街作りで資源を確保しつつ、クエストやバトルに挑む

カプコンのパソコン用シミュレーションRPG『百年戦記 ユーロ・ヒストリア』プレイリポートをお届け_34

 中世ヨーロッパを舞台にした、カプコンのパソコン用シミュレーションRPG『百年戦記 ユーロ・ヒストリア』。11月上旬に行われていた先行体験テストのバージョンをもとに、本作の魅力に迫る。

 本作をひと言で表すならば“箱庭シミュレーション”となる。与えられた領地に木材や食糧、ゼニー(お金)など資源を生み出す建築物を設置。時間経過とともに得られる資源を、さらに領土を発展させるために建築物を購入する、バトルでの主役である“英雄”たちの強化に使用するなど、運用・投資していき、戦力を増強していくというのが一連の流れだ。

 強化した英雄はクエストの進行、NPCや他プレイヤーとのバトルに活用することになる。クエストの進行度合やバトルでの勝利、また、そのランキングなどに応じて報酬を得ることができ、それによってさらに領土を発展させ、新しい英雄の入手や強化などを行うことができる。

 なお、建築物を建てる、クエストを進行させるなど、何か行動することに対応したポイントが消費され、ポイントが足りなくなると、その行動はできなくなる。ポイントは時間経過、もしくはアイテム使用により回復する仕組みだ。

 このように限られたリソース(資源やゼニー、ポイントなど)をどのように運用し、領土の発展や戦力の増強に結びつけていくか。このようなマネジメントを楽しめるのが、本作の魅力のひとつといえる。

 もうひとつの魅力は、グラフィックやサウンドも含めた、世界観と雰囲気だろう。本作はいわゆるブラウザゲームに属し、ゲームデータのインストールや高スペックのパソコンを必要とせず、会員登録のみで手軽に遊べるタイプのゲームながら、グラフィックやサウンドが非常にリッチ。中世ヨーロッパが舞台ということで、好みは分かれるかもしれないが、細部まで描きこまれた建築物、クラシックをモチーフとしたBGM、多種多様な英雄のイラストには感心してしまうはず。

 街作りにおいては、景観を豊かにする建築物も多数用意されている。バトルそっちのけで、街作りにのめりこんでしまうプレイヤーがいてもおかしくはないだろう。

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▲3つの勢力が争いをくり広げるユーロ大陸が舞台。
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▲ゲーム中に表示される肖像画、およびパートナーは自由に選択できる。
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▲建築物の設置時は、領土にグリッド線が表示される。
▲建築物の設置時は、領土にグリッド線が表示される。
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▲クエストや“英雄酒場”(くじ引き)などで入手した英雄は、5人ひと組で編成する“兵団”の一員として活用。
クエストのほか、他プレイヤーとのバトル“百年戦争”用の兵団など、各コンテンツ専用の兵団を用意する必要がある。

●それぞれの要素について解説

 ここからは、本作を構成する要素ごとに、解説を加えていこう。なお、バランス面や細部の仕組みに関しては、今後大きな調整が施される可能性が高いため、本稿では言及を避けている。詳しいゲームシステムについては、公式メンバーサイトなどを参照してほしい。

【内政】
いわゆる街作り。多種多様な建築物を設置していき、資源の獲得量を増やしていくことが第一の目的となる。ただ、先述したように、景観用の建築物も複数用意されており、見た目を重視した街作りにも挑める。ピサの斜塔、ロンドン塔など実在する歴史的な建築物も多数あるため、これらをメインとした景観を考えていくのも一興だろう。また、特殊な建築物をコレクションしていく楽しみもある。

内政用に兵団を編成することもできる。英雄のパラメーターやスキルが、資源の生産量に影響を与えるため、効率のいい富国強兵を目指すなら、知力に優れ、内政用のスキルを持った英雄を入手し、強化していく必要があるだろう。

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▲道に隣接した建築物は生産量が上昇する。また、生産系の建築物は、一括生産、一括収穫に対応。
▲内政用の兵団を編成中。序盤は知力の高い英雄を配置しておけばいいだろう。知力のパラメーターでソートできるので便利。

【バトル】
バトルはクエスト中に発生するほか、イベント“百年戦争”やコマンド“交戦”で楽しむことができる。それぞれのコンテンツ専用の兵団を編成しておく必要があるのは先述した通り。

兵団は3×3のマスに5人の英雄を配置することで完成する。前列、中列、後列と、上段、中段、下段に区分されており、英雄が持つスキルの発動にも影響する。また、各英雄はスキルのほか、戦闘前に必ず発動する“天性”という能力も持っている。スキルと天性のバリエーションは多種多様で、兵団内での組み合わせ、敵兵団や陣形との相性など、さまざまな要素を考慮して選んでいかなければならない。

なお、兵団には支援兵をひとりつけることができる。詳細は不明だが、救護兵、司祭、料理兵といったタイプが存在するようだ。パラメーターとして、効果が発動される列と段が設定されているようなので、自兵団の陣形との相性も重要になるだろう。

