『ニューダンガンロンパV3』赤松楓役神田沙也加さんインタビュー! 神田さんが江ノ島盾子からもらった感動のメッセージとは?

舞台や登場人物を一新した、『ダンガンロンパ』シリーズの最新作である『ニューダンガンロンパV3』について、『V3』で主人公の赤松楓を演じた、神田沙也加さんにお話をうかがった。

●主人公であり、ファンである神田さんの心境は?

舞台や登場人物を一新した、『ダンガンロンパ』シリーズの最新作である『ニューダンガンロンパV3』。いよいよ2017年1月12日に発売される『ダンガンロンパ』の新章は、どのような内容になっているのか。シリーズのファンを公言し、『V3』で主人公の赤松楓を演じた、神田沙也加さんに、赤松楓役のこと、そして、本作をひと足早くプレイした感想をうかがった。


■プロフィール
神田沙也加さん


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1986年10月1日生まれ 東京都出身。女優、歌手。舞台を中心に多数の作品に出演。代表作は、映画『アナと雪の女王』の日本版アナ役など多数。アニメ、ゲーム好きを公言し、『ダンガンロンパ』シリーズではいちばん好きなキャラクターという江ノ島盾子を舞台で好演し、来場者から絶大な支持を得た。(文中は神田)


●舞台の江ノ島盾子とは異なる演技で臨んだ主人公。赤松楓

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――神田さんは、以前から『ダンガンロンパ』シリーズのファンを公言されていますが、最新作の主人公である赤松楓役に決まったときは、相当うれしかったのでは?
神田 楓ちゃんを演じてほしいというお話は、2016年4月に行われた『ダンガンロンパ THE STAGE 2016』の制作発表の日にいただきました。でも、そのときは詳細な内容はお聞きしていなかったので、じつは楓ちゃんが主人公だと知るのはけっこう後になってからだったんです。「セリフが主人公っぽいよね」とマネージャーさんたちと話していたら、スパイク・チュンソフトのスタッフさんから「主人公ですよ」と言われて、すごくビックリしたのを覚えています(笑)。

――それは驚きの展開ですね(笑)。
神田 私が初めて触れた『ダンガンロンパ』がゲームでしたから、思い入れのあるゲームへの出演というだけでうれしいのに、しかも新作というのはテンションが上がりました!

――逆にプレッシャーもあったのでは?
神田 プレッシャーよりも、大好きな作品に関われるうれしさのほうが強かったです。それに舞台で演じた江ノ島盾子のように、既存のキャラクターを再現するのではなく、新しいキャラクターを演じるということで、プレッシャーが軽減されたように思います。

――やはり、江ノ島盾子を舞台で再現するのと、声優としてキャラクターをイチから作ることでは、大きな違いがあるのでしょうか。
神田 そうですね。江ノ島盾子を舞台で成立させるためには、“完コピ”しかないと思っていました。トレースするというか、とにかくコピー、コピー、コピーだと。ですから、再現性を大事にする江ノ島盾子と、イチから作り上げる楓ちゃんでは、自分の中で作り上げるイメージはまるで別なんです。ただ、今回は最初からキャラクタービジュアルのパターンがたくさん用意されていて、それを見ながら演じたので、イメージはしやすかったですね。

――赤松楓のビジュアルをご覧になったときの第一印象を教えてください。
神田 すごくかわいい子でうれしかったです! あと、超高校級のピアニストという音楽系の能力だったのも、よかったですね。

――神田さんも音楽活動をされているので、ピアニストの赤松楓とは親和性が高いですよね。ちなみに、神田さんはピアノが弾けますか?
神田 ピアノは以前やっていました。いまはぜんぜん弾けないんですけど、小さいころから習わされていました(笑)。

――では、そういう経験があったからこそ、いまの音楽活動に影響が……。
神田 う〜ん……。

――あまり関係ない、と(苦笑)。
神田 でも、音感を身につけるには、小さいころからちゃんと調律された楽器に触れておいたほうがいいと思いますから、多少は影響があるのかもしれません。それに楓ちゃんの才能が、超高校級のエレクトーン奏者とか、超高校級のヴァイオリニストだったら、細部のイメージが湧かなかったと思います。そういう意味では、子どものころに習っていたピアノの才能でよかったですね。

