“共同戦線”な特殊ルールを勝ち抜いたのは……

 2016年12月18日、東京・大崎ブライトコアホールにてセガのデジタルトレーディングカードゲーム、『コード・オブ・ジョーカーS』(以下、『COJS』)の全国大会、“第4回アルカナカップ~共同戦線~”が行なわれた。ここでは決勝大会の模様と、会場で発表された新情報をお届けする。

初のタッグマッチ制全国大会を制したのは!? 『コード・オブ・ジョーカーS』第4回アルカナカップ~共同戦線~ イベントリポート_01
初のタッグマッチ制全国大会を制したのは!? 『コード・オブ・ジョーカーS』第4回アルカナカップ~共同戦線~ イベントリポート_02
▲大会会場の外のスペースではターミナルを介したカードのトレード、近日サービス開始予定のスマホアプリ、『コード・オブ・ジョーカーポケット』の体験プレイが行われた。
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“共同戦線”な特殊ルールを勝ち抜いたのは……

 アルカナカップは、『コード・オブ・ジョーカー』の稼動スタート以来、定期的に行なわれている全国大会。4回目の開催となった今回は、公式大会では初となる2対2でのタッグ戦で行なわれた。全国のゲームセンターで行なわれた店舗予選とエリア予選大会を勝ち抜き、決勝大会に臨んだのは以下の10チーム(20名)。

○○の化身 & ちょろーん チーム(北海道エリア代表)
ルオン & レイン チーム(東日本エリア代表)
Money & ハンター チーム(関東エリア代表A)
さう & バナナジョーカー チーム(関東エリア代表B)
キルア ゾルディック & ギンメダイ チーム(中日本エリア代表A)
しゃかしゃか & とみー チーム(中日本エリア代表B)
ジェミニ & やす☆ チーム(関西エリア代表A)
mondial & Lilium チーム(関西エリア代表B)
チロル & にゃお チーム(西日本エリア代表)
いずみみ & トラ チーム(九州エリア代表)

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 この日の決勝大会では、エリア予選から採用されていた“チーム内で同じキャラクターの使用禁止”に加え、同じカードを使用できる枚数は“チームで合計3枚”という特殊ルールが追加。そのため通常の対戦で強いとされているデッキが組みにくく(作れはするがそのデッキを使えるのはチーム内でひとりだけ)、さらにひとり3パターン、チームとしては6種類のデッキを登録し、試合ごとに選択可能だったため、試合当日はもちろん、事前のデッキ構築から“共同戦線”で臨む必要があるルールが設定されていた。また試合開始後も「負けた対戦相手の情報を伝えられる」(解説の花田勝氏さん)ため、先鋒、大将戦が1勝1敗だった際に行なわれる決定戦では試合前に作戦会議を行なうシーンが見受けられるなど、ここでもチーム戦ならではの趣が感じられた。

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▲セガのアーケードカードゲーム大会ではおなじみになりつつある、プレイヤーの心拍数やカードの情報、ターン中に起こった事象をリアルタイムで表示する大会配信システム。
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▲来場者参加型のギミックも健在。専用サイトにアクセスして勝者を予想する。勝敗を的中させるともらえるポイントを多く集めた人には、イラストレーターのサイン色紙などがプレゼントされた。

 先鋒戦、大将戦が同時にスタートする形式の1回戦、準々決勝を突破してベスト4に名乗りを上げたのは、キルア ゾルディック & ギンメダイ チーム(関西A)、ジェミニ & やす☆ チーム(中日本A)、しゃかしゃか & とみー チーム(中日本B)、mondial & Lilium チーム(関西B)。奇しくも左右どちらのブロックともに中日本と関西のチームが激突する形になった。

 準決勝1試合目、関西Aチーム対中日本Bチームの対決は、準々決勝で現行バージョンの全国対戦ランキング1位、バナナジョーカー選手を倒して勝ちあがってきた関西Aチームのギンメダイ選手が爆発。先鋒戦でキルア ゾルディック選手が負けてあとがない大将戦で、解説陣も予想していなかった、JOKERカード→“現世のイザナギ”のオーバークロック→やす☆選手の盤面を完全に丸裸にしてからの集中攻撃で一気に4ライフを奪ってモノにすると、続く決定戦も序盤のラッシュと絶妙なタイミングでの“ゴールドクラウン”投入(場に出現させるとコスト3以上の敵ユニットすべての行動権を消失させる)で勝利。会場がどよめく派手な連勝で決勝へ駒を進めた。

 残る準決勝2試合目は優勝候補、関西BチームのLilium選手が先鋒戦を手堅く取るも、 これまで盤石の試合運びを見せていたmondial選手が、とみー選手の手堅く素早い場の形成により苦しい展開に。しかし早めにJOKERカードの明天凶殺(手札を全破壊する)を使って粘り、最終ラウンドまで持ちこみ、最後は“ジャック・ザ・リッパー”3連発で辛くも勝利。決勝進出を確定させた。

