志倉千代丸氏&齋藤光二氏のインタビューも必見!!

 5pb.は、週刊ファミ通2017年5月11・18日合併号(2017年4月27日発売)において、プレイステーション Vita&プレイステーション4用ソフト『アノニマス・コード』(2017年発売予定)の最新情報を発表した。以下、記事内容を抜粋して最新情報をお届けする。


 志倉千代丸氏が率いる、チヨマルスタジオの新作として制作が進められているアドベンチャーゲーム『アノニマス・コード』。2037年の中野を舞台に、ハッカーたちの物語が展開していく。今回は、本作の序盤のストーリーを誌面で独占公開。さらに、新作情報の発表の有無なども気になるライブイベント“CHIYO-ST.LIVE 2017-GENESIS-”(以下、“チヨスタライブ”)について、仕掛け人である志倉氏と齋藤光二氏に、その概要を語っていただいた。

■序盤のストーリーを独占掲載

 キミの人生の中で、この空間に、この時間に、この座標に、いや“このセーブポイントに”と呼ぶのが、いまはもっとも適切かもしれないが、とにかくキミという存在がいまこうしてこの地点にたどり着いたことはまさに奇跡に等しく、僕はそのことを本当にうれしく思う

 宇宙を漂っていた、目的さえ持たない原子の粒が、いつしかキミの身体を構成するにいたった経緯

 そうやって万物の成り立ちへと思いを馳せれば、この出会いたちは紛れもなく奇跡であるのだが

 同時にこの奇跡が連続して起こっていることに対して、僕たちはいよいよ疑問を持ち始め、意識はいままさにその終点を迎えようとしている

 キミを構成する原子たちはなによりキミの一部であるにもかかわらず、いまだキミの存在すら理解をしていない

 浮気性の原子たちはもうとっくにつぎのイベントへ向かう準備を始めているんだ

 そう。つまり、この物語にはもう続きがない

 では、どうする? 答えは簡単だ

 奇跡の断片がキミのフェイトライン上に存在する可能性

 それはまさしく世界層を閉じるカギ

 この“世界”というステージの幕をくぐり抜け、その先で糸を引く魔法使いの仮面を剥ぎ取るのだ

 敢えて言おう。神を──ハッキングせよ

『アノニマス・コード』の序盤ストーリーが明らかに!――志倉千代丸氏&齋藤光二氏のインタビューも一部掲載_01

チヨスタライブの仕掛け人に訊く

 『アノニマス・コード』を手掛けるチヨマルスタジオのライブイベントが、5月28日(日)に中野サンプラザで行われる。奇しくも、『アノニマス・コード』の舞台である中野で、だ。そこにはどんな意図があるのか……? ライブの仕掛け人であり、原作を務める志倉千代丸氏と、ステージプロデューサーの齋藤光二氏に話をうかがった。

『アノニマス・コード』の序盤ストーリーが明らかに!――志倉千代丸氏&齋藤光二氏のインタビューも一部掲載_02

志倉千代丸氏(文中は志倉
MAGES.会長であり、チヨマルスタジオ社長。ゲーム製作に留まらず、作詞・作曲などマルチに活躍。最新作『アノニマス・コード』では、企画・原作を担当する。

齋藤光二氏(文中は齋藤
世界最大のアニソンイベント“アニメロサマーライブ”(以下、アニサマ)のゼネラルプロデューサー。チヨスタライブでは、ステージプロデュースと演出を担当。

──まずは、齋藤さんがチヨスタライブに参加されることになった経緯をうかがえれば。

齋藤 いままで5pb.では科学アドベンチャーシリーズのライブを行っていましたが、今回チヨスタライブという、志倉千代丸さんのお名前を冠したライブを実施するにあたり、「“魅せかた”を変えてほしい」ということで、社長の太田(豊紀氏)からお願いされました。個人的な予想ですが、2015年の“アニサマ”でいとうかなこさんが『Hacking to the Gate』を披露した際、アニサマ側でかなり凝った映像を用意しまして、その演出などが評価されたのではないのかなと。自分は演出家ではないですが、歌詞や曲、そして作品を理解したうえで最適な魅せかたをすることをつねに目指しています。今回このお話をいただいたときも、うれしかったですしワクワクしました。科学アドベンチャーシリーズのファンの方たちに満足してもらえるものにしたいですね。

