Battle.netやLoLアカウント、XBL/PSNアカウントへの拡張も検討

 Blizzard Entertainmentの『ハースストーン』の大ヒット以降、さまざまなオンラインカードゲームが登場しているが、Claimonyの『Allians』はひと味違う。本作で使われるカードは、イラストレーターがカードイラストを手掛けているわけでも、ゲームデザイナーがパラメーターを一枚一枚練っているわけでもない。ValveのPCゲーム配信プラットフォームであるSteamのゲーマーがカードとして登場し、Steamのゲームで得た実績をベースにパラメーターが決定されるのだ。

 Claimonyは世界最大のLANパーティー“Dreamhack”を立ち上げたDavid Garpenståhl氏による新会社。本日よりKickStarterでのクラウドファンディングがスタートしており、目標額は25万スウェーデンクローナ(約299万円)。日本時間の9月24日午前6時59分までに達成すればプロジェクト成立となる。

 プラットフォームはSteamとiOS/Androidで、F2P(基本プレイ無料)でのサービスを予定。カードパックなどは基本的にプレイを通じて入手可能なゲーム内通貨で購入可能とのこと。ちなみに99スウェーデンクローナ(約1185円)以上の出資からクローズドβテストに参加できる。

プロゲーマーから積みゲーマーまで、あらゆるSteamプレイヤーがカードになるオンライン対戦カードゲーム『Allians』_01

 カードの能力は、そのカードの元となっているゲーマーの実績から、PEARLという5つの能力値と、ノービス/エキスパート/マスター/レジェンドという4段階のレア度が算出される。PEARLの内訳は以下の通り。

P-プランニング(主にストラテジーゲームが影響)
E-エンデュランス(主にMMOやシミュレーションゲームが影響)
A-アグレッション(主にアクションゲームやRPGが影響)
R-リフレックス(主にレースゲームやスポーツゲームが影響)
L-ラック(主にアドベンチャーゲームやインディーゲームが影響)

 なお算出式は変更される可能性があるものの、自分が現状どんなステータスになるのかは、公式サイトでカードを出力してみることが可能だ。例えば記者の場合はインディーゲームやアドベンチャーゲームが多いのでLが高めになる。

プロゲーマーから積みゲーマーまで、あらゆるSteamプレイヤーがカードになるオンライン対戦カードゲーム『Allians』_02
▲記者が自分のアカウントで試してみたらこんな感じ。ライブラリーにインディーゲームとアドベンチャーゲームが多いのを反映してLuck高め。

 一方で、プレイヤーは各カードのファクション(勢力)を5つから選んで決定できる。ファクションによりカードの効果傾向が回復寄りや攻撃寄りになったりするので、同じゲーマーのカードでも違った使い方が可能となる。
 同様にデッキを組む際に、パッシブスキルとガンビットスキル(発動した次ターンで効果発生)という2種類のスキルをカードに割り当てていくことになる。パッシブスキルはファクションに、ガンビットスキルはPEARLの能力値による制限を受けるので、まさに自分でゲーマーを土台にオンリーワンなカードとデッキを作っていく感じになるわけだ。

 そのほか、プレイヤー(実際にカードをプレイする人)に属する“パワー”と呼ばれる能力も存在。試合中に回復していくEP(エナジーポイント)を使って発動する“コマンダーパワー”と、墓地の一番上のカードを利用して発動する“サクリフィカルパワー”の2種類がある。

 なおプレイヤーの経験値は、自分で試合を遊ぶだけでなく、自分のカードが使われることでも溜まっていくとのこと。これは海外のプロゲーマーや人気YouTuberなどはかなり有利になるんじゃないかと思うが……(それで彼らにプレイしてもらおうというPR計画なのかもしれない)。

 またカードの対象はSteamのゲーマーに限られるわけではなく、ストレッチゴール(当初目標を超えて出資が集まった場合の追加目標)のボーナスとして、すでにBlizzardのBattle.netアカウントや、『リーグ・オブ・レジェンド』のアカウントへの拡張がリストに挙がっている。さらにXbox LiveアカウントやPSNも対象に含めるプランもあるようなので、実現すればなかなかカオスなことになりそうだ。