まだまだ開発途上だけどロマンあるぜ!

 アクションRPGなどで、魔法使いといえば、敵の攻撃を引き受けるタンク役の戦士がいないと辛かったり、延々と下がりながら引き撃ちしなきゃいけなかったり、「攻撃力は高いものの脆いので逃げまくり」という役回りが定番。しかし、そんな「グラスキャノン(ガラスの大砲)」呼ばわりからはおさらばだ!

 今回紹介する『Lichdom: Battlemage』は、魔法使いとなって戦う一人称視点のアクションゲーム。開発元Xaviantのファーストタイトルとして、現在Steamでアーリーアクセス(開発中バージョンを正式化前に有料でひと足先に遊べる)を実施中だ(19ドル99セント)。

各攻撃魔法の3形態を使いこなせ

 プレイヤーは同時に3種類の攻撃魔法を持つことができ、マウスホイールで切り替えて使用する。各攻撃魔法は、ホーミングする通常攻撃(左クリック)、範囲攻撃(両クリック同時押し)、バリヤー(右クリック)の3形態があり、長押しで溜め攻撃や、敵の攻撃に合わせて右クリックすることでカウンターが発動する。

 また、移動キー(WASD)とスペースキーを同時押しすることでワープスキルも使用可能。敵の攻撃を無効化した上にダメージまで与えるカウンターが強力なのだが、近接系の敵と長距離攻撃をする敵が混在するような場面では、ワープスキルを使って切り抜けた方がいいこともある。溜めてからのワープで衝撃ダメージを与えることも可能だ。

魔法のパーツを集めて強力な魔法を生成

 ストーリーが進むに連れて新たな魔法を習得できるほか、モンスターを倒したり、特定のオブジェクトを破壊することで手に入るパーツを組み合わせて強力な魔法を作る、クラフティング要素も用意されている。

 強化は通常攻撃、範囲攻撃、バリヤーの各形態ごとに行う形となっており、まずは魔法のベースを選択。これに、どの形態を強化するか決めるShapeと、さらなる強化内容を決めるAugmentを組み合わせれば完成。これを炎の通常攻撃用だったら炎の通常攻撃に、氷の範囲攻撃用だったら氷の範囲攻撃に装備して使う。レアなパーツが手に入った時に、どの魔法の強化に使うか考えるのがちょっと楽しい。

 そのほかに、一定条件をクリアーするごとに貰えるポイントを使用して、魔法のベースダメージやクリティカル時の倍率を上げたり、詠唱時間を短縮することなどもできる。

マルチプレイやコンソール移植も検討中

 そんなわけで、敵の攻撃を華麗にいなしながら魔法を撃ち込みまくり、強力な魔法使いになった気分を味わえる本作。コンセプトの面白さは味わえるが、まだアーリーアクセスということもあって、まだまだバグや作りこみが足りない部分も存在するのはご了承頂きたい(言語も英語のみ)。

 例えば原稿執筆時点のバージョンではアンチウイルスソフトにAvastが入っていると動作しないし、道中の途中に出てくるキャラクターにリップシンクが入っておらず、喋っている時も口が開かない。魔法システムの作り込みもまだまだといった感じで、新しい魔法をせっかくゲットしたのに「うーん、氷魔法が強いからそれでいいか」といったことになりがち。せっかくいい雰囲気に作り込んだダンジョンがほぼ完全に一本道だというのもちょっと物足りない。

 そういう部分に目をつぶって、光っているところがあれば先物買いオッケーってな人は、ぜひチャレンジしてみてほしい。今後の検討事項としてマルチプレイの導入やPS4/Xbox One世代のコンソール移植も挙がっているし、もしかしたら大きく化けるかも?
(文・映像・編集:ミル☆吉村)