オンラインゲームのプロデューサーという共通点があるおふたり

 2017年3月10日から『ファンタシースターオンライン2』(以下、『PSO2』)で、『NieR Automata(ニーア オートマタ)』とのコラボがスタートした。これを記念して、両タイトルのプロデューサーに、同コラボに関する話をうかがった。
※本インタビューは、週刊ファミ通3月23日号(3月9日発売)に掲載しているインタビューを、ファミ通.com用に加筆・編集したものです。

★3月10日から『NieR:Automata』とのコラボスクラッチを配信!
 今回のコラボでは、『NieR 』主要キャラクターの衣装や髪型、アクセサリーのほか、武器迷彩やマグ進化デバイスなどがある。さらに、ロビーアクションでは“自爆”も可能。これらのアイテムが、3月10日からACスクラッチに導入される。パーツを集めて、顔や体型を整えれば、下のように『PSO2』上で『NieR』のキャラクターたちをリアルに再現できる。

『PSO2』で2Bや9Sになれる! 『NieR:Automata』齊藤P×『ファンタシースターオンライン2』酒井P コラボ記念インタビュー_32
『PSO2』で2Bや9Sになれる! 『NieR:Automata』齊藤P×『ファンタシースターオンライン2』酒井P コラボ記念インタビュー_29
スクウェア・エニックス『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』プロデューサー:齊藤陽介氏。
セガゲームス『ファンタシースターオンライン2』シリーズプロデューサー:酒井智史氏

1本のメールからコラボの話がスタート

――今回のコラボの詳細が発表された、先日のニコニコ生放送“PSO2 STATION!”(→こちら)の配信はすごかったですね。おもにヨコオさんのメッセージ? 部分が……。

酒井 我々の中でも、台本の段階でけっこう議論がありまして……(笑)。

齊藤 第2校くらいでしたね。あれは。

酒井 第1校は、あやうく放送できなくなるレベルだったので(笑)、ところどころ削る必要があって。最後のほうでは、ヨコオさんが「もう修正はできないかもしれない……」ってプレッシャーをかけてきて(笑)。という経緯があって、放送の内容になりました。

齊藤 ああいったやり取りが『NieR』シリーズを作っていく中でいつも起こっているんですよね(笑)。

酒井 このあいだ配信された『NieR:Automata』のテレビCMの無規制版もすごかったですね。

齊藤 もし、間違って審査を通っちゃっていたら、すぐに取り下げになっちゃうでしょうし、それはそれでおもしろかったかもしれませんね(苦笑)。

――ではまず、今回のコラボがスタートするきっかけについて教えていただけますか?

齊藤 セガさんの社内でどういった話があったのかはわかりませんが、ある日、『PSO2』の木村ディレクター(木村裕也氏)から「『NieR』の開発は順調ですか?」ってメールが届いたんです。

――さぐりが入ったわけですね。

齊藤 そうなんですよ(笑)。で、やり取りの最後に、弊社の『ファイナルファンタジーXIV』とのコラボの話もありましたので、その流れもあって「『NieR:Automata』の発売タイミングで、何かいっしょにできることはありませんか?」というお話をいただいたんです。こちらとしては願ったり叶ったりですから、「喜んでお受けします」と返したのが始まりですね。

―― そのやり取りはいつごろのお話ですか?

齊藤 けっこう前ですよね。

酒井 そうですね。2015年の東京ゲームショウ(以下、TGS)の前あたりですね。

齊藤 『NieR:Automata』は2015年のE3で発表して、その年のTGS後に、セガさんと直接お話をさせていただきました。ただ、そのときは、『NieR』自体、全体像が見えていない状態でしたので、もう少し開発が進んでから、という感じで。完成していないのに、ヨコオタロウ(『NieR:Automata』のディレクター)が逃げる、という可能性もゼロじゃないですから(笑)。そんなタイミングでお声掛けいただいたので、うれしかったです。コラボ内容についての話が本格的にスタートしたのは、昨年のTGSくらいですね。

――では、セガさん側は、どんな流れで、『NieR』とコラボを打診しようとなったのですか?

酒井 もともと齊藤さんとは、僕も木村も知り合いというか、“オンラインゲーム傷の舐め合い会”というのがありまして(笑)。国内でオンラインゲームの開発をしている方たちが集まって、親睦を深めるために飲んだりしているんです。そういったこともあり、木村と『NieR』で何かやりたいという話になったときに、齊藤さんに声を掛けてみようと。

――ちなみに、おふたりはお互いのタイトルに関しては、どういうふうに見ているのですか?

齊藤 『PSO2』のすごさは十分存じ上げています。それこそ飲み会で「オンラインの運営はたいへんですね」みたいな話をしたり(笑)。

酒井 『NieR』は、熱狂的なファンがついているタイトルですし、印象的にも『PSO2』にはないテイストのゲームなので、すごくコラボをする価値が高いと思いました。

齊藤 コラボを発表する前から、『PSO2』のユーザーさんの中には、2Bや9Sに似せたキャラクターをキャラメイクで作って、Twitterにアップしてくださっている方もいたんです。それはうれしかったんですけど、逆に「すでに似たものが作れるんだったら、コラボアイテムはいらないんじゃないか?」と心配になったりもしました(笑)。でも今回は、セガさんに本当に完成度の高いものを作っていただいたので、よかったです。

―― そっくりというか、すごくいい感じに再現されていますよね。これは、オリジナルのデータを基に作られているんですか?

齊藤 ええ。必要なモデルデータはすべてセガさんにお渡ししました。最後に監修させていただければ、基本的にはどのように作っていっても構いませんというスタンスでした。

酒井 とは言っても、『PSO2』は同時に多くのキャラクターが出るゲームですから、1体のデータは縮小する必要がありますし、キャラメイクというシステムに合わせて整え直す必要があったので、けっきょくのところは作り直しに近かったです。ただ、制作の目標としてモデルデータがあるのはありがたかったですね。

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