ニンテンドーDS用ソフトとして2007年に発売された『逆転裁判4』が、ニンテンドー3DS用ソフトとなりパワーアップして登場。その発売日である2017年11月22日に、東京都内のビックカメラ 西新宿店にて、ディレクターの巧舟氏によるサイン&握手会が開かれた。そのイベントの模様をリポートしよう。

 今回は、ビックカメラ・ソフマップ・コジマのゲーム取扱い全店を対象店舗として、そこでソフトを購入したレシートと引き換えにイベント会場で整理券を配布する形で、ファンがイベントに参加。開始前には、約50人のファンが列をなした。

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イベントのスタート前には長蛇の列が。その8割ほどが女性ファンだった。
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ショップ内でもコーナー展開でゲーム発売をアピール。

 待ちわびたファンの前に巧舟氏が登場し、いよいよサイン&握手会がスタート。サインと握手がメインなものの、記念撮影もあり、またイラストカットのサービスもあるなど、巧舟氏とファンの距離感が近いフレンドリーなスタイルでイベントは進行した。サインの対象物は、色紙やゲームジャケットといった一般的なものから、ファンが持参したゲームグッズのほか、ニンテンドー3DS本体にサインを描き込んでもらうようなケースも。

 なお記念撮影シーンでは、『逆転裁判』シリーズのプロデューサーを務める江城元秀氏も参入し、決めのポージング。終始なごやかな雰囲気のなか、イベントは2時間弱で終了となった。

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巧舟氏が登場してサイン会がスタート。ファンとの会話もはずむ。
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サインに加え、要望に応じてイラストもサービス。
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ファン持参のさまざまなグッズにサインする巧舟氏。
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記念撮影には江城プロデューサーも参入。ファンとの撮影にも応じていた。

インタビューで『逆転裁判4』への思いを直撃!

 イベント終了後には、巧舟氏と江城元秀氏に、ミニインタビュー取材を行うことができた。コメントを以下に紹介しよう。

――今回、こうしたイベントを行われて、いかがでした?

 10年前にこのゲームを作ったんですけど、そのころはそういうイベントがなくて、お店の様子を物陰から見ていたんですけど(笑)。10年たってこういうことになって、感慨深いのと同時に、10年間支えてくれた皆さんに来ていただけて、本当にうれしかったです。

――開発当時の思い出はありますか?

 ちょうど3部作が終わった直後に開発が始まったので、頭の中が真っ白な状態から始まりました。ちょうど塗くんというアートディレクターと前作から出会っていて、何かの始まりみたいなアツさがあったと思います。

江城 僕はちょうど10年前のこの『逆転裁判4』のときに、アシスタントプロデューサーで入ったんです。そのあとに『逆転裁判2』、『逆転裁判3』の3DS版につながりました。最初に関わったという意味でも、思い入れのあるタイトルです。

――これでナンバリングの『1』~『6』が、すべて3DS版で出そろったことになります。

 僕は『4』で一度離れているので、不思議な感慨がありますね。でも僕が離れたあとにも、受け継いだ人たちが物語をつくってくれていたんだなということが、再確認できた感じです。

江城 去年アニメもやってたので、このタイミングで『逆転裁判』を知ったという人もいるかもしれません。6作が3DSでそろい、『1』から順番で遊べるようになったので、ぜひ通して遊んでもらえると、ナルホドくんとオドロキくんの物語が、両方楽しめるのではと思います。

――本日のサイン会で、ファンの興味深い反応やコメントなどはありましたか?

 皆さん年齢的にも、10年くらい前から遊び始めたという人が多くて、『逆転裁判4』をきっかけにして『1』、『2』、『3』と遡った人もいたみたいですね。また意外に海外の方、韓国や中国の方もいらしていて、いつの間にか大きく広がったんだなと、再確認できた気持ちです。「『大逆転裁判』シリーズが好き」といったお声もあり、元気をいただきました。

――『逆転裁判4』の主人公、オドロキくんについての思い出は?

 名前が決まるまでに、けっこう時間がかかりました。僕もミステリーが好きなので、1作目から3作目までは、ミステリーの「なるほど!」にして。それはオドロキだとも思うんですよね。ですので王泥喜という名前を提示したのですが、なかなか賛同を得られなくて……。「泥という字はどうなんだ?」と(笑)。あとは新しい主人公を出していくので、ナルホドくんとは逆にしようという感じで、一人称のぼくをオレにしたりといった工夫をして、生み出していったキャラですね。デザインでは、ナルホドくんのギザギザヘアに変わるアイコンとして、塗くんと前髪のシルエットを考え、決まるまでにはけっこう苦労しました。結果、よかったんじゃないかなと思います。

――シリーズそれぞれに特徴はあると思いますが、『逆転裁判4』の魅力や、いちばんの見どころは?

 ナルホドくんの物語が一段落して、新章を始めるぞという勢いとアツい気持ちで作ったので、新主人公のオドロキくんのインパクトだったりとかが見どころかと思います。

江城 “みぬく”とか、新しい試みもけっこう始めていて、『1』~『3』とは違う新しいことにも挑戦しているので、そのあたりにも注目してもらえると嬉しいですね。

――本日のサイン会を見ると、女性ファンが非常に多いです。女性人気の要因については、どう思われますか?

江城 とくに女性受けを意識しているわけではないんですけどね。

 10年前の当時でも、このゲームは男女比を見ると、女性の割合が高かったんです。やはりキャラクター人気なんでしょうね。とくに皆さん、御剣検事のファンが多いみたいです。そのように「そうなんだ!」と、ファンから聞いていろいろ知ることも多いんですよ。それをつぎの作品にしっかり反映させることで、シリーズを続けてこれたような気がしますね。

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ラストのフォトセッションは「異議あり!」ポーズのツーショット。