――体験していると想像できますからね。赤松楓を演じるにあたって、開発スタッフからどのような説明を受けましたか?
神田 最初に小高さん(小高和剛氏。シリーズのシナリオを担当)から、楓ちゃんは1作目の朝日奈葵ちゃんに近いと教えてもらいました。かわいくて、明るくて、前向きで、わかりやすいくらい元気な感じがいいと言われて、なるほどなって。超高校級の才能を持ってはいるけど、楓ちゃんはクセがないというか。どこにでもいるシンプルな女の子という印象で、親しみやすいキャラクターだと感じました。

――感情移入がしやすいと思いました。では、演じるうえで注意したところはありますか?
神田 舞台で江ノ島盾子を演じたので、シリーズのファンの方には、神田沙也加=江ノ島盾子というイメージを持っている方がいると思います。でも、せっかく新しいキャラクターを演じるのに、舞台で聞いたことのある声になってしまってはつまらないので、江ノ島盾子と楓ちゃんをいかに差別化するか、しっかり考えながら演じるように意識しましたね。

――実際に序盤をプレイしましたが、赤松楓はいい意味で神田さんらしさを感じないというか……。明るく前向きなキャラクターなんだなと、すんなりと入ってきました。
神田 そう感じていただけたならうれしいです! じつは小高さんからも、お褒めの言葉をいただきまして(笑)。アフレコを終えたときのことで、すごく印象に残っているのですが、「神田さんは最近まで舞台で江ノ島を演じていたので、赤松楓の中に江ノ島っぽさが出るんじゃないかと、ちょっと心配していました。でも、それが杞憂で安心しました」と言っていただけて。ちゃんとふたりの演技を差別化できたのかなと思い、ホッとしました。

――アフレコはスムーズに進んだのですね。
神田 そうですね。声色を決めてからは、すんなりと進みました。ディレクションなどもとくになくて。楓ちゃんは、思っていることがそのままセリフになっているというか。基本的に裏がない子なので、新キャラクターとはいえ、すごく演じやすかったですね。


●本作のチャプター1をプレイ済み! ファンである神田さんの感想は!?

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――開発スタッフの方に、神田さんはある程度ゲームをプレイされているとお聞きしました。
神田 チャプター1まではクリアーしました。

――プレイしてみた感想はいかがですか?
神田 どこまで言っていいんだろう(苦笑)。これまで体験してきた『ダンガンロンパ』の王道を感じつつ、舞台が一新されたり、新しい音楽が追加されたりしていて、新鮮ですね。あと、登場キャラクターに1作目のときのような、とっつきやすさを感じました。

――とっつきやすさ、ですか。
神田 1作目も16人の超高校級の生徒が登場しましたが、人数のわりに、すごく覚えやすかったんですね。それが2作目になると、個性がより濃くなったぶん、登場人物たちを認識するのに、ちょっと時間がかかってしまって。ただ、今回は個性の度合いが1作目に近く、どこか懐かしさを感じました。

――なるほど。では、神田さんが演じられた赤松楓は、客観的に見ていかがでしたか?
神田 楓ちゃんは前向きかつ、自分よりも周囲のことを考えていますが、度が過ぎると、怖くなるなと思いました(苦笑)。物語の展開を知っているのに、楓ちゃんの言動に驚くこともあって。ネタバレになってしまうので、詳細は語りませんが、狂気を感じましたね。

――でも、神田さんが演じたわけですよね?
神田 そうなんですよ(笑)。

――他人事のような感想(笑)。
神田 私が演じているんですが、楓ちゃんが自分から進んでいっているような印象で。ただ、私が楓ちゃんを演じると発表されたときから、“黒幕フラグ”なんて言われてましたが(笑)、実際にプレイされる方にどのように感じていただけるのか、皆さんのリアクションが楽しみです。

――先ほどおっしゃっていましたが、神田さん=江ノ島というイメージがあるので、疑心暗鬼になるファンの方は多いと思います。
神田 そうなんですよ。「信じていいかどうかわからない」といったことも言われて(笑)。

――ファンの方は、誰が生きるか死ぬかの予想をして、楽しんでいますからね。
神田 キャラクターのビジュアルや、超高校級のイラストが発表された段階から、予想して楽しんでいますよね。

