日本のアニメやゲーム作品とのコラボに関する話題も

 Wargamingがサービス中のオンラインタンクバトル『World of Tanks』。同作のグローバルマーケティングのマーケティングディレクターを務めるMax Chuvalov氏に今後の展開を聞いた。

『World of Tanks』はつねに進化を続けていく――マーケティングディレクターのMAX氏に今後の展開を聞いた【gamescom 2017】_01
▲『World of Tanks』グローバルマーケティング マーケティングディレクターのMax Chuvalov氏(文中はMax)

――gamescomでも発表がありましたが、今後の展開について教えてください。
Max 『World of Tanks』は、先日7周年を迎えました。7年間ゲーム業異界でがんばってきているタイトルですので、新しいゲームではありませんが、現代の最新作などと見劣りしないように、つねにさまざまアップデートを実施して、進化させ続けています。
 gamescomでも発表しましたが、最新のアップデートが控えていて、日本を含むアジアリージョンについては、9月上旬予定に実施予定です、このアップデートで従来の15対15とは違い、30対30の大規模戦ができるようなモードが追加されます。会場では、こちらのモードを先行試遊できるようになっています。従来のマップよりも40%以上大きくなり、さらに対戦人数もこれまでの2倍になっていますので、いままでにない大迫力の戦いが可能です。また、gamescomに出展しているものは、単純にこれからのアップデートを実装したものではなく、いま私たちが重要視しているマップのHD化の最新のマップもこのビルドでプレイできるようになっています。

――新しい要素だけではなく、過去のマップなども最新のものにアップデートしているんですね。
Max 2016年12月には、『World of Tanks』の映像をさらに綺麗にしてお届けするということをお約束していますので、HD化を進める中で、新しいグラフィックエンジンの開発を進めています。

――開発状況はいかがでしょうか?
Max こちらのエンジンの開発はほぼ終了しています。現在はそのエンジンを使用して、コンテンツの充実化をしていまして、HD化を進めているマップも新しいエンジンで開発されています。すぐにお届けすることはできないのですが、私たちが提供しているサンドボックスというテストサーバーがありまして、そちらでいち早くお試しいただけます。また、サンドボックスを使用することで、そのほかのさまざまなものも体験できるようになっていますので、興味を持たれた方は、ぜひチェックしてください。

『World of Tanks』はつねに進化を続けていく――マーケティングディレクターのMAX氏に今後の展開を聞いた【gamescom 2017】_02
『World of Tanks』はつねに進化を続けていく――マーケティングディレクターのMAX氏に今後の展開を聞いた【gamescom 2017】_03
『World of Tanks』はつねに進化を続けていく――マーケティングディレクターのMAX氏に今後の展開を聞いた【gamescom 2017】_04
『World of Tanks』はつねに進化を続けていく――マーケティングディレクターのMAX氏に今後の展開を聞いた【gamescom 2017】_05

――そのほかの目標はありますか?
Max 私たちとしましては、現在3つの目標があります。ひとつ目が先ほどお話ししました、グラフィックの強化です。これにより、戦車やマップなど、ゲームそのもののグラフィックをより綺麗にして、2018年に発売されるゲームに負けず劣らないものを提供したいと考えています。
 ふたつ目はクライアントの効率化です。すべてのプレイヤーがハイエンドPCを持っているとは限らないので、グラフィックを綺麗にする反面、ハイスペックPCを持っていない方にもいままでよりも、より軽く効率化されたクライアントで、フレームレートを維持しつつ、より綺麗なグラフィックでプレイできるようにということを重視しています。
 3つ目は、アップデートのし過ぎで、ゲーム本来のものを変えすぎないということが重要だと考えています。これまで、いろいろなアップデートを実施して、さまざまな改良を施してきましたが、その都度、ゲームそのもののコンセプトが変わってしまうと、プレイヤーとしても馴染みがなくなってしまいますので、プレイヤーの皆さまが馴染みを持っているところは保ちつつ、2018年に向けてゲームの最新化を進めていきたいと思っています。

