バンダイナムコエンターテインメントは、2021年10月14日にプレイステーション4(以下、PS4)とPC(Steam)用ソフト『アイドルマスター スターリットシーズン』(以下、『スタマス』)を発売する。本作は、アイドル事務所のプロデューサーとなって、個性豊かな女の子たちをプロデュースする『アイドルマスター』(以下、『アイマス』)シリーズの最新作。

 家庭用ゲームとしては、じつに4年ぶりの新作となる本作は、PS4で発売された前2作と比べて、グラフィックやゲームシステムが大幅に進化。複数の事務所から29名のアイドルが参加する大型ユニット、“プロジェクトルミナス”のプロデュースを楽しめる。

 本記事では、本作をひと足早くプレイして、ゲーム中の7月までのプロデュースを終えたライターのジャイアント黒田による、ネタバレなしのレビューをお届け!

※インタビュー記事はこちら

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『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!

見た目を一新してアイドルの新たな魅力を引き出すことに成功!

 担当アイドルは、長年、三浦あずささん一筋なライターのジャイアント黒田です。PS4でリリースされた『プラチナスターズ』(2016年7月28日発売)や、『ステラステージ』(2017年12月21日)を初めてプレイしたときも、アイドルやライブのビジュアル表現の進化には驚かされましたが、本作で受けた衝撃はケタ違い。まずはこちらをご覧ください。

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 ね! すごくないですか!?

 『アイマス』シリーズで初めてUnreal Engineが採用された本作は、新規のレンダリング技術“エモーショナルトゥーン”を採用。アイドルたちの見た目を一新し、より美しく表現されています。

 あずささんを筆頭に、765プロのアイドルたちとは、何百時間といっしょに過ごしてきましたが、印象が大きく変化しました。光り輝くステージをところせましと動き回るアイドルたちは、ますますキュートでかっこいい。アイドルたちの頬を伝う大粒の汗も強く感情に訴えかけてきます。

 汗ひとつでなんて大げさなと思うかもしれません。でも、汗があるだけで、より輝いて見えるから不思議です。彼女たちが日頃の成果をステージで120%発揮しているんだから、自分もプロデュースをこれまで以上にがんばらないとって、自然と力が入りました。

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 一部のステージでは、ライブが進み最高潮を迎えるにつれて、演出が変化する仕掛けもすばらしい。見ていて飽きないですし、このステージはどんな演出が用意されているのかと、プレイするのが楽しかったです。

 過去の作品にも収録されていた人気モード、“S4U!(ステージフォーユー)”がプレイできるのも好印象。S4U!なら、アイドルや楽曲、衣装、ステージを自由に組み合わせてライブに臨めるうえ、カメラ操作や舞台演出を駆使して、自分だけのステージが簡単に生み出せますよ。

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ライブ中はリズムゲームに集中せざるを得ないので、パフォーマンスをじっくり堪能できるS4U!は非常にありがたい存在。本作には、一時停止できる“フォトモード”も搭載されているので、写真撮影も没頭できます。
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事務所の垣根を越えたコミュが尊い!

 本作は、ストーリーもこれまでの家庭用ゲームの作品とは一線を画す内容になっています。というのも、プロジェクトルミナスには、765プロの13人のアイドルを筆頭に、『シンデレラガールズ』、『ミリオンライブ!』、『シャイニーカラーズ』からそれぞれ5人ずつアイドルが参加。これだけでも十分すごいのに、新アイドルの奥空心白が加わり、29名からなるスペシャルユニットが誕生しました! 事務所の垣根を越えた交流が描かれます。

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誕生日を祝福する、おなじみのイベントも収録。日頃のちょっとしたイベントからも、アイドルたちの交流や関係性がうかがい知れるのは好印象でした。
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 先述した通り、アイドルたちの見た目は一新されているので、どの子も必見なのですが、『シャイニーカラーズ』のプロデューサーはとくに胸が熱くなっているのではないでしょうか。なにしろ『シャイニーカラーズ』のアイドルが3Dで表現されるのは、本作が初めて。ストーリーのコミュ(イベント)やライブを通して、生き生きとした姿を堪能できます。

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 逆にこれだけいろいろな作品からアイドルが登場していると、知らない子も多いからと尻込みしてしまうかもしれません。ですが、そこはご安心を。本作はストーリーを筆頭にコミュの種類がとにかく豊富!

 アイドルひとりひとりと交流する絆コミュはもちろん、複数のアイドルたちの交流を描いたクロスオーバーコミュや団結コミュが収録されています。これらのコミュを通してアイドルの交流を丁寧に描いているので、プレイしたことがない作品のアイドルたちの魅力を発見できると思います。

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クロスオーバーコミュは、特定の条件を満たすと開放されます。コミュが楽しめるうえ、開放数に応じてプレゼントがもらえるメリットも。
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団結コミュは、アイドルの提案に沿って行われる少人数のコミュ。参加したアイドルは、スキルの習得に必要な“団結ポイント”が入手できます。
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 かくゆう筆者も、765プロのアイドルたちに比べると、新しい作品に登場するアイドルほど情報に疎かったのですが、本作を通して魅力を再発見できました。とくに印象が変わったのは、『シャイニーカラーズ』の大崎姉妹。『アイマス』で双子と言えば双海亜美・真美だったのですが、大崎甜花・甘奈の姉妹愛もいい。仲睦まじい姿が微笑ましくて、自然と応援したくなるんですよ。

『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!
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ストーリーを盛り上げるふたりの新アイドルに注目!