――神田さんは、製品版をプレイする前に先の展開を知ってしまうことになりますが、ファンとしては辛い部分もありますよね。ゲームはどのように楽しまれますか?
神田 じつは今回、小高さんやスタッフの方たちにわがままを聞いてもらっていまして。ゲームのアフレコはキャラクターごとに別録りですから、自分が演じるところ以外は、極力台本を読まないようにさせていただいたんです(苦笑)。ガチで遊びたいんだなっていうファン心理を理解してくださった、小高さんたちの寛大な心とやさしさに感謝しつつ、発売日にイチからプレイしたいなと思っています。あと、今回はプレイステーション4で遊ぼうとしていて。プレイステーション4で!

――めちゃくちゃうれしそうですね(笑)。
神田 プレイステーション Vita版のサンプルロムをお借りしてプレイしていたのですが、つい自分の演技が気になってしまって、ストーリーに集中できなかったんですね。つぎはストーリーに入り込むためにも、プレイステーション4と大画面のテレビで遊びたいですね!

――気合が入っていますね。ちなみに、学級裁判の新システムはいかがでしたか?
神田 矛盾を論破していく中で、嘘をついて議論を進める、“ウソダマ”のシステムには驚きました。まさに逆転の発想と言いますか。でも、操作方法そのままですので、とっつきやすいですし。議論スクラムなども操作方法が簡単ですし、どんどん新しいものが楽しめるのはうれしいのでウェルカムです。

――あと、赤松楓以外に、気になるキャラクターがいれば、理由と併せて教えてください。
神田 春川魔姫ちゃんが大好きなんです。見た目が好みで。演じているのが坂本真綾ちゃんだし、すごくかわいいです〜。

――神田さんは、ゴスロリ系のファッションがお好きだと聞いています。超高校級のメイドの東条斬美がタイプなのかと思いました。
神田 斬美さんもステキですよ。衣装はもちろん、声がとてもステキで。じつは自分が声優養成所に通っていたときに得意としていたというか、よく割り振られていたのが斬美さんのような落ち着いた音域だったんです。ですから、こういった役柄のキャラクターの声は、すごく勉強になるなと思って聞いてしまいますね。でも、いちばんは魔姫ちゃんです!

――春川魔姫がかなりお気に入りなんですね。
神田 魔姫ちゃんは、ゲオさんの予約特典もいいんですよ! 魔姫ちゃんと楓ちゃんが描かれた特典が欲しくて、ゲオで予約しないとって思いましたからね。とってもかわいいんですよ〜。

――え! 特典もチェックされているんですか。
神田 当たり前じゃないですか! 私は本当に、『ダンガンロンパ』のファンですから。ファンがここまで紛れ込んでしまっただけなので。情報をチェックしながら楽しんでいます(笑)。


●舞台で神田さんを励ました江ノ島盾子のセリフ

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――ファンとしてテレビアニメの『3』もチェックしていたと思いますが、エンディングを迎えて、感想はいかがでしたか?
神田 何よりも、『絶望編』で豊口めぐみさんの声で、動いている江ノ島盾子に再会できたことがうれしくて。それと過去のエピソードで、江ノ島盾子の残虐さが描かれるだろうと思っていましたが、彼女は私の想像を軽く超えていましたね。そう言えば、アニメのオンエアー時に、なぜか私のTwitterアカウントに、「今日の『絶望編』を見て、江ノ島盾子がすごく嫌いになりました」とか、「ああいうキャラクターだから、神田さんは江ノ島盾子が好きなんですね」なんて、『ダンガンロンパ』ファンの方から江ノ島盾子に関するコメントが届いていたんです(苦笑)。そういうファンの方の反応も含めて、テレビアニメは楽しんでいましたね。

――江ノ島への気持ちを伝えるなら神田さんに、というのがファンの中にあるんでしょうね。ちなみに、神田さんにとって、過去の江ノ島の行動はどのように感じましたか?
神田 私はむしろ、もっとやれやれと思っていました(笑)。江ノ島盾子は、つねに軽やかで、つねにフェチシズム全開な人なので。それが発揮されればされるほど、舞台版にもっと採り入れたかったなと思いました。それにアニメを全部見て、改めて江ノ島盾子がいちばん好きだなと確信しました。あとは、新しいポーズが出てきたのもよかったです。渋谷の巨大看板や、公式サイトを江ノ島盾子がジャックする施策も、おもしろかったな。