 そして迎えた決勝戦。先鋒戦はLilium選手のデッキに入った“盗賊の手”、“謀略の祝杯”といった、現在の対戦環境ではそれほど目立たない、しかし解説のちゃみ氏いわく「大会向き」な効果を持ったカードがこれ以上ないぐらい試合展開にジャストフィット。これらのカードがキルア ゾルディック選手の思惑をことごとくつぶすことになり、関西Bチームが先勝する形になった。関西Bチームが勝てば優勝となる大将戦は、この日最もノッているギンメダイ選手と関西Bチームを優勝候補たらしめているmondial選手との対決。この頂上対決の勝敗を分けたのは、開始間もない2ラウンド目の立ち回り。ギンメダイ選手は「(格上の) mondialを殺るにはこれしかない」(花田勝氏さん)ような、序盤から勝負をかけられるデッキで挑むも、1、2ラウンド目にキーカードが引けずにターンを終了。それでもギンメダイ選手はあきらめずにジャック・ザ・リッパーでライフを奪って抵抗するも反撃はここまで。4ラウンド目、ギンメダイ選手の勢いを完全に削ぎ、完璧に場を整えたmondial選手が一気に5ライフを奪って勝利を飾った。これにより第4回アルカナカップは、要所を抑えて3勝を挙げたLilium選手、全国大会常連ながらもこれまで優勝には手が届かなかったmondial選手の関西エリア代表Bチームが初の頂点に立つ形で幕を下ろした。

優勝チーム mondial選手& Lilium選手インタビュー

――優勝おめでとうございます。今回の大会は使えるカードやキャラクターに制限がありましたが、デッキはどのように決めたのですか?

mondial ぼくが全部考えました。

Lilium 当初は紫デッキで戦うつもりだったんですけど、エラッタがかかって自分が使っていた紫デッキは全然使えなくなったことでテンパりまして……。だらしない話なんですけど自分はデッキを作るのが下手なので、どうせだったら開き直って、強い人に作ってもらったデッキで訓練したほうがいいんじゃないかな? って思ってmondialさんにお願いしました。

――Lilium選手のデッキは3種類とも武神デッキですか?

Lilium そうですね。

mondial 祝杯(謀略の祝杯)と“盗賊の手”を入れたタイプ、“スサノオ”とターミネートオーダー(山城郡司のJOKERカード)を積んだタイプに、一般的な武神デッキって感じです。1ヵ月で使えるとなると武神デッキしかないなと。でも大会前によく練習してくれたし、(試合中の)判断がよかったですね。準決勝の死のランプを挿したところ(5ラウンド目)なんかはとくに。

――決勝は“謀略の祝杯”がかなり刺さってた(有効だった)試合に見えました。

mondial 逆に刺さらないと負けですね。

Lilium 自分のほうは対戦相手のデッキにこれが来たら勝てない、最初から捨ててたデッキもありました。

mondial どうしても使っているキャラクターのジョーカーで差が出るんですよね。まりね&沙夜を使ってない側はワンチャンを取らないと勝てないから。(武神デッキにきびしい相手と当たったら)自分が勝つ。そこは(大将である以上)背負わないと。

――mondialさんは終わってみれば全勝でしたが、準決勝はかなりきびしい試合のように見えました。

mondial 準決勝は苦しかったです。紫相手で先攻だと最後に点(ライフ)を取られて負けるってパターンが多いので。中盤あたりは負けたと思ってました。

――mondialさんはどういうデッキを用意したのでしょうか?

mondial ぼくは(対戦相手の)黄単を見た(メタぎみの)黄単、自分が一番強いと思ってふだんから使っている“ジャック・ザ・リッパー”入りの黄単、あとは結局使わなったんですけど、紫デッキを作ってました。

――mondialさんは決勝戦、相手のギンメダイさんのデッキは読めました? ギンメダイさんが開幕に“堕天使ニケ”を出したときには解説席、会場ともにざわついてましたが。

mondial 2ラウンド目に3点取られる可能性があったので、その場合はヤバかったですね。あの2ラウンド目さえ乗り切れば勝ちだと思ってたので、あとはわりと安心してプレイできましたね。

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▲Lilium選手(写真左)、mondial選手(写真右)。

2017年の『COJ』の展開がつぎつぎと明らかに!

 すべての試合が消化され、表彰式が終わると『COJ』シリーズの総合プロデューサー、西山泰弘氏から(1)カードの追加(EX3)、(2)大型バージョンアップ、Ver.2.1を制作中、(3)現行『COJS』のランクシステムの改定、そして(4)『COJポケット』の「年内の配信は無理でした! すいません!!」といった報告&お詫び(?)が発表された。

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▲会場で公開されたEX3の追加カードの一部。
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▲新カード、そして新キャラクターの追加を示唆するVer2.1制作中の報。

 それぞれのサービス実装時期は、西山氏によると(1)は「かなり早いタイミング」、(2)は「夏よりは前」、(3)は「1月下旬ぐらい」、(4)は「年明け早々には……」とのこと。ちなみに(1)、EX3カードの情報については12月19日のコニコ生放送“CODE OF JOKER S Ver.2.0EX3バージョンアップ直前特番!!”で明らかになるので、興味のある人はそちらをチェックしてもらいたい。