まさかの『ストII』シリーズの最新作!

 2017年1月13日に任天堂が東京ビッグサイトにて開催している“Nintendo Switch プレゼンテーション”。その中で試遊台が出展されているのが、『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』(以下、『ウルトラストリートファイターII』)だ。本記事では、簡単なプレイリポートとともに、本作のアシスタントプロデューサーである綾野智章氏のインタビューもお届けする。

関連記事:『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』がNintendo Switchで発売決定! 新キャラクターやふたり協力プレイモードが追加!

 Nintendo Switchで楽しめる『ストリートファイターII』(以下、『ストII』)として、バトルグラフィックのリファインを行い、“殺意の波動に目覚めたリュウ(EVIL RYU)”と“洗脳されたケン(VIOLENT KEN)”が新たに参戦を果たした本作。総勢19人のプレイアブルキャラクターでバトルが楽しめる“『ストII』シリーズの最新作”であり、従来作のプレイフィールを残しながら、バトルバランスにも手が加えられた意欲作だ。

懐かしくて新しい! 『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』綾野智章氏直撃インタビュー&プレイリポート【Nintendo Switch プレゼンテーション】_01
懐かしくて新しい! 『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』綾野智章氏直撃インタビュー&プレイリポート【Nintendo Switch プレゼンテーション】_02

 今回の試遊ではTVモードとテーブルモードで作品が体験できたので、新キャラクターである殺意の波動に目覚めたリュウと洗脳されたケンをプレイ。殺意の波動に目覚めたリュウはスーパーコンボに豪鬼の“瞬獄殺”のような技を、洗脳されたケンは“昇龍拳”コマンドにキックボタンで前方に移動する技を持っており、それぞれ独特な立ち回りが可能となっていた。とくに筆者の印象に残ったのがテーブルモードでのプレイ。Joy-Conストラップをつけることで、手に持った際の感触が小さなスーパーファミコンのコントローラーのようで、最新のゲームハードをプレイしているのにちょっと懐かしいような気持ちになった。非常に細かい話だが、Joy-Con(L)とJoy-Con(R)で、Lボタン&Rボタンと、アナログスティック&4つのボタンの位置が微妙に違う点も情報としてお伝えしておこう(本当に細かい話だが)。

懐かしくて新しい! 『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』綾野智章氏直撃インタビュー&プレイリポート【Nintendo Switch プレゼンテーション】_03

綾野智章氏に訊く!

 ここからは、会場にいらっしゃった綾野智章アシスタントプロデューサーのインタビューをお届けする。『ウルトラストリートファイターII』をNintendo Switchで開発した際の手応えは? など、旬な話題となっているので、ぜひご一読を。

懐かしくて新しい! 『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』綾野智章氏直撃インタビュー&プレイリポート【Nintendo Switch プレゼンテーション】_04

――本日はお時間を作っていただき、ありがとうございます。早速なのですが、『ウルトラストリートファイターII』をNintendo Switchで作ろうと決められた経緯からお聞かせください。

綾野智章氏(以下、綾野) 今年で『ストリートファイター』シリーズが30周年となります。以前から「30周年に向けて、ファンの方々に向けて何ができるのか?」を考えていたのですが、ちょうどそのころ、Nintendo Switchのお話をいただきまして。開発期間などを考えると、30周年のタイミングに合致しそうだということで、企画が立ち上がりました。

――企画の立ち上がりから、『ストII』シリーズの最新作ということは決まっていたのでしょうか?

綾野 30周年という歴史がありますから、当時、子どもだったユーザーさんも今ではお父さん世代になっているかと思います。そんなお父さん世代の方々に向けて、お子さんといっしょに『ストリートファイター』を遊んでくれたらうれしいなと考えたんです。そういった経緯の中、私たちの意図にマッチする作品は『ストII』だと考え、Nintendo Switchでのリリースを決めました。

――『III』でも『IV』でも『V』でもなく、あえての『II』だ、と。実際にNintendo Switchで開発をされていて、いかがですか?

綾野 『ストリートファイター』……こと『ストII』に関しては、アーケード、据え置き機、携帯機……など、過去にいろいろなプラットフォームで作られたタイトルです。そういう意味では、さまざまなハードウェアに対応することに長けている作品なんです。『ウルトラストリートファイターII』は、ゲームのコアな部分はすぐに動かせるレベルまで作ることができたので、任天堂様と意見の交換などを行いながら、ハードウェアの最適化や「どういう風にNintendo Switchで遊んでもらおうか?」という部分に時間を割くことができました。

――なるほど。綾野さんご自身は、Nintendo Switchというハードに対してはどのような印象を持たれていますか?

綾野 Nintendo Switchは、据え置き機と携帯機のハイブリットだと考えています。また、それはNintendo Switchで開発していても強く感じることで、据え置き機としてガッチリ作り込むと、持ち運んでプレイするときの消費電力などが課題となります。でも、携帯ゲーム機のように作ってしまうと、今度はグラフィックの面で物足りない。そこのバランスを取って開発を進めていくNintendo Switchは、ゲーム開発のスタイルが新しいなと思いました。「ゲーム開発の新しい形のひとつなんだな」と刺激を受けましたね。

――『ウルトラストリートファイターII』は新キャラクターの追加のほか、ゲームバランスにも手が加えられているのですよね。

綾野 はい。『ストII』シリーズでいちばん遊ばれている『スーパーストリートファイターIIX』をリスペクトしつつ、『ストII』シリーズの新しいものを目指した……というイメージです。

――『スーパーストリートファイターIIX』の手触りのよさは残しつつ、いまの時代に合った作品を目指したということですね。新キャラクターの選出基準は、どのように決められたのでしょうか?

綾野 殺意の波動に目覚めたリュウは、シリーズ作でもなじみのあるキャラクターなので選びました。逆に洗脳されたケンは、スピンオフの作品では登場していたのですが、ナンバリングタイトルにはじつは登場したことがなくて。だったら、このタイミングかなと。

――今日、新キャラクターを始め、本作をプレイしている方々を見て、率直な感想を聞きたいです。

綾野 Nintendo Switchは十字キーがないので、操作に関してはちょっと心配していました。ですが、今日プレイしていただいた方々には、非常に好意的に受け止めていただけたかと思います。スーパーファミコンを思い出して、懐かしい気持ちになった方が多かったみたいです。

――僕がまさにそうでした。ここ(Lボタン、Rボタン)に強攻撃があった! みたいな(笑)。

綾野 明日、明後日には一般のユーザーさんにも触っていただけるので、どういう反応が返ってくるのか楽しみです。

――最後にファンへ向けて、ひと言お願いします。

綾野 本日、いきなり発表された“『ストII』の新作”を、ぜひ会場で遊んでいただきたいです!(笑)。『ストリートファイターIV』から本シリーズに触れた方も多いかと思いますが、そういった方にこそぜひ触ってほしいですね。また、Nintendo Switch購入を検討されているお父さん世代の方は、まさに『ストII』直撃世代だと思いますので、お子さんといっしょに遊んでもらいたいなと。

――ありがとうございました!