シリーズ10周年記念の舞台作品がDVDで蘇る！
『龍が如く』シリーズの10周年を記念して、2015年4月に東京・赤坂ACTシアターにて上演された舞台『龍が如く』は、キャストたちのビジュアルの完成度や、ゲームを再現した演出で好評を博した。そんな本作のDVDが、本日8月27日に発売されることを記念して、主人公・桐生一馬を演じた滝川英治さん、そして物語のカギを握る少女・遥を演じた酒井蘭さんにインタビューを実施！ 本作の見どころや上演時のエピソード、役作りの秘訣などを訊いた。
◆滝川英治（写真右、文中は滝川）
1979年3月24日生まれの俳優。代表作はミュージカル『テニスの王子様』、舞台『弱虫ペダル』シリーズ、舞台『戦国BASARA3』など。近年ではTBS『究極の男は誰だ!?スポーツ男子頂上決戦』など、肉体派としても幅広く活躍中。
◆酒井蘭（写真左、文中は酒井）
1993年3月13日生まれのタレント・女優。舞台作品では、ミュージカル『らき☆すた≒おん☆すて』や『ロボティクス・ノーツ』などに出演。
「熱き弱き男たち、そして強き女たちの物語」
――まずは、舞台『龍が如く』に出演が決まったときの率直な感想をお聞かせください。
滝川 めちゃくちゃテンションが上がりました！ じつはゲームの大ファンで、第1作からやっていましたし、「実写化されるなら、絶対に桐生一馬をやりたい！」と、密かに狙っていましたから（笑）。桐生は僕の理想の男性像なので、憧れていたからこそ、演じたかったキャラクターです。
酒井 私はうれしい反面、遥が9歳だと聞いて「私にできるのかな？」とプレッシャーを感じました。
――実際の役作りではどういったところを意識されましたか？
滝川 桐生一馬は基本的に“受け”の人間で、喧嘩シーンでも自分から手を出すことはないんです。だからこそ、真っ白な状態で現場に入ろうと思っていました。
――桐生の“受け”の姿勢を表現するために、あえてゼロから取り組まれたのですね。
滝川 僕が演じるからこそのスパイスを入れたかったんです。舞台で桐生が見せるオチャメな部分やかわいらしい部分は、彼が強く、たくましくあればあるほど活きると思ったので、緩急をつけることを心がけました。
――酒井さんはいかがですか。9歳の役を演じるプレッシャーもあったとのことですが。
酒井 遥は子どもなのに大人っぽい一面があるので、すごく難しかったです。演出の田村（孝裕）さんに「ふつうの酒井蘭が演じる遥をやってほしい」と言われてからは、ゲームの中の遥を演じるのではなく、私の作った遥を演じようと思うようになりました。
――おふたりがとくに印象に残っているシーンはどのシーンですか。
滝川 やっぱり、遥との出会いのシーンは印象的ですね。遥がボールを投げてくるんですけど、毎回その位置が違うんですよ（笑）。ボールの音が聞こえたのに見当たらなくて、演技をしながらボールを探したこともありました（笑）。
酒井 あれはよくも悪くも印象的でした（笑）。私が印象的なシーンは、最後の「おじさん！」と言って抱き付くシーンです。悲しみや喜びなど、物語のすべてが含まれているシーンなので、演じていても自然に涙が出てきました。
――舞台では、ゲームを再現したような喧嘩アクションが印象的でした。滝川さんがアクションで意識した部分はどのあたりですか。
滝川 先ほど言った通り、桐生は自分から喧嘩をすることはないんですが、唯一、親友である錦山との勝負では、ケジメをつけるために自分から向かいます。その場面では、アクションの形よりも、モチベーションや感情を意識しました。最後の3発くらいは、熱いけど切ない、悲しみのパンチにしたかったんです。
――観劇していても、桐生の感情が伝わってきました！ では酒井さんにおうかがいします。本作に登場するキャラクターの中で、とくに魅力的だと思うキャラクターは誰でしょうか？
酒井 私はシンジです！
滝川 いま、細貝圭（編集部注：田中シンジ役）超喜んでると思うよ（笑）。
酒井 遥とシンジは、舞台の最中に絡むところはないんですが、桐生を慕っているので、遥のこともすごくよく知ってると思うんですよ。誰にでも優しくて筋が通っている桐生を慕っているからこそ、なおさら“いいヤツ”で、男らしい生きかたをしたんじゃないかと思います。
――桐生に対する印象はいかがですか？
