E3 2018において、期待を上回る充実の新作ラインアップを発表したユービーアイソフト。古代ギリシャを舞台にした『アサシン クリード オデッセイ』、ワシントンD.C.での死闘を描く『ディビジョン2』を筆頭に、『スターフォックス』とのコラボも話題の『スターリンク バトル・フォー・アトラス』、国内での配信も決まった『フォーオナー マーチングファイヤー』など、数々の“挑戦”が続々と控えているが、そんなユービーアイソフトの日本市場における展開はどうなるのか? そのカギを握るキーパーソン、ユービーアイソフト株式会社代表取締役のスティーヴ・ミラー氏と、セールス&マーケティングディレクターの辻 良尚氏に直撃。ふたりはこの1年をどう見つめ、そしてこれからの未来をどう考えているのか? ロングインタビューをお届けする!

充実のラインアップが揃うユービーアイソフト、日本での展開をキーパーソンが語るロングインタビュー! 新着トレーラーもたっぷり公開!!_01

スティーブ・ミラー氏

ユービーアイソフト株式会社代表取締役

辻 良尚氏(つじよしひさ)

ユービーアイソフト株式会社セールス&マーケティングディレクター

ファンの期待に応えられた充実の1年

――今年もさまざまな発表で話題を集めましたが、まずは過去を振り返ってみると、『アサシン クリード オリジンズ』や『ファークライ5』など、たくさんのAAAタイトルを発売されました。

スティーヴ 昨年度は皆さんのおかげで、すばらしい1年となりました。『アサシン クリード オリジンズ』は、その作り込みも含めて、ファンの期待に応えられたと思います。

 いままでからゲーム性を大きく変えて、RPGの要素が強くなったことが受け入れていただけるか、正直心配ではあったのですが、日本でも世界でも高評価をいただけました。

スティーヴ 『ファークライ5』に関しては、じつはもっと早いタイミングで発売する予定だったんです。でも、より完成度を上げるために発売を5ヵ月延期したのですが、そのおかげで世界的に評価も高いゲームになりました。いままでのようなエキゾチックな場所ではなく、アメリカのモンタナ州が舞台と聞いて「地味じゃない?」と心配したのですが(笑)、内容もすばらしく、シリーズ最大のヒットになったのもうれしかったですね。

 “狂気”がテーマなのは変わらないのですが、いままでとは違う"狂気"を表現できたと思います。宗教と言う、ある意味アンタッチャブルなテーマを『ファークライ』らしくゲームに落とし込み、オープンワールドのクオリティが、AIも含めてアップしたことも実感できる作品になっていました。シーズンパスも好評で、『ファークライ3 クラシックエディション』も喜んでいただけました。シーズンパスを持っていない方も、7月5日から購入できるようになるので、ぜひ!

――2017年のE3で発表された『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』も話題となりました。
スティーヴ 任天堂さんとのコラボは濃いものになりましたね。キャラクターのライセンスだけでなく、ゲームのインターフェースなど、深い部分までいっしょに開発できたことで、いままでにないゲームになりました。世界でも十分な手応えがあって、日本でも任天堂さんがパブリッシャーとなって、テレビCMなどのプロモーションにも力を入れていただけたので、大きな成功を収めたと思います。

 ターン制シミュレーションというゲーム性が受け入れていただけるか不安でしたが、お互いが大事にしているマリオとラビッツの世界観がうまくコラボできて、いいゲームになりました。ドンキーコングが参戦する新DLCの『アドベンチャーパック』も配信されているので、また盛り上がってくれるとうれしいですね。

――『レインボーシックス シージ』の人気もまったく衰えません。
スティーヴ 毎年言っていますが、予想をはるかに超えてヒットし続けています。プレイヤーも減るどころか増えている状況です。

 ほかのゲームにはない尖ったゲーム性と言いますか、戦闘のプロどうしが見せるハイレベルな攻防戦、戦略の重要さ、リスポーンできないシビアさなどが、新鮮さを失っていないからでしょう。esportsとして、日本だけでなく世界でもメジャータイトルとして認められています。

