シーズンオフに突入してヒマを持て余すプロ野球ファンよ、ストーブリーグにもさして参戦せず指をくわえて眺めているチームのファンよ。あなた方にぜひ観てほしいものがある。

 それがゲーム『実況パワフルプロ野球2018』を使ったesportsリーグ“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”だ。NPBとKONAMIが共催するこの催しは、いま、土日の昼から夕方にかけて、毎週末試合が行われ、その模様はインターネットで生配信されている。

 本稿では、パワプロ・プロリーグを現地観戦した記者が、プロ野球ファンが“パワプロ・プロリーグ”を楽しめる3つのポイントを紹介する。

1.実名選手が活躍するから応援したくなる

 2018年11月10日に開幕した“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”、11月17日~18日には第2節が開催され、セ・パ6カード、計18試合が行われた。開幕戦の模様と第2節の結果は以下の記事リンク(https://www.famitsu.com/news/201811/12167393.html)(https://www.famitsu.com/news/201811/19167872.html)参照。

 東京ヤクルトスワローズ対広島東洋カープの試合、4回裏、2点を追う広島は2塁ランナーに鈴木誠也を置き、バッターは2018年シーズンで引退した“新井さん”こと新井貴浩。ピッチャー原樹理が投じた4球目のストレートを……

今季引退の新井さんが同点2ランを放つ! プロ野球ファンに観てほしい“パワプロ・プロリーグ”3つの魅力_03

 ホームラン!(確定演出付き)

 ヤクルトを操作するえぞひぐま選手も思わずがっくりとうなだれる、同点に追いつく一撃を放った。

 さらに、第3試合では、エルドレッドが決勝点となるソロホームランをバックスクリーンへ叩き込む。

今季引退の新井さんが同点2ランを放つ! プロ野球ファンに観てほしい“パワプロ・プロリーグ”3つの魅力_02
ちなみに、このときエルドレッドを操作するカープの坂本選手は以前「強振でジャストミートすることこそ『パワプロ』のおもしろさ」とインタビューに答えていた。その言葉通り、強振での一発。

 もちろん、画面の中で動いているのはダルマ体型というかパワプロ体型のかわいいキャラクターなのだけど、実際の選手を知った上で観ると、その選手に対する思い入れが加わって、キャラクターなのにあたかも実際の選手が活躍しているように感じるのだ。

 増してこのふたりは、現実ではすでに現役引退、カープ退団が発表されている。そういった選手の活躍を見ると、カープファンなら思わず胸にこみ上げる物があるのではないだろうか。

 ヤクルトファンの記者は、スワローズの選手が画面内で活躍するたびに「いいぞ畠山!」とか、「よく投げた梅野!」とか思ってしまう。山田のホームランや畠山のタイムリー、芯から外れた渋いヒットで1・2塁間を抜くタイムリーを放つ青木とか、完全に本人。ゲームなのだけど、そのプレイを見ていると、頭の中で実在の選手の情報が融合して、あたかも選手本人を応援しているような気分になって楽しい。

 野球ファンの業とでも言うか、スワローズと名前が付くものが負けたら悔しいし、勝ったらとてもうれしい。NPB12球団に所属するパワプロ・プロリーグ選手の活躍に、ぜひ皆さんもいっしょに一喜一憂してほしい。
 

ちなみに東京ヤクルトスワローズは6試合を終えて2勝4敗の6位。ここから巻き返していきたい……。

2.元プロ野球選手による解説が超豪華!

今季引退の新井さんが同点2ランを放つ! プロ野球ファンに観てほしい“パワプロ・プロリーグ”3つの魅力_05

 試合は、プロのアナウンサーによる実況に加え、プロ野球OBによる解説、そして有名『パワプロ』プレイヤーによるプレイ解説の3人が観戦しながら放送するという形で配信されている。どの試合にも元プロ野球選手が解説を加えるのだが、これがおもしろい。

 元千葉ロッテマリーンズの黒木知宏氏が解説した中日ドラゴンズ対読売ジャイアンツの試合では

黒木「m.o.m.o.選手には悪いけど、いまのは投げた瞬間やられると思った投球でした(プルヒッター持ちの代打福留にホームランを打たれた瞬間)。ピッチャーにはあるんですよ、そういう瞬間が……」

黒木「(中日の)谷元選手はいい投手ですよ。僕の中ではこれコントロールAですね」

 と、自身の経験や知識を元に語ってくれるのだ。このほか、ヤクルト前監督の真中満氏やギャオス内藤氏、谷繁元信氏といった解説陣も生解説で登場する。配信はもちろん、お近くにお住まいの方は現地に足を運んでみるのもいいだろう。

今季引退の新井さんが同点2ランを放つ! プロ野球ファンに観てほしい“パワプロ・プロリーグ”3つの魅力_01
北海道日本ハムファイターズ、横浜DeNAベイスターズなどで活躍した森本稀哲氏。軽妙な話術での解説が人気。

3.『パワプロ』ならではの作戦、采配にびっくり!

 試合を見ていておもしろいのが、現実の野球では難しい、ありえないと思われる采配も観られる点。

 たとえば、“代打○”(代打で出場すると能力が上がる)という特殊能力を持った選手を活かすために、スタメンでは別の選手を仮に登録しておき、第1打席が回った瞬間に代打を出すという作戦や、3連戦での第1試合で投げたピッチャーを、中1日で第3試合にも登板させるといったこと。

 ほかにも、現実の野球ではかつて挑戦し断念した“ファースト バレンティン”をゲーム中で敢行して攻撃力を上げてみたりと、ゲームならではの楽しみかたがある。

今季引退の新井さんが同点2ランを放つ! プロ野球ファンに観てほしい“パワプロ・プロリーグ”3つの魅力_04
東京ヤクルトスワローズのサードでスタメン起用される村上宗隆。2018年新入団のピッカピカのルーキーも、パワプロ・プロリーグではスタメン。打つとうれしい。

 それでいて、試合結果が現実の野球に沿うくらいのスコアや数字になるのは、リアリティーがあっておもしろい。

 ゲームと現実のプロ野球、その中間にあるのがこの“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”だと感じる。第3節は2018年11月24日~11月25日に行われる。プロ野球ファンにとって退屈なシーズンオフ、配信を観たり、現地に足を運んだりして楽しんでみてはいかがだろうか。

 ちなみに公式サイト(https://e-baseball.konami.net/pawa_proleague/)では現地観覧者を募集中! 事前の登録がない方でも、現地では当日観戦も可能だ。入場無料。対戦の組み合わせは以下の通り。

●2018年11月24日(土)
中日ドラゴンズVS読売ジャイアンツ
東京ヤクルトスワローズVS横浜DeNAベイスターズ
広島東洋カープVS阪神タイガース

●2018年11月25日(日)
ソフトバンクホークスVS埼玉西武ライオンズ
オリックス・バファローズVS北海道日本ハムファイターズ
千葉ロッテマリーンズVS東北楽天ゴールデンイーグルス

 繰り広げられる熱戦に注目したい!