2017年11月1日〜5日(現地時間)まで、フランス・パリにてゲームイベントParis Games Week 2017が開催中。それに先駆ける形で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月31日にメディア向けのセッションを実施。本記事では、情報番組“PlayStation Live From Paris Games Week 2017”において発表された『Concrete Genie』の合同インタビューの模様をお届けする。

 まず、本作のアナウンストレーラーをまだ未見という方は、ぜひ見てほしい。

 トレーラーは、いじめられっ子の少年アッシュが魔法の筆を使って壁に絵を描くと、風景やクリーチャーたちがまるで命を得たかのように動き出す……といった内容になっている。今回のセッションには、クリエイティブディレクターのDominic Robilliard氏とアートディレクターのJeff Sangalli氏が参加。メディアが自由に質問を投げかけ、それに答えてもらうという、いわゆるラウンドテーブル形式でQ&Aを実施。アナウンストレーラーだけではいまひとつつかみきれなかった本作の内容が一部明らかとなった。

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アートディレクターのJeff Sangalli氏(左)とクリエイティブディレクターのDominic Robilliard氏(右)。

──絵を描くということがテーマになっていますが、ゲームの目的はどうなるのでしょうか?

まず、絵を自由に描ける楽しさを味わってほしいというのがあります。さらに、そこにストーリー性を持たせました。いじめられている少年アッシュが、絵を描くことによっていじめを克服していくというものです。ノートブックからちぎられてしまったページをひとつひとつ集めるというのも目的になっています。ステージはチャプター制で、各チャプターでは大きな街の中の1区画を探検します。街は見ての通り汚れています。この“汚染”も作品のテーマの一部です。

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──絵心がなくてもプレイできるのでしょうか?

誰でもできます。プレイヤーは簡単なゼスチャーを行うことで、美しい絵を描くことができます。直したいところを消して描き直すといったこともできます。ただ、一度描いたクリーチャーを消すことはできません。なぜなら、彼らにはAIがあり、“存在”するもので、それを簡単に消してしまうのはゲームの世界観に合わないと感じたからです。

──クリーチャーとプレイヤーの関係は?

彼らは平面でしか動けないキャラクターですが、ステージ上の障害やパズルを手伝ってくれます。たとえば、最初は赤いペンしか持っていませんが、それで生み出した赤いモンスターは炎のスキルを持っています。クリーチャーは、そうした能力の象徴としても存在しています。描けるものが増えることで、新しい能力が得られるわけです。

──クリーチャーを描くとき、誰がやっても同じ結果にはならないのでしょうか?

ある程度は制限はありますが、体の特徴(太っている、背が高いなど)にはバリエーションがあるので、全員が同じ結果にはなりません。たとえば、角をつけたり、柄を変えたりして個性を出すことも可能です。また、平べったいクリーチャーを作ったりすると、動きは制限されますが、それがステージのパズルに役立ったりすることもあります。

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──自分が創ったものをオンラインで共有できたりしますか?

共有は非常にコアな部分と考えていて、もとから想定して作っています。いまはまだ詳細をお話することはできません。

──ムービーで主人公が描いている絵は、ほかの人には見えているのでしょうか?

いじめっ子たちもモンスターから逃げているので、ほかの人にも見えるものです。ただ、イマジネーションがない人には見えないようです。

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──タイトルの『Concrete Genie』に込めた思いは?

プロトタイプのときのコンセプトが、コンクリートに手を触れて自分の魂のカケラを与えることでジニー(アラビア説話などの魔神)を誕生させるというものだったのですが、この言葉の響きが気に入っていたため、本作をそう名づけました。

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 どうやら本作は、ノートブックからちぎられてしまったページを集めるべく、街に絵を描き、ときにはクリーチャーと協力しながら探検していく、といった内容であるようだ。そして、やはり気になるのは、絵がどのくらい自由に描けるか、だろう。発売は2018年予定。早く実際に遊んでみたい!