最強ボス討伐の裏話

 2017年5月28日、エヌ・シー・ジャパンが運営するPC用MMORPG『リネージュ』において、最強ボス“エンシェントガーディアン”がついに討伐された。

『リネージュ』最強ボス“エンシェントガーディアン”を初めて倒したのは日本勢! 討伐キーマンのインタビューが公開_01
▲岩に擬態している超巨大ボス・エンシェントガーディアン。巨大すぎるために戦いにくく、攻撃のすべてが広範囲に及ぶ。「そもそも設計時に倒すことを想定していないのでは?」とも思える。

 『リネージュ』には7体ほどのレイドボスが存在し、通常のドラゴンは30人規模のパーティーで討伐するのが通例だ。7体中、100人規模の大人数で挑むボスは4体。なかでも、エンシェントガーディアンのみが長らく未討伐だった。

 特筆すべきは、お膝元である韓国でもいまだに討伐されていないという点。韓国や中国では「討伐は不可能」と認識されているようで、日本でも2016年7月20日に実装されたものの、極端に強すぎて、ほぼ放置状態だったという。

 強豪プレイヤーがひしめく韓国に先駆けて、日本勢が初討伐を達成したのだから何とも誇らしい。日本運営プロデューサー・川南氏による討伐キーマンへのインタビューが届いたので、ここに掲載する。


現在の「リネージュ」において名実ともに最強のレイドボスとして君臨するエンシェントガーディアン。
お膝元である韓国に先駆け、初の討伐に成功したデポロジューワールドのキーマン「Garden」氏がサービスチームのtwitterアカウントをフォローしていただいていたご縁も有り、討伐に際してのインタビューをゲーム内で行わせていただいた。

――初の討伐おめでとうございます。よろしければ自己紹介から。

Garden氏
クラスはウォリアー、レベルは80+ということで……
リネージュはβテストの頃からやっていましたが、何度か引退・復帰を繰り返し
ウォリアー実装の頃から本格的にプレイしています。
復帰のきっかけとなったのはデポロジューワールドの誕生です。
昔も割とプレイしていた方ではあったと思うのですが、
復帰時点では周りのプレイヤーは既にレベル80を超えていて、
私はまだ70台だったので追いつく一心でレベリングをしていました。

『リネージュ』最強ボス“エンシェントガーディアン”を初めて倒したのは日本勢! 討伐キーマンのインタビューが公開_02

――討伐に人員が必要な大型のレイドボスなので準備段階から様々な苦労があったと思いますが、討伐に至ったきっかけがあればお話いただければと。

Garden氏
きっかけというか、エンシェントガーディアンには以前も挑戦していて、
その時は見事に失敗したんです。

――ということは、今回はリベンジという形ですか。

Garden氏
今回忘れられた島(エンシェントガーディアンの出現地域)の入場レベル緩和や、
強力な回復アイテムが利用できるイベントが開始されるという告知を見た時に
ふと「エンシェントガーディアン討伐しよう」と一人で思い立ったんです。
その時は本当に軽い気持ちで血盟員に相談してみたらありがたいことに
否定的な意見は一切出ず、「よし、やるか」みたいな。
お前が言うならやってやるよと言った感じで、本当にありがたかったです。

――血盟員の皆様の信頼が嬉しいですね。

Garden氏
相談したのも水曜日の23時頃でして、平日にも関わらず
翌日の3時頃まで親身に話を聞いてくれました。
それからは各自がエンシェントガーディアンについて持ってる情報などを
Googleのスプレッドシートに書き出して、その日寝るまでには
おおよその基盤が既に出来上がっていた感じでした。

――かなりのスピード感で進行したんですね。

Garden氏
それからは現地に赴いて討伐の際のキャラクターの配置など
実践的な検証を繰り返した形になります。大事なのは配置と仕様の把握だと思ってましたが
そのあたりを強力にサポートしてくれた方が居て、非常に助かりました。

――事前準備の段階で最も苦労された部分はどこでしたか。

Garden氏
人です。私は現在攻城戦をメインとする血盟に所属しておりまして、
血盟員の皆はレベルも高く、頼りになる人ばかりですが
エンシェントガーディアン討伐には身内だけでは人数が不足していると思いました。

――どのように解決なされたんですか。

Garden氏
日頃攻城戦で敵対関係となっている他血盟の皆様にお声がけしました。
敵同士という間柄ではありますが、その分彼らの戦力や動員人数は嫌というほど理解しています。
彼らの誰が欠けても今回の成功はなかったというくらいにある意味信頼していました。

――なかなかアグレッシブな展開ですね。日頃の壁を超えて共闘しようと。

Garden氏
春のワールド対抗イベント(テーベラス支配戦)でも共闘の流れはなかったので
おそらく今回が初めてになると思います。
前述のスプレッドシートを提示して私自身がどれだけ本気でやろうとしているのか、
どういった形でやろうとしているのかを伝えることに腐心しました。
日頃の対立を超えて即答で賛同をいただいた血盟もあり、非常に感謝しています。
それからは各代表者を交えて毎日23時から攻略準備として会議を進めていきました。
目下の課題は開催日をどうするかということで、平日は人が集まりにくく、
土曜は各勢力で別のレイドが多く開催されるので日曜しか無いんじゃないかと。
お声がけしたのは攻城戦勢力であり、毎週日曜は攻城戦の開催日です。
それにもかかわらず日曜にエンシェントガーディアンに挑戦しよう、
時間が足りないから攻城戦を放棄して挑戦しようと無理を言ったにも関わらず
皆様に協力していただけました。

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――いざ討伐、というところで一番警戒していたエンシェントガーディアンのアクションは何ですか。

Garden氏
やはりタイタンゴーレム召喚です。ただでさえ辛いアクションですが、
エンシェントガーディアンのHP減少とともに頻度が向上し、処理が間に合わない場合もあって極悪です。
専門の処理班を作成するなどの特別な対応が必要になると思います。
他にも色々要素があるとは思いますが、討伐メンバーの構成で変わる部分もあるので一概には言えないですね。

――傍から気になるのはやはり獲得したドロップアイテムだと思いますがいかがでしたか。

Garden氏
今回は参加いただいた皆との約束で非公開とさせてください。
ですが、私たちは討伐成功という事実自体に大きな価値があると思っています。
そういった意味では今回は間違いなく大成功です。ありがとう!

――長い時間のインタビュー誠にありがとうございました。

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(聞き手:リネージュサービスチーム 運営プロデューサー 川南)