BlizzConを映画館で満喫! 『オーバーウォッチ』、『ハースストーン』、Switch版『ディアブロIII』で燃えたパブリックビューイングをリポート_09

 ゲーム界における3大フェスのひとつと言えば、毎年11月に開催されるBlizzConだ(ほかのふたつはわからない)。

 『オーバーウォッチ』や『ハースストーン』、『ディアブロ』、『World of Warcraft』などを擁するゲームメーカー・Blizzard Entertainmentによるプライベートショーである。

 ファンなら一度は参加してみたいイベントだが、ひとつ問題がある。開催地がアメリカのアナハイムなのだ。ふらりと行くには少し遠い。

 アメリカは遠い。でもお祭りに参加したい。それなら日本でわいわいやればいい。そんな発想が具現化した。パブリックビューイングイベント“JAPAN BLIZZCON PUBLIC VIEWING PARTY”が開催されたのだ。

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ファミ通.comの派手なメガネ担当、ミス・ユースケと申します。遊びに行ったら楽しかったので記事を書きました。

Blizzardファンがオールナイトでパーリナイ

 本イベントの開催日時は2018年11月3日(土)23:30~11月4日(日)5:00。オールナイトイベントだが、薄着のパリピがウェイウェイ言ったりしないので怖くない。周りはみんな仲間だ。

 深夜開催で、しかもチケット代1500円の有料イベント。それでも会場のイオンシネマ港北ニュータウンには多くのゲーマーが訪れた。

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この人たちはたぶんウェイウェイ言わないから怖くない。信頼できる。

 先ほどさらりと書いたように、会場は深夜の映画館である。自由な出入りができないので十分な量の飲食物を持ち込んでほしいと、主催側から事前にアナウンスがあった。セキュリティの関係だろう。

 深夜の映画館に食べものと飲みものを持ち込んでゲーム仲間と遊ぶ。何かもう、これだけでわくわくしないか。

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秘密基地にみんなで集まる感覚に近いのかもしれない。

 イベント開始を待っていると、スクリーンに『オーバーウォッチ』の短編アニメ“REUNION”が映し出された。直前に発表された新キャラ・アッシュに関連する映像だ。

 初めてこの映像を観て、ストーリー仕立てのプロモーションムービーを“シネマティックトレーラー”と呼ぶ意味がわかった。巨大スクリーン内でアッシュたちが躍動する様子は、まさに映画のようだったのだ。

 映画館の巨大スクリーンで好きなゲームの映像を観る。言葉にすると何てことないが、実際に目の当たりにすると、妙に“胸に来る”。リビングのテレビやPCで観るのとは違った感動があった。

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これもう映画だな。『オーバーウォッチ』はストーリー仕立てのムービーがたくさんあるので、“巨大スクリーンで観て解説を聞く”みたいなイベントを開催してほしい。

 0:00を回ったところでイベントがスタートした。メインは『オーバーウォッチ』と『ハースストーン』の試合観戦。スクリーンふたつとロビー、ラウンジを使い、同時多発的に企画が進行していく。

 1番スクリーンでは“Overwatch World Cup”、3番スクリーンでは“Hearthstone Global Games”の模様が上映された。ゆったりしたイスと上質な音響設備で世界最高峰の試合を堪能。esports観戦勢にとって、これ以上ない贅沢と言える。

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これがおれたちのBlizzConだ!
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esprotsキャスターのシンイチロォ氏がMCを務めた。
『ハースストーン』側を切り盛りした0氏(左)とahirun氏(右)。
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『ハースストーン』強豪プレイヤーのposesi氏(いちばん左)、あれっくす氏(左から2番目)も参加。彼らとの対戦会やQ&Aコーナーも実施された。
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おもに『オーバーウォッチ』側の企画を担当したみずイロ氏。
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こちらも実力者がゲスト参加。左から、Ameken氏、ta1yo氏、Xeraphy氏、hoshimi氏。

 オープニングステージの後は自由時間みたいなものだった。試合を観るのもロビーで雑談するのも思いのまま。ラウンジのアクティビティーで遊んでもいい。

 こういうとき、僕は雑談しながら会場内をふらふらするのが通例だ。ロビーの『ハースストーン』ではposesi氏やあれっくす氏との対戦コーナーがあったので、順番待ち中の人に話しかける。

 ひとりは初オフラインイベントだと言っていた。初めてのオフイベがオールナイトでパーリナイ。しかも翌日はふつうに仕事だという。有給休暇も取らずに勢いで参加。見習いたいほどすばらしい判断力&行動力だ。

 別の人は毎年のようにアナハイムに行きたいと思いつつも、スケジュールの問題で夢が叶っていないそうだ。溜め込んだ想いはパブリックビューイングで発散できただろうか。

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通常の『ハースストーン』は個人戦だが、“Hearthstone Global Games”はチーム戦。各国の代表チームは話し合いながらプレイしていた。

