スクウェア・エニックスより2021年2月26日に発売予定のNintendo Switch用ソフト『ブレイブリーデフォルトII』。ゲーム発売に先駆けて、昨年12月、無料体験版“Final Demo(ファイナルデモ)”が配信された。

 これは、ゲーム製品版の第1章の前半を切り出したもので、5時間プレイすることが可能(製品版に引継ぎはできない)+クリアーするとプレイ時間が2時間増える。ちなみに、ゲーム本編は序章から始まるのだが、あえて序章ではなく、そのつぎの第1章が切り出されている。4人のメインキャラクターと、数種類のジョブが手に入っている状態で遊ぶほうが、本作の見どころを体験しやすい……という意図だろう。

 本記事では、ファイナルデモよりも前に配信された“先行体験版”(2020年3月配信)との違いに触れつつ、ファイナルデモのポイントを紹介していく。『ブレイブリーデフォルトII』という作品の大きな見どころである、美しい箱庭のようなグラフィックや、ジョブを組み合わせて戦う楽しさについては、以前のプレイリポートで紹介しているので、先行体験版未経験者には下記の関連記事もぜひチェックしてもらいたい。

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行動順と弱点を考慮しながら、アビリティを使い分ける戦略性のあるバトルへ

 先行体験版配信とともに実施されたユーザーアンケートをもとに、『ブレイブリーデフォルトII』では、さまざまな点が改良されている。具体的にどんなところが変わったのかは、フィードバック動画&インタビュー(下記の関連記事参照)で紹介されているのだが、ファイナルデモを遊んでみると、改良点がプレイ感覚に影響を与えていることをしみじみと実感できた。

 ファイナルデモで感じた、先行体験版との大きな違いは、

  • おおまかな行動順の表示や、アビリティの内容変更などにより、バトルの戦略性が深まった
  • ユーザーインターフェースやボタン割り当ての調整などにより、遊びやすさがアップ

 のふたつだ。まずは、前者について紹介しよう。

 先行体験版では、雑魚戦は“とりあえず片っ端からフルブレイブして倒す”という感じだったのだが、ファイナルデモではより戦略を考えて行動するようになった。
 
 まず、味方に“行動順ゲージ”が、敵側に“コーションマーク”が表示されるようになったことが大きい。はっきりと行動順がわかるわけではないが、だいたいの予測は立てられるため、“そろそろ行動しそうな敵や、BPが溜まっている敵に、味方の攻撃を集中させて倒す”、“HP消費アビリティを使った味方を、すぐに回復する”といったことが可能になった。

 つぎに、弱点について。先行体験版では、敵に設定されている弱点は1~2つくらいだったのだが、ファイナルデモでは2~3つ設定されていることが多く、「どのキャラクターで、どの敵の弱点を突くか」をしっかり考えるようになった。アビリティの内容も見直されていて(たとえばジョブ“ヴァンガード”のアビリティ“シールドバッシュ”には、土属性が新たに設定されている)、状況に応じてアビリティの使い分けを考えるのが、より楽しくなっている。

キャラクターの顔
コマンド選択時のウインドウに、キャラクターの顔が表示されるようになったのも地味にうれしい(どのキャラクターのターンなのかがわかりやすい)。
シールドバッシュ
先行体験版とは異なり、一部のアビリティは、使用時にHPを消費するように。これもバトルでの駆け引きを生み出す要素のひとつになっている。

 なお、先行体験版では「バトルの難度が高すぎる」という指摘が多かったそうで、それを受け、ゲーム序盤は遊びやすい難度になったという。……が、個人的にはファイナルデモのバトルも、なかなか歯ごたえがあると感じたので、『ブレイブリー』シリーズ初心者には、とりあえず難易度を“カジュアル”にしてみることをオススメする。難易度はいつでも変更できるので(カジュアル・ノーマル・ハードの3種類)、慣れてきたら変更してみるべし。

 また、ファイナルデモでは、先行体験版と異なり、最初からキャラクター4人のメインジョブとサブジョブが設定されている。バランスのいい組み合わせになっているので、初心者はまず、ジョブの設定はいじらずにバトルを楽しむといいだろう。バトルのシステムを把握してきたら、少しずつジョブの組み合わせを変えてみるのをオススメする。

