スクウェア・エニックスより、2020年10月28日リリース予定のiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』。同作は、Nintendo Switch/PC向けに発売されたRPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』と同様に、“オルステラ大陸”を舞台とするRPGだ(ちなみにゲーム内の時代は、『オクトパストラベラー』の数年前)。
『オクトパストラベラー』らしい、ドット絵の進化系グラフィック“HD-2D”や、王道でありつつ独自要素を取り入れたコマンド式バトルはそのままに、スマートフォンで遊びやすいUIなどを取り入れた同作。本記事では、前作経験者のライター・ジャイアント黒田によるプレイレビューをお届け。前作ファンが同作をプレイすると、はたしてどのような印象を持つのか?
人を疑うのはよくないと思います
ライターという職業上、人の意見は話半分で聞くようにしている。鵜呑みにしてしまうと、冷静な判断ができなくなってしまい、適切な記事を書けなくなる恐れがあるからだ。先にプレイしていた記事担当編集者のロマンシング★嵯峨さんが、「想像していた以上に『オクトパストラベラー』ですよ」と興奮気味に言ってきたときも、正直、半信半疑だった。週刊ファミ通編集長の感想だからといって、簡単には信じませんよ、と。
嵯峨さん、疑ってごめんなさい。想像していた以上に『オクトパストラベラー』でした。
HD-2Dで表現された美しい世界。続きの気になるストーリー展開。クセの強いキャラクター。ブレイクとブーストを駆使した爽快なバトル。旅を彩る数々の名曲……。挙げるとキリがないのだが、どの要素も前作に近い仕上がりで、スマートフォン向けの基本プレイ無料の作品とは思えない完成度。いわゆる“スタミナ制”を導入していないのも、作品への没入感を高めてくれた。週末にキリのいいところまでプレイしたとき、ふとゲーム内のカウントを見ると、オルステラ大陸の滞在(プレイ)時間は、筆者も驚きの30時間オーバー(ちなみに、原稿執筆時は42時間を超えていた)。週明けに嬉々として嵯峨さんに報告したところ、若干、引いているようだった。なぜ時間を忘れてこれほど熱中したのか。
わかりやすくまとめてみました
改めて考えたところ、3つの要因にたどり着いた。
1.スマートフォン向けのタイトルである
言うまでもないことなのだが、同作はiOS/Android用アプリ。ご存知の通り、スマートフォンで配信されたゲームは、場所や時間を選ばず、好きなときにプレイできる。もちろん、配信前のバージョンゆえ、外では遊べなかったが、それでもコンシューマーゲームと比べると長時間遊びやすかった。
2.作品のクオリティーがとにかく高い
大事なことなので何度も言うが、プレイしている感覚は前作の『オクトパストラベラー』そのもの。基本無料で遊ぶのが申し訳ないと感じるほど、全体的な完成度が高い。そしてボリュームもすごい。
3.スタミナがなく際限なく遊び続けられる
基本プレイ無料のゲームでヤキモキさせられるのが、スタミナのシステム。あとちょっとでストーリーが終わる、装備品が作れるときに限って、スタミナ不足の壁が立ちはだかる。課金要素のひとつなので、仕方がないとは思いつつも、正直ストレスは感じていた。だが、本作にはスタミナがない。つまり、好きな時間や場所で、おもしろいと思うゲームを心ゆくまで堪能できるのだ。この1~3の組み合わせはヤバい。
レベルが上がる。メインストーリーがクリアーできる。仲間を増やせる……。あとちょっとの積み重ねが、いつの間にか30時間になっていた。短期間にここまで熱中して長く遊んだ基本プレイ無料のスマホゲームは、本作が初めて。
現時点でのお気に入りの旅人はこちら
リリースの時点で、本作にはなんと64人もの主人公が登場する。テストプレイの段階では、そのうちの42人の旅人が仲間に。この中から、3つの項目でナンバーワンの旅人を選んだ。ちなみに、新しい旅人は“導き”と呼ばれるシステムで仲間にできる。本作では★3の旅人でも、レベルをしっかり上げて育成すれば十分戦力になってくれる。ガンガン育ててオーケーだ。
活躍度No.1 リネット
★5の旅人の中で初めて仲間になった。レアリティが高いだけあって、序盤から強力なアビリティを習得。踊子は行動順に影響する速度が育ちやすく、先手を取りやすいのも頼もしい。
癒やし度No.1 ミーナ
味方前衛のHPをまとめて回復できる、ミーナの“快癒の詩”に何度救われたことか。消費SPが多く、成長する前は多用できないが、少ないSPでがんばる姿も健気。光属性の全体攻撃も役立った。
輝き度No.1 ホセ
ゲーム開始時に仲間にできるキャラクターのひとり。旅の序盤は貴重な回復役として重宝する、いろんな意味でまぶしいヤツ。神官に恵まれなかった筆者のパーティーではいまもスタメン。
まだまだ語り足りないです
富、権力、名声のメインストーリーで立ちはだかるボスは、いずれも清々しいほどの悪役っぷり。とくに名声を究めた劇作家のアーギュストは、嫌悪感を抱くほどだったが、名声のメインストーリーをクリアーしたとき、少しだけ彼の印象が変わった。ほかの旅人の皆さんは、果たしてどう感じるだろうか。
なお、ボスのキャストはそれぞれ、アーギュスト:浪川大輔さん、ヘルミニア:田中敦子さん、タイタス:小山力也さんがとなっているのだが、全員ハマり役でイメージにピッタリ。先述した通り、音楽もすばらしいので、外で遊ぶならイヤホンは必須だ。
今回は、あえてこの言葉で締めたい。興味のある方はぜひ遊んでほしいと。いつも以上に自信がある。何せ基本プレイ無料なのだから、まずは気軽にダウンロードしてみてほしい。
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