酒井 不器用な人だなと思いました。子どもの扱いも慣れてないし、女性の扱いにも慣れてないし（笑）。不器用だけど熱さを感じます。
――作中には、ゲームを意識した演出も多くありましたね。
滝川 こういう舞台でゲームの映像を同時に流すことはあまりないので、プレッシャーを感じました（笑）。お客さんには本物が同時に見えているので、歩きかたひとつ、拳銃を拾う所作ひとつをすごく意識しました。
酒井 私は、遥の走りかたをセガの方から教えてもらいました。お客さんにも「遥の走りかたが同じだ！」、「スカートの揺れが同じだ！」と気づいていただけたので、見ている方は見ているんだなぁとうれしかったです。
――ゲームの小ネタを取り入れたシーンはクスリと笑えるものも多く、いいスパイスになっていたように思います。ところで稽古場に原作ゲームが置いてあったそうですが、キャストの皆さんでゲームをプレイすることはありましたか？
酒井 やりました！ 私がいちばん進んだと思います。ずーっとやっていました（笑）。由美役の桜乃（彩音）さんとふたりで協力してやっていましたね。稽古の後半は、みんなで「ここはこうやるんだよ」と意見を出し合ったり、攻略本を参考にしながら進めて。舞台にはゲームと同じシーンもあるので、そのときはみんなでゲーム画面を見たり、「きたよきたよ！」と画面に出ているキャラクターの役者さんを呼んだりしていました（笑）。
――『龍が如く』というゲームに対する印象はいかがですか？
酒井 あまりふだんはゲームをやらないんですけど、結構ハマっちゃいました！ 楽しくて、ソフトを買いました。プレイステーション2は家にあるので、第1作をプレイしています。
――滝川さんは従来から『龍が如く』のファンだったということですが、ゲームにはどういった印象をお持ちですか？
滝川 当時、『龍が如く』のようなゲームはあまりなかったですよね。アクションで、ストーリーもしっかりしていて、リアリティーがあって……というところが画期的で、つい寝る間を惜しんでハマってしまいました（笑）。最近はなかなか時間がとれずに遊べていませんが、当時はけっこうゲームをやっていましたよ。
――ところで、舞台では続編を期待させる演出もありましたが……。
滝川 もちろんやりたいですよ！ これで続編がなかったら、僕らもファンの方もショックだと思います（笑）。
酒井 私たちもいちファンとして続編を期待しています！
滝川 僕はゲームでも『龍が如く2』がいちばん好きでしたから。桐生一馬はもちろんですが、いちばん好きなキャラクターが郷田龍司なんです。ヒールだけどカッコイイんですよね。
――続編があれば、桐生と郷田の闘いにも注目ですね。では改めて、おふたりが思う舞台『龍が如く』の魅力を教えてください。
滝川 熱き弱き男たち、そして強き女たちの物語ですね。女性の支えがあるから、男は強くたくましく在れるのではないでしょうか。かけがえのないものが男を動かしているということが、この舞台でも表現されています。
酒井 “生きざま”ですね。ひとりひとりの人生が濃く描かれていて、無駄のない人生を歩んでいるのが観ていても伝わってきますし、演じていても感じます。
――最後に、おふたりから読者の皆さんへ、DVDの見どころを語っていただけますか。
滝川 この作品では男の強さやたくましさ、熱さが全面に描かれていますが、僕が伝えたかったのは、人間の弱さや繊細さ、儚さの部分。DVDで、微妙な表情など、キャラクターのナイーブな部分も見てください。
酒井 DVDには舞台上の表情も舞台裏の表情も収録されています。アップの表情や、スポットライトが当たっていないところのお芝居を、改めて楽しんでいただきたいです。
◆撮影協力：i Darts Tokyo
・東京都港区六本木5-3-1 第二レーヌ六本木ビル1F
地下鉄日比谷線・都営大江戸線六本木駅 六本木交差点出口（3番）徒歩2分
・営業時間：【月～木】19：00～翌4：00／【金・土】19：00～翌5：00
・定休日：日曜日
【商品概要】
●商品名：舞台『龍が如く』DVD
●発売・販売元：セガゲームス
●発売日：2015年8月27日
●価格：7000円［税抜］（7560円［税込］）
●仕様：本編DVD1枚＋特典DVD1枚（受注生産品）
●出演：滝川英治（桐生一馬役）、佐野岳（錦山彰役）、桜乃彩音（澤村由美役）、酒井蘭（遥役）、陳内将（郷田龍司役）、窪塚俊介（真島吾朗役）、名高達男（風間新太郎役）ほか
