これがPS VRで楽しむ、近未来のスポーツ!

 プレイステーション VR(以下、PS VR)とともに発売される、PS VR専用ソフト『RIGS Machine Combat League』(2016年10月13日発売予定。以下、『RIGS』)。本作は、昨年の東京ゲームショウや今年のE3など、さまざまなショウに出展されてきたことからも、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがかなり力を入れているタイトルであることは間違いない。しかし、その全貌はいまだ見えていなかった。

 だがついに、東京ゲームショウ 2016(開催期間:2016年9月15日(木)~9月18日(日)、会場:千葉・幕張メッセ)に合わせて来日した、開発元のGuerrilla Cambridgeのリードデザイナー ギャレス・ヒューズ氏、アーティスト オーリー・マクドナルド氏のプレゼン&インタビューによって、本作がどのようなゲームであるか、詳細が明らかになった。

『RIGS Machine Combat League』ついに全貌が見えた! 注目のロボットスポーツゲームのおもな要素と見どころを開発者が語る【TGS 2016】_01
▲左から、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ローカライズ担当の浦野圭氏、ギャレス・ヒューズ氏、オーリー・マクドナルド氏。浦野氏はプレゼン&インタビューの通訳も務めてくれた。

 まず、『RIGS』の概要を紹介しよう。本作は、“リグス”と呼ばれる巨大な競技用マシンに乗り込み、チーム戦に挑むアクションゲーム。「ロボットに乗って戦いたい!」という、多くの人が抱いた夢を叶えるソフトとなっている。

 オンラインでは、プレイヤー6人が3対3に分かれて挑む試合と、プレイヤーふたりがそれぞれAIパイロットとチームを組んで競う、1対1の試合が楽しめる(※ここでの1対1というのは、参加するリアルのプレイヤーが各チームにひとりという意味。各チームにはAIパイロットがふたりいるため、試合は3対3の形式となる)。

 オフラインでは、AIふたりとチームを組んでリーグに挑めるほか、いくつかのチャレンジ(後述)をプレイできる。

 ゲームプレイのイメージは、下の動画を見ると掴みやすいので、気になる人はチェックしてほしい。

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▲本作では、目線の移動(顔を動かす)によって、照準を定められるのが特徴(画面の、左右の武器から出ている線が交わっているところが照準)。L2ボタン/R2ボタンで、左/右の武器を撃つ。リロードはオートで行われる。

なお、自機が向いている方向は、実際に顔を動かすことで変えられるが、設定を変更すれば、右スティックで方向転換することも可能。

 さて、今回のプレゼンでは、実機プレイによって、ゲームのおもな流れを知ることができた(シングルプレイの内容中心)。

 本作は基本的に、一人称視点で描かれる。プレイヤーの拠点となるヘッドクォーターには、パイロットである自分がいて、その手元にあるタブレットから、プレイしたいモードなどを選ぶことになる。各モードの概要を紹介しよう。

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▲プレイヤーのそばにいるのは、チームのチーフピットクルー(女性)。チュートリアルなどで解説してくれるのは彼女だ。

■ショールーム
 ゲーム内通貨と引き換えに、リグをゲットできる。リグは6つの“クラス”に分かれており、各クラスに、異なるアビリティーを持つ機体が4種類用意されている。また、クラスに属さないリグも4種類ある。つまり、全部で28種類のリグがある。

 クラスの詳細は下記の通り。本作で楽しめるのはチームスポーツであるため、どういったリグの組み合わせでチームを作るかで、戦略も変わってきそうだ。

◇ノックアウト……近接攻撃を相手に当てると、相手リグのオーバードライブ状態を無効にできる
◇シーフ……アリーナにあるパワースフィアやボールを、撃つことでゲットできる
◇エンジニア……相手のレーダーをかく乱。近くにいる仲間のリグを修理できる
◇ボム……自機が倒される際に爆発、周囲の敵味方にダメージを与える
◇キャラパス……後ろにシールドを張っているため、背後からの攻撃を防御できる
◇バンパイア……攻撃を与えることで、自分を回復できる

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▲クラスごとにテーマカラーが決まっており(たとえばエンジニアは緑)、パッと見ただけで、そのリグがどのクラスに属するのかがわかる。ちなみに、本作は“近未来のスポーツ”をイメージしているので、リグのデザインも、F1カーのような有機的なものになっている。
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■カスタマイズ
 自分のユニフォーム、ヘルメット、バイザー、表彰式でのポーズ、性別を変更できる。

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■スポンサー
 チームのスポンサーとなってくれる企業を選べる(『RIGS』の世界に存在する、架空の企業)。スポンサーからはミッションが課され、そのミッションをこなすと、新たなカスタマイズアイテムが手に入ったりするようだ。

■チャレンジ
 オフラインでさまざまな条件のミッションに挑める。今回のプレゼンでは、コースに現れる的を撃ちながら、落ちているスフィアを集めつつ、いかに早くゴールできるかに挑戦する“スピードガン”や、アリーナ上のターゲットを撃っていく“ターゲットハント”が紹介された。

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■リーグ戦
 前述の通り、オフラインプレイでは、AIパイロットふたりとチームを組み、リーグ(3種類)で優勝を目指す。そのリーグで1位になれば、一段階上のリーグに行ける仕組みだ。

 最初のうちは、選べるAIパイロットは少ないが、勝利を重ねて自分のファンを増やし、認知度を上げることで、より強力なAIパイロットを選べるようになる。ただし、強いパイロットほど、賞金を分ける際に多くの額を要求してくるので、悩ましい。

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▲AIパイロットは50人ほど用意されているとのこと。

 なお、オフラインにおいても、オンラインにおいても、用意されている試合のルールは下記の3種類。

◇チームデスマッチ……敵のリグをどれだけ多く倒せるかを競うルール。
◇エンドゾーン……アメフトにインスパイアされたルール。エナジーボールをチームメイトにパスしながら、タッチダウンしにいく。
◇パワースラム……敵のリグを倒す、またはパワースフィアを拾うことでオーバードライブし、その状態でゴールの中に自機を入れると得点。制限時間内にどれだけ点を取れるかを競うルール。

 マクドナルド氏のオススメは、エンドゾーン。チームメンバーとの協力がとくに必要で、戦略性の高い試合が楽しめるからだという。

 ルールを3つのみにしたのは、PS VRという新しいデバイスを使用するゲームにおいて、マッチングがスムーズに進むようにするためだ、とヒューズ氏。今後、アップデートによって、ゲームルールを追加することも検討しているようだが、ルールを何個も増やしていくのではなく、たとえば人気のないルールと新しいルールを入れ替える可能性もあるとのこと。また、アップデートでは、リグやアリーナの追加も検討中だという。ヒューズ氏は、ユーザーからのフィードバックを受けて、今後の展開を考えたいと語った。

 PS VRローンチタイトルの中でも、かなりの本格派アクションである『RIGS』。eスポーツ分野での盛り上がりも期待できる。『RIGS』がもたらす体験が、今後世界でどのように広まっていくのか、興味深い。

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▲先述の通り、『RIGS』で楽しめるのは、命がけのバトルではなく、あくまでスポーツ。皆さんが着ていた服も、じつはスポーツチームのユニフォームを意識したもの。背中側にはPIT CREWの文字が!