 事務所の垣根を越えた交流のほかに、新アイドルもストーリーの見どころです。本作からデビューする新アイドルは、奥空心白と亜夜のふたり。心白はプロジェクトルミナスに参加しており、亜夜はライバル事務所の961プロに所属しています。

 一見関わりのないふたりですが、公開済みの“ストーリーPV”では、心白と亜夜に因縁があることが明らかに。ストーリーを進めると、ふたりの過去に起こった出来事が判明していくほか、関係性も少しずつ変化していきます。

 心白と亜夜に関しては、何を話してもネタバレになってしまうので、詳細は語れませんが、ふたりともほかのアイドルに負けないくらい個性が強烈。プロデュースできる心白と比べて、ライバル事務所に所属している亜夜の登場シーンは自然と少なくなってしまいますが、それでもしっかりと爪痕を残していくのはさすが。プレイする際は、このふたりにもぜひ注目してください!

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アイドルたちの奥深いプロデュースも楽しめちゃう

 プロジェクトルミナスの最終目標は、12月末に決勝戦が開催される大型アイドルイベントの“スターリットシーズン”に参加し、優勝すること。このイベントに挑戦するためには、毎月“目標ファン人数”を達成する必要があるうえ、4月、7月、10月、11月は、選考ステージを成功させなければいけません。さらに、週ごとに765プロの高木社長から出されるプロデューサータスクをクリアーしていく必要があります。

 とはいえプロデューサータスクは、アイドルたちを育成していれば、自然に達成できるようになっているので、つまずくことは少ない印象。それよりも、ファン人数を確実に増やすために、ステージを成功に導くことが重要になってきます。

『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!
ファン人数を大きく増やすには、ステージを成功させるのがいちばん。

 ステージも最初は楽勝モードだったのですが、7月ぐらいから手こずるように。成功させるには、楽曲のリズムに合わせてタイミングよくアピールを行い、パーフェクトを目指すのが基本ですが、ほかの出場ユニットが手強くなってくると、これだけでは勝てません。

 スコアを伸ばすために、複数のアイドルでアピールを行う思い出ドライブDUOやTRIO、ユニゾンチャージを決めたり、ライバルがユニゾンアピールを仕掛けてきたときにカウンターを狙ったり……。あの手この手でアイドルたちを応援し、ステージを成功に導けたときの達成感はひとしおでした。

『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!
ユニゾンチャージやユニゾンカウンターを成功させたときの演出も必見。アイドルたちの魅力が大爆発していますよ!
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 もちろん、ステージを成功させるためには、アイドルを成長させる日々のレッスンやスキルの習得も重要。本作は育成できるアイドルが29名と多いので、どのアイドルから育てればいいか、迷う新米プロデューサーがいるかもしれません。

『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!
レッスンのミニゲームに挑むとアイドルのパラメータが上昇します。レッスンはボーカル、ダンス、ビジュアルの3種類で、レッスンの成果によって上昇値が変化します。
『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!
スキルボードでは、絆コミュや営業、団結コミュで入手したスキルポイント(SP)と団結ポイントを使ってスキルを習得できます。どのスキルから習得させていくかは、プレイヤーの腕の見せどころ。

 この問題に関しても、しっかりフォローされていました。選考ステージや月末ステージでは、課題曲が提示されるのですが、課題曲ごとに歌唱メンバーが決まっています。育成するアイドルは、このメンバーの中から選ぶのがベスト。

 曜日によっては、歌唱メンバー以外のアイドルも育成できますが、ステージを安定して乗り切るなら、歌唱メンバーの中から選んだ5人を集中的に育成するのがオススメです。

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顔に♪のアイコンがついているのが歌唱メンバーです。パラメータやスキルの習得状況、思い出の数などを考慮して、5人のアイドルを決めのが手堅いです。
『アイドルマスター スターリットシーズン』先行レビュー。29人のアイドルたちと歩む、新次元のプロデューサーライフを!

 ベテランプロデューサーの立場からすると、担当のアイドルを集中して育てにくいもどかしさはありますが、ストーリーの豊富なコミュと同じく、プロデュース活動を通しても、アイドルたちの魅力を発見できる作りになっていると感じました。

 ひさしぶりの家庭用ゲームの『アイマス』ですし、4つの事務所からアイドルが登場することもあって、とにかく全体的に丁寧な作りが好印象なタイトルです。プロデューサーデビューを飾るタイトルとしてもうってつけだと思うので、みなさんもプロデュース活動を楽しみましょう!

 なお、週刊ファミ通2021年10月28日号(2021年10月14日発売)では、『スタマス』の発売記念特集を掲載。プロデュースに役立つ攻略情報のほか、新アイドル奥空心白を演じる田中あいみさん、亜夜を演じる日高里菜さんのインタビューなどを掲載しているので、こちらもぜひチェックしてください。