――『未来編』のほうはいかがでしたか?
神田 『未来編』は、オープニングとエンディングテーマにそれぞれ関わらせていただいたので、初回からドキドキしながら視聴しました。物語が進むに連れて、ストーリーが『絶望編』とクロスしていく展開は、作品のことを知っていれば知るほどわかることがたくさんあって、ゾクゾクしましたね。『ダンガンロンパ』は、いろいろなコンテンツが作られていますが、どこから入っても楽しめるのがすごいなと思います。まだ知らない方には、興味を持ったところから、『ダンガンロンパ』の世界に、飛び込んでもらいたいですね。

――ちょっと気は早いですが、『V3』がアニメ化されたり、舞台化される可能性もありますからね。新たなファンが入れる間口は、今後も広がっていきそうです。ちなみに、アニメはもちろん、舞台でも赤松楓役はやはり神田さんがやりたいですよね。
神田 『V3』のアニメが作られるなら、楓ちゃん役を続投できるとうれしいですね。アニメだと、画面と画面のあいだの動きも描かれるので、いちファンとしても見てみたいです。ただ、舞台化は悩んでしまうかもしれません。

――それはなぜ?
神田 噂で聞いたので、本当かどうかはわかりませんが、舞台の場合、一度役が決まると、基本的に役は動かないそうなんです。私は舞台で江ノ島盾子を演じているので、楓ちゃんを演じられないかもしれなくて。楓ちゃんも演じたいですが、役が動かせないなら割り切って江ノ島盾子と添い遂げます(笑)。

――江ノ島への愛が深いですね(笑)。
神田 あと、ひとつ聞いてもらえますか!?

――はい。それはもちろん!
神田 言いたくても誰にも言えなかったんですけど、いまなら言ってもいいかなって……。舞台で江ノ島盾子を演じるのは、毎日ものすごい緊張を味わうんですが、そのステージに立つ前に聞けるように、私だけに江ノ島でメッセージをもらえませんかと、豊口さんにお願いしたんです。そうしたら、そんな私のワガママにも関わらず、豊口さんは高音質なファイルでメッセージを送ってくださって。

――おお!
神田 その内容が本当にすごくて。江ノ島盾子ボイスで、「待っていたわ! 私様は待っていたのよ! 私様を完璧に表現できる人間が現れるのをね。神田沙也加、今日もがんばるのよ」って。……いま、話しながら鳥肌が立ちました(笑)。

――聞いている側も鳥肌が立ちました(笑)。
神田 いやー、本当にうれしかったですね。あと、「待っていたわ」という出だしが、舞台の再登場シーンの第一声と同じだったので、それで江ノ島盾子へチューニングして演じることもできましたし。ただ、メッセージを聞くと、舞台に立つ勇気をもらえましたが、テンションが上がりすぎるという問題もありましたね。「私の名前を呼んでくれた!」って(笑)。

――心温まるエピソードをありがとうございます! それでは最後に、『V3』を楽しみにしている読者やファンの方にメッセージをお願いします。
神田 いや〜、本作もおもしろいですよ。アニメが制作されたりと、ファンにとってうれしい状況が続いていますが、そんな“『ダンガンロンパ』イヤー”のトドメになる作品だと思います。それに、アニメで高まったファンの期待を、軽く飛び越えるほどの内容に仕上がっているんじゃないかと感じています。キャラクターとの距離感が縮まるのが早いぶん、お気に入りのキャラクターを見つけるのも早いと思いますし。そういう意味では、シリーズ第1作からプレイしている方には、懐かしさも感じてもらえるのではないでしょうか。新要素に関しても、スタッフさんたちの作品をよりよくしようという想いが感じられますし、いい意味で期待を裏切る展開は本作でも健在ですので、全幅の信頼と期待を持って、発売日を待っていてほしいですね。そしてチャプター1以降は、皆さんの反応を聞いて、語り合いたいです!

――ありがとうございました!