スティーヴ 私たちもesportsにはさらに力を入れていきます。2017年の“UBIDAY”でも大会を実施したのですが、あの盛り上がりに世界も注目してくれました。その結果、日本で『レインボーシックス シージ』の大きなイベントを開催できることも決定しました。こういったイベントはもちろん、さらにプレイ人口を拡大できるよう、いろいろと考えていきたいと思っていますので、まだまだ注目していてほしいです。

長く遊んでもらえるための私たちの“姿勢”を伝えたい

――では、E3 2018で発表されたラインアップについてお聞きします。たくさんの最新情報が発表されましたが、ユービーアイソフトとして日本市場で推していきたいものは?
スティーヴ 全部です! すべて日本の皆さんに向けてプッシュしていきますよ。まずは『アサシン クリード オデッセイ』ですね。古代ギリシャという、日本でもなじみ深い時代設定ですし、RPGライクなゲーム性もさらに進化して、さらに新たな『アサシン クリード』をお見せできると思います。

 今回のテーマは“選択”です。ストーリーの展開が独特で、ふたりの主人公から選択できますし、物語も分岐が用意されていて、マルチストーリー、マルチエンディングになりますから。そもそも『アサシン クリード』シリーズは物語がおもしろいんです。前作を凌ぐ楽しさを提供できると信じています。
――新要素のアクティブスキルも、魔法のように使えるので、日本のRPGファンにはすごくわかりやすいものになっています。
スティーヴ (取材場所の周囲にいるスタッフに向かって)皆さん、日本のRPGプレイヤーに魅力が伝わるゲームシステムですって!(笑)。そうなると、とてもうれしいですね。今回発表したトレーラーにミノタウロスの姿も見えましたし、いままでとはひと味違う作品になると思います。

――もうひとつのビッグタイトルは『ディビジョン2』ですね。
スティーヴ 間違いなく、大ヒットを狙える作品になっています。前作ではサーバーの不備や“ダークゾーン”の設定など、いろいろと不満を感じた方も多いでしょう。それらを地道に改善し、よりいいゲームになるよう開発を進めています。前作から7ヵ月後のワシントンD.C.という舞台も興味深いです。

 世界の崩壊を食い止めるために戦う設定、壊れたエアフォースワンなど、舞台描写もすばらしいものになっています。詳細なディテールは私たちの得意とするものですから、期待してほしいですね。

スティーヴ ベータテストを日本でも行うべく進めています。事前登録もこちらでできますので、ぜひご登録ください!

 今回は新たにレイドも導入されて、1年にわたる無料アップデートも発表されました。今作ではエンドコンテンツの充実が大きなテーマで、前作はプレイしきってしまってやることがなくなったプレイヤーが多かったのですが、そういうことがないよう、たっぷりコンテンツを用意して、発売後もしっかりフォローする姿勢を示したものです。

スティーヴ プレイヤーの声をとことん聞いて、検証して、これでもかと言うくらい取り入れています。前作をプレイしていなくても楽しめるものですし、前作のユーザーにこそプレイしていただきたいと思っています。皆さんの予想の斜め上を行くのがユービーアイソフトなので(笑)、本作も正統進化の続編として、期待を上回る内容になっています。

 ユービーアイソフトの新規IPの2作目はいいですからね(笑)。サーバーコネクトや、グリッチ(不具合を意図的に悪用する行為)にチート行為など、オンラインゲームにはどうしても起きてしまう問題もありましたが、私たちも『レインボーシックス シージ』などを通して、オンラインゲームの運営に対するノウハウが蓄積されています。それが『ディビジョン2』にも反映されることになります。

スティーヴ 長く遊んでいただけるように無料コンテンツを提供するという、私たちの基本となる姿勢を皆さんにお伝えできたことはうれしいですね。ちなみに、前作をプレイしていると、ちょっとだけリワードがもらえるので、遊んでいただいても損はありませんよ(笑)。もっと話したいことがたくさんあるのですが、続報をお待ちください。