――なるほど。
Max また、私たちとしては音に関してもアップグレードしたいと考えていまして、先日、“Music 2.0”というプロジェクトを発表しました。Music 2.0では、各マップに別々のトラックを用意しようと計画中です。『World of Tanks』には現在、40以上のマップがありますが、そのそれぞれにマップの特色に合った音楽を用意して、しかも各マップで固定のひとつの曲を流すのではなく、状況に合わせて、それに沿ったものが流れるようにしたいと思っています。作曲家についても、たとえば、ヨーロッパを舞台にしたマップであれば、ヨーロッパの方にお願いして、ヨーロッパ調の曲を用意するというような形で考えています。現在は、まだどの作曲家がどのマップを担当するということは発表していませんが、近日中に公開されると思いますので、楽しみにお待ちください。

――先日、ウォー・メタル・バンド“サバトン”と、ミュージックコンポーザーの山岡晃さんのコラボも発表されましたね。
Max そうですね。じつは、彼と私たちは接点がありまして、山岡さんは『World of Tanks』をプレイヤーとして以前からプレイしていただいていたというご縁もありまして、今回お声掛けして、楽曲を制作していただいています。また、サバトンは、ミュージックビデオを公開したり、ゲーム内コンテンツとして、特別仕様の車両など、さまざまなものがゲーム内に登場していたりします。

――話題は変わりますが、日本市場をどのように考えていますか?
Max 日本のマーケットは非常に重要だと考えていますし、『World of Tanks』内のSoutheast Asiaの地域では、日本は大きな割合を占めている地域でもあります。とくに私たちの中で興味深いのは、Southeast Asia地域の中で、日本のプレイヤーの方というのは、非常にプレイスタイルやマナーがいいんです。そういう意味でも、我々の中でも重要な地域だと考えています。私たちが日本の市場をどのくらい重要視しているかと言いますと、『World of Tanks』では、『ガールズ&パンツァー』や『戦場のヴァルキュリア』、『World of Warships』では『ハイスクール・フリート』や『蒼き鋼のアルペジオ』とコラボを実施してきました。

――どのコラボも話題になっていましたね。手応えはいかがでしたか?
Max 手応えは非常によかったと思っています。当初はゲーム内に直接導入するのは、私たちとしてもリスクに考えたので、外部ソフトとしてダウンロードすることで、ゲーム内で導入できる仕組みにしましたが、そのデータに関しては多くの方からダウンロードがありました。日本国内だけでなく海外の人たちにも楽しんでいただけたので、初期のころはアジア地域限定だったのですが、現在はグルーバルな契約に変わり、全世界で使用できるようになっています。また、多くの方によろこんでいただけたので、今後はゲーム内で直接導入できるように考えています。アジアのゲームコミュニティというのは大きので、まだ私たちのことを知らないプレイヤーもたくさんいます。そういった意味でも、コラボレーションというのは、新しいプレイヤーの認知度の向上にも繋がりましたし、新しい方がゲームを始めるキッカケにもなりました。

――今後、日本の作品とコラボする予定はありますか?
Max まだ、時期や作品などはお答えすることはできないのですが、今後、アニメだけではなく、マンガなどさまざまな作品とコラボしていければいいなと考えています。

――これからゲームを始める方にアドバイスがありましたら、教えてください。
Max じつは新しく始めようと思っている方に素晴らしいニュースがあります。今年の秋ごろにゲーム内で特別なチュートリアとして、ブートキャンプというモードを実装予定です。これは、チュートリアを進化させたもので、より細かい情報、戦術、知識などを学べるものとなっています。ですので、ぜひ新規の方はこちらをプレイして、ゲームへの理解度を深めてもらえればと思います。

――最後に日本のゲームファンにメッセージをお願いします。
Max まず、いままでゲームをプレイしていただいきありがとうございます。今後も『World of Tanks』はグラフィックだけでなく、音やコンテンツをどんどん進化し続けていきますので、これからもゲームを楽しんでください。また、今後は日本に向けたコンテンツをいままで以上に増やしていきたと考えていますので、そちらも楽しみにお待ちください。