ラウンジのアクティビティーで遊ぶ

 僕はおもにラウンジに入り浸った。

 いちばんの目的はこれ。

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 2018年12月27日発売予定のNintendo Switch版『ディアブロ III エターナルコレクション』先行体験コーナーがあったのだ。

 『ディアブロ』と言えばアイテムを集めるハック&スラッシュRPGの代名詞。「Blizzard Entertainmentといえばこれ」と挙げる古参ファンも多い。

 Nintendo Switch版はほかのハードとは異なり、みんなで集まって遊べるのがおもしろい。本体を持ち寄ってもいいし、本体1台とコントローラー4つでもプレイ可能。

 オフラインイベントとの相性はいいはずだが、果たして。

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圧倒的な友だちの家感。お母さんがお菓子を持ってきてくれそうだ。

 予想通りだった。

 ダンジョンに潜って、クエストを達成して、強いアイテムを集める。シンプルなゲーム性だけに中毒性は抜群。顔を合わせてプレイすればチームワークも発揮しやすい。

 「まだあっちのほうには行ってないんじゃない?」、「おれ全然いいアイテムが出ないんだけど!」と、騒ぎながら遊んでいるうちに、いつしかげらげら笑えてくる。イベントのテンションがいい方向に作用するのである。

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移動は左スティック、スキル類は右側のボタンを中心に割り当てられていて、操作性は良好。マウス&キーボード操作に慣れたPCゲーマーの僕も違和感なくプレイできた。

 『ディアブロ III エターナルコレクション』を遊んだところで、今度は『オーバーウォッチ』コーナーにくり出した。“○○にくり出す”なんて浮かれた表現を使うくらい気分がいい。

 ラウンジの一角では、サブイベント的にみずイロ氏主催の“FLASH OPS”が開催。3人チームによるミニトーナメント、1対1での対戦、トッププレイヤーによる講習会が行われた。

 基本的には『オーバーウォッチ』ファンに向けたコーナーなのだが、中には初めて本作に触れた『ハースストーン』プレイヤーの姿も。音で敵の位置を探る緊張感が気に入ったようで、自宅のPCでプレイできるか気にしていた。スペック的に厳しかったらPS4版をどうぞ。

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AlienwareのゲーミングノートPCがずらりと並ぶ。
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対戦で3人抜きした人にはBlizzCon 2018のグッズセットが贈られた。

メーカー主催ではなく、あくまでもコミュニティー発信のイベント

 楽しい時間はあっという間。複数の企画によるお祭りみたいな雰囲気が心地いい。タイムスケジュールが詰め込み過ぎてなかったのも個人的には好みだった。

 さて、ここらで主催側の話もしておこう。大がかりなイベントにも関わらず、主催はBlizzard Entertainmentでもイオンシネマでもなかったのだ。

 JAPAN BLIZZCON PUBLIC VIEWING PARTYの主催者は、GANYMEDE株式会社。前述のみずイロ氏が設立した会社だ。彼は“オーバーウォッチ ワールドカップ 2018”の競技委員を務めるほど同作に入れ込んでおり、自身でもイベントを開催していた。

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GANYMEDEはゲーム関連に特化した制作会社。掲示物からもこだわりが見て取れる。
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男子トイレにはこんな貼り紙も。

 Blizzard Entertainmentにはコミュニティを支援する文化がある。たとえば、『ハースストーン』の“炉端の集い”。オフ会を推奨し、イベント開催のノウハウや限定のカードなどを提供している。

 そういう流れもあったからか、Blizzard Entertainmentは本イベントを“公認”。Nintendo Switch版『ディアブロ III エターナルコレクション』を出展したほか、軽食の提供も行った。

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ご飯を真剣に吟味するシンイチロォ氏。

 同じBlizzardタイトルということで、『ハースストーン』コミュニティも参画。映画館でのゲームイベント開催に積極的なイオンシネマも合流し、結果としてこれほど大きなイベントになったというわけだ。

※イオンシネマのゲームへの取り組みについては、以下の記事を参照してください。

 告知(チケット発売)から開催まで8日ほどしかなかったが、それでも参加者は少なくなかった。期間が長ければ地方在住者も遠征の予定を立てやすいため、もっと盛り上がった可能性は高い。

 みずイロ氏は手ごたえを感じたようで、「来年もやりましょう!」と意欲を見せる。イオンシネマ側も乗り気な様子。映画館をゲーマーに活用してほしいという意思があるからだ。

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『ハースストーン』コミュニティのahirun氏とイオンシネマの入澤氏(右)が談笑していた。
「理想としていた光景のひとつですね」と、イオンシネマの吉留氏(右)は満足そう。

 ゲームを盛り上げたいコミュニティと、それを支援したい企業が力を合わせ、初めてのBlizzConパブリックビューイングは盛況のうちに幕を閉じた。

 好きなゲームの映像を、仲間といっしょに巨大スクリーンで観る。たったそれだけなのに、シンプルに興奮する。コミュニティの力で映画館がいっぱいになる日もそう遠くなさそうだ。