志倉 ちょっと補足させていただくと、まず“チヨスタって何だ?”というブランディングがまだできていないというところから、この企画は始まっています。チヨマルスタジオというのは、『アノニマス・コード』や『オカルティック・ナイン』などといった新作も含め、これまでの科学アドベンチャーシリーズをも内包したブランドです。今回、科学アドベンチャーライブと言わずに、チヨスタライブと伝えることで、音楽としての認知度だけではなく、ゲーム、コンテンツのブランドとして広く認知したいという思いがあります。齋藤には“アニサマ”というブランドを長年守ってきている実績がありますので、白羽の矢が立ったわけです。“アニサマ”チームが作っているという安心感もあるでしょうし。逆に弊社では、齋藤にしかできない仕事だと思います。

齋藤 ありがとうございます。

──なるほど。そうするとアニサマの手法を取り入れた演出になるわけですね。

齋藤 そうです。さまざまな楽曲、多彩なアニメ作品がシームレスで進んでいく“アニサマ”の手法が、今回のライブにはピッタリだと思っています。セットリストを作るときには音楽的な流れや、作品のつながりも大事にしています。また、ライブを作るときにいちばん重要視しているのが、初見の人でも楽しめるものにすることです。『シルク・ドゥ・ソレイユ』やディズニーのショーなどが顕著で、前情報がない人でも、その場に行くと楽しめるという構成は本当にすごいと思います。そういう構成がライブには絶対に必要だと思っているのですが、アニソン(アニメソング)やゲーソン(ゲームソング)を扱う場合は、それだけではダメなんです。やはりマニアックなこだわりを持っている人が納得できる作りにするべきだろうと。初見さんとマニアの両方に刺さるものにすることを、つねに考えています。そういう意味では、千代丸さんの作品はマニアックの塊です。そこも大切にしたいので、開発プロデューサーやデザインチームの皆さんとも相談しながら作っています。

──開発チームも巻き込んでいると。

齋藤 作品と演出の整合性がズレると違和感が出てしまいますから、開発チームの方々と相談しながら、演出の方法まで詰めています。

──チヨスタライブでは、作品をどのように音楽的に表現されていくのでしょうか?

齋藤 音楽ライブとしては、サウンドの手触りや圧、コーラスの厚みなどを感じていただけるかと。さいたまスーパーアリーナで公演している“アニサマ”とはまた違った感覚を味わえると思います。彩音さんやいとうかなこさんといったボーカリストの歌声を、中野サンプラザという会場で、全身で味わってほしいですね。あとはやはり、ゲームやアニメの映像をふんだんに使ったライブになりますので、作品と楽曲の連動も楽しめると思います。作品ごとに世界観も異なりますが、それをひとつにして楽しめるような作りにしています。具体的にどういうことをするのかは、ネタバレになるので言えませんが、ぜひ楽しみにしていただければ。今回のライブに来て「ゲームもやってみたいな」と思ってもらえれば、と考えながら作っています。

志倉 ちなみに“チヨスタライブ”と銘打っていますが、90 % 以上は科学アドベンチャーライブです。シリーズのファンにとっては、どの曲が来ても「キタ―――!」となりますよ。そういう意味では、カテゴリーとしてはすごくニッチなライブです。カテゴリーが区切られずに行われるライブって、半分くらいは知っていても半分は知らない曲みたいなことがありますよね。でも、チヨスタライブは科学アドベンチャーシリーズのファンならば全部知っている曲だと思います。もう、熱いですよ。

──音楽面はもちろん、演出面でも熱いものになる自信があると。

齋藤 もちろん。作品にハマった人にしかわからない感動ポイントというのを、チヨスタライブには入れ込んでいます


アノニマス・コード
メーカー 5pb.
対応機種 PSVPlayStation Vita / PS4プレイステーション4
発売日 2017年発売予定
価格 各7800円[税抜](各8424円[税込])
ジャンル アドベンチャー
備考 企画・原作:志倉千代丸、プロデューサー:松原達也、ディレクター:梶岡俊彦、ストーリー監修:林直孝、演出:若林漢二、アートディレクター:北原史尋、サウンドプロデューサー:村上純