忙しく、慣れていないとすぐにボールを奪われてしまう。

 しかし、次第に操作にも慣れはじめ、パス回しも成功するように。筆者もラグビーのゲームは今回初めて触れたため、最初は操作に不安を感じていたが、数試合を終えたころには基本的な操作は掴むことができた。

 とくに“流れるようなパス回しが成功したとき”や、“サイドの選手が一気に敵陣へと駆け上がる瞬間”はかなり爽快。ラグビーというスポーツの性質上、タックルからラックでのボールを奪い合いのような一進一退の攻防がくり広げられる場面が多いため、美しいパス回しから、サイドの選手が敵陣を駆け上がり、トライを決めた時は思わず声が出てしまうほどの喜びを感じることができた。

 とは言うものの、ラグビーゲーム初心者である筆者はまだ基礎的な操作に慣れてきたというレベルに過ぎない。本来であれば、操作していない味方へ指示を出したり、あらかじめ設定しておいた戦術やセットプレーを変えながら戦うなど、細かい部分まで思い通りに操作することができる。そのためには練習は必要だが、上達すればするほど組織的なプレーが可能となり、実際のラグビーの試合のような動きができるのも本作の大きな魅力だろう。

チーム管理では、スタメンやリザーブといった選手起用は もちろん、アタック(攻撃)やディフェンス(守備 )時の布陣、セットプレー のパターンをあらかじめ設定することができる 。獲得した選手のラインアップによって都度調整し、そのときの戦力に見合った最適な攻守のバリエーションを準備することも可能だ 。

 また、今回はひとりプレイで遊んでいたが、本作はふたりでローカル対戦を行うことも可能。これが対戦になったら盛り上がることはまず間違いない。ワールドカップで熱い声援を送った仲間とワイワイ遊ぶなんて楽しみかたができたら最高に楽しいはずだ。

オリジナルチームを育てる、遊びごたえのあるソロモードも!

 そして、本作にはひとりでじっくり遊べるようなモードもしっかりと用意されている。そのひとつのリーグモードでは、選択したひとつのチームを使用して大会やシーズンを戦うことができる。試合数は選択するチームによって変わり、ナショナルチームを選択するとワールドカップと同じく予選プールと決勝トーナメントからなる“ネイションズ・トロフィー”という大会を行うことができる。また、クラブチームを選択すると、選択したクラブチームが所属するリーグ戦を1シーズン体験できる。“ネイションズ・トロフィー”の参加国はラグビーワールドカップ2019とまったく同じなので、まさに“仮想ワールドカップ”を楽しめてしまうのだ。

どの予選プールになるかなどはランダムで決まる。なので南アフリカとニュージーランドとあたる地獄の予選プールになるなんてことも。

 そして、もうひとつが“ソロモード”。こちらは試合だけを行っていくだけのリーグモードとは異なり、プレイヤーが制作したオリジナルチームを育成していくというもの。

 試合の前にはトレーニングによる選手の能力育成や、怪我をした選手の治療、コーチやドクターなどスタッフのアップグレードなどを行ってチームを育成。チームの資金管理もプレイヤーが行いながら、リーグなどを勝ち抜いていくモードとなっている。

 オリジナルチームの選手もプレイヤーが自由に選ぶことができるが、ゲーム内のポイントを消費して購入できるカードパックで獲得した選手のみが使用できる。カードパックを購入するためのポイントはゲーム内で試合を遊ぶたびに手に入るため、ゲームを遊びながら選手を集めていくといった楽しみもある。

ショップではさまざまなパックが売っている。高レアリティのカードが出やすいパックは値段も張るので、試合を行って貯めるしかない。
カードパックを購入するためのポイントはほかにも、ロード画面に表示されるクイズに正解するとポイントが貰える。

 試合パートではスケジュールとして組まれた親善試合やリーグ戦を行っていく。最初は3部リーグから始まるが、勝ち上がることで上位リーグへの昇格や、ゆくゆくは世界のチームが集まるトーナメントにも参加できるようになり、まさにひとつのラグビーチームがトップチームへと上り詰めるサクセスストーリーを体験できてしまう。また、ソロモードで制作したチームはほかのモードでもチームとしても使用できるようになるため、いつでも通常のマッチモードで世界の強豪と戦わせることもできる。

 もちろん、ひとりで遊ぶモードのほかにも、オンラインプレイにも対応しているので、世界中のラグビーファンと試合することも可能となっている。ひとりで遊ぶもよし、そして仲間と遊んでも楽しい本作。ワールドカップで膨れ上がったラグビーへの熱い想いを、本作で思う存分発散させてみてはいかがだろうか。