吟遊詩人
先行体験版には登場しなかったジョブその1、吟遊詩人。グローリアの衣装は孔雀モチーフでゴージャス。
魔獣使い
先行体験版には登場しなかったジョブその2、魔獣使い。獣耳のついたカチューシャがかわいい。

 ちなみに、体験版クリアーまでの時間は、シリーズ経験者である記者が、そんなに急がずにプレイして3時間弱といったところ(バトルスピードは速めた)。「5時間しかないので、急がなきゃ!」と焦りすぎる必要はないので、ボスに勝てなかったら、アビリティの効果をしっかり見直したり、ショップで装備を整えたりするといい。

必殺技
先行体験版では、必殺技を使えたのはセスのみだったが、今回は全員が使用可能。ボス戦で、必殺技を使うタイミングもよく考えたい。

UIや使用するボタンの変更、フィールドの仕様が大きく変わった

 地味ながら、非常に重要な変更点が、ユーザーインターフェースやボタンの割り当ての変更だ。「よくなった!」と感じたおもな変更箇所を箇条書きにしてみると、下記のような感じ。

  • メニュー画面の文字のフォントや傾きが変更されて読みやすくなった
  • メニュー画面のボタンの割り当てが全体的に変更に。-・+ボタンを押す機会が減り、操作しやすくなった
  • 装備・ジョブ・アビリティ画面をZL・ZRボタンで遷移できることが明確に示された
  • ショップで装備を購入する際、ステータスの上がり幅・下がり幅がわかりやすくなった
  • フィールドで剣を振った際のヒット範囲が広がり、敵に当てやすくなった
  • フィールドでのモンスターの移動速度が遅くなり、逃げやすくなった
  • ダンジョンにおいて、フィールドの表示範囲が広がった。これにより、“いきなり画面外からモンスターが高速で寄ってきてエンカウント”ということがなくなった
  • バトルスピードを、コマンド選択中でも調整できるように。また、使用するボタンが左・右ボタンから-・+ボタンに変更され、そのことがわかりやすく示された
  • バトルインフォを確認する際、先行体験版では+ボタンを押しっぱなしにしなければならなかったが、ファイナルデモではXボタンを押せばいいように。さらに、バトルインフォの内容が細かくなった(デバフ・バフの状況などもわかる)
  • ヘルプテキストの位置が調整され、周囲の項目が見やすくなった
  • メニューに“旅の記録”項目が追加され、メインストーリーとサブクエストの状況を把握しやすくなった

 「そんな細かいところ?」と思うかもしれないのだが、これらが合わさることでとても遊びやすくなった。先行体験版で細かいストレスを感じた人には、ぜひ味わってほしい。

バトルインフォ
バトルインフォが見やすくなったことも、バトルの“考える楽しさ”につながっている。
先行体験版
こちらは先行体験版の“熱砂の遺跡”。プレイヤーから見える範囲が狭く、思わぬところから敵がやってくることも多かった。
ファイナルデモ
こちらはファイナルデモの、同様の場所。見える範囲が広がり、敵との遭遇に備えやすくなった。

高橋真志プロデューサーからのミニレター

『ブレイブリーデフォルトII』プロデューサーの髙橋です。
いよいよ、発売日の2月26日が迫ってまいりました。
(大変お待たせしました…!)

本作は、完全に新しいキャラクター・世界の物語ですので、前作をまったく知らない、本作で初めてブレイブリーシリーズを遊んでみる、という方も余すことなくお楽しみいただけるようになっています。

年末年始で新たにNintendo Switchを手に入れたよ、という方もぜひ1度“Final Demo”をダウンロードして遊んでみていただけるとうれしいです!

2020年3月に“先行体験版”を配信して以降、世間と同様、開発チームも大変な状態下の中、踏ん張って開発を進めてくれました。
少しでも、その意気込みが伝わっていれば幸いです。

Revoさんのオリジナルアレンジ楽曲が手に入る“早期購入特典”もゲットし忘れなきよう!
引き続き『ブレイブリーデフォルトII』を、どうぞよろしくお願い致します。

B&D
ちなみに、ファイナルデモをクリアーすると、ミニゲーム“B&D”が遊べるようになる。町人相手にカードバトルを挑みまくれるというミニゲームで、『FFVIII』や『FFIX』などを思い出し、懐かしい気持ちに。製品版に備えて、いまから腕を磨いておくのもいいかも!