英雄自体の基本パラメーター、スキルと天性、支援兵と陣形、片手剣・槍・弓などの兵種、敵兵団との相性などなど、バトルを勝ち抜くためには、考慮すべき要素が数多く存在する。どのような戦術を用いて立ち向かうか、これを考えるのも本作の楽しみのひとつと言えそうだ。

また、特殊なバトルとして、クエスト進行中に遭遇するNPC英雄とのバトル“メレ”が存在。1回の戦闘では撃破は難しく、ほとんどの場合は複数回バトルを仕掛ける必要があり、さらにほかのプレイヤーへの加勢要請も行える。メレ戦でも専用のポイントが消費されるため、いかに手際よく勝利に結びつけられる編成を作り出すか、これもまたバトルの醍醐味のひとつとなる。

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▲ジャンヌ・ダルクが持っていたスキルを紹介。どう活用する?
叱咤激励
発動率:66%(発動:後列待機時)
※自部隊のHPが相手部隊以下なら発動。
自部隊全員の攻撃力が300上昇する(3ラウンド有効)
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▲同じ列にいる英雄が多いほど攻撃力が増す。ただし、範囲攻撃で大ダメージを受けるリスクがあることも考えられる。
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▲“交戦”では、敵の兵団の戦力を事前に確認できる。敗色濃厚なら報酬に関係する連勝を途切れさせないため、回避を選択するのも手。ただし、ゼニーが必要になるので注意したい。
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▲“メレ”で出現する英雄は一定時間が経過すると消滅してしまう。報酬を獲得するため、確実に撃破したいところだ。
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▲敵兵団の支援兵が持つ効果が発動。斜めのラインにいる英雄の攻撃を上げる効果だ。
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▲バトル前に、各英雄が持つ天性の効果が発動する。相乗効果が見込める組み合わせを狙いたいところだ。
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▲条件を満たしていれば一定確率でスキルが発動。その性能はもちろん、発動率も考慮して選びたい。
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▲バトルはターン制。1ターン終わるごとに列が入れ替わり、お互い攻撃を加えていく。なお、バトルの映像はスキップも可能。

【クエスト】
先行体験テストでは、本作オリジナルのストーリーが楽しめる“ストーリークエスト”、歴史上の英雄が登場し、オリジナルの建築物や支援兵などが入手できる“イベントクエスト”、中世騎士道の知識が学べる“騎士道指南”の3種類が用意されていた。

ストーリークエストの道中では、資源が入手できたり、英雄が出現して仲間になってくれることもある。もちろん“メレ”も発生するため、基本的にはどんどん進めていきたいコンテンツだ。ただし、進行にはポイントが必要となるため、イベントクエストの報酬なども考慮し、ある程度絞って進めていくのが賢いやりかたになるだろう。

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▲数多くのエピソードが用意されているストーリークエスト。後半になるほど、道中で出現する敵も強くなるため、兵団を強化しながら挑むことになるだろう。また、アップデートなどで、エピソードもどんどん追加されていくはずだ。

【英雄の成長要素】
英雄はクエストや、各コンテンツの報酬で得られる宝石を英雄酒場で使用することなどで入手できる。それぞれ初期パラメーターは固定だが、スキルと天性は同じ英雄でも異なる場合があるため、新たな英雄を入手するたびに、楽しみがある。

英雄を成長させるには、他の英雄を生贄として数多く消費する必要がある。ゼニーも必要となるため、効率的な成長には資源と宝石の確保は欠かせない。つまり、領土の発展やメレ、クエストも合わせて行っていく必要があるわけだ。

英雄を成長させ、上限レベルまで達すると、さらなる成長のため、“進化”を行わなければならない。これには同一の英雄が必要となるため、レアな英雄は初期能力が高いが進化させにくく、複数入手できる英雄ほど、進化自体はさせやすいという仕組みのようだ。

各スキルは、ほかの英雄に継承させることも可能。もちろん継承失敗という事態もあるので、理想のスキル構成を持つ英雄を生み出すには、相応の労力と時間が必要になる。しかしその分、イラストの美麗さやバリエーションも手伝って、育てた英雄への愛着は、深いものになるのではないだろうか。

なお、各パラメーター(体力・攻撃・防御・知力)は、特定のアイテムを使用することで、個別に上昇させることができる。初期パラメーターが低い英雄でも、アイテムを多く投入すれば、一線で活躍できる英雄に育て上げられるはずだ。

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▲英雄の詳細画面。スキルや天性で攻撃向きか防御向きかを判断するといい。“成長”という要素も気になるところだ。
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▲“成長の祝福”を生贄にすると英雄を一気に成長させられる。貴重なものになることが予想されるため、使いどころには注意したい。
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▲英雄酒場では新たな英雄と出会うことができる。使用する宝石によって、出会える英雄の傾向が異なるのだ。

●正式サービスは12月19日開始予定!

 現在は12月19日の正式サービス開始に向け、先行体験テストの結果のフィードバックなど調整が続けられている。先行体験の段階ではあるが、同社の『鬼武者Soul』の開発や運営で蓄積されてたノウハウが十分に反映され、非常に遊びやすくなっていると感じられた。今後は、本作ならではの楽しさや魅力がさらに打ち出されていくはず。これからの